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社長室通信 Vol.61

社長室通信
Vol.61

意見交換会を開催しました

11月8日(火曜日)、増田社長と日本郵政で新規ビジネスを担当する砂山執行役が、次のテーマで意見を交わしました。

≪テーマ≫
○日本郵政グループにおける新規ビジネスの現状と今後の展望
○働きやすい職場づくりにおけるリーダーのあり方

日本郵政グループにおける新規ビジネスの現状と今後の展望

  • 11月から新規ビジネスを担う新しい組織として事業共創部を発足した。事業共創というのは「共に創り上げる」ということ。社内外を問わず、いろいろなアイディアを持ち寄り、それを共創プラットフォームに載せることで収益化していくのが、私たちのミッション。
  • 共創プラットフォームを活かした新規事業の検討・推進には、グループの最大の強みである全国津々浦々にある郵便局を活用していきたい。「親しみやすさ」や「人のあたたかみ」といった郵便局がもつ「信頼感」を活かしたうえで、お客さまのニーズに寄り添えるようなパートナー企業と組むメリットは大きい。
  • 現在注目している分野は再生エネルギーを含む不動産領域・地方活性化・地図の高度化、そして郵便局の「よろず相談窓口化」。よろず相談窓口というのは、郵便局としてあるべき姿の一つだと思っている。
日本郵政株式会社執行役
砂山 直輝
  • パートナー企業が郵便局に期待する機能は、主に6つ。①場所を貸す、②運ぶ・預かる、③決済する、④売る・紹介する、⑤相談に乗る、⑥身近に存在する。
  • そのような中、デジタル化には大きな期待をしている。デジタル化の推進により、売る・紹介する・相談に乗るといったことや、「身近に存在する」という価値をより活用できるようになる。
日本郵政グループの取組領域(イメージ)
  • 日々の何気ないお声掛けで心を通わせている方々からすれば、「デジタル化の推進で、人とのコミュニケーションが失われてしまうのではないか」と不安に感じてしまうのは、ごもっとも。しかし「みらいの郵便局」の開発が進めば、現場は顧客満足に関係のない事務から解放され、社員は本来のホスピタリティをより発揮できるようになるだろう。
  • 社員が本来持つ士気や地域貢献の志、ホスピタリティを発揮し、郵便局が「コミュニケーションの場」となっていくためには「みんなの郵便局別ウィンドウで開く」のような地域イベントを自ら企画すると同時に、そのような雰囲気を大事にすることも必要だと考えている。
共創プラットフォームが提供するもの ①「場所を貸す」機能②「運ぶ」「預かる」機能③「決済する」機能④「売る」「紹介する」機能⑤「相談に乗る」機能⑥「身近に存在する」機能。④⑤⑥はより活用したい価値
  • こうした取組みには「公共性か、収益性か」という議論がつきまとうが、世の中は「モノを売る」というビジネスから「社会課題の解決」へと転換してきている。これは、公共性と収益性が真の意味で両立する時代が来たことを意味する。
  • また、かつての郵政事業の歩みをみると、その変革の熱量やスピード感は相当なもの。日本郵政グループには本来、これだけの規模の改革をやってのけるDNAがあるということ。今がまさに、このDNAを呼び覚ますべき時なのだと思う。「新しいものを磨き上げていく」という、特に士気が問われる組織なので、やる気ある社員を積極的に仲間に引き入れていきたい。
増田社長
  • 「みらいの郵便局」により局員がお客さまと接するための十分な時間を捻出できた暁に、相続等の相談業務ができれば、それこそ郵便局が「身近に存在する」という安心感を生み出せるだろう。
  • こうした取組みと収益のバランスをどう取るか考えると、必然的にハードルは上がってしまう。試行錯誤の繰り返しが必要だと思うが、砂山さんをはじめ事業共創部のみなさんには、積極的に挑戦いただきたい。

ピックアップQ&A ①共創人材の"目利き術"

