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日本郵便株式会社の業務概要(2016)

日本郵便株式会社の業務概要(2016)

日本郵便株式会社は、日本郵政グループにおいて郵便・物流事業、国際物流事業および金融窓口事業を営む会社です。

郵便サービスをなるべく安い料金であまねく公平に提供することに加え、株式会社ゆうちょ銀行から受託する銀行窓口業務および株式会社かんぽ生命保険から受託する保険窓口業務についても、郵便局を通じて全国のお客さまに提供しています。

今後も、国民共有の財産である郵便局ネットワークの水準を維持し、公益性・地域性を十分発揮するとともに、郵便局のサービスをさらに便利なものとし、地域のお客さまの生活を総合的にサポートできるよう取り組んでまいります。

1.業務・サービスの概要

郵便・物流事業

郵便サービスを全国一律の料金であまねく公平に提供し、国内郵便に加え、万国郵便条約などの条約・国際取り決めに基づく国際郵便(通常・小包・EMS(国際スピード郵便:Express Mail Service))を提供しています。

また、お客さまの郵便発送業務一括アウトソーシングのニーズにお応えするため、JPビズメール株式会社などの子会社において、郵便物などの企画・作成(印刷)から封入・封かん、発送までをワンストップで請け負うトータルサービスを提供しています。

そのほか、国からの委託による印紙の売りさばき、お年玉付郵便葉書の発行などの業務を行っています。

物流サービスとして、ゆうパック、ゆうメールなどの荷物運送サービスを行っており、eコマース市場の成長に伴う多様な顧客ニーズに的確に応えたサービスを提供しています。一方、多様化・高度化する物流ニーズに対しては、お客さまに最適な物流戦略、物流システムの設計、提案、構築から運用までを行う3PLサービスの提供を、物流ソリューションセンターを中心として、株式会社JPロジサービス、株式会社JPメディアダイレクトなどとともに展開しています。

国際物流事業

2015年5月、豪州物流企業トール社の全株式を取得したことにより、トール社を介して、オセアニアおよびアジアにおけるエクスプレス物流、オーストラリアおよびニュージーランド国内における貨物輸送、アジアからの輸出を中心としたフルラインでの国際貨物輸送ならびにアジア・太平洋地域における3PLプロバイダーとしての輸送・倉庫管理などのサービスを提供しています。

また、日本と中国などアジアを中心とした物流ニーズにお応えするため、JPサンキュウグローバルロジスティクス株式会社や中国現地法人である郵便(中国)国際物流有限公司を中心に、総合的な物流ソリューションを提供しています。

さらに、eコマースを中心とした小口荷物の国際宅配のニーズにお応えするため、アジア、オセアニア、ヨーロッパエリア宛てには、香港レントングループおよび仏ジオポストとの出資・業務提携により、また、米国宛てにはフェデラルエクスプレス社との業務提携により、国際宅配便サービス「ゆうグローバルエクスプレス(UGX)」を提供しています。

金融窓口事業

お客さまにサービスを提供するための営業拠点として全国に設置した郵便局において、郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務、保険窓口業務などをはじめ、物販事業、不動産事業、提携金融サービスなども行っています。

・郵便・物流事業に係る窓口業務

郵便物の引受・交付、郵便切手類の販売、ゆうパックなど物流サービスの引受、印紙の売りさばきなどを行っています。

・銀行窓口業務など

株式会社ゆうちょ銀行から委託を受け、通常貯金、定額貯金、定期貯金、送金・決済サービスの取扱い、公的年金などの支払い、国債や投資信託の窓口販売などを行っています。

・保険窓口業務など

株式会社かんぽ生命保険から委託を受け、生命保険の募集や保険金の支払いなどを行っています。

・物販事業

全国各地の名産品を掲載しているカタログや地域に密着した商品を掲載したチラシなどを郵便局に設置し、掲載商品の販売斡旋を行うカタログ販売事業と、フレーム切手に加え、オリジナルの郵便関連商品などを開発し、販売を行う店頭販売事業を行っています。

・不動産事業

保有する不動産を有効活用して、東京駅前に建設した「JPタワー」をはじめとする賃貸ビル事業や、住宅事業、駐車場事業など新たな収益事業に取り組んでいます。

・提携金融サービス

株式会社かんぽ生命保険以外の生命保険会社や損害保険会社などから委託を受け、変額年金保険、法人(経営者)向け生命保険、がん保険、引受条件緩和型医療保険および自動車保険の販売を行っています。

