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2025年8月19日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2025年8月19日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

[会見者]
日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役社長 根岸 一行
【社長】
日本郵政の根岸でございます。本日は暑い中お時間を頂戴し、ありがとうございます。
 まず、8月6日からの大雨に伴う災害発生に関し、被災者の皆さまに謹んでお見舞いを申し上げます。私ども日本郵政グループといたしましても、非常取り扱いや義援金の無料送金サービスなどのサービスを実施しているところです。また、本日現在で申し上げますと、20の郵便局、熊本で14局、鹿児島で6局ですが、この20の郵便局の窓口業務を休止しているところです。お客さまには大変ご迷惑をおかけしておりますけれども、ご理解をいただければと存じます。よろしくお願いいたします。
 私からは冒頭2件ご報告をさせていただきます。まず1件目ですが、点呼業務の不備事案の現状について、簡単に申し上げます。先月31日に、点呼業務不備事案に関する再発防止策につきまして、総務省、国土交通省に報告を行い、公表させていただいたところです。
 再発防止策につきましては、対象の全社員に対して動画研修などを既に行っております。また、一部の局でデジタル点呼の機器の運用なども開始をしているところです。こうした再発防止策を確実に実行するため、日本郵便と日本郵政、合同での会議を開催するなどして、その進捗を、日本郵政も含めて管理をしていきたいと考えているところでございます。
 それから、サービスの提供状況ですが、一般貨物自動車運送事業の許可の取り消しが行われました6月26日以降も、これまでと変わらずサービスを従来どおり提供させていただいているところです。荷物に関しましても、お中元期などありましたが、特段の問題は生じておりません。また、郵便の送達日数の関係ですが、これも毎月調査をしておりますけれども、特段の問題なくサービスの提供ができている状況です。いずれにしましても、郵便物、それから荷物のサービス提供について、お客さまにご迷惑をおかけしないように、確実に提供してまいりたいと考えているところです。
 それから、二輪車(バイク)の調査結果につきましては、今、データの精査などに少しお時間をいただいているところですが、今月中にはご報告できるような形になろうかと思いますので、改めて公表させていただければと思います。
 2件目です。お手元に報道発表資料をお配りしております。「マルチスポーツ体験イベント」公募型支援プログラムの選考結果についてご報告するものです。当グループでは、スポーツを通じた地域貢献、社会貢献の一環としまして、本年2月にパートナーシップ協定を締結いたしました一般社団法人大学スポーツ協会(略称:UNIVAS)様とこのプログラムを立ち上げ、6月から公募を行ってきたところです。
 今般、9大学のイベントを採択させていただきましたので、ご報告をするものです。本日以降、各大学に通知し、地域の郵便局がハブとなって、大学と地域の連携強化、あるいは近隣住民との交流促進、健康意識の向上実現を通じて、地域活性化につながることを期待しているところです。
 私からは以上となります。本日もよろしくお願いいたします。
【記者】
私からは点呼問題の事業への影響についてお尋ねします。6月末に貨物運送の事業取り消し処分受けてから、これで2カ月程度たちました。外部委託で、先ほども配送に大きな影響出ていらっしゃらないという旨、ご説明ありましたけれども、今後は軽車両の処分が見込まれております。年末への繁忙期なども踏まえて、どういった対応策を今、検討されていらっしゃるかを教えていただきたく存じます。また、通期業績への影響についても、現状分かってらっしゃるもので構いませんので、よろしくお願いいたします。
【社長】
いわゆる軽四車両につきまして、国土交通省により特別監査が実施されているところです。処分の時期、あるいはどの程度の処分内容かについては、私は申し上げる立場にはございませんが、相応の処分が出るのだろうと思っています。
 ただ、6月に受けました一般貨物自動車運送事業の許可の取り消しが日本郵便全体、会社全体での取り消し処分であるのに対し、軽四車両につきましては、事業所ごと、いわゆる郵便局ごとの処分になると聞いているところです。
 したがいまして、各郵便局で従来から行っているほかの運送会社様への委託拡大、あるいは、ほかの郵便局で確実な点呼ができることが前提でありますけれども、他局からの応援といったものを通じて、郵便、それから年繁期の荷物についても、お客さまにご迷惑をおかけすることのないように対応していきたいと思っています。
 いずれにしましても、処分内容がまだ分かりませんので、その処分内容の度合いに応じて、今申し上げたような手段を講じながら、着実にサービスを提供していきたいと考えているところです。
