社長室通信
Vol.47
4月28日(木曜日)、増田社長とグループ本社社員との意見交換会を開催しました。
各社の人事部門の社員4名が参加し、「働きやすい職場づくりにおける現状と課題」というテーマで意見を交わしました。
社員からの主な意見
- 制度は充実しているが、現場にあまり知られていないのが課題。育児休業等、他社と比べても充実した制度があることを、内外にアピールしていきたい。
- 男性の育児休業取得の推進については、会社が取得しやすい風土を作っていくことに加え、育休期間の長期化や、育休取得者が休業中に主体的に育児に取り組むことが必要。経営層からもぜひ、取得を呼びかけてほしい。
- 単身赴任は社員にとって負担が大きい。郵政グループは拠点が多いので、サテライトオフィスの環境を整えれば、単身赴任の負担を減らし、パートナーの転勤などにも柔軟に対応しながら働き続けられるのではないか。
増田社長からのコメント
- 人事制度は整っているが、運用の面で問題があると理解した。処遇については、給与の金額面が目につくが、例えば社宅や家賃補助なども企業によって異なるので、単純に金額だけで比較することはできない。また、休暇や休業の取りやすさなども働く上で重要な要素。
- 男性育休について、期間や質が大切という指摘はまさにそのとおり。男性の育児参加と、第二子以降の誕生には明確な因果関係がある。男性社員に1か月以上の育休取得を義務づけ、評価されている企業もある。
- 実は単身赴任は他国では滅多に見ない制度。とはいえ、現実的にはすぐに無くすことは難しいので、しっかり手当を措置していかなければいけない。テレワークなどの労働環境を整えたり、エリアを限定したりといった工夫を凝らし、社会全体として徐々に解決していく必要がある。
- 新卒一括採用で終身雇用というのは今の時代に合っていない。転職者を温かく迎え入れるとともに、一度離職した社員が戻って来られるようにすることも必要。企業の事情も変わってきているので、働き方は柔軟に考えていくべき。
社員からの主な意見
- JP ビジョン2025に掲げる「社員の人材力アップ」に向けて、人事評価を上手く活用できないか。人事制度は充実しており、リモートワーク体制も整ってきているが、これに加え「働きがい」が高まれば良いと思う。働きがいが高まれば社員の意欲も向上し、意欲が向上すれば能力の向上も期待できる。
- 研修、資格、表彰、処分など様々なデータは存在するが、有機的に繋がっていないので、人材の配置等に活用できていない。今ある情報をデータ化して、分析できる体制を整えることが重要だと思う。
- 人事評価における人材育成のウエイトを高め、管理者の目標の何割かを育成に特化した項目にすれば、社員を育てる体制の強化に繋がるのではないか。
増田社長からのコメント
- 人事関連のデータがバラバラで蓄積されていないことについては、私ももったいないと思っており、何とかできないかと検討している。
- 紙に書いた人事評価はいずれ消え去ってしまうと思うので、まずはしっかりデータ化していくことが重要。
社員からの主な意見
- 働きやすい職場づくりのためには、上司・部下のコミュニケーションが取りやすいことが第一だと思う。ゆうちょ銀行では、月1回10~30分程度、上司と部下で1on1の対話をしている。長期的には改善に繋がる一手になると思っている。
- 民間他社の方と仕事をする機会があるが、そこでは仕事の取り合いが起きている。当社の人事評価にも組織貢献加点があるが、あまり使われていないのが現状。もう少しライトな形で、仕事を積極的に取りに行く姿勢が評価される仕組みがあればよい。
- 他社では、社内アンケートや他部署の試作品へのフィードバックをすることで評価に繋がっていく仕組みがある。他部署の取り組みに興味を持つきっかけになり、フィードバック等を通じて、人脈も広がるので非常に良い取組みだと思う。
- 同じ環境に居続けると、閉ざされた世界で知識も偏ってしまう。現在は人事異動のハードルが非常に高いが、もう少し流動的にローテーションして、社員一人ひとりが人事異動を身近なものとして考えられるようになれば、新たな知識を得たり、外の世界に目が向けたりするようになると思う。
増田社長からのコメント
- ゆうちょ銀行で実施しているという、部下が主役で上司が聞き役になる1on1はとても良い取組みだと思う。
- 人事評価に関しては、頑張っている社員が報われるよう、しっかりとメリハリをつけて評価をして、社員の働きがいやモチベーション向上に繋がるよう運用していくべき。
参加者の感想
- 会議室に入った際には大変緊張しましたが、増田社長のご意見を伺うことができたうえ、各社の取り組みについても勉強させていただき、とても有意義な時間となりました。本日の経験を今後も業務や自己研鑽に活かしていきたいと思います。
- 増田社長がおっしゃった「人事部門こそ、外に目を向け、過去ではなく未来を意識してほしい」という言葉が、非常に胸に刺さりました。今後も日々の業務の中で、本日のみなさまとの話を心に留めながら、業務に邁進していきたいと思います。
意見交換会を振り返って
(増田社長)
- 社内外のことをよく知っていないと、人事の仕事は上手くいきません。会社全体の業務や組織の状況、課題などを踏まえて、今後を先読みして人を当てはめていく必要があります。人事部門には、会社が現在から将来に向けてどう変わっていくのかをよく見てほしいと思います。
- 例えば、ダイバーシティについてはこれから更に範囲が広がっていくので、そのために今何をすべきかを考えなければいけません。ぜひ、率先して将来に目を向け、興味を持って仕事に取り組んでいってください。
- 本日は色々と参考になるお話を聞かせていただきました。提起された問題・課題については私もしっかり検討していきたいです。
今後も日本郵政グループ社員と増田社長との意見交換会を定期的に行ってまいります。
開催模様については、随時発信していきますので、ご注目ください。