ステークホルダーとの対話

日本郵政グループのステークホルダー

ステークホルダー 主なエンゲージメント方法
お客さま
  • 郵便局等窓口、配達員、渉外社員およびコールセンター
  • Webサイト・ソーシャルメディア等
  • 顧客満足度調査
  • 統合報告書・サステナビリティレポート
株主
  • 株主総会
  • 個人投資家向け動画メッセージ
  • 決算説明会、スモールミーティング
  • 機関投資家・アナリストとの対話
  • IRカンファレンス
  • 統合報告書・サステナビリティレポート
地域社会
  • 災害・新型コロナウイルス感染症対策
  • 地方公共団体等との連携
  • 地域への資金循環
  • 地域見守り活動
  • 次世代教育
社員
  • 社員との対話
  • 研修
  • グループ社内報
  • 従業員向けポータルサイト
  • ES調査

グループ顧客満足度調査

お客さまからみた商品・サービスの状況を的確に把握し、新たなニーズ等に対応するため、お客さまの満足度や利用意向等の評価について調査を実施しています。
日本郵政グループでは、より一層のお客さま満足の向上のため、今後も定点観測を行うとともに、このグループ顧客満足度調査で得られた結果を経営に活かしてまいります。

お客さまの声の経営への活用

お客さまのご意見・ご要望を日本郵政グループ一体で業務改善等に活用します。以下は、お客さまの声をもとに、サービス等の改善を行った事例です。

お客さまの声 改善した内容
郵便局で、荷物を送る際の段ボール(一番大きいサイズのもの)を購入したが、購入品が入るレジ袋が無いと言われた。雨が降っているとせっかく買ったものが濡れてしまう。 お持ち帰り用袋「レジ袋(特大箱用)」の販売を開始しました。(1枚:40円)
投資信託を手軽に購入したい。 ゆうちょ通帳アプリで、投資信託のお取引ができるようになりました。
また、デジタルチャネル(ゆうちょダイレクト(投資信託)、ゆうちょ通帳アプリ)でお申込みいただいた、すべての投資信託の購入時手数料を無料にしました。
保険金の請求をしたいのですが、証明書類を準備するのが大変です。 かんぽ生命では、一定の条件のもと、医療機関発行の領収書や診療明細書等をご提出いただくことで、入院・手術証明書(診断書)の提出を不要とする取扱いを行っています。
このような提出書類を簡素化する取扱いについて、2022年4月からは、条件の一つであった入院日数の上限(30日)を撤廃し、取扱いの対象を拡大しました。

社員との意見交換会

コロナ禍において、オンラインで社員と対話をする増田社長

日本郵政グループでは、風通しの良い職場風土を実現するための取り組みの一環として、日本郵政株式会社社長とグループ各社で働く社員との意見交換会を定期的に実施しています。
「これからの日本郵政グループのあるべき姿」、「お客さまの声から気づいた業務改善」等、毎回テーマに沿った活発な意見交換が行われ、経営の意思を広く社員に浸透させるとともに、現場の声を拾い上げ、経営の改善に活かしています。

IR活動の報告

日本郵政グループは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主・投資家の皆さまに対して、正確かつ公平に情報を開示するとともに、建設的な対話に努め、対話を通じていただいたご要望などを、取締役会に年2回、正式な議案として付議する等、経営陣が共有し、経営改善に活かしております。

2022年度 活動実績

主な対応者 代表執行役社長、代表執行役副社長、経営企画部IR室
第18回 定時株主総会 開催日程:2023年6月21日
個別面談を行った株主・投資家の概要(※) 海外投資家:41社、国内投資家:22社
証券アナリスト:29社
機関投資家・アナリスト向け説明会(※) 開催回数:6回
参加者数:964名
対話の主なテーマや関心事項
  • グループ資本政策
  • 株主還元方針
  • 主要子会社の経営戦略
経営陣や取締役会に対するフィードバックの実施状況
  • 取締役会において対話内容に関して報告(年2回)
  • 経営陣への対話内容等の報告(随時)
対話等を踏まえて取り入れた事項
  • 株主還元の充実
  • ガバナンス強化に向けた取り組みの開示
  • 社数、参加者数は延べ

IR年間スケジュール

第1四半期 4月  
5月 期末決算発表
6月 株主総会
第2四半期 7月 統合報告書発行
8月 第1四半期決算発表
9月  
第3四半期 10月  
11月 第2四半期決算発表
12月  
第4四半期 1月 中間期ディスクロージャー誌発行
2月 第3四半期決算発表
3月  

