社長室通信
Vol.90
6月27日(木曜日)、増田社長とグループ社員との意見交換会を開催しました。
ローカル共創イニシアティブ(以下、LCI)による派遣を経験した社員7名が参加し、「LCIの活動で得た経験、日本郵政グループの強みや課題を踏まえた、共創プラットフォームとしてのあるべき姿」というテーマで意見を交わしました。
ローカル共創イニシアティブ(LCI)について
≪概要≫
- 「ローカル共創イニシアティブ」(Local Co-creation Initiative、通称:LCI)は、公募により選出されたグループ会社本社に所属する若手および中堅社員を、2年間、社会課題に先行して取り組む地域において、経済の活性化、関係人口の創出、自治機能の維持・向上などに資するサービスに精力的に取り組んでいるベンチャー企業や地方自治体に派遣することにより、新規ビジネスなどの創出を目指すために2022年4月から開始したプロジェクトです。
社員からの主な意見(LCIの活動で得た経験)
- ベンチャー企業は大企業に当然あるアセットがないことから難しいこともある一方、一人ひとりの権限や責任が非常に大きく、チャレンジできる土壌があると思う。
- 派遣を通じ、地方創生における先行モデルは「地域の維持」を目指して「地域の盛り上げ」をやっているパターンが多いと感じた。そして、地域を盛り上げるためには、「その地域の全責任を負う」という覚悟のあるゼネラルパートナーが必要。
- LCI活動をするなかで、地域の方は自分たちの今の生活をどう守っていくかを真剣に考えていると感じた。重要なのは攻めの取り組みより、守りの取り組みであり、守りの姿勢は決してネガティブな考えではないと感じた。
社員からの主な意見(日本郵政グループの強みや課題を踏まえた、共創プラットフォームとしてのあるべき姿)
- 日本郵政グループの強みは、人材の多さ・厚さに加えて、日本全国という広いフィールドにある。共創プラットフォームとして、今後は日本郵政グループ内外にかかわらず企業と地域をつなぐ「つなぎ役」となるべき。
- 日本郵政グループは、郵便・銀行・保険の三事業を展開するなかで、信頼されているからこそ情報が自然と集まる。共創プラットフォームのあるべき姿として、これらの情報に価値を生み出せるよう、地域のネットワークづくりを行い、それを事業にしていける仕組みとしていきたい。
- LCIは2年間という期間限定ではなく、長い時間軸でローカルベンチャーと関わり、共に更なる発展を目指して、非財務的な要素も含めた新しい価値を測る指標づくりからチームで伴走するような仕組みや体制が必要と感じる。
- 共創プラットフォームとして日本郵政グループが提供できる資源をより具体的に提示することで解像度の高い提案に繋がると思う。リスクを取る判断も含めて小さな種を多く蒔き、柔軟に検討関係を続けることが将来的に成果を結ぶのではないか。
増田社長からのコメント
- 地方創生にあたり、外から地域に入り込むには、まず地域のみなさまの信用を得る必要がある。郵便局であればすでに地域にとって身近な存在であることから入っていきやすいというメリットがあると思う。
- 一方で、地域で事業を行うとなるとどうしても小規模となる。また、消費型経済ではなく、循環型経済となることも多く、大きな収益は見込めないが、そういった小さな取り組みを積み上げていく必要がある。
- LCIの取り組みが収益だけでなく、非財務領域へどう影響しているのか、現在各地へ派遣しているLCI2・3期生が戻ってくるまでに指標化することが大切。社会全体の動きとして、非財務領域のような数値化できない分野でも可視化され企業価値として評価されるようになってきている。LCIの活動もしっかりと評価することで、郵便局に対する地域の期待感も高まるだろう。
参加者の感想
- 増田社長のお話を聞いて、企業価値向上ためには収益財務だけでなく、非財務の部分においてもどのようにコミットして、それを数値化・見える化していくかなど、トータルでのイノベーションが重要であるのだと理解しました。
- それぞれが述べた「共創プラットフォーム」に対する意見に、真摯にお答えいただけたことが嬉しかったですし、今後も続いていくであろうLCIがよりブラッシュアップされていくという期待感が生まれました。ともすれば、こういった新規の取り組みは、早期に結果が出づらく早々に終了になる傾向がありますが、LCIに対する社長の想いもお聞きすることができて本当によかったと思います。
意見交換会を振り返って
(増田社長)
- 地域にビジネスとして参入すると、ボランティアのようにやめることはできず責任が伴います。地域の方々もLCIによる派遣者が退路を断つ覚悟できているのかを見ているでしょう。LCIで派遣される方には、熱意を持って地域の中で持続的に役割を果たしていただきたいです。
- 当グループには全国津々浦々に郵便局のネットワークがあり、さまざまな情報が集まります。そういった情報を活用し、地域との接点を作っていくことで「地域の信頼できるパートナー」となれるとよいでしょう。
- ローカルベンチャーも環境によって状況は大きく異なるでしょうが、少ない人数の中、自身で資金調達や営業をするといった経験は大変貴重です。LCIで派遣されている方々には、大きな組織に寄りかからない経験をしてもらいたいと思っています。また、当グループとして副業・兼業も進めているので、そのような制度も活用しつつ、LCIを経験された皆さんが引き続き地域と関係を持ちながら尽力してくださることを期待しています。
今後も日本郵政グループ役員・社員と増田社長との意見交換会を定期的に行ってまいります。
開催模様については、随時発信していきますので、ご注目ください。