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社長室通信 -特別号-

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根岸常務による、増田社長へのインタビューを実施しました

2025年6月25日、増田社長が退任し、根岸常務へ代表執行役社長のバトンが手渡されます。
交代直前の2025年6月3日、根岸常務から増田社長へインタビューをおこない、これまでの出来事を振り返りながら、将来への期待についてお話しいただきました。

増田社長と根岸常務

これまでを振り返って

根岸常務
増田社長が2020年初頭に就任されてから、これまで約5年半の間にさまざまな課題を乗り越えることで日本郵政グループの成長を大きく促進されてきました。振り返ってみていかがでしょうか。
増田社長
社長就任時は、まず日本郵政グループにおける民営化の推進が大きなテーマであり、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の持株比率を50%以下に引き下げること、そして、日本郵政自身の政府持分を法律の下限である3分の1まで下げることを目標としました。当初は3年程度でこれらを達成する予定でしたが、コロナ禍による市況悪化もあり、最終的に5年をかけてこれらの目標を達成できました。
対談の様子
根岸常務
コロナ禍だけでなく、さまざまな社会情勢の動きがあり、難しい状況の中での挑戦だったと思います。
増田社長
また、30年近く据え置かれていた郵便料金の見直しを行いました。コストが上昇する中で、サービスの対価を適正化することは経営者として必要な判断であり、投資家からも期待されている内容でした。料金引き上げを機に、お客さまにとってより便利にご利用いただけるよう、サービス内容の見直しを進める大きなきっかけにもなったとも思います。
先日、知り合いからかなり分厚い本をスマートレターで送ってもらったのですが、全国どこへでも一律210円で送ることでき、改めて便利だと実感しました。
根岸常務
当グループは、商品・サービスについてPRがまだまだ不足している部分があるように感じます。便利な商品・サービスの内容を、より効果的にお客さまへ伝えていきたいと考えています。
増田社長
加えて、郵便局の立地特性を活かした不動産事業の強化も重要な課題でした。第4の柱として不動産事業を成長させたいと考え、賃貸を中心とした長期的な収益源として育てる構想を持って開発案件を進めてきましたが、昨今の建設コスト高騰もあり、多少抑えざるをえない部分もありました。
根岸上部
根岸常務
不動産分野においては、耐用年数を考慮すると局舎の建て替えも必須となるでしょう。中長期的な未来を見据えて、局舎の建て替えと併せて不動産開発を進めたいと考えています。
特に、私が東海支社長だった際には、今後の荷物増加戦略を踏まえると喫緊で施設キャパシティの確保が必要でした。増田社長をはじめとして、日本郵政からも視察にお越しいただきましたが、新施設への移管などご対応いただいて非常にありがたかったです。
このように、本社と支社、フロントラインでコミュニケーションを適切に行い、実態に合った判断をしていくことが今後も重要ではないでしょうか。
増田社長
増田社長
そのとおりだと思います。物流ネットワーク強化の面では、DXにより効率的になる作業もある一方、人に頼らざるを得ない業務もあります。人手不足は日本全体で問題となっており、当グループも例外ではありません。解決策として、例えば、外国人雇用も視野に入るかもしれません。
根岸常務
併せて、ベテランの経験と知識を活かすことも課題だと感じています。長く働いていただける社員には、今後も積極的に日本郵政グループの一員として力を発揮していただきたいです。

郵便局の新たな役割

根岸常務
地方創生に関連して、郵便局で課題に感じていることがあれば教えてください。
対談の様子
増田社長
地方創生会議だけでなく、半島振興法などの法律の中でも、郵便局が「地域のコミュニティ拠点」として位置付けられるようになりました。従来の郵便・貯金・保険業務の枠組みを超えて、さまざまな領域で郵便局への期待が高まっています。自治体と連携しながら地域のニーズに合わせた営業形態・勤務形態でその期待に応えていけるとよいでしょう。また、当社のLCI(ローカル共創イニシアティブ)のように地域コミュニティに飛び込み、地域の皆さんと協力して課題解決のアイデアを考えることも一手です。
根岸常務
地方創生を担当する社員は、基本的に日本郵政と兼務することになっています。アイデアを1つ加えるだけで施策が円滑に進むこともあるため、地域ごとの課題を理解し、それに合わせて検討することが大切でしょう。今後、さらに業務の幅が広がると予想されるため、柔軟性を持てるようにしていきたいです。
増田社長は、さまざまな地域のフロントライン訪問をされていましたね。
増田社長
就任直後はコロナ禍であったため、積極的な訪問ができず残念でしたが、2022年頃から訪問を本格化させ、離島や遠隔地も含め、それぞれの地域の特徴に触れることができました。本社を通じて聞く話は手触り感が少なくなってしまいますが、現地に行き、社員の皆さんからリアルな声を聞くことで細かな課題を実感できました
全国各地にさまざまな郵便局があり、雇用創出の場にもなっています。今後は道の駅への出張など、できるだけ会社の外へ出て、地域とのつながりを作りながら新たな役割を作っていけるとよいと思います。
  • 江見駅局
  • 神戸中央局
  • 横須賀局

新たな成長のステージに向けて

増田社長
最も重い課題として残ったものは、企業風土の改革だと思います。昨今の不適正点呼問題は、日本郵政グループにとって重大な問題であり、日々の業務の慣れを当たり前とせず、ひとつひとつ改善していくことが重要です。
支社長経験者が会社のトップに就任するのは初めてです。根岸さんには、本社からのメッセージの受け止められ方や、フロントラインの感じ方などの経験を活かして、グループのかじ取りをおこなっていただければと思います。
根岸常務
支社長に就任してから、本社の意図を現場に正しく伝える難しさや、現場の実情を理解することの重要性を実感しました。東海支社では、フロントライン社員と直接コミュニケーションを取る機会も多く、本社とは異なる視点で組織を見ることができたと思います。
今後、増田社長が築いてきた基盤を基に、日本郵政グループ各社とも連携しながら、グループの総合力を最大限に発揮して新たな価値を創造し続けていきます。本日はありがとうございました。
集合写真

今後は、日本郵政グループ役員・社員と根岸新社長との意見交換会を定期的に行ってまいります。
開催模様については、随時発信していきますので、ご注目ください。