 それから、業績への影響ですが、先般、第1四半期決算のときに公表しましたように、一般貨物自動車運送事業の許可の取り消し処分に伴う委託費として、年度を通じて65億円程度の増額を想定しています。
 軽四車両についても処分がありますと、ほかの運送会社様への委託費の拡大が見込まれます。また、対応できなくなる部分について、社員が別の仕事を行うわけですので、そのあたりの具体的なものについては、今後処分内容を踏まえながら、数字の精査をしていく状況です。費用として65億円プラスアルファはもちろんあるでしょうが、どの程度かというのは、今後の精査が必要だろうと思っています。
 やはりこうした報道がされていますので、お客さまからもゆうパックの利用を差し控えたいというようなお声がゼロではなく、7月ぐらいから少しずつ聞こえてきているところです。そうした声があったからといって、すぐにお客さまが利用を取りやめるということではないにしても、やはり一定程度の収益減少リスクについては注視していく必要があると思います。ただ、少しタイムラグがあるので、今の時点でいくら減少するといった数字は見込めているわけではありませんが、いずれにしましても、先ほど申し上げましたような費用の増加など含めまして、もう少し具体的に把握できるような時期になりましたら、改めて皆さま方にも何らかの形でお知らせしたいと考えているところです。
【記者】
2点お伺いします。私も点呼問題についてなのですが、冒頭も少しお話しされたかと思うのですが、その軽四の事業について、6月の会見の際に社長が、処分が出た場合に、郵便サービスを維持する方策について検討を急ぐ考えを示されたと思うのですが、その後、今言える範囲で具体化した部分とか、言える範囲でお伺いできたらと思います。これがまず1点目です。
【社長】
繰り返しになって恐縮ですが、軽四車両の処分がされたとしても、お客さまにお届けをするということに尽きます。基本的にはどなたかに届けていただかなければいけないとすると、ほかの運送会社様に今すでに一部委託をさせていただいていますので、それをどこまで増やしていただけるかどうか。あるいは、先ほど申し上げましたように、今回の軽四車両については、処分が個局単位ですので、そうなってくると、全体が一遍にということではなく、処分を受けない郵便局もありますので、相互応援でどこまで巻き取れるか、こういったことが中心となろうかと思っています。それ以上は、あとは具体的な処分が出てからということで、処分をお待ちして、着実にやっていきたいと思います。
 既に処分が出ている一般貨物自動車運送事業については、着実な取り組みを行い、お中元期を乗り切らせていただいた状況です。
【記者】
ありがとうございます。あともう1点がバイクの件なのですけども、先月末の記者レクの際には、一定程度の不備が確認されたというお話もあったかと思うのですけども、今おっしゃられる範囲で、何か、どういったような不備なのかお伺いできたらと思います。
【社長】
やはり点呼関係になります。6月に受けた行政処分と法制上の決まりが違いますが、大きくは変わりありません。例えばアルコールチェック、特に帰局時のチェックができていないなど、こういったものが、同じように、個別の郵便局というよりは全国的にあるようです。データはほぼ集まってきており、今、そのデータについて取りまとめているところと聞いています。ただ、いずれにしましても、その不備の内容としましては大同小異だとお考えいただければと思います。
【記者】
分かりました。点呼がされてなかったと。
【社長】
はい。
【記者】
何か記録の書き換えとか改ざんみたいな部分は見られたのでしょうか。
【社長】
そこは精査中ですが、おそらく同様ということではありますので、そういったところもあったと思います。いずれにしましても、その辺をまとめた上で、改めてご報告させていただこうと思っています。
【記者】
今日発表されました「マルチスポーツ体験イベント」公募型支援プログラムですけれども、住民との交流のきっかけづくりや住民の健康意識の向上などを通じてというくだりがあったので、郵便局舎を活用して、今までも町の保健室みたいな健康診断的な取り組みだとか、あと今後、特にオンライン診療なども期待されているようですけれども、社会的に、そういうものと、こういう、何ていうのですかね、健康を主体とし、健康を目的と、主体としたコミュニティーハブみたいな、そういうことと結びつけていく考えというのはありますでしょうか。
【社長】
もちろん、運動を始めるきっかけとか、そういったものにつながればいいと期待しています。このイベントの中では、例えば当社が展開するMEKIMEKI体操などを行う予定ですし、また従来から、かんぽ生命はラジオ体操の普及に取り組んでいます。そういったことも含めて、きっかけづくりになればと思っています。
 いずれにしましても、今ご指摘のありましたオンライン診療も含めまして、特に地方では、郵便局がいろいろなコミュニティーの拠点となり得るところがあろうかと思いますので、これに限らず、つながりがあればそれをさらに広げていく努力というのは、それぞれの拠点で取り組んでいきたいと思っています。
