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社長室通信 Vol.82

社長室通信
Vol.82

意見交換会を開催しました

11月27日(月曜日)、増田社長とグループ本社社員との意見交換会を開催しました。
日本郵政と日本郵便においてDX関連施策を担当する社員4名が参加し、「DX戦略における課題とあるべき姿」というテーマで意見を交わしました。

社員からの主な意見(DX各施策の現状)

<日本郵政における現状>
  • 日本郵政グループにおけるDX施策の企画と推進のため、各社の検討状況を洗い出しているところ。日本郵政から各社に対する横串調整や、部分最適になっている施策の見直しをしつつ、UXの向上、AIの活用といった打ち手の検討をしている。グループUXガバナンスについては、ユーザー目線での検討が道半ばであると感じている。
  • 加えて、アプリやサービス、システムが各社でそれぞれ部分最適されていることに課題感を持っている。各社が一丸となってお客さまに価値を提供する必要がある。そのため、担当業務では、各社ばらばらに提供することによるムダ・ムラが発生しないように動いている。
<日本郵便における現状>
  • 現在進めている施策の1つが、デジタル発券機の導入。デジタル発券機と郵便局アプリとの連携により、来局せずとも発券でき、混雑状況の見える化ができるため、お客さまに対してお待たせしない環境を実現できる。また、郵便局の社員にとっても次の取扱業務の内容がわかることから、心理的負担の軽減にも貢献すると考えている。
  • もう1つの施策例として、2023年11月にリリースされた郵便局アプリ。リリース後は、コールセンターやアプリストアの評価などから得られる意見や状況を日々把握し、使いにくい点を改善している。
  • また、郵便局アプリのリリースに伴い、既存アプリの統合を行っている。SNSを見ていても、「アプリがこんなにたくさんあったのか」「一本化されるとよい」という意見もあるので、お客さまの声を踏まえながら引き続き統合を進めていく。加えて、新機能も検討している。今回は日本郵便の受け取る・送るといった機能を中心に郵便局アプリに追加したが、本アプリはグループのプラットフォームアプリという位置づけであるため、今後に向けてゆうちょ銀行・かんぽ生命のサービス搭載について検討している。

日本郵政グループ 本社社員

増田社長からのコメント

  • DX戦略やデジタル化を検討するなかで、単に仕事の手段として、紙をデータに切り替えるという話ではなく、仕事に対する本質的な考え方の変化に迫っていってほしいと考えている。
  • 長い時間をかけて培われてきた郵便・物流のような伝統的な仕事においては、DXへのとらえ方はさまざまかもしれない。DX戦略が当社の業務自体を変えていき、それに応じて組織や人材採用の新たな視点につながることを期待している。
増田社長

社員からの主な意見
(DX推進において各自が感じる課題点)

  • DX推進業務にコミットできる人的リソースが少ない。やるべきことが多いが、スピード感を持って対応するのが難しい。これに関連して感じるのは、DX推進業務に専門知識は不要である一方で、最近は若手社員でも慎重な考え方で業務を進める傾向にあること。このようなマインドが、若手ならではのフレッシュな考え方による変化志向に変わるだけでも組織が変わるのではないか。
  • また、本社だけでなく郵便局や支社でも人が足りず、一気に施策を進めるパワーがないと感じている。デジタル化により最終的には省人化になるのだが、アナログからデジタルに切り替えていく際、一時的にはマンパワーが必要であろう。
  • 本社各部との目線の相違を感じる。各部との連携や仕事の方法とも関係するかと思うが、業務が滞りなく動くかを見る部門と、お客さまに提供しているサービスの体験価値・企業価値向上を図る部門とでは、求められる役割が異なる。各部とも、当部の取り組みに対して理解してもらえるものの、メインの役割は業務運行・管理のため、当部の取り組みにリソースが割けないということもあり、このような場合に各部がおかれている目線・ポジションの違いを感じる。

日本郵政グループ 本社社員

増田社長からのコメント

  • 人材不足については、施策の重要度を基にリソースの最適配置をするため、要員を抱えている部の責任者に協力してもらう形で進めていくことになるだろう。組織を筋肉質にしていく過程では起こることだと思う。
  • 社内でのDXへの取り組みについて、既存オペレーションを行う部署から見ると、新しいことをやる部署の提案に対しては受け身的になる。日頃から何のための取り組みか、例えば社員の不満や負担を軽減して、必要な業務に社員を配置するための取り組みである、といった目的を伝えていってほしい。
増田社長

参加者の感想

参加者
増田社長が今後どのようにグループの舵取りをしようとしているのか、よく理解できました。
参加者
会社のトップである社長に対して自分の考えを伝え、それに対するコメントをいただき、仕事のモチベーションアップに繋がりました。
意見交換会の模様

意見交換会を振り返って
(増田社長)

増田社長
日本郵政グループでは、JPビジョン2025でも掲げているように、全国津々浦々にある郵便局ネットワークとデジタル技術を融合させることで、より幅広い世代や地域のお客さまへ新しい価値を提供することを目指しています。
 
現在は、「多くのデータを取得しても、目的に活用できたらそのまま消えてしまっている」といった例がまだまだあるかと思います。お客さまの同意を得たうえでの話ではありますが、これまで取り込めなかったデータへアプローチをして、より高度に・便利にお客さまサービスを提供する環境を構築できると良いでしょう。データ化にあたり、困難にぶつかることもあるかもしれませんが、局前ポストの取集時刻など、みなさんが頑張っていただいたことで、初めてデータ化されたものもあり、みなさんの地道な取り組みに感謝するばかりです。
 
仕事のやり方を破壊的に変えていくのがDXであるため、「担当は苦しいと思うけれどもやり切る」という経営層の強い意思が必要になると思います。体制の充実化を検討するうえでも、現状や改善点について常に報告を心がけていただければと思います。

今後も日本郵政グループ役員・社員と増田社長との意見交換会を定期的に行ってまいります。
開催模様については、随時発信していきますので、ご注目ください。