2.2015年度の取り組み

ネット通販の拡大、スマートフォンやタブレット端末の普及など、日本郵便株式会社の事業を取り巻く環境が刻々と変化する中、環境変化に的確に対応し、安定した経営を定着させるため、収益の確保、生産性の向上などに努めてきました。

ゆうパック・ゆうメールについては、成長著しい通販市場・eコマース市場を中心として積極的な営業活動を展開し、コンビニ受取の拡大や受取ロッカー(はこぽす)などによる受取利便性の向上などにも取り組みました。

また、集配郵便局内で行っている郵便物等の区分作業拠点の集約や機械化により、ネットワーク全体の生産性を大幅に向上させる郵便・物流ネットワーク再編の一環として、東京エリアを受け持つ新たな地域区分郵便局(区分作業拠点)である東京北部郵便局を開局しました。
5月には、豪州物流企業トール社を子会社化し、今後、同社をプラットフォームとして国際物流事業を拡大することとしています。さらに、同社の有する知見と経験を活用してアジアにおける日本の多国籍企業のニーズに対応するなどにより、収益拡大を図ります。
6月には、ベトナム郵便との間で郵便事業の業務改善に関するコンサルティング契約を締結しました。
7月には、がん保険取扱局を全国2万局に拡大するとともに、郵便局のみまもりサービスについても、実施エリアおよびサービス内容を拡充しました。
11月には、JPタワー名古屋の竣工など、不動産事業の推進にも取り組みました。

このほか、株式会社ゆうちょ銀行・株式会社かんぽ生命保険と連携した各種研修による人材育成などを進めてまいりました。

今後も、さらなる収益向上に努めるとともに、より多くのお客さまのニーズにお応えしながら、健全経営の維持に取り組んでまいります。

豪州物流企業Toll Holdings Limitedの子会社化

2015年5月に豪州物流企業トール社の発行済株式100%を取得し、子会社化を完了しました。今後、同社をプラットフォームとして国際物流事業を拡大することとしています。同社の有する3PL、グローバルフォワーディングなどの知見と経験を活用し、アジアにおける日本の多国籍企業のニーズに対応するなどして、収益拡大を図ります。

資本業務提携

三井住友信託銀行株式会社および野村ホールディングス株式会社(2015年7月)
ゆうちょ銀行と三井住友信託銀行、野村ホールディングス、日本郵便が出資し、JP投信株式会社を設立しました。JP投信が三井住友信託銀行および野村ホールディングスのノウハウを活用し設定・運用する、お客さま本位の簡単で分かりやすい商品を郵便局のネットワークを通じて提供していきます。
アフラックと日本郵便との協業による新たなお客さまサービスの取り組み(2015年10月)
包括業務提携の理念に基づき、2016年4月からアフラックへの「住所変更案内サービス」の提供を開始し、また、2016年下期の試行開始を目標に、高齢者向けの現況確認サービスの共同開発を行っているところです。
IBM、Appleとの高齢者向け新サービスの実施に向けた業務提携(2015年4月)
「トータル生活サポート企業」として、高齢者の生活をサポートし、地域に密着したサービスを提供するため、実証実験の結果などを踏まえ、今後の本格展開を目指します。

不動産開発

新たな収益事業として、保有する不動産の有効活用に取り組んでいます。

JPタワー商業施設「KITTE(キッテ)」は、開業から2016年3月末までの総来館者数が7,100万人を超え、引き続き多くのお客さまにご愛顧いただいております。
2015年8月には、日本の国技である相撲の魅力を気軽に体験できるイベント「はっきよいKITTE」、2016年3月には、3周年記念イベント「THANKS KITTE」の開催など、にぎわいを創出しています。
このほか、2014年には、「札幌三井JPビルディング」、「大宮JPビルディング」が竣工し、順調に稼働しております。

また、2015年11月には、「JPタワー名古屋」が竣工しました。「JPタワー名古屋」は、中部圏最大級の複合ビルであり、オフィス棟と駐車場棟の2棟で構成されています。オフィス棟には、オフィスフロアや商業施設「KITTE名古屋」(2016年6月開業)、ホール&カンファレンスなどを配置し、また、1階から3階には3層吹抜けのアトリウムを設け、歩行者空間の整備により緑溢れる空間を有します。名古屋市が掲げる街づくりコンセプトの早期実現にも寄与しますよう、新しい出会いとコミュニケーションの場を創出します。

2016年4月には、「JRJP博多ビル」が竣工し、また、幅広い層の方々が行き交う博多駅前にて、「だれでも、気軽に、毎日でも」お過ごしいただけることをコンセプトとした商業施設「KITTE博多」が開業しています。

