人材の育成
従業員一人ひとりがその可能性を十分に発揮するために
労働は生活の糧を得る手段であると同時に、生きがいや喜びをもたらすもの。しかし現実には、安定した仕事に就けず経済的に自立できない人や、低賃金労働に従事している人も少なくありません。貧困を解消し、持続可能な経済成長を実現するには、公正な所得の確保や人材育成など、雇用の質を向上させ、「ディーセント・ワーク」(働きがいのある人間らしい仕事)を実現することが必要です。
期待役割を果たす人材の育成
1.体系的に実施している研修
日本郵政グループは、キャリアパスに応じて期待役割を果たす人材の育成のため、
- (1)社員として必要な研修(コンプライアンス、人権啓発等)
- (2)業務遂行に必要な研修(各業務の遂行に必要な操作訓練、資格取得、営業力を高めるスキル研修等)
- (3)キャリアパスに応じて行う研修(役職に応じた階層別研修)
を体系的に実施しています。
2.グループ一体で実施している特に重要な研修
経営幹部候補生の育成やJP ビジョン2025+に掲げるDX推進に向けたDX人材の育成は、グループシナジーを強化するため、グループ合同スタイルで研修を実施しています。
3.新しい時代に沿った研修方法の実施
上記の研修遂行にあたっては、近年のIT技術を取り入れ、集合研修をオンライン研修に代替するなど、効果的な実施に努めています。
あわせて、資格取得の助成など社員の「自己啓発」に対する支援等を行っています。
研修内容 | 次世代リーダー育成研修・DX研修 |
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受講者数 | 4,166人 |
研修時間(※1) | 24,045時間 |
研修費用(※2) | 165百万円 |
- 受講者数×各研修時間で算出
- 施策経費および人件費(受講者数×受講時間×人件費単価)を含む
なお、2023年度のその他研修を含むグループ4社の従業員(約33万人)1人当たりの研修時間は32.1時間、研修費用は8,591円(人件費相当分は除く)
人事評価制度
人事評価については、"適切な評価とフィードバック"により、社員が自身の目標達成に向けて取り組むことを通じて組織目標を達成し、その先の経営目標達成に繋げていくことを目指しています。人材の育成上も、その適正な運用が重要です。
日本郵政グループの人事評価制度は、各コース区分毎に業績評価、職務行動評価、組織貢献加点の3つから構成されています。
業績評価 | どのような成果を挙げたか |
職務行動評価 | 職務遂行にあたって会社が求める行動を実行できているか |
組織貢献加点 | コース別期待役割を超えて「他組織の業績に貢献した実績」等があるか |
期初面談、中間対話等、上司と部下との複数回の面談を踏まえて評価を行い、フィードバックを実施しています。上位の役職ほど業績評価のウエイトが高くなるよう設計されており、その評価の結果は、昇給、賞与、退職手当及び昇職・降職に反映します。なお、管理社員は年2回、一般社員は年1回の評価を実施しています。
人事評価は、A査定~E査定の5段階査定とし、A査定及びB査定は相対選考、D査定及びE査定は人事評価の点数基準による絶対選考(ただし、管理社員についてはD査定も相対選考)となっています。C査定を標準評価とし、A査定またはB査定の場合は昇給、D査定またはE査定の場合は減給となります。また、管理社員については、本人に気づきを与えることを目的とした多面観察を導入しており、部下・同僚社員等、匿名の社員による回答をフィードバックし、管理社員自身の意識改革・行動変革を促しています。
グループ組織内の風通しをよくするための人事交流の推進
郵便局を通じて、郵便・物流、貯金、保険の三事業を一体的に提供するという特徴を有する企業グループであることから、グループ内の社員の一体感を醸成することが極めて重要であり、また、グループ全体として最適な人事配置を行うため、グループ内の人事交流を積極的に実施しています。
グループ企業価値向上に貢献できる人材の育成・外部専門人材の採用
日本郵政グループは、郵便局を核とした社会インフラとして高い公共性を有する企業グループであることから、「誠実であること」、「高い志と情熱」を有していることをグループ共通の求める人物像としています。グループ各社において、社員の働き方に応じたコースごとに期待役割を設定しており、それに沿った階層別の研修等を実施しています。
併せて、郵便局を通じて郵便・物流、貯金、保険の三事業を一体的に提供するという特徴を有し、グループ内の社員の一体感を醸成することが極めて重要であることから、日本郵政の中に郵政大学校という組織を設け、グループ各社の役員、次世代リーダー、総合職新規採用者等に対してグループ合同での研修を行っています。
また、事業特性に応じた高度に専門的な能力の獲得のため、特に本社において、不動産、法務、IT分野、投資・市場運用、市場リスク管理、アクチュアリー等の中途採用を実施するなど、人材の確保に努めています。
さらに、今後、DXの推進等による新たな価値創造を行うにあたり、人的リソースをより充実させるため、外部からの専門人材の採用をより積極的に行うとともに、内部人材の育成を行っていきます。