株式会社ゆうちょ銀行の業務概要

日本郵政グループにおいて銀行業を営む会社は、株式会社ゆうちょ銀行です。

郵便局とゆうちょ銀行営業所の広範なネットワークを通じて、金融商品・サービスを提供しています。
株式会社ゆうちょ銀行は、「お客さまの声を明日への羅針盤とする『最も身近で信頼される銀行』を目指します。」を経営理念としています。

1.業務・サービスの概要

株式会社ゆうちょ銀行は、次の業務内容を主に取り扱っています。2017年3月末現在、総額179兆4,346億円の貯金を全国のお客さまからお預かりしています。

1.貯金業務

振替貯金、通常貯金、通常貯蓄貯金、定期貯金、定額貯金、別段貯金などを取り扱っています。

2.貸出業務

証書貸付および当座貸越を取り扱っています。

3.有価証券投資業務

貯金の支払い準備および資金運用のため、国債、地方債、社債、その他の証券に投資しています。

4.内国為替業務

為替、振替および振込を取り扱っています。

5.外国為替業務

国際送金、外貨両替を取り扱っています。

6.主な附帯業務

代理業務

  • 日本銀行歳入代理店および同国債代理店業務
  • 地方公共団体の公金取扱業務
  • 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の受託業務
  • 個人向けローンの媒介業務

国債、投資信託および保険商品の窓口販売

保護預かり

クレジットカード業務

確定拠出年金運営管理業務(個人型年金に係るものに限る。)

(注)民営化前までに預入された定期性の郵便貯金については、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構が管理していますが、株式会社ゆうちょ銀行は同機構から払戻しなどの事務を委託されています。

2.ゆうちょ銀行の取り組み

(1)商品・サービスの充実

事業戦略(Super Regional & Super Global)

(株)ゆうちょ銀行は、「Super Regional & SuperGlobal」の事業モデルを掲げています。
全国を網羅する郵便局ネットワークを通じ、それぞれの地域でお客さまに寄り添うRegionalなアプローチ を展開するとともに、適切なリスク管理のもとで運用の高度化を推進し、「本邦最大級の機関投資家」としてGlobalな運用で安定的収益を確保することを目指しています。

・コンサルティング営業の強化

多様化するお客さまの資産運用ニーズにお応えできるよう、資産運用商品のラインアップ拡充やコンサルティング営業に注力し、資産運用商品の残高を順調に拡大しています。また、お客さま本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の確立・定着に努め、お客さまの資産運用ニーズや投資経験にあわせた投資信託や変額年金保険等の資産運用商品を提案してまいります。

・ATM事業戦略

ATMについては、利便性の高い場所などへの戦略的配置に取り組むとともに、地域金融機関との提携を進め(株)ゆうちょ銀行 ATMで全国すべての地方銀行のカードがご利用いただけるようになりました。
さらに、2017年1月以降、16言語対応などの機能を追加した小型 ATMを導入し、今後、全国のファミリーマート店舗をはじめとした利便性の高い場所への設置を推進し、役務手数料の収益拡大を目指してまいります。
●小型ATMの対応する16言語
日本語、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、タイ語、マレーシア語、フィリピン語、インドネシア語、ベトナム語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語、アラビア語に対応。

・ATM画面リニューアル

2017年1月からカラーユニバーサルデザイン(注1)の考え方を導入し、ATM画面のデザインをリニューアルしました(注2)。今回のリニューアルによって、今まで以上に多くのお客さまに見やすく便利にゆうちょATMをご利用いただけます。

  • (注1)カラーユニバーサルデザインとは、色覚の個人差を問わずできるだけ多くの人に見やすい色使いに配慮したデザインです。
  • (注2)ご利用時間・手数料などのご案内を除きます。

・地域活性化ファンドへの参加

(株)ゆうちょ銀行は、地域金融機関との連携を一層深め、協働・連携して地域経済の発展に寄与することを目的とし、以下のファンドへの参加を決定いたしました。(注) これらのファンドへの出資をきっかけとし、今後とも地域の活性化と発展に貢献してまいります。

  • (注)2017年5月31日現在

・九州広域復興支援投資事業有限責任組合
・北海道成長企業応援投資事業有限責任組合
・KFG地域企業応援投資事業有限責任組合
・中部・北陸地域活性化投資事業有限責任組合

・運用態勢のさらなる強化

本邦最大級の機関投資家として運用戦略の高度化を図るために、専門性を有する外部人材の登用を積極的に推進し、運用態勢を強化しています。また、リスク分散に配慮した国際分散投資を加速するとともに、オルタナティブ(代替的)投資などの投資領域の開拓による一層の収益確保を目指しています。

