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2023年2月7日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2023年2月7日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

[会見者]
日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役社長 増田 寬也
【社長】
本日は私から2件報告します。
 まず、1件目です。ローカル共創イニシアティブの第2期を実施することといたしました。この取り組みですが、昨年の4月から開始しており、公募で選出された日本郵政グループの本社社員を2年間、地域で活躍するローカルベンチャー企業や自治体に派遣することで、地域における新規ビジネスなどの創出を目指す制度です。
 第1期は既に派遣しており、第2期として、今年の4月から新たに公募で選出した社員2名について、1名は北海道の厚真町、もう1名は福島県国見町において活動を開始します。
 現在、第1期は8名の当グループ社員を5つの地域、7組織に派遣して、社会課題解決に資するサービスに精力的に取り組んでいるベンチャー企業や自治体とともに、現場で活動して、新規ビジネス創出に向けた挑戦をしているところです。例えば、石川県の七尾市では事業承継分野、宮城県の石巻市では農福連携や物産づくり、空き家の活用、そして、奈良県奈良市や三重県尾鷲市では、郵便局の顔の見える関係性と物流ネットワークを活用した共助の仕組みづくりなど、それぞれのテーマで地域と密接に関わりながら企画を練っております。各地域における企画は具体的な形になり次第、随時公表をしてまいります。
 また、社会課題解決の動きを加速するため、来月3月2日の木曜日、Social Co-Creation Summit Liquid 2023というイベントを当グループ本社で開催をする予定です。当日の基調セッションでは、デジタル庁統括官の村上敬亮氏、前宮崎県日南市長の崎田恭平氏、それから、島根県雲南市で活動しておられるCommunity Nurse Company代表の矢田明子氏、この方々と私が登壇して、人口減少を前提とした地域社会の中で、企業はどのような価値を創造することができるのか、これをテーマに議論をいたします。
 そのほか、ローカル共創イニシアティブで比較検討しているコンテンツやカーボンニュートラル、web3などの社会潮流を踏まえたコンテンツを設定したテーマ別セッションも行います。
 それぞれのテーマの実践者にご登壇いただき、事例を学ぶことで、企業が時代の変化に対応しながら社会課題や地域社会とどう向き合っていくかを探る機会にしてまいります。
 なお、記者の皆様へは近日中にイベント取材のご案内をさせていただきます。
 当グループでは、現在のような変化が激しい時代に突入している中で、このような取り組みを積極的かつ主体的に行うことで持続可能な地域社会づくりに貢献できる新たな役割を模索してまいります。
 2件目です。日本郵便における+エコ郵便局の取り組みについて、申し上げます。
 日本郵政グループは2050年のカーボンニュートラル化の達成に向けて、2030年度までに温室効果ガスの2019年度比46%削減を目指すとともに、郵便局ネットワークを活用して、地域のカーボンニュートラル化の推進にも貢献するよう、今、取り組みを進めています。
 地域のカーボンニュートラル化の推進について、どういう取り組みをしているかと申し上げますと、まず、東京電力様および三菱自動車様との戦略的提携により、静岡県の沼津郵便局、及び栃木県の小山郵便局において、太陽光発電設備の設置や郵便局電力の再生可能エネルギーへの切り替えにより、両郵便局の使用電力については2022年2月までにCO2排出量をゼロにしました。
 また、中部電力様との戦略的提携により、愛知県名古屋市の天白郵便局において、2023年度から太陽光発電設備や蓄電池の設置を進め、再生可能エネルギーの活用と、夜間に昼間使用電力を蓄電するといったエネルギー利用の最適化などを試行的に実施することとしております。
 さらに、CLT、クロスラミネートティンバーというものですが、木の板を、繊維筋が直角に交わるように、ぐっと重ねて接着した、いわゆる集成材的なパネルで、非常に強度が高いものですが、こういうパネルや太陽光発電設備などの再生可能エネルギーを利用した、より環境に配慮した+エコ郵便局の開局などにより、地域のカーボンニュートラル化の推進に取り組んでおり、今年度中にCLTを活用した郵便局が8局完成いたします。
 そのうちの1つとして、今月の27日の月曜日、北海道上川郡当麻町に所在する当麻郵便局が開局いたします。
 当麻郵便局は環境に配慮した建築資材として、当麻町産木材などを活用したCLTを利用しております。地元産材を扱った郵便局であり、また郵便局としては、初めての木質バイオマスを活用した熱利用設備、これはチップボイラーですが、これの熱を活用した熱利用設備により、積雪期も発電可能な壁面設置型の太陽光発電設備を導入しております。
 木質バイオマスで生み出した熱量や太陽光により発電した電力は、主に郵便局の暖房や日常の電力として利用し、郵便局で消費するエネルギーの一部を自ら創出をすることで、郵便局から発生するCO2を抑制してまいります。
