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社長室通信 Vol.66

社長室通信
Vol.66

意見交換会を開催しました

2月2日(木曜日)、増田社長と日本郵政でITを担当する古里常務(グループCIO)・正村常務(グループCISO)が、次のテーマで意見を交わしました。

≪テーマ≫
○日本郵政グループにおけるITの現状と今後の展望
○働きやすい職場づくりにおけるリーダーのあり方

日本郵政グループにおけるITの現状と今後の展望

日本郵政株式会社常務執行役
正村 勉
  • 現在のグループ内ネットワークの入口は「侵入させない」、出口は「通信させない」、内部は「実行させない」という考え方で守られている。そのうえ、さまざまなセキュリティ対策を追加してきたことで、システムが複雑化している。
  • また、局外で活動する社員が使用している端末は、キャリアの閉域網を使っている制約上、業務目的ごとに複数の端末を携行する「二丁拳銃」のような状態になってしまうことが課題。
  • クローズドな環境で守るべきものについては、従来の仕組みを残す。一方で、営業活動などは効率化していく必要があり、今後はタブレットやスマートフォンの活用が更に進んで行くだろう。そういったものは、新しいネットワーク領域に寄せていくことで自由度を高める必要がある。
  • セキュリティには、「できなくする」ものと「できるようにする」ものがある。ブレーキとアクセルをうまく使い分けていきたい。
日本郵政株式会社常務執行役
古里 弘幸
  • 現行のネットワークは、統一仕様によってセキュリティを確保しつつ、内製化とコスト削減にも成功している。しかし、セキュリティを担保しながら外部のシステムと接続するには、どうしても自由度を下げざるを得ない。
  • 社員の多様な働き方にも対応できるように、「自由度の高い外部接続を実現し、業務効率を向上させる」というのが、次世代ネットワークの目指すべき姿。今後、実現に向けて詳細な議論を重ねていく。
増田社長
  • 既存の閉域網によるネットワーク仕様には、使いやすさの向上、攻撃手法の高度化、二丁拳銃の解消などさまざまな課題がある。
  • 各地の郵便局を訪問した際にも、現場の社員等からさまざまなご要望を耳にした。セキュリティを担保しつつも、不断に使いやすさを追い求めていく必要があるだろう。
増田社長

ピックアップQ&A ①「見せない」セキュリティ・「見せたい」変化

増田社長
  • 次世代ネットワークは、より堅牢で強固なセキュリティを担保すべきものと、自由度を高めるべきものとで、使い分けが必要なのですね。働き方の柔軟性がより増していくことがわかりました。
  • 特にフロントラインで活躍する社員が、変化を実感できるものになると良いですね。
日本郵政株式会社常務執行役 正村勉
  • 利用者に「便利になった」と感じてもらうためには、システムを使っていくうえで、セキュリティを「意識させない」ことが大事です。
  • たとえば、グループ会社間のオンライン会議やデータ共有など、本来はシームレスにできて当たり前なのですが、今の環境では十分なグループシナジーを発揮できません。今後は、そうしたグループ会社間の壁を感じないようにしていきたいと思っています。
日本郵政株式会社常務執行役 正村勉
増田社長
  • システム改善の声があっても、多くは対応に時間が掛かりますので、しばらくは現行の仕様で我慢いただくしかありません。しかし「対応に時間が掛かる」というのは、ともすると利用者にとっては言い訳がましく聞こえてしまうこともあるでしょう。
  • 「いつ、どのように変わるのか」を具体的に示すとともに、ぜひ「ITの力でグループ会社間の壁を無くし、より自由で効率的な働き方を実現していく」という熱い想いを、全国津々浦々の社員へと伝えていってください。