住宅事業としては、東京都品川区において、第一弾となる賃貸住宅が竣工し、運用しているほか、首都圏を中心に賃貸住宅事業に着手しています。

これからも、不動産開発事業を通じて人と人、人とモノ・コト、まちと人をつなぎ、地域・社会の価値向上に貢献できる空間づくりに努めていきます。

JPタワー

2016年(平成28年)用年賀はがきの取り組み

スター・ウォーズやサンリオキャラクターなど、おなじみのキャラクターたちがデザインされた「ウェブキャラ年賀」のサービスを開始しました。

11種類のキャラクターが切手部分や通信面などにデザインされた年賀はがきをWebサイトにおいて購入いただけるサービスです。それぞれのキャラクターが年賀はがき用のオリジナルデザインで登場し、多くの方にご利用いただきました。

また、昨年に引き続きlineとも連携。公式アカウント『郵便局[ぽすくま]』では、さまざまなコラボを実現しました。ぽすくまに写真を送ると、ウルトラヒーローや名探偵コナンのデザインの年賀状に合成できるなど、あっという間に素敵な年賀状が完成するので、「簡単に年賀状づくりが楽しめる」と好評でした。この公式アカウントは約700万人の方にお友だち追加していただき、幅広い世代の方に楽しんでいただきました。

3.商品・サービスの充実

ゆうパックの受取利便性の向上

2015年4月から、通販サイトで購入した商品を受取ロッカー「はこぽす」で受け取れるサービスを開始しました。また、2016年3月から、一部地域で不在持戻りとなったゆうパックの受取りサービスを開始しました。

2015年11月から、拡大するeコマース市場における、お客さま利便性向上の取り組みとして、全国のファミリーマート店舗(一部店舗を除く)で当社をご利用いただいている通販事業者さまの荷物が受取り可能となりました。

2016年4月から、全国の郵便局窓口(簡易郵便局を除く)での受取りを開始し、コンビニエンスストア(ローソン、ミニストップ、ファミリーマート)と合わせて合計約45,300の拠点(2016年4月末現在)での荷物の受取りが可能になりました。

eコマース市場拡大に対応した商品の拡充

インターネットの普及によるeコマース市場の拡大に伴い、これまでも、小型物品などを配送するサービスとして、インターネット通販などを展開する法人のお客さま向けの「ゆうパケット」(2014年6月から)、インターネットオークションを利用される個人のお客さま向けの「クリックポスト」(2014年6月から)など商品を拡充してきました。

2015年度においては、簡易なレターパック版として、専用封筒をご購入後、1kgまでの内容品を全国一律180円で、郵便ポストへ差し出すことができる「スマートレター」の取り扱いを始めました(2015年8月全国販売開始)。

ゆうパケット‐日本郵便

クリックポスト‐日本郵便

スマートレター‐日本郵便

デジタルメッセージサービス

「MyPost」は、大切なメッセージをインターネット上でやり取りするために日本郵便が提供する「インターネット上の郵便受け」です。日本郵便が会員の本人確認や氏名・住所の確認を必要に応じて行うことで、差出人は、会員本人と安心してメッセージをやり取りすることができます。会員は、自分が選択した差出人からのメッセージのみを受け取り、クラウド上で長期保管することができます。既に諸外国においては、各国の郵政事業体などがサービスの提供を開始しています。

増加する海外向け郵便・物流サービスへの対応

年々成長している越境eコマース取引による海外配送需要に対応するため、「国際スピード郵便(EMS)、国際小包、国際eパケット等」の郵便サービスの提供に加え、いろいろなご要望に柔軟に対応することができる国際宅配便サービスとして「ゆうグローバルエクスプレス(UGX)」を現在51カ国・地域に提供しています。また、保冷による小口配送需要に対応するためEMSによる保冷配送サービスとして「クールEMS」をシンガポール、香港、台湾、マレーシア、ベトナム、フランスあてに提供しています。

差出郵便局も2016年4月1日現在で93局42都道府県となっています。

がん保険取扱い2万局

がん保険を全国2万局で取り扱うことにより、全国津々浦々に広がる郵便局ネットワークを活用し、多くのお客さまにご提案を行い、幅広い層のお客さまにご利用いただいております。

カタログ販売

カタログ販売では、地域に密着した食品等の商品を、産地から直接ゆうパックでお届けしているほか、衣料品や服飾雑貨等の非食品の商品を中心とした「JPセレクト」「メンズスタイル」等のカタログを展開しています。また、「郵便局のネットショップ」では、上記の商品とあわせて、医薬品や日用品などの取扱いを行っています。