インターネットバンキング取引におけるセキュリティ強化

・トークン(ワンタイムパスワード生成機)またはメールによるワンタイムパスワード認証

(株)ゆうちょ銀行では、ゆうちょダイレクトをご利用のお客さまに、「トークン(ワンタイムパスワード生成機)」を無料配布しています。
トークンとは、一度限り有効な「ワンタイムパスワード」を1分ごとに液晶に表示する小型の電子機器です。パソコンをウィルスに感染させて偽の画面を表示し、暗証番号・合言葉などを盗み取って不正にアクセスする犯罪に対し、一層のセキュリティ強化を図ることができます。
トークンをご利用ではないお客さまが、(株)ゆうちょ銀行あて振替(電信振替)および他金融機関あて振込等の送金を行う際は、メールによるワンタイムパスワード認証を行います。
セキュリティレベル向上のために、携帯電話・スマートフォンのアドレスをご登録いただくことを強くお勧めします。

・利用停止・利用停止解除機能

ゆうちょダイレクト(携帯電話でのご利用を除く)を普段は利用停止にしておき、お取引時にのみ利用停止解除することで、第三者による不正ログインを防止することができます。

(2)2016年度の新たな取り組み

・地域版Visaプリペイドカード「mijica(ミヂカ)」決済の試行

(株)ゆうちょ銀行および日本郵便(株)は、2017年1月から、幅広い年齢層を対象に、仙台市内および熊本市内のmijica取扱郵便局および当行直営店において地域版Visaプリペイドカード「mijica(ミヂカ)」の発行を開始いたしました。本サービスを通じて、地域経済活性化への貢献や、キャッシュレス決済の推進を目指してまいります。

3.資産運用

国内外の景気動向や金融政策などを踏まえ、ポートフォリオ全体の機動的なリスク管理を行っています。また、安定的な期間収益を確保するため、リスクを適切にコントロールしつつ、国際分散投資の推進などによるリスクの分散や収益源泉の多様化に取り組んでいます。

トピックス

ゆうちょの広告「ゆうちゃん。」

2017年6月から、イメージキャラクターの「本木雅弘さん」を起用したテレビCMなどの企業広告第2弾を展開しています。
今回も、本木雅弘さんが“ゆうちょ”の化身「ゆうちゃん」として、いつもお客さまのそばに寄り添う存在でありたいという「ゆうちょ銀行」の想いを表現しています。
「未来もずっと、ここに。」篇では、とある家族に寄り添う「ゆうちゃん」ですが、あまりに寄り添い過ぎて、うっとうしがられることも…当惑する「ゆうちゃん」にも注目です。
「みんなの、ここに。」篇では、国・性別・年齢に関係なく、みんなのそばに寄り添う「ゆうちゃん」が描かれています。「ゆうちゃん」の渾身の叫びにも注目です。

金融教育の実施

小学生・中学生を対象に、学校への出前授業などの金融教室を開催しています。
オリジナルの教材を使用して、お金の大切さ、お金との付き合い方を伝えることで、子どもたちが正しい金銭感覚を身につけることができるよう育成をお手伝いしています。
2016年度は、49校の小中学校等に、計74回の金融教室を開催しました。

「ゆうちょアイデア貯金箱コンクール」の開催

小学生が、貯金箱の作製を通じて、貯蓄に対する関心を高めるとともに、造形的な創造力を伸ばすことなどを目的として、「ゆうちょアイデア貯金箱コンクール」を開催しています。このコンクールは、郵便貯金事業の創業100周年を記念して1975年に始めたもので、2016年度で第41回を迎えました。
2016年度は、日本全国の11,227校の小学校から796,917点もの参加がありました。各小学校での審査を通過した応募作品の中から、一次審査(写真審査)を経て、特に優秀と認められた240点が最終審査(現品審査)に進出し「文部科学大臣賞」「ゆうちょ銀行賞」「ゆうびんきょく賞」「審査員特別賞」「すてきなデザイン・アイデア賞」の受賞者を決定しました。
2016年12月から2017年2月にかけて、全国7会場(東北・関東・東京・中部・関西・中国・九州)で、入賞作品240点の展示会を開催しました。
また、参加作品1点につき10円( 総額7,969,170円)を、(株)ゆうちょ銀行から(公財)日本ユニセフ協会と(独法)国際協力機構(JICA)それぞれに3,984,585円ずつ寄附しました。寄附金は、開発途上国で貧困や病気に苦しむ子どもたちのために役立てられます。

「マチオモイは、ひと想い。」ゆうちょマチオモイカレンダー2017を制作

2017年版(株)ゆうちょ銀行オリジナルカレンダー「ゆうちょマチオモイカレンダー2017」を制作しました。
地域に寄り添い、身近で親しみやすい金融機関でありたいという想いを「マチオモイは、ひと想い。」という言葉に託し、2013年版から「マチオモイ帖」(注)とタイアップして制作しています。
「ようこそ、マチオモイ郵便局です!」ページでは、カレンダーのモチーフとなった地元の店長、郵便局長等が、町の魅力や町への想いを伝えています。
2017年版は、全国を4ブロックに分け、4種類のカレンダーを制作し、47すべての都道府県が登場するようにバージョンアップしました。手にした方に大切な町を想い出し、温かい気持ちになっていただけるカレンダーです。

(注)「マチオモイ帖」とは、日本国内のクリエイターが、自分にとって大切なふるさとの町、学生時代を過ごした町や今暮らす町など、想いが詰まった町を自分の目線で切り取り、小さな冊子や映像にして展覧会などで届けるプロジェクトです。

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