CSR重点課題

働き方改革

5:ジェンダー平等を実現しよう 8:働きがいも経済成長も 13:気候変動に具体的な対策を

誰もがいきいきと尊厳を持って働ける企業グループであるために
性別や年齢、障がいの有無や国籍にかかわらず、誰もが尊厳を持って働ける労働環境の整備が必要とされています。誰もがいきいきと働けるよう、近年、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を実現する多様な働き方の推進や、長時間労働の解消といった「働き方改革」が進められています。

ダイバーシティの推進

日本郵政グループでは、40万人以上の社員がさまざまな職場で働いています。グループ社員の経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観を尊重し、社員一人ひとりがいきいきと能力を十分に発揮し活躍できることが、グループの持続的な成長の源であると考えており、ダイバーシティの推進に積極的に取り組んでいます。
当社グループは、人権を尊重し、人種、肌の色、性別、性的指向、性自認、言語、宗教、政治若しくは信条、国籍若しくは社会的出自、貧富、出生、障がい等の事由いかんを問わず差別をしないことを「日本郵政グループ人権方針」に定め、あわせて、女性をはじめ、外国人、中途採用者等の多様な人材が最大限に能力を発揮できるよう、人材育成策をとっていくとともに、働きやすい社内環境の整備に取り組んでいます。

日本郵政グループ人権方針

女性の活躍推進

郵便局に来局されるお客さまの6割が女性のお客さまです。時代と共に多様化する女性ニーズに対応するべく、新たな風を吹き込む女性社員の活躍が、お客さまへのサービス向上につながると考えています。日本郵政グループは、トータル生活サポート企業としての企業価値の一層の向上を目指して、女性社員を含む全社員が能力を十分に発揮し活躍できる環境づくりを推進しています。グループ各社では、管理者に占める女性割合について目標を掲げ、女性の意識向上に向けた研修、女性のキャリア形成支援、長時間労働抑制に向けた働き方改革の実施等、取り組みを進めています。

なお、グループ各社とも、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」において、女性活躍推進法に基づく「情報公開」「一般事業主行動計画の公表」を行っています。

女性の活躍推進企業データベース

「女性の活躍推進企業データベース」Webサイト(厚生労働省)

女性管理者ステップアップセミナー

多様化するお客さまのニーズにお応えするためには、社員のさらなる意識とおもてなしの力の向上が必要です。日本郵便は「人で選ばれる郵便局」を目指したプログラムを展開しています。

その中でも、独自の意識醸成プログラムとして、自分と向き合い、今後のキャリアを考える機会を与える、女性管理者向けの体験型研修を実施しています。全国から集まった参加者は、女性活躍を体現するロールモデルとして、これまでのキャリアやセミナーから得た気付きを、後輩の女性社員に伝えます。
2019年度に開催した第6期では、全国から選抜された女性の管理者27名が参加しました。

中途採用・外国人の採用・登用

中途採用者については、これまでも専門分野を中心として採用および管理者登用に取り組んできており、今後、さらに積極的な採用・登用に取り組んでまいります。
外国人については、現在の事業内容上、採用を拡大する方向性はないものの、今後は事業展開の必要に応じて、外国人の採用および管理者への登用を図ってまいります。
なお、外国人を採用・管理職として登用する上で国籍等による差異は設けておりません。

全国・各エリアでの採用

日本郵政グループは、全国各地の総合職はもちろん、各エリアの地域基幹職・エリア基幹職も採用しています。ローカルの人材雇用に注力しています。

高齢者の就業促進

日本郵政グループでは、少子高齢化により労働力人口が減少する中で、高齢社員の能力および経験のさらなる活用のため、社員がモチベーションを維持しつつ働ける環境整備が必要であるとの認識から、2021年度より定年年齢を65歳へ引き上げました。さらに今後は、70歳までの就業機会の確保についても具体的検討を進めます。

障がい者雇用の推進

障がいのある方に適切な就業機会を提供することが企業としての社会的責務であるとの認識のもと、①障がい者の積極的採用、②雇用定着のための職場環境の整備・育成等、③特例子会社の設立・積極的活用等を行っており、当グループの障がい者雇用率2.5%(2022年6月現在2.42%)を当面の目標としています。また、障害がある方の働きやすい環境づくりのため、障がいを理由とする差別等を根絶させるよう人権啓発研修等を実施しているほか、障がい者職場相談窓口を設置し、合理的配慮に向けたヒアリング等を実施しています。

