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社外取締役メッセージ

「JP ビジョン2025+」から
新中期経営計画「JP プラン 2028」へ
――変革を実現するフェーズへ

社外取締役
伊藤 弥生

「JP ビジョン2025+」から新中期経営計画「JP プラン 2028」へ――変革を実現するフェーズへ

社外取締役
伊藤 弥生

日本郵政グループは今、事業環境の変化に向き合い、構造変革と成長戦略を同時に進める局面にあります。「JP ビジョン2025+」は、こうした現実を正面から捉え、持続的成長に向けた方向性を明確に示したものです。郵便・物流事業の構造改革、金融事業の競争力強化、不動産事業の成長、そしてグループ横断のデジタル基盤整備―いずれも企業価値向上に直結する重要なテーマです。

取締役会で議論を重ねるなかで、私は特に顧客接点の高度化やデータ活用の推進がグループの潜在力を引き出す鍵になると考えています。全国ネットワークという強みをAIやデジタルと結びつけることで、日本郵政グループは「地域とともに成長する企業」へと進化し、社会的使命を果たしながら、収益性と成長性の両立が実現できるよう、取締役会でも引き続き議論してまいります。

2026年度から始まる「JP プラン 2028」では、長期的に目指す「総合物流」「総合金融」「生活サポート」の3つのプラットフォームの強化と不動産による価値創出を掲げ、ユニバーサルサービスの持続的提供を確保しつつ、金融・不動産・総合物流といった成長領域での着実な利益成長を目指します。DX、人的資本経営、コンプライアンス、サステナビリティといった経営基盤の強化についても、取締役会として実行計画の議論と監督を一層強化してまいります。

ガバナンス強化 ――信頼を取り戻し、企業価値を高めるために

ガバナンスの脆弱性は、企業価値を大きく損ないます。私は、再発防止策を整えるだけでは不十分であり、組織文化そのものを健全な方向へと転換することが不可欠だと考えています。

透明性の高い意思決定プロセス、現場の声が経営に届く仕組み、リスクを早期に顕在化させる内部統制の高度化、そして運用に対する継続的なチェック体制―これらは信頼回復の基盤です。取締役会では、経営陣への監督機能を厳格に果たすと同時に、建設的な対話を重ね、ガバナンスの質を継続的に高めています。

ガバナンス強化はコストではなく、企業価値向上のための投資です。私はその視点を持って、実効性ある改革を推進してまいります。

ユニバーサルサービスと企業価値向上 ――戦略的統合へ

日本郵政グループの最大の特徴は、全国津々浦々にサービスを届けるユニバーサルサービスの担い手であることです。しかし、人口減少や地域構造の変化により、その持続性はこれまで以上に問われています。

私は、社会的使命の堅持と企業価値向上を対立軸で捉えるのではなく、両者を戦略的に統合することが日本郵政グループの競争優位につながると考えています。AI等の最新デジタル技術の活用、ネットワークの最適化、地域との協働によるサービス再編と新たな事業軸の創出―これらは社会価値と経済価値を同時に高める取り組みです。

ユニバーサルサービスの高度化は、ブランド価値と収益基盤の強化につながります。取締役会として、その実現に向けた長期的な意思決定を確実に支えてまいります。

サステナビリティ経営と人的資本 ――変革の源泉は“人”

サステナビリティ経営は企業の持続的成長に不可欠です。日本郵政グループは地域活性化や高齢化社会への対応など社会課題の解決に取り組むことで、新たな価値創造の機会を広げています。

その実現には、グループの変革を支える人的資本経営の深化が欠かせません。多様な人材が能力を発揮できる環境整備、体系的なリスキリング、現場力の強化―これらは、サービス品質の向上とイノベーション創出に直結します。私は、これらの取り組みを形式的な施策にとどめることなく、経営戦略の中心に据えることが変革を成功させる鍵だと考えています。

日本郵政グループへの期待 ――社会とともに成長する企業へ

日本郵政グループの強みは、全国に広がるネットワークと、長年にわたり築いてきた社会的信頼です。この強みを、社会インフラとしての責任と企業の持続的成長の両立へとつなげていくことが、私たちに課された使命です。

私は、透明性と規律を重んじたサステナブルな経営を推進し、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現に向け、すべてのステークホルダーの期待に応える企業であり続けるよう、社外取締役として引き続き貢献してまいります。日本郵政グループには社会の未来を支える大きな可能性があります。その可能性を確かな成果へとつなげていくことが私たちの責務です。

2026年7月

社外取締役
伊藤 弥生