働きやすい職場づくりにおけるリーダーのあり方

日本郵政株式会社常務執行役
古里 弘幸
  • 「働きやすい職場」を実現する秘訣は3つある。
  • 強いチームを作るべし。チームで仕事をすることが多いので、チーム全体として強くならなくてはいけない。
  • 失敗力を高めるべし。失敗から学ぶ力を付けてほしい。成功体験ばかりだと、失敗への対応力が身につかない。システムにトラブルはつきもの。どのようにリカバリし、乗り越えていくかを常に考えていかなくてはならない。
  • コミュニケーションを向上させるべし。具体的には、人を知る、相手の気持ちを理解する、表情を見るといったこと。相手を知ることで、相手が望むことに対し自分の行動を変えていけるようになる。
  • 人材育成については、システム構築の実務を経験させることが大事だと思っており、委託先への出向も行っている。開発を委託先へ丸投げするようでは、力はつかない。必ず、一緒になってどうやっていくかを考えることが重要。
日本郵政株式会社常務執行役
正村 勉
  • 働きやすさは人それぞれだと思うが、大きく分けて3つあると考える。
  • 居心地のよさ。仲間がいて、雑談を含め会話できる、意見を聴いてもらえるというのがキーワード。自分の意見が必ずしも実現しないとしても、聴いてもらえるだけでも、言ってみようという気持ちになれる。
  • 仕事を認められる。結果に責任が伴うことは前提として伝えつつ、部下に裁量を与え、結果に対する公平な評価を与える。また、「作業を押し付ける」のではなく、「課題に対し挑戦する」という仕事のやり方は、働きやすさを醸成すると思う。
  • ③ 目的のない仕事はやる気が出ないもの。アウトプットを「誰かが待っている」ということを明確に認識してもらうことが大事。誰のための仕事なのか、自分の仕事は結果的に役に立っているのか、といった部分がやりがいにつながる。感謝が見える・感じられるようになると、働きやすい職場になるのではないか。
  • このほか、新しいことに挑戦できる・楽しい・自ら考えて行動できる・外の空気を感じられるといったこともポイントかと思う。私自身、行動で示そうと思っており、苦労しつつも楽しんで仕事する姿を見せるようにしている。
増田社長
  • システム部門は特殊な組織だと思われがちだが、組織が人で成り立っている以上は同じで、さまざまなタイプのリーダーがいる。お二人は率先垂範的なリーダーと思うが、中でも説き伏せながらの率先垂範と、背中を見せるタイプという個性があるとわかった。
  • システム分野の人材はデスクワークがメインかと思う。特にここ3年で入社した社員は、コロナ禍でコミュニケーションが不足していないか心配。中間管理職層が部下に背中を見せようにも、テレワークでよく見えてこないといったこともあるだろう。こうした社員に気を配ってほしい。
増田社長

ピックアップQ&A ②ITスキル「だけじゃない」、強いチームを目指して

日本郵政株式会社常務執行役 古里弘幸
  • 今後入社する社員はある程度のITリテラシーを持っていると思われます。これからどんどん、ITは特別なものではなくなっていくでしょう。時代に置いていかれないよう、郵政グループ全体のIT力を底上げしていく必要性を感じています。
日本郵政株式会社常務執行役 古里弘幸
日本郵政株式会社常務執行役 正村勉
  • 一方で、中間管理職層が若年層よりもITのスキルが低いことに引け目を感じて、リーダーシップを発揮し切れていないのではないかと心配になる時もあります。しかし、コミュニケーションはITスキルが無くてもできるので、ITスキル以外のマネジメントスキルを発揮してもらえれば良いと思っています。
日本郵政株式会社常務執行役 正村勉
増田社長
  • いまの働き方は、昔と比べて多様化・高度化してきています。中間管理職層にとっては、部下との接し方が難しい面もあるでしょう。ただ、「わかったふり」をしていると、いずれ辛くなるのは自分自身です。
  • 権限委譲というと大げさかもしれませんが、ある程度はメンバーに「任せる・委ねる」といったことも必要です。リーダーが「任せる」と言ってくれたほうが、メンバーが力を発揮しやすくなって、新しいことに挑戦しやすい環境を創り出せる場合もありますからね。
日本郵政株式会社常務執行役 古里弘幸
  • IT活用が不得手な社員は、チームをどう運営していくか、メンバーと意見を出し合ったほうが、結果的にはチームとして動きやすくなるかもしれませんね。
  • さまざまな特性や背景を持つ社員たちが、活き活きと働けるように、私たちも精一杯サポートしていこうと思います。
日本郵政株式会社常務執行役 古里弘幸

意見交換会を振り返って
(増田社長)

増田社長
システム部門は外から見えにくいですが、ユニバーサルサービスを担うわがグループの安定的な業務運行を支える、要となる組織でもあります。ひとたびトラブルが起きれば、全国の郵便局とそのお客さまに影響するため、重大な役割を担っているといえるでしょう。
2023年は、大規模なシステム更改プロジェクトが輻輳する、わがグループにとって山場となる年です。お二人には、気を引き締めて挑んでいただきたいと思います。
次世代ネットワークを通じた新しい働き方の実現には、とても期待しています。都市部や大規模局だけに留まることなく、全国津々浦々にある大小さまざまな郵便局に、変化の波をしっかりと行き渡らせてほしいと思います。

今後も日本郵政グループ役員・社員と増田社長との意見交換会を定期的に行ってまいります。
開催模様については、随時発信していきますので、ご注目ください。