有識者ダイアログの実施(2023年8月31日)

ファシリテーター
CSRアジア 日本代表
赤羽 真紀子 氏

2023年8月31日、有識者ダイアログを開催いたしました。3名の有識者の方々から、日本郵政グループのサステナビリティに関する主な取り組みに対する評価や、今後の課題、当社グループへの期待・要請などについて、様々なご意見・ご提言をいただきました。

有識者コメント

日本サステナブル投資フォーラム
会長
荒井 勝 氏

統合報告書、有価証券報告書の開示情報がより充実し、詳細かつ全体的な視野からまとめられていると思います。グループ全体の力を知ることができるよう、各報告書には親会社だけでなく子会社の取り組みも含めて幅広く掲載されてはどうかと思います。
共創プラットフォームはグループの強みになると思いますが、将来の収益への影響が明確にされていません。経済的な不確実性が高まる中で、どのように戦略を変化させているのかを投資家は注目しており、その点をしっかり伝えてほしいと思います。また事業サービスの収益化については、各社の社員が持つアイデアを吸い上げ、検討していく場やシステムが必要です。日本郵政グループのネットワークを活用したサービス提供につなげていただきたいと思います。
環境の関係でも様々な取り組みをされているお話を伺いましたが、対外的にまだ開示されていない取り組みも多いようです。取り組んでいる途中の取り組みであっても、こういうことを目指している、ということを積極的に開示した方が良いでしょう。
CHROの役割については、グループ内人事を一貫したものに統合するとともに、経営戦略と人事戦略との連携、また今後はヒューマンリソースをどう活用していくかという視点での取り組みが重要と考えます。あわせて、このような観点でのグループの人事戦略を、取締役会に説明し、理解してもらうことも重要になります。

放送大学
客員教授
関 正雄 氏

全体的に取り組みが進化しています。価値創造プロセスに関する図(第18期有価証券報告書p46、統合報告書2023のp55)の中で「創発的戦略の遂行能力を向上させていく」と記載されている点に注目しています。これをお題目とせず実際に社内で実行し、組織風土の醸成や人材育成をしてほしいと思います。また、今後は、アウトカム目標・指標で評価することを検討するとお聞きしましたが、是非進めてください。
人権デュー・デリジェンスの取り組みも毎年進化していることが見て取れます。近年、日本企業における人権の取り組みは、どんどん進化する企業と遅れたままの企業に二極化しています。公的な存在に近い日本郵政グループには、先進企業として模範となることを期待しています。バリューチェーン全体を注視する、人権侵害の救済手段を機能させる、既に取り組まれている全社員対象の研修の内容を高度化していくなど、高い目標に向けてレベルアップしていってください。
ローカル共創イニシアティブは、これこそ共創プラットフォームであり、創発的戦略の担い手を育成するという大きな意味も持っており、以前から注目しています。ぜひ今後も継続して、経験者が持ち帰ったものを社内で広く共有してください。
また高齢化社会への対応において、日本郵政グループは大きなポテンシャルを秘めています。郵便、貯金、保険など地域に根差したリソースを生かし、ぜひ地域を支えていただきたいと思います。
生物多様性は重要な問題で、WWFジャパンとのパートナーシップは良い取り組みです。業務上多く使う紙の調達ガイドラインに限らず、生物多様性全体についての戦略構築などで連携の幅を広げると良いと思います。

サステナビリティ消費者会議
代表
古谷 由紀子 氏

毎年ステップアップしており、取り組みが充実しているというのが全体の印象です。マテリアリティはいずれも日本郵政グループが取り組むべきテーマが特定されていると思います。ただ、その背景にあるはずの日本郵政グループが描く社会や未来のビジョンや、社会・環境課題解決に関する具体的な情報が不足しているように思いました。人材・人的資本についてもトレンドの後追いに見えてしまうので、その背後にある価値観や目的をしっかりと説明することが重要だと思います。
サステナビリティ課題解決の推進には、例えば個々の従業員が解決できる課題をマテリアリティに基づいて見つけ出すなど、具体的かつボトムアップのアプローチも入れると実効ある取り組みになると思われます。ボトムアップの動きを「「創発的戦略」の遂行能力向上」につなげれば、企業価値創造にも結びつくのではないでしょうか。
また障がい者を保護するのではなく、障がい者の「能力を活用する」という観点で、障がい者の採用と能力を高める取り組みをより一層進めていただければと思います。
課題の発見と解決に、社内外のステークホルダーとの対話をもっと活用すべきです。特に男女平等、障がい者、LGBTQなどのテーマにおいては対話が非常に重要になると思います。人権の取り組みでも、「ビジネスと人権に関する指導原則」を具体化するためにも、対話を通じて救済の仕組みを見つけていただければと思います。