店頭販売では、人気キャラクター関連商品等を販売しており、北海道新幹線開業記念、北陸新幹線(金沢・富山−東京)開業1周年記念などの話題性のあるフレーム切手や、喪中見舞い商品のお線香たより「翆麗(すいれい)」も、ご好評をいただきました。

郵便局のネットショップ

みまもりサービス拡大・実証実験の開始

地域と郵便局のつながりを大切にし、共に発展することを目的として2013年10月から試行実施している「郵便局のみまもりサービス」について、2015年10月に実施地域を738局に拡大しています。

また、2015年10月から、山梨県および長崎県において、IBMおよびAppleと提携して高齢者向けタブレット等を活用した実証実験を開始しました。

今後も全国の郵便局ネットワークを活用して、高齢者向け生活サービスや地域に密着したサービスを展開していきます。

ふるさと納税に対するサポート

2016年3月までは、地方公共団体が寄附者へ送るお礼の品の企画や調達という形で、サービスを提供してきました。

2016年4月からは、ふるさと納税の専用サイトを開設し、寄附の受付からお礼の品の配達までの一連のサービスを提供できるようになり、ふるさと納税を多面的にサポートしていきます。

オリジナルフレーム切手の発行

オリジナルフレーム切手では、新青森・新函館北斗間の開業で話題となった北海道新幹線を題材とし、新幹線内部を再現したミニカーが付いた「北海道新幹線フレーム切手(ミニカー付き)」や、明治日本の産業革命遺産が世界文化遺産に登録されたことを記念した「明治日本の産業革命遺産」、人気アニメ「ちびまる子ちゃん」の「ちびまる子ちゃん連載30周年記念フレーム切手セット」など、乗り物やアニメ、名所や風物などの題材を販売しました。

トピックス

メッセージフェスタ

手紙の楽しさを体験できるイベント「メッセージフェスタ」を2015年9月と2016年3月に計7 日間KITTEで開催。延べ10万人以上のお客さまがお手紙ワークショップや著名人のトークショー、日本郵便のキャラクターぽすくまと仲間たちとの記念撮影会などを楽しみました。また、 2016年2月には地下1階の東京シティアイにて「乙女の手紙パーティー」を開催。女性を中心に 延べ1万人のお客さまで盛り上がりました。

手紙の書き方体験授業

手紙による子どもたちの心の交流の促進を目的として、全国の小・中・高等学校(特別支援学校ほかを含む)を対象とした「手紙の書き方体験授業」用の教材などをご希望の学校に無償で配布しております。

2015(平成27)年度は、小学校は全国約12,000校、約264万人の小学生に、中学校は全国約3,700校、約88万人の中学生に、そして高等学校は全国約1,500校、約36万人の高校生に参加いただきました。

ふみの日のイベント

より多くの方に毎月23日を「ふみの日」と認識していただき、手紙に親しんでいただけるように、2015(平成27)年度は、全国27カ所のイオンモールで「ふみの日イベント」を開催しました。

11月7日、8日にイオンモール幕張新都心で開催されたイベントでは、日本郵便のキャラクターぽすくまと仲間たちが登場し、大勢の来場者と交流しました。また、イベントでの「手紙作成ワークショップ」に参加の子どもたちの保護者から「子どもたちが文字と絵を使って一生懸命思いを届けようとする姿が良かった」といった声が聞かれました。

商品広告の展開

お笑い芸人の松本人志さん、女優の木村多江さんにご出演いただき、ゆうパックの広告「バカまじめな男」シリーズを展開しました。毎回違うゲストタレントにご出演いただき、大変好評です。ゆうパックのほかにも、年賀はがき、郵便局の年賀状印刷なども広告を展開し、いずれもCM好感度調査では上位にランクインしており、多くの方に当社の商品・サービスについて身近に感じていただける広告を目指しています。

はじめてのお年玉

新規に通常貯金口座をご開設いただいた0歳のお子さまに、お年玉を進呈することで、その保護者さまと「身近で便利、そして安心。おトクに使える、ゆうちょの口座」との親密度の向上に取り組みました。

また、キャンペーンにご応募いただいたお子さまに郵便局から年賀状を送付することで、その保護者さまに「手紙を通じて人に気持ちを伝える大切さ」をご理解いただき、将来の郵便局ファンを育むことに努めております。

女性向け雑誌

郵便局ご利用者の大半を占める女性のお客さまに向け、ご家族、ご友人とも話題にして共感、共有いただける商品をご提供したいという思いから、2015年5月、女性向け雑誌「Kiite!(きいて!)」の店頭販売を開始しました。

日本郵便は特別協力を行い、切手とおそろいのカードや切手の紹介など、郵便局の商品・サービス関連のコーナーも掲載されています。

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