増田社長
  • 事業共創部は新しいことにどんどんチャレンジしていく組織です。社員が多く集まれば心強い一方で、人員を増やすことで機動力が下がっては本末転倒ですよね。
  • 人材を見極めるにあたって、砂山さんが気をつけているのはどのような部分でしょうか。
増田社長
社員
  • 能力ももちろんですが「組織に合うかどうか」という点が大きいですね。特に、社外とのコミュニケーションに対して積極的でなくてはいけません。
  • たとえば、提携パートナー候補と必ずしも社内でばかり会う必要はなく、先方に会いに行ってもよいのです。社内のルールや価値観に捉われていると、訪問されることが当たり前になってしまい、そこに思い至らない人もいます。そういったところから変えていかなければいけないと思いますし、向き・不向きが表れてくる部分でもあります。
増田社長
  • ローカル共創イニシアティブ別ウィンドウで開くでは、現在8人のグループ社員が現地で活躍していますよね。こうしたグループ外への出向は特に、戻ってきた社員をどうやって育て、活躍させるかが重要です。
  • 私自身も、知事時代に多くの人材を金融・農業・小売業などに出向させた経験がありますが、後のフォローをしっかりと考えないと、うまく先につながりません。なぜなら、外部へ出向させた社員本人が変わったからといって、戻ってきた後の組織が自然と変わるわけではないからです。
  • グループ外で経験を積んだ社員は、今後どんどん増えていくでしょう。ぜひ個人の能力を踏まえ、組織的にも彼らの力を活かせる場を用意してほしいと思います。
増田社長
社員
  • 出向復帰した社員が、古い組織文化に馴染めず辞めてしまうということはあり得ますよね。出向先で大きな手応えを感じた社員ほど、その傾向が強い印象があります。私も過去に目の当たりにしてきたことなので、その大変さはよくわかります。
  • そうならないためにも、送り出した出向元の組織のほうこそ、置いていかれないように変わっていく必要があるでしょう。
  • ローカル共創イニシアティブに手を挙げてくれる社員は、基本的に地域の活性化に興味があり、「地方が好き」という気持ちがあります。これはグループにとって、強力な武器になると考えています。

働きやすい職場づくりにおけるリーダーのあり方

日本郵政株式会社執行役
砂山 直輝
  • グループ外から来た立場として、組織風土・文化を変えていきたい
  • まず、「レビューではなく初動」の精神。与えられたものをチェックするのではなく、自らスターターになること。
  • 次に、「宿題は与えるものではなくもらうもの」だということ。
  • 三つめは、「スピードは正義」。締め切りを「決める・守る・早める」の精神が大切だと思う。
  • 最後はやはり、「コミュニケーション」。「面倒くささ」と「達成」をチームで共有することこそが仕事が楽しくなる秘訣。業務を一人に寄せないよう気を配りたい。
  • 併せて、あたかもトレードオフのように語られている価値観についても変えていきたい。
  • たとえば、「収益性」と「公共性」とは矛盾しないと私は思う。公共性が高いことは、収益を諦める理由にはならないし、足枷と感じる必要もない。
  • 「自由」と「組織力」も、両立できる。自由過ぎて組織力が下がるということは無いし、その逆もまた然りだろう。
  • 「トライ&エラー」と「ガードの固さ」も矛盾しない。ガードの固さ、すなわち「執行を間違えない」というのは日本郵政グループの強みで、過度にスタートアップのやり方に寄せる必要は無い。一方でトライ&エラーとこの強みは対立するものでもないと私は思っている。
  • グループ外から来られて、カルチャーの違いに驚く場面もあるかと思う。
  • 砂山さんが感じている「ガードの固さ」は、「執行を間違えない」という良い側面だけでなく、「組織間の壁」とも言えるかもしれない。徹底した情報管理を前提としつつも、必要なコミュニケーションは欠かさず取るべきだろう。
増田社長

ピックアップQ&A ②リーダーの立ち位置

社員
  • リーダーとして、先頭に立つべき局面と、後ろから見守った方が良い局面があると思います。私としては、新しい組織で、新しいことをやっていくので、なるべく前に出るよう心掛けています。
  • それでも、未だ迷っている部分もあります。最前線で闘うべきか、部下を信頼し、耐えて見守るべきか、常に模索しているところです。増田社長は、リーダーの立ち位置についてどのようにお考えでしょうか。
増田社長
  • 私の場合、「前に出るべきか・見守るべきか」というのは、仕事内容に応じて使い分けています。振り返ってみると、「すべてがうまくいったな」と感じた取組みはほとんどありませんね。だいたいどこかでは失敗していますが、そういった中で、経験値が蓄積されてきたなとも思います。
  • 人事にしても、新しい取組みにしても、持続可能性を考えながらやるのは難しいものです。いろいろな方の話を聴いていくと、誰しもが必ず失敗を経験しています。やはり、失敗を通じてこそ得られる経験があるということなのでしょう。
増田社長

意見交換会を振り返って
(増田社長)

増田社長
外部からの提案として多いのは、やはり郵便局を活用した社会課題解決かと思います。全国にリアルチャネルがあるというのは、それだけ魅力的だということです。
きっと全国各地には、まだまだたくさんの協業・共創の芽があると思います。砂山さんをはじめ事業共創部のみなさんには、日本郵政グループが持つネットワークを駆使し、共創プラットフォームを活用した新規事業により組織的に取り組めるよう、これからも挑戦を続けていただきたいです。

今後も日本郵政グループ役員・社員と増田社長との意見交換会を定期的に行ってまいります。
開催模様については、随時発信していきますので、ご注目ください。