 また、熱利用設備の燃料ですが、こちらは当麻町および当麻町森林組合にご協力いただき、地域で生産された木質チップを利用することで、地域資源の活用にも貢献をしてまいります。
 この熱利用設備および太陽光発電の導入により、数字的には年間約35トンのCO2削減が可能になります。2月27日の月曜日の開局ですが、その前に2月17日金曜日に現地にて落成式を開催いたしますので、こちらのほうもぜひともご取材をいただければと思います。
 なお、2023年度以降の+エコ郵便局の展開方法についても、今、検討しているところです。また、概要が決まり次第公表いたしますが、こうした取り組みにより、当グループでは、引き続き温室効果ガスの削減、地域のカーボンニュートラル化を推進してまいります。
【記者】
2点伺わせていただきます。1点目が春闘に関することです。今年、春闘では賃上げの機運が例年にも増して高まっていますが、企業の中には、労使交渉を前に賃上げの方針を表明するところも出てきています。今春闘に関して、賃上げについて、どのような姿勢でいらっしゃるのか、お考えを聞かせてください。もう1点が、日本郵便に関することですが、今日経産省で、取引先、中小企業との価格交渉で、価格転嫁に後ろ向きとして、日本郵便が最低評価を受けました。このことに関して、どのように受け止めていらっしゃるのか、お聞かせください。
【社長】
まず、春闘の関係ですが、今、物価高騰など生活も大変厳しい状況になっておりますので、社員の労働条件を改善して、できる限りさまざまな面で、社員の生活をサポートしていく、あるいは、社員に対してできる限り還元をしていくということをしていきたいと思っています。
 一方で、今、第3四半期の決算数値をちょうどまとめているところですが、経営環境が非常に厳しいという現実もありますので、組合ともしっかりと誠心誠意交渉して、今回の春闘にどういう結論を導くのかを決めていきたいと思っています。
 政府も声高に、経団連にも呼びかけていますが、給料なり、それから、さまざまな手当なども含め、賃上げについて前向きに対応している企業も出てきていることも十分承知しております。
 ただ、今の段階では、この場で公表するまでにはいたりませんが、春闘交渉の中で結論を導いていきたいと思います。
 それから2点目、今日の中小企業庁の公表については、先ほど私も聞きました。いろいろな調査をやられて、価格転嫁ですとか、それから下請けとの交渉とかコミュニケーション、様々な評価のポイントがあるようです。まだ、調査結果が公表されたということを見たという段階ですので、これを受けてこれからどうしていくかは、日本郵便のほうでいろいろ考えてもらいます。委託という形で多くの中小企業の皆様にご協力いただいておりますので、今、そこがどのような実態になっているかを、日本郵便で調べてもらうように指示をしております。日本郵便でも、その点については、状況を早急に明らかにして、その上で、調査のご指摘に応えていきたいと考えていると思います。まずは本日、先ほど公表されたものを受け止めて、実態をしっかりと調べるということに取りかかる段階だとご理解いただければと思います。
【記者】
2つありまして、1点ずつお願いできればと思います。1つは、今の中小企業庁の発表の件ですが、最低点だったということになるわけですが、かつ下請けの恐らく多くの企業が、自分たちのコストは上がっているのに取引価格が下がっているというふうに回答しているという結果が出ているわけですが、その点、どういうふうに率直に受け止められているのかということを1点教えてください。
 それと、現時点では、そういう取引価格が、総じて下がっていると。抑えられている、下げられているという認識は、特に増田さんはお持ちではないということでしょうか。併せて教えてください。
【社長】
まず、受け止めですが、調査の方法ですとか、どういう観点からアンケートをやったかということについて、十分まだ把握しておりません。いずれにしても、価格転嫁について、ランクが一番下だということはお聞きしました。どのような点が悪かったかなどについては、これからよく分析をしたいと思います。
 それから中小企業の皆様方とどのような契約になっているのか、価格についてどうなっているのか、ご承知のとおり郵便局ごとにいろいろな委託先にご協力いただいており、いろいろなケースがあるわけですが、荷物の量が増える時は、日本郵便と委託先とで、それを分け合ったりしている場合もあれば、量が少なくなる時、例えば委託先を減らしている場合とか時期だとか、いろいろ変動があり、その際に価格をどのようにしているかというところなど、まだよく実態が分からないところもあります。
 いろいろなケースや原因が、このような声につながっているのではないかと思われますが、いずれにしても、実態を早く明らかにしないと、今後の正当な契約ということにつながらないと思いますので、いろいろな契約がどうなっているのか、まずは日本郵便に事実関係を押さえてもらおうと思っています。
【記者】
分かりました。あと、その下請け企業が、昨年来コストが上がっているということは、多分自明のことだと思うのですが、その下請けのコストが上昇していることに対する価格転嫁について、増田さんとして基本的なお考えがあれば、それを教えてください。
