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社長室通信 Vol.68

社長室通信
Vol.68

意見交換会を開催しました

2月14日(火曜日)、増田社長と日本郵政でコンプライアンスを担当する早川常務(グループCCO)・内部通報制度管理室 伊藤室長が、次のテーマで意見を交わしました。

≪テーマ≫
○日本郵政グループにおけるコンプライアンスの現状と今後の展望
○働きやすい職場づくりにおけるリーダーのあり方

日本郵政グループにおけるコンプライアンスの現状と今後の展望

日本郵政株式会社常務執行役
早川 真崇
  • コンプライアンスの意味は、時代とともに変化してきている。当グループにおいては、「お客さま本位であることも含めてコンプライアンスなのだ」という価値観が既に浸透しているので、今後はこれを「自分事としてシンプルに捉え、社員・役員が実践できること」が、あるべき姿。
  • コンプライアンスの本質は、「会社の経営理念や自身の良心などに照らして正しい行為と言えるかどうか」であり、違和感を覚えた時に、声をあげ、正しく行動することだと思う。私は、2022年7月に策定した「JP行動宣言」を社員・役員一人ひとりがそれぞれの立場で実践していくことで、コンプライアンスも自然と実践できていくと考えている。
  • 私自身も執務室内のよく目につく場所にJP行動宣言のフレーズを貼り付け、それを見ながら「自身の意見や判断がJP行動宣言に沿っているかどうか」を自らに問うようにしている。
日本郵政株式会社
内部通報制度管理室長
伊藤 友理
  • 内部通報窓口は社員のために存在する窓口であると同時に、社員によって支えられている。これがきちんと循環することによって、組織としての自浄作用が働くようになるのではないか。
  • フロントライン社員と会話すると、「今は困りごとが無いが、万一何かあったときに安心して相談できる窓口があると良い」という声が多い。存在自体が日常の安心感や健全さの維持・牽制効果につながっているということかと思う。
  • また、自分の周りで困っている社員を放っておけず「何とかしてほしい」という相談・通報をする社員が増えている。他人事と思わず、声をあげるという意識が浸透してきていると感じる。
  • 声をあげることは勇気の要ること。声をあげられない社員もいると思うので、当室としては今後、受動的ではなく能動的に、こうした社員のためにご意見を聴きに行きたい。
増田社長
  • お二人のご意見、まさにそのとおりだと思う。今後はより多くの社員に向けて、コンプライアンスの実践をどのように拡げていくかが課題だろう。
  • 先日は幹部を含め階層ごとにコンプライアンス研修を実施いただいたところ。ぜひこのような機会を継続して設けてほしい。
増田社長

ピックアップQ&A ①疲れ知らずのコンプライアンス実践、その秘訣に迫る

増田社長
  • わがグループにとっては、コンプライアンスを、息を吸って吐くのと同じくらい当たり前に実践している状態が理想です。
  • しかし一方で、「コンプライアンス疲れ」という言葉もありますよね。グループ全体としてコンプライアンスの実践を継続するには、どのような工夫をすべきでしょうか。
増田社長
日本郵政株式会社常務執行役 早川 真崇
  • 「コンプライアンス疲れ」を回避するためには、コンプライアンスに関する手続や施策に関して、社員の負担感を解消すること、また、社員をサポートするという視点を持つことが必要だと思います。
  • 部内犯罪等の信頼を阻害するような事象をきちんと無くしていくためには、コンプライアンス・リスク管理の高度化が大事です。これらはしっかりとリスクベース・アプローチによる適切な管理を行い、過剰な統制やチェック体制とならないよう注意しなくてはなりません。
  • 私は、「お客さまや地域・社会から信頼いただき、日本郵政グループの経営理念の実現と持続的成長の基礎となる経営基盤を確立し、企業価値の向上を図ること」が、真のコンプライアンス経営だと考えています。
  • コンプライアンス経営の推進は、お客さまに信頼され、社員一人ひとりが安心・安全に仕事に取り組めるようにするために不可欠なのだと思います。
増田社長
  • なるほど。コンプライアンスはグループを統制するだけでなく、「お客さまとの信頼関係を構築し、社員の働きやすさを後押しするためのもの」と捉えるべきなのですね。
増田社長
日本郵政株式会社常務執行役 早川 真崇
  • そのとおりです。コンプライアンスに関する手続や施策が多すぎては、社員の負担感は増してしまい、「やらされ感」が生じてしまいますよね。
  • 私たちは今、コンプライアンス施策の棚卸や、フロントラインの負担軽減に取り組んでいます。リスクを低減する効果等の有効性が確認できないものや、過剰な施策はできるだけ集約・統合・廃止等の見直しを行っていくことで、社員の働きやすさにつなげていきたいと思います。

