現在位置:
日本郵政ホームの中の
サステナビリティの中の
環境の中の
LEAPアプローチに沿った分析・評価

LEAPアプローチに沿った分析・評価

日本郵政・日本郵便は、2024年度、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が提唱するLEAPアプローチに試行的に取り組み、主要事業における活動の自然に対する依存・影響について分析を実施しました。
LEAPアプローチでは、主要事業である「郵便・物流事業」「郵便局窓口事業」「国際物流事業」「不動産事業」を対象としENCOREを使用し事業毎にサプライチェーン上流及び直接操業について、自然・事業の両軸で分析を行い、自然への依存と影響を特定した上で、リスクと機会の評価を実施しました(2024年4月時点)。

※ENCOREとは、Natural Capital Finance Alliance等が開発した自然関連リスクの分析ツール。

自然への主な依存と影響

日本郵政グループの日本全国に広がる郵便局ネットワークを基盤とした事業の特性を考慮し、日本を重要なロケーションとして特定し、生態系サービスへの主な依存・影響について分析しました。

  • 依存 「林業の各種生態系サービス」、「製紙・集配車両の製造における水使用」、「建設資材製造の地下水・表流水」、農業の「感染症予防」「有害生物防除」「土壌の質」「花粉媒介」機能、漁業の「生息地の維持」「流量質量の維持」機能、「気候調整」機能など
  • 影響 「郵便局建設・集配車両、ユニフォーム製造における廃棄物・温室効果ガス排出・大気汚染」、「郵便局の廃棄物による水質・大気汚染」など

主なリスクと機会、対応策

生態系サービスへの依存・影響の分析を踏まえ、日本郵政・日本郵便のリスク・機会として、下表のとおり整理しています。
また、SBTs for Natureが定める「自然への影響が大きい原材料一覧」から、調達・廃棄の各数量データ等を基に、マテリアル(重要)な素材を「紙」、「プラスチック」及び「金属」に特定しました。

※SBTs for Nature(Science Based Targets for Nature)とは、自然関連における、科学的根拠に基づいた目標設定に関するフレームワークのこと。

種別 項目 主なリスク 主な機会 定性的な事業インパクトの影響度 定性的な事業インパクトの発生時期
生物多様性 切手・葉書の調達
  • 森林資源への影響の観点から、紙を使った通信手段である郵便サービスの利用を控えることによる、収益の減少
  • 持続可能な森林経営を行っている森林からはがき等の原料となる紙が調達されていることを発信することによる、レピュテーション向上
短期~長期
郵便局
での廃棄
  • 郵便局の廃棄物が多いことによる、レピュテーション低下
  • 適切な廃棄、リサイクルの取組を強化することによるレピュテーション向上
  • 廃棄物削減によるコスト削減
短期~長期
郵便局
建設
  • 生態系影響を最小化するための開発の規制や基準強化による対応コストの増加
  • 自然資本・生態系への危機感の高まりや、これらに配慮した建築のニーズに早期に対応し、環境に配慮した建材の使用、エネルギー効率の良い郵便局を建設することによるレピュテーション向上
中期~長期
物販の
取扱い
  • 生態系の劣化による、農産物・水産物の収量低下等による良質な物販商品の不足
  • 物販戦略に生物多様性等を取り込み、環境等にやさしいエシカルな商品の取り扱いを充実させることによるレピュテーション向上・ビジネス機会の創出
短期~長期
トレードオフ 再エネの調達
  • 再エネ調達先の土地利用での生態系への悪影響によるレピュテーション低下
  • 脱炭素と自然資本双方に配慮した再エネ調達によるレピュテーション向上
長期

※発生時期:短期(~1年程度)・中期(~3年程度)・長期(3年~)で区分しています。

主な対応策として、以下の項目に関する具体的な検討及び取り組みを推進してまいります。

  • 紙・プラスチック・金属などの素材利用量の削減、廃棄物削減、リサイクルの推進
  • 自然回復に資する物品販売
  • 調達や環境に関する規定やマニュアルの整備
  • 郵便局の魅力を発信するメディア JP CAST 「サステナビリティ」記事一覧(別ウィンドウで開く)