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日本郵政グループのリスク管理

日本郵政グループのリスク管理

日本郵政グループでは、グループ協定等に、グループ各社の管理対象リスクや日本郵政への報告事項等、リスク管理に係る基本事項を定め、日本郵政がグループのリスク管理状況や改善状況をモニタリングするなどにより、グループ全体のリスク管理を行っています。
日本郵政では、グループガバナンス強化のためグループのリスク管理統括責任者として、執行役の中から「グループ・チーフ・リスク・オフィサー(グループCRO)」を選任し、グループCROは、グループのリスク管理状況・取り組みについて取締役会等への報告等を行い、取締役等から監督を受けています。
また、グループ各社のリスク管理担当役員をメンバーとする「グループオペレーショナルリスク管理連絡会」等を通じグループ各社のリスク管理の向上に向けた情報共有・協議等を実施しています。
なお、グループ各社は、自社のリスク管理を統括する部署を定め、自ら主体的に自社の事業特性に応じたリスクの特定、評価、制御、モニタリング等のリスク管理を行うとともに、日本郵政に対し必要事項を報告する等のリスク管理態勢を整備しています。

日本郵政グループのリスク管理態勢

リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)

日本郵政グループでは、収益拡大のために取る、あるいは許容するリスクの種類と量(リスクアペタイト)を明確にし、グループ全体のリスクをコントロールする枠組みとして、2021年度より「リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)」を導入しました。
日本郵政グループは、本枠組みを活用し、経営層が経営計画とともに取得するリスクと種類を承認し、想定外損失の回避、リスク・リターンの向上、アカウンタビリティの確保を通じて企業価値向上を目指します。

RAFの運営プロセス

事業別リスクアペタイトの基本的考え方

金融事業(ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険)
ALM・運用業務・保険引受で適切なリスクテイクとリスクコントロールにより、財務の健全性を維持しつつ、収益の確保を目指します。

非金融事業(日本郵政・日本郵便)
郵便・物流事業、不動産事業及び新規事業において、金融事業及び既存事業を除く資本の範囲内で、適切なリスクテイクとリスクコントロールにより、財務の健全性を維持しつつ、新たな収益の確保を目指します。

グループ重要リスクの管理

日本郵政は、外部環境の変化や事業戦略等を踏まえ、毎年、日本郵政グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(グループ重要リスク)の見直しを行っています。具体的なリスクの特定、評価については、取締役及び執行役へのアンケート(役員アンケート)を通じて行い、改善策の策定、改善策取り組み状況のモニタリング等を経営陣が行うPDCAサイクルを回しています。
また、グループ重要リスクは、有価証券報告書「事業等のリスク」として開示しています。

グループ重要リスクの管理

トップリスク

日本郵政では、取締役等へアンケートを実施して、「経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」を把握し、その結果、発生可能性と影響度の観点からリスクの重要度を評価して、上位に位置付けられるリスクを「トップリスク」と定めています。
日本郵政は、トップリスクの管理状況、改善策等をグループ会社と連携してモニタリングしています。
また、トップリスクをRAFや経営計画策定の議論に活用しています。

取締役回答

2023年度のトップリスクと主な想定シナリオ(当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク)

トップリスク 主な想定シナリオ
1 金利環境変化に伴うリスク 金利変動に対して金融2社のALM戦略が対応できないこと、貯金等の流出・預替え、及び保有債券の価格下落等により、当社グループの収益が大幅に減少する。
2 金融2社の株式売却に関するリスク 金融2社株式の売却で損失が発生する、金融2社に代わる収益源を確保できない、あるいは、子会社の株式保有比率が低下してグループ一体的な業務運営が難しくなることにより顧客離れ・ブランド力が低下し、当社グループの収益が大幅に低下する。
3 ユニバーサルサービス提供に係るリスク ユニバーサルサービス提供とコスト削減を両立できないことや、不採算事業の見直しができないことにより、競争力・効率性が低下し、当社グループの収益が大幅に減少する。
4 サイバー攻撃に関するリスク サイバー攻撃や各種サービスの不正利用に起因して、あるいは、サービス復旧の遅延により当社グループの事業が長期間に亘り停止もしくは制約を受けることにより、事業継続に重大な影響が生じる。
5 DXの取組みが奏功しないリスク グループ一体のDX推進が奏功しない場合や事業環境の変化に適切に対応できない場合、競争力・効率性が低下し、当社グループの収益が大幅に減少する。
6 新しいかんぽ営業体制のもとでの営業推進に係るリスク 新しいかんぽ営業体制のもとでの営業推進に係る施策が奏功せず、新契約獲得が低迷し続ける、営業体制が非効率化するなどして、当社グループの収益が大幅に減少する。
7 人的リスク 各種業務に従事する人材のほか、IT等の専門人材が確保ができない、また、人事労務上の問題発生により、働きがいのある職場環境を提供できないことで人材の流出・不足や人件費の増加を招き、競争力を失い、当社グループの収益が大幅に減少する。
8 システム障害等のリスク システム更改の不備やシステムの瑕疵、老朽化等に起因したシステム障害により、業務の停止・混乱が発生する。また、システム障害発生後にサービス復旧が遅滞することにより、当社グループの事業継続に重大な影響が生じる。
9 情報漏えいに係るリスク 郵便局データの適切な管理対応等、データガバナンスの取組みの停滞、社員による意図的な情報漏えい等によりレピュテーショナルリスクが顕在化し企業価値を毀損する。
10 外貨資金調達環境の悪化リスク 金融2社の海外投資において、金融市場の混乱に伴う市場流動性の悪化時には、外貨調達コストが大きく上昇することにより、当社グループの収益が大幅に減少する。
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