【記者】
ありがとうございます。あと、今夏の豪雨災害でも、非常取り扱いの実施や義援金の無料送金サービスなど、さまざま日本郵政グループ様は貢献されてらっしゃると思うのですけれども、郵便局スペースを活用した防災備蓄倉庫は今も1カ所というふうに聞いているので、今後そういうものを広げていくお考えというのはありますでしょうか。
【社長】
現実にいろいろな自治体にご提案をさせていただいている例もありますので、相手があることではございますが、ニーズに応じて、お役に立てればいいと考えています。そういった防災という意味では、備蓄などは一つの事例だろうと思っています。
【記者】
先般、日本郵便様とクラダシ様の宅食サービスの今後の新規ビジネスに関して、ネットショッピングへの物販の移行ということが言われていたのですけれども、例えば郵便局の、高齢者向けの、郵便局を活用した、スマホというか、ネットが苦手な方との手助けというか、あと、今、半日営業の空き時間をどういうふうにこれからしていくかということもいろいろ考えられていると思うのですけれども、その中で、配送を社員の方や郵便局長さんがすることだとかも含めて、何かそういうことと結びつけていくような活用の仕方というのは、今後計画される可能性というのはあるのでしょうか。
【社長】
もちろんそうだと思います。例えばスマホの使い方のお手伝いだとかは、地域毎でお話があって、一部の地方公共団体から事務受託した事例がございますし、それからご質問にあったように、郵便局の窓口を半日休止することで、窓口を閉めた時間に窓口の社員が郵便物などの配達を行うという取り組みも、試行が始まっているところです。一個一個はまだまだ点と点でしかないものですけれども、そのあたりをトータルで、面として地域のお客さまに対してどういうサービスができるかということを検討していかないと、地域の中にある郵便局の価値が十分に発揮できないだろうと思っています。
 今そうしたパーツ、パーツになっているものについて、もう少しパッケージでいろいろな形でご提案できないか、あるいは組み合わせができないかどうかについては、よくこれまでの実例を踏まえて、新たなご提案ができるように努めていきたいと考えているところです。
【記者】
ありがとうございます。あと1点だけ、日本郵便ご出身の目時UPU事務局長が2期目に今回挑戦されると思うのですけれども、応援と期待の言葉みたいのがもしあれば、お願いします。
【社長】
目時事務局長については、私も元は郵政省に入省していますので、従来からよく存じ上げています。いろいろとご指導いただいたこともあります。人格、見識ともに優れた方でありますし、それから1期目について、私が知るところによりますと、各加盟国の方々からも非常に評価されているということですので、ぜひこれは2期目、務めていただければすばらしいことだと思っています。応援できることがあれば、私どもとしてもしっかり対応していきたいと考えています。
【記者】
すいません。ちょっとお伺いしにくいところ、お話しにくいところかと思うのですけど、また先ほどの、ちょっと軽車両の処分の問題に関連しまして、現時点では処分が出てないので、何とも言いづらいかもしれないのですが、今いろいろと想定されて、ご対応の準備されていることかと思うのですが、最大でどれくらい、おそらく車両停止などが予想されるかと思うのですけど、どの程度までであれば吸収できる想定で今準備をされているのかというのがまず1点で、2点目が、細かいところなのですが、特に保有台数の少ない地方の局や、代替業者がさほどないような地域などに関してはどのようにご対応されるのか、今のところのお考えをお聞かせください。
【社長】
なかなか処分が出ない中で、まさにお答えしづらい部分もありますが、いろいろな手続きなり、制度などを見ますと、私どもが想定している範囲だと、何とか乗り切れるのではないかと思っています。ただ、もちろん簡単ではありませんので、先ほど申し上げましたように、いろいろな組み合わせの工夫をしていかなければいけないと思います。特に、ほかの郵便局からの応援などを相当程度行わなければならないのではないかと思っています。
 地方では、数少ない車両が使用停止となってしまいますと、その郵便局ではなかなか厳しい状況となりますが、一方で、そういった郵便局は規模としてはそこまで大きくはないので、ほかの委託先様が見つからなかったとしても、近隣局の応援などで、何とかできるのではないかと思っています。
 ただ、処分がまだ出ない中で軽々に申し上げられるところではありませんので、イメージとしてはそういうことを思ってはいますけれども、やはり個々に実際の処分が出てくれば、広域で何かをしなければいけなのではないか、あるいは、少し無理をして、遠くの委託先様を探さなければいけないのではないかなど、そういったことが出てこようかと思います。その状況、処分の内容を見て、真摯に対応するしかないと考えているところです。
(※記者会見における発言および質疑応答をとりまとめたものです。その際、一部、正しい表現・情報に改めました。)