有識者コメントを受けて日本郵政グループ出席者コメント

日本郵政株式会社
専務執行役
浅井 智範

自社の取り組みを客観的に評価いただくことは、日本郵政グループの立ち位置、対応のベクトルについてご意見いただける貴重な機会です。改めて御礼申し上げます。
今回、ご指摘いただいたご意見を受け、今後はサステナビリティの長期ビジョンの明確化について検討していきたいと思います。サステナビリティ課題解決の積極的な推進には、個々の従業員が自発的に行動する仕組みを整えることが重要です。先行事例・好事例を踏まえ、ボトムアップの仕組みの強化に取り組んでいきます。

日本郵政株式会社
執行役
牧 寛久

人的資本に関する日本郵政グループの基本的な考え方として、「グループ人事方針」を策定しました。今後は、それに基づく人事施策の推進はもちろん、その背景にある当社グループの目指す姿や価値観の発信も強く意識し、人的資本の有効活用に取り組んでいきます。
ステークホルダーとの対話についてはこれまでも意識してきましたが、さらなる取り組みの必要性を認識した次第です。女性や障がい者、LGBTQなど、様々な立場の方々とあらゆる場面で対話を重ねることが、課題発見と解決への近道だと感じています。目標の数値を追いかけるだけではなく、職場の意識変革など真の課題解決に注力していきます。

日本郵便株式会社
執行役員
田中 博之

ESGの取り組みについては、事業との連動性や収益性が非常に重要と考えています。社会課題の解決と企業価値の向上の両立が今後の課題であると認識しています。日本郵便では新規事業に関する提案を募集する社内公募制度を開始し、社員から「日本郵便らしさ」を活用したいろいろなアイデアが提案されています。
こうした社員の自主性を促進するボトムアップの取り組みも非常に重要と考えています。
また、外部への情報発信や説明力の向上も今後の課題です。社会に対して当社の取り組みをより積極的に伝えられるよう、取り組んでいきたいと思います。

株式会社ゆうちょ銀行
執行役副社長
矢野 晴巳

ゆうちょ銀行は、中期経営計画において、パーパス、経営理念、ミッションを明確化したうえで、5つの重点戦略と4つのマテリアリティを紐づけて公表しており、企業価値向上と社会課題解決の両立を図る経営(ESG経営)を目指しています。ESG経営の社員一人ひとりへの浸透を図る観点から、全店所において「SDGs宣言」を策定し、宣言した内容を定期的に振り返りつつ、日々の業務を通じて、その達成に向けた取り組みを実践してもらっています。
またESG経営の柱である共創プラットフォーム戦略の一環として、ゆうちょらしい新しい法人ビジネス(Σ(シグマ)ビジネス)を立ち上げました。今後は当行のユニークなビジネスモデルをステークホルダーのみなさまにご理解いただけるよう、開示の在り方を含めて工夫するとともに、日本郵政グループ各社と連携しながら、環境の変化に応じたマテリアリティのアップデート、アウトカム評価に関するKPIの設定等に取り組んでまいります。

株式会社かんぽ生命保険
代表執行役副社長
志摩 俊臣

かんぽ生命では、SDGsの17の目標と169のターゲットを考慮し、ステークホルダーの期待度と当社にとっての重要度を基に、5つのマテリアリティを特定しています。中でも、郵便局ネットワークを通じてお客さまの生活をお守りすること、ラジオ体操等を通じて健康増進に貢献することが重要だと考えています。
ビジネスと人権に関する対応として、2023年8月に人権方針を改定しました。人権デュー・デリジェンスの取り組みにおいて、取引のある関係企業にアンケートを実施し、リスクの洗い出しと評価、救済措置の検討を進めています。

過去年度の有識者ダイアログ

  • 郵便局の魅力を発信するメディア JP CAST 「サステナビリティ」記事一覧(別ウィンドウで開く)