雇用推進の取り組み

日本郵政グループは、障がいがある方の雇用をグループ一体となって促進するため、2007年に 「ゆうせいチャレンジド株式会社」を設立しました。 同社は2008年3月に日本郵政の特例子会社として認定され、現在、東京都、神奈川県、埼玉県に17支店を設置し、当グループ各社の郵便局、研修センター、貯金事務センター、逓信病院等(15か所)で清掃業務を、貯金事務センター(2か所)では印刷・製本等の業務を、ありがとうセンター(1か所)では、お客さまにお渡しするキャンディの袋詰め・発送等の業務を行っています。 また、各職場(支店)の様子や社員の趣味・特技等を掲載する社内報『ガンバル人』を2008年8月から発行する等、一体感を高める取り組みにも力を入れています。

東京都千代田区の日本郵政本社ビル内にある大手町支店では、シニアコーチ1名、コーチ4名のもと、チャレンジド社員18名(2021年6月現在)が、廊下や会議室等の清掃、コピー用紙の搬入等さまざまな仕事に、明るく、元気に、楽しく取り組んでいます。

清掃作業の様子

大手町支店チャレンジド社員集合写真

ゆうせいチャレンジド株式会社社員のひとこと

大手町支店 シニアコーチ 石川 敏雄 (左側)
大手町支店 チャレンジド社員 八部 修一(右側)

大手町支店 チャレンジド社員 八部 修一
2005年に日本郵便へ入社した後、ゆうせいチャレンジドへと移籍し、蔵前支店、霞が関支店を経て、2018年9月からここ大手町支店で働いています。主に掃除機を使って、ビルの1フロアを20~30分かけて掃除しています。掃除をするときは、掃除機を壁にぶつけて汚したり傷つけたりしないように、そしてゴミの取り残しがないように丁寧に掃除することを心がけています。休憩時間に同僚たちと話すことも楽しく、いつも仕事に来ることを楽しみにしています。

大手町支店 シニアコーチ 石川 敏雄
当社で初めて一般就労したという方も少なくありません。私は障がい者の皆さんと共に働くようになって10年になりますが、入社したばかりの頃はうまく仕事ができなくても、少しずつこなせるようになり、さまざまに成長していくチャレンジドの姿に、この仕事のやりがいを感じています。親御さんにとっても、お子さんが就労しているという事実は大きな励みとなっており、障がいのある方が継続して働ける場所をつくることの重要性を感じています。

性の多様性への対応

日本郵政グループでは、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」において、ダイバーシティ・マネジメントの推進を掲げ、性的少数者の社員が働きやすい職場環境整備に取り組んでいます。具体的には、人権やハラスメントに関する相談窓口における相談受付、人権やハラスメントに関する研修等でのLGBTに関する周知・啓発やLGBT当事者による啓発セミナー等の実施、「日本郵政グループ人権方針」の制定、同性パートナーへの特別休暇(社員の結婚および忌引)の適用、性別や氏名について戸籍変更した場合の社内手続等整備、ALLY(アライ)ステッカーの発行、東京レインボープライドへの協賛・参加等を実施しています。

「PRIDE指標」で「ゴールド」受賞

日本郵政グループは、LGBT(社会的に性的マイノリティと位置付けられている人々)等に関する取り組みが評価される2021年度「PRIDE指標」において、最高評価である「ゴールド」を受賞しました。当グループは、今後も、性的指向・性自認にとらわれず、一人ひとりが明るくいきいきと活躍できる社会の実現を目指し、LGBT等の理解促進・支援に取り組みます。
「PRIDE指標」は、LGBTに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体「work with Pride」が、企業等の取り組みを評価する指標として2016年に創設した評価制度です。

ワーク・ライフ・バランスの推進

日本郵政グループは、従業員がそれぞれのライフステージに応じて多様な働き方の選択ができるよう、制度整備や職場風土づくりに取り組んでいます。

次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく一般事業主行動計画の策定

日本郵政グループでは、次世代法に基づく一般事業主行動計画を策定し、仕事と生活の両立に取り組んでおり、グループ各社とも、厚生労働省の「両立支援のひろば」において、「一般事業主行動計画の公表」を行っています。

両立支援のひろば

「両立支援のひろば」Webサイト(厚生労働省)

育児・介護・病気療養との両立支援

日本郵政グループは、多くの従業員が経験するであろう育児・介護および病気に対して、「働き続けられる企業」を目指して両立支援に取り組んでいます。法定を上回る休業制度や保育料等の補助制度等を充実させ、制度を利用しやすい職場風土づくりにも力を入れており、男女を問わず多くの従業員が育児・介護および病気と仕事の両立を実現しています。

具体的には、育児休業の取得期間を最長3年、育児部分休業を最長9年、介護休業を最長1年としているほか、2018年10月から、育児休業の一部有給化、不妊治療にかかる休暇、がん治療で退職した従業員を再び採用する制度を新たに導入しました。