 それと、現時点では、日本郵便から価格転嫁を拒否したり、価格の引き下げを求めたりしたことは、例は、ご認識は特にないということでいいですか。
【社長】
2番目の質問から申しますと、日本郵便の実務の話ですので、そういった個々の点について、私のほうに報告をしてもらっているとか、そういうことはございません。
 それから、今の価格については、具体的には日本郵便の実務を取り扱っているところでいろいろ対応すべき話ですが、最近の価格については、エネルギー価格の上昇などもあって、よりシビアに交渉しているのではないかと思います。
 そういう実態をよく踏まえどういう対応策がとれるのか、そのあたりをしっかりと社内で検討しないといけないと思います。多分、物流だけではなく、ほかの業界も含めて、これから大きく問題になってくる分野だと思います。今日の中小企業庁の公表もその大きなきっかけになると思いますので、よく見ていきたいと思います。
【記者】
ありがとうございます。それともう一つ、郵便局の昼休みについて、本来3月から導入予定だったものが延期になったと聞いております。どういう計画で、そして、今どうして延期になったのか教えてください。
【社長】
日本郵便において今、一部で導入しているお昼休みを3月からより広く導入するということで考えてきたと聞いております。お客さまの利便性との関係で、より広く声を聞き、慎重に考えるべき、もう一度考え方を整理しようということで延期をしたと聞いています。
 今は、離島ですとか地方部といったところにある郵便局の一部で導入していますが、利用客が非常に少ないというところです。
 全国に広げていくにあたっては、地域事情が相当あると思いますので、一律にやるというよりも、やはり地域事情をできるだけ踏まえてやっていくべきだと考えています。いずれ対象の郵便局を少し広げていくことにはなるかと思いますが、お客さま目線で見て、本当に差し障りないのかなど、そのあたりをよく見ていきたいと思います。
【記者】
ありがとうございます。今おっしゃった慎重に考えるべきという判断をした何かきっかけがあったのでしょうか。それと、実際この後導入する見通しというのは、どのぐらい先とかっていう見通しがあれば教えてください。
【社長】
いろいろと利用者の利便性などを考えたときに、どこの郵便局を対象にするかというのが具体的になってきた際、一部都市部も入っていたと聞いています。そのあたりについて、本当に大丈夫かということを、もう少し広く複数の声をいろいろ集めたうえで可能性を考えようということになったと聞いています。
 したがって、お客さまの声ということではないのですが、関係者の声をさらにいろいろ聞く中で、やはりここはもう一度慎重にやるため、延期の判断に至ったと考えております。
 今後については未定です。
【記者】
分かりました。あと、くどいようですが、もう1点だけ、見ているとその準備がわりと整っていた地域、あるいは支社があるように見受けるのですが、そうすると、まさに今おっしゃったように地域の事情によってなので、準備ができたところから始めるのもあり得たのかなと思ったのですが、そこはいかが検討されましたか。
【社長】
今は計画を持っていませんが、もしそのように日本郵便が判断したのであれば、そこは比較的早く再開する可能性はあるかもしれません。今の段階では、いずれにしても、何かそういうところを抽出して早くやるとか、そういう段階には至ってないと聞いています。そこが煮詰まってきて、動きが出てきたら、本当にお客さま目線で大丈夫か、それから一方で当社の社員にとってどうかを勘案しながら考えていきたいと思います。
【記者】
先ほどの中小企業庁の調査ですが、この調査によると、回答がア、イ、ウ、エという4段階でランク分けしてあって、日本郵便さんは最低のエ、回答の平均が0点未満という形で、同じエでランク分けされている企業がほかになく、日本郵便さんだけということについてどのように受け止められているのか、そこら辺についてちょっとお願いします。
【社長】
しっかりとした形で中小企業様の声を聞きながら実施された調査だと思いますので、ここまでの低レベルの得点であるということは、推測としてですが、深刻な問題が恐らく内在しているのではないかと思います。それから、どういう観点でここまでの厳しい評価になったのか、そこをしっかりとこれから突き止めていかなければいけないなと思っています。
 まだ、どこの点を改善するとよくなっていく、あるいはこの点とこの点がここまで悪くて点数がエのランクまで下がったというところが見えていないので、今のところはそういう少し抽象的な言い方ですが、いずれにしても、ここまで点数が他企業さんと比較しても低いというのはやはり大きな問題だと思いますので、それぞれのケース、実態をよく見た上で、改善に取り組みたいと思います。
【記者】
ヤマト運輸さんなんかは昨日10%ぐらいの値上げ、春からの値上げというのを発表したのですが、この価格転嫁で実際に名指しされたというか、公表された件も踏まえて、こういったもともとのサービス料金の値上げに対する検討状況などは今どうなっているのでしょうか。
【社長】
同業他社で言うと、昨日発表したヤマト様、それから、先日佐川様でも値上げをされるという判断をされたとお聞きをしています。
 日本郵便は今のところ、値上げをするという計画を持ってはおりません