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社長室通信 Vol.41

社長室通信
Vol.41

意見交換会を開催しました

3月4日(金曜日)、増田社長とグループ本社社員との意見交換会を開催しました。
各社の女性管理者4名が参加し、「女性活躍やダイバーシティ推進における課題とあるべき姿」というテーマで意見を交わしました。

社員からの主な意見

  • 「ダイバーシティ」というと、「女性の問題」と捉えている社員もまだ多い。何のためにダイバーシティを推進するのか、社員一人ひとりによる、明確な定義と自分事化が必要。
  • 管理者の男女比率をみると、女性が少ないと感じる。他社と比べても違和感がある。アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)がかかっていないか。本人の能力を適正に評価する仕組み、個性を十分に発揮させる制度や環境が必要。
  • 日本郵政グループの強みのひとつは"人"だが、ダイバーシティ&インクルージョンについて、正しく理解できていない社員もいる。
    その結果、優しさや配慮が裏目に出てしまうこともある。多様性の理解を深める研修を続けていくべき。
  • 実は、アンコンシャスバイアスがあること自体は問題ではなく、「あって当たり前」のもの。バイアスを無くそうとするのではなく、「自分がどのように考える傾向があるか」を掴むことが大切。
    また、たとえ社員への理解が浸透していても、組織の上層部で異なる考え方に基づく判断がなされるようでは、組織として捻れてしまう。役員から順番に、少しずつ理解の裾野を広げていきたい。
日本郵政グループ 本社社員

増田社長からのコメント

  • かつて働く女性はごく少数で、男性以上にバリバリ仕事するような女性は「バリキャリ」と呼ばれていたが、今はプライベートに重点を置いた「ゆるキャリ」や、仕事もプライベートも充実させたい「フルキャリ」が増えている。
  • 「働き方に対する価値観は、社員一人ひとり異なる」と知ることによって、はじめて得られる気づきがある。知らないがゆえの、無意識の思い込みを、どう打ち破るか。
  • ステレオタイプに基づいた対応はもはや旧く、時代とともに変わってきている分野なので、私自身、外部からの情報を取り入れて学び続けるようにしている。

社員からの主な意見

  • 現場には、いきいきと働く優秀な女性達がたくさんいるが、「子育てしながら管理者になるのは無理だ」という声があった。女性管理者を増やすには、働き方を変えていくしかない。特に集配は24時間稼働しているため課題が大きい。
  • 男性の育休について、環境によっては取得しにくいという声も聞いている。昇職意欲には、拠点や職務、年齢、性別によって差がある。性別を問わず働きやすい環境を作ることが、女性の働きやすさにも繋がると思う。
  • 女性という性別に限らず、誰もがいきいきと働ける職場になることが大切。性別や育児・介護の制約の有無に関わらず、社員が自分らしく生きられるための休暇制度や組織風土が必要。
  • 自分が保育所探しに苦労した経験があったので、郵政グループの資産を活用した保育所を企画して立ち上げた。収益性を保ちながら地域貢献に繋がっている。このように、社員一人ひとりの多様な背景を仕事に活かすことを、会社として進めていけるとよいと思う。
日本郵政グループ 本社社員

増田社長からのコメント

  • 郵便・物流の職場は女性管理者が少ない。これから先は、人手不足がどんどん深刻になっていくので、最適な人員配置について、より深く考えていく必要がある。
  • 育児・介護休業等の制度はあるので、次はそれを活用しやすいよう、運用をどうしていくのか、実践論として模索をしているところ。
  • さまざまな職場・働き方がある中で、細かく見えてこない部分もあるかと思う。社内全体をきちんと見渡して、職場や地域ごとにリソースのアンマッチが無いか、気を配ることが必要。

社員からの主な意見

  • 性別や人種、国籍といった「見える違い」だけではなく、文化や価値観といった「見えない違い」を受容することが大事。
    世の中の変化とともに、お客さまのご要望も多様化している。会社の中でも多様な価値観を取り入れていかないと、会社は持続・発展できない。
  • 多様なお客さまに価値を提供するには色々な視点が必要であり、そのためには社会の構造のなかで自然な形で仕事ができるような組織を目指すべきだと思う。
  • 若手社員向け勉強会を開催し、女性活躍だけでなく、性のグラデーションがあることを踏まえて考える機会を作りたい。LGBTQは定義が難しく、SDGsにおいても目標値が無いが、両輪で考えていかなければいけないと思う。
  • 男女関係なく、多様な人材が活躍できる会社を目指すためには、まず「環境」という土台整備があり、社員が「意欲」を持ち、それを裏付けする「能力」を与えられるようになれば、誰でも活躍できる会社になっていくのではないか。

増田社長からのコメント

  • 管理者の意識を変える研修が必要だと思う。「聴く力」という言葉もあるが、これは異論を聞き入れるとともに、「自己に対する批判をどこまで聞けるのか」とイコール。立場のある人ほど「批判を受けたとしても、良い意見であれば取り入れる」といった姿勢が求められる。
  • 批判を受けるということは、批判する人にとって、それが重要だと思われているから。つまり、管理者にとって重要な資質は、「批判や異論を恐れることなく、いかに社員から意見を引き出せるか」ということ。
  • 批判の声を聞き分けて判断をするためには、相当な気力・体力、時には我慢も必要だが、私はたとえ文句や批判であっても自らの考えを持って行動している人の方が、いざという時には頼りになるとさえ思う。
意見交換会の模様

参加者の感想

参加者
意見交換会までの間に、中計におけるダイバーシティ推進の取り組み目標を改めて深く読み、理解を深めることができありがたかったです。
参加者
このような機会は大変貴重なので、テーマに関わらず定期的に開催することで、社員のモチベーションが向上すると思います。
参加者
他社の取組や課題、社長のお考えを直接お伺いする良い機会でした。社長は柔軟なお考えをお持ちだということ知ることができ、今後の検討の幅が広がったように感じます。

意見交換会を振り返って
(増田社長)

増田社長
みなさんが仰るように、まずは無意識の「前提」に気づく必要があります。
 
女性活躍やダイバーシティ推進は、まだ初歩的な段階です。いずれは「女性活躍」や「ダイバーシティ推進」という言葉が無くとも、社員一人ひとりが大切にされる組織になればと思います。
 
グループ経営理念に掲げる「社員の幸せ」を実現するためにも、社会全体から見て自然な人員構成の組織を目指すべきです。今はその最初の段階であるということを、本日みなさんのお話を伺って、改めて認識しました。
 
ダイバーシティ推進について、社員全員に肚落ちさせるためにも、経営トップの覚悟と強いメッセージをもって、進めていかなくてはいけないと感じています。

今後も日本郵政グループ社員と増田社長との意見交換会を定期的に行ってまいります。
開催模様については、随時発信していきますので、ご注目ください。