働きやすい職場づくりにおけるリーダーのあり方

日本郵政株式会社常務執行役
早川 真崇
  • 私は「To Be像」、つまりあるべき姿を意識すべきだと思う。その上で、できない理由を考えるのではなく、短期的・中長期的それぞれの視点で「どうやったらできるのか」を議論したいと考えている。
  • コンプライアンス部門責任者として感じるのは、全体最適の視点で、つまり「経営の意向を踏まえて、フロント目線で会社全体のことを考えたとき、何をすべきか」を考えるべきではないかということ。
  • そこで、グループコンプライアンス委員会では、再発防止策等の改善計画の進捗状況の共有から一歩踏み込んで、「部内犯罪や不祥事をどう予防し、どう早期に発見するか」を議論するようにした。各社の若手社員による検討も行っている。こうした活動を通じて、グループ各社が連携し、共通の課題に対して同じ方向を目指し取り組むという意識が深まっていると感じる。
  • コンプライアンス部門の社員には、「日本最大のグループ企業における最も調査能力に秀でた組織なのだと、誇りをもって取り組んでほしい。」と伝えている。私自身も新しい課題を発見しそれに取り組むという前向きな姿勢で仕事に臨んでいる。
日本郵政株式会社
内部通報制度管理室長
伊藤 友理
  • 制度改善に向けた取組は、規程類の改正なども伴う調整が多い難しい仕事なので、プロジェクト単位で活動している。当室で特徴的なのは、出向者とプロパー社員が半々くらいの組織だということ。それぞれの強みを活かし、協力してチームの力を発揮することを目指している。
  • また、内部通報制度管理室長として、室での安心感を醸成するために、自分自身が前向きな言動を見せるようにしている。
  • 通報に対応するという仕事はネガティブな印象が強い。コーディネーターには「社員に怨まれるのでは」という恐怖感が、通報者には「相手がわからないまま相談しなくてはならない」という不安がある。
  • 各地の社員との対話で得た感謝の声を担当者と共有することで、通報対応へのネガティブな印象を覆し、「意義のある仕事である」というポジティブな印象へ変えていきたい
増田社長
  • お二人が真摯な姿勢で、グループ全体のコンプライアンスのレベルの底上げに取り組んでくださっていることが伝わってきた。感謝申し上げるとともに、これからも気になる点等あれば声をあげていただきたい。
増田社長

ピックアップQ&A ②学びの輪を広げたら見えてきた、「ちょっといいこと」

日本郵政株式会社常務執行役 早川 真崇
  • 昨年に受けた新任役員研修では、グループ各社の他の役員とのつながりができたことが非常に有益だったと感じました。
  • 内容も良かったので、ぜひミドルマネジメント層にも体感してほしいと思い、部内の管理職社員に研修で学んだことを共有しています。
増田社長
  • つながりは大事ですよね。私も着任早々コロナ禍に見舞われ、役員同士のコミュニケーションが少なかったので、早川さんのお気持ちはよくわかります。
増田社長
日本郵政株式会社常務執行役 早川 真崇
  • その後、部内のミドルマネジメント層とは、マネジメント力向上策を議論する場を設けるようにしました。
  • 週次で議論しているのですが、これまで業務や案件を通じてしか接点のなかった社員のパーソナリティに触れ、それぞれの仕事のスタイルも見えてきました
  • こうした取組みは、リスキリングの意味だけでなく、円滑なコミュニケーションを取るうえでも有効だと感じています。
増田社長幸
  • それは興味深いですね。組織や人のいろいろな面を見るためにも、ぜひ今後もそのような機会を増やしていってください。
増田社長

意見交換会を振り返って
(増田社長)

増田社長
早川さんや伊藤さんをはじめとするコンプライアンス部門のみなさまのご活躍で、わがグループのコンプライアンス体制は格段に強化されたと感じています。
しかし、巨大な組織のなかで、間違いは必ず起こるもの。なぜなら組織は人でできていて、ヒューマン・エラーを無くすことはできないからです。肝心なのは「いかに早い段階でリスクの顕在化を防ぐか」です。その意味で、内部通報制度はわがグループにとって非常に重要な仕組みだと言えます。
これからも、内部通報制度の活用やコンプライアンスの実践を通じて、社員の誇りが傷つかないように守っていかなくてはなりません。コンプライアンス経営にゴールはなく、不断に続けていくべきものなのだと受け止めています。

今後も日本郵政グループ役員・社員と増田社長との意見交換会を定期的に行ってまいります。
開催模様については、随時発信していきますので、ご注目ください。