なお、ゆうちょ銀行およびかんぽ生命保険は、「子育てサポート企業」として、厚生労働省より「プラチナくるみん認定」を受けています。

女性の社員は出産の前後において産前産後休暇(合計14週間)を取得することができます。(正社員の場合は有給)

仕事と育児の両立支援に関する施策等

施策等 子の年齢 内容
育児休業3日有給化
この出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までの育児休業のうち最初の3日間を有給とする。
育児時間
1歳未満の子を育てる社員は、1日2回、各々45分育児時間を取得可能。2回を合計した時間を一括取得も可能。
育児休業
3歳未満の子を育てる社員は、子が3歳に達する日までの間、育児休業を取得可能。(期間雇用社員は1歳まで。ただし両親が育児休業する等の要件を満たすと1歳2か月、保育所に入所できない等の要件を満たすと2歳まで。)
育児部分休業
当該年度において9歳に達するまでの子を育てる社員は、子が9歳に達する年度の3月31日までの間、1日2時間の範囲内で育児部分休業を取得可能。
子の看護休暇
小学校就学前の子を育てる社員は、1年度において5日(子が2人以上の場合は10日)を限度として、負傷しまたは疾病にかかった子の世話等を行うための休暇を取得可能。
深夜勤務の制限
小学校就学前の子を育てる社員は、深夜勤務に従事しないことを請求可能。
時間外勤務の制限
小学校就学前の子を育てる社員は、1か月24時間以内、年間150時間以内で時間外労働の制限を請求可能。
時間外勤務等の免除
小学校就学前の子を育てる社員は、時間外勤務または週休日の勤務の免除を請求可能。
ベビーシッター・一時預かり利用助成
未就学児について、総合的福利厚生代行サービスによるベビーシッター利用料金、育児施設の一時保育料金の補助(1時間あたり700円の育児補助券・年間60枚まで)が利用可能。
育児相談
総合的福利厚生代行サービス(育児・介護お助けダイヤル)、日本郵政共済組合が提供している育児相談ダイヤルを無料で利用可能。

仕事と介護の両立支援に関する施策等

施策等 期間 内容
深夜勤務の制限
要介護者の介護を行う社員は、深夜勤務に従事しないことを請求可能。
時間外勤務の制限
要介護者の介護を行う社員は、1か月24時間以内、年間150時間以内で時間外労働の制限を請求可能。
時間外労働等の免除
要介護者の介護を行う社員は、時間外勤務または週休日の勤務の免除を請求可能。
介護休業
要介護者の介護を行う社員は、要介護者1人につき、その要介護状態が終了するまでの間、通算183日まで取得可能。特別な事情があると会社が認めるときは、休業開始日から1年の範囲内。(期間雇用社員は通算93日。)
介護部分休業
要介護者の介護を行う社員は、利用開始から3年の範囲内で、始業時刻から連続した4時間または終業時刻まで連続した4時間の範囲内で介護部分休業を取得可能。
介護休暇
要介護者の介護等を行う社員は、1年度につき5日(要介護者が2人以上の場合は10日)を限度として、要介護者の介護、その他の必要な世話をするための休暇を取得可能。
介護助成
要支援・要介護の認定を受けている(もしくは要介護認定申請中)の本人または2親等以内の家族について、介護保険支給限度額を超えた分に対して助成。
介護相談
総合的福利厚生代行サービス(育児・介護お助けダイヤル)、日本郵政共済組合、国家公務員共済組合連合会が提供している介護相談ダイヤルを無料で利用可能。

時間外労働削減・テレワーク推進

テレワーク風景

業務効率化(RPA・AI等の活用、業務内容の見直し等)による時間外労働の削減および勤務間インターバル制度の導入に取り組みます。テレワークについては、業務の生産性向上や多様な働き方の実現を念頭に従来推進してきたところ、新型コロナウイルス感染症対策としてもその重要性を再認識しており、さらなる環境整備を進めます。

また、短時間勤務制度やフレックスタイム制度など、社員が多様な働き方を選択できる環境を整備しています。

  • ※Robotic Process Automation 主にソフトウェアロボットによる業務自動化のこと

ワーク・ライフ・バランスを支援する施策

ワーク・ライフ・バランスガイドブック

日本郵政グループでは、『ワーク・ライフ・バランスガイドブック』を全社員に配布するほか、グループ社員同士で情報交換できる「ワーク・ライフ・バランス情報サイト」を開設しています。

また、多くの従業員が経験するであろう育児・介護および病気に対して、法定を上回る休業制度や保育料等の補助制度等を充実させ、「働き続けられる企業」を目指して両立支援に取り組むとともに、制度を利用しやすい職場風土づくりにも力を入れており、育児や介護と仕事の両立に向けた各種セミナーを開催する等、グループ社員のワーク・ライフ・バランスの実現を推進するための各種施策を実施しています。

その他の取り組み

関連情報