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TCFD提言への対応(郵便・物流事業及び郵便局窓口事業)

郵便・物流事業及び郵便局窓口事業におけるシナリオ分析

分析の範囲

シナリオ IPCC RCP2.6シナリオ・RCP8.5シナリオ
対象事業 郵便・物流事業及び郵便局窓口事業
対象期間 2050年

シナリオの定義

地球温暖化の専門家による国際機関「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は2014年に公表した第5次評価報告書(AR5)において2100年までに平均気温がどの程度上昇するかのシナリオを提示して予測しています。
郵便・物流事業及び郵便局窓口事業においては、最も気温上昇が高いシナリオであるRCP8.5シナリオ(2100年に2.6℃から4.8℃の気温上昇を予測)及び将来の気温上昇を2℃以下に抑える目標として2015年に採択されたパリ協定の経路に相当するRCP2.6シナリオ(0.3℃から1.7℃の気温上昇を予測)の2つを想定して事業への影響を分析しました。
2050年段階での2つのシナリオの大きな差は、主に気候変動対策の違いにより影響が著しくなるリスクの種類の違いであると考えられます。RCP2.6シナリオでは、温室効果ガス削減のため規制が強化されて低・脱炭素化が進み、移行リスクの影響が高まると考えらえます。一方RCP8.5シナリオでは、規制などの移行リスクの影響は小さいものの、異常気象などの物理的リスクの影響が高まると考えられます。

郵便・物流事業及び郵便局窓口事業の重要なリスク、機会及び影響

気候変動が郵便・物流事業及び郵便局窓口事業に与えるリスクや機会、RCP2.6シナリオ・RCP8.5シナリオのそれぞれの状況下における影響は次のとおりです。

日本郵政グループの郵便・物流事業及び郵便局窓口事業を取り巻くリスク

物理的リスク:気候変動によってもたらされる災害等による急性あるいは慢性的な被害
移行リスク:低炭素経済への移行により、例えば政策および規制や、技術開発、市場動向、市場における評価等の変化によってもたらされるリスク

リスク・機会の区分 発生時期見込み※1 財務への影響※2 重要なリスクと機会、想定される影響(シナリオ分析)
物理的
リスク
急性 短期 大~小
  • 短時間強雨の増加により、河川の氾濫、高潮等が発生し、氾濫する河川の流域または高潮が発生する沿岸地域の郵便局舎の一部または全部が崩壊等する可能性があり、その修復にはコスト及び時間を要します。
  • また、局舎の被災や道路等の寸断により事業を継続できないリスクがあり、ユニバーサルサービスの提供に支障をきたすおそれがあるほか、売上が下がる可能性があります。

【RCP2.6シナリオ】
大雨が増加することから河川の氾濫、高潮や土砂崩れにより郵便局舎に一定の影響が出ることが予想されます。

【RCP8.5シナリオ】
大雨が大幅に増加することから、RCP2.6シナリオの場合よりも広範囲にわたり局舎の崩壊等の影響が出る可能性があります。

慢性 短期
  • 気候変動により夏場の真夏日や猛暑日が増加することで、屋外での業務に従事する社員の熱中症リスクが高まります。これにより人件費等のコストが増加することとなります。

【RCP2.6シナリオ】
年平均気温が上昇すると共に真夏日の年間日数も増加するため、社員の熱中症のリスクが増加することが予想されます。

【RCP8.5シナリオ】
年平均気温が大幅に上昇すると共に真夏日の年間日数も著しく増加するため、社員の熱中症のリスクが大幅に高まることが予想されます。

移行
リスク
政策
・規制
中長期 中~小
  • 温室効果ガスの排出規制が導入・強化された場合、温室効果ガス排出量やエネルギー使用量を削減するための設備・車両の更改や使用する燃料の切り替えなどにかかるコストが増加する可能性があります。
  • また、化石燃料の使用量に応じて炭素税(クレジット購入)が賦課されることにより、コストが増加する可能性があります。

【RCP2.6シナリオ】
政府が温室効果ガス排出削減策を取るために、炭素税を課すことを想定します。

【RCP8.5シナリオ】
炭素税が導入される可能性が低いものと思われます。

評判 短期
  • 投資家から気候変動対策に消極的とみなされた場合、株主総会での取締役の選任や関連議案に対して反対票が投じられたり、日本郵政株式会社が投資を引き上げられる可能性があります。
  • また、顧客の環境への意識が高まり、より環境負荷の低い商品・サービス等が選ばれる一方、環境への配慮が不十分と判断される商品・サービス等については、顧客離れ、ひいては売上の低下につながる可能性があります。
機会      
  • EV用急速充電器の設置を拡大し、地域の皆さまにご利用いただくことや、環境に配慮した配送サービス・商品を開発、提供等することにより、顧客のニーズに応えることで、売り上げが増加する(気候変動を事業機会として活用できる)可能性があります。
  • また、施設設備の改修やEVの導入・拡大等により、炭素税(クレジット購入)が賦課される場合のコストの増加を抑えられる(リスクを回避できる)可能性があります。
  1. ※1 発生時期見込み:短期(~1年程度)・中期(~3年程度)・長期(3年~)で区分しています。
  2. ※2 財務への影響:現時点では、大(100億円以上)・中(10億円以上、100億円未満)・小(10億円未満)を目安としていますが、今後も引き続き定量的な影響の分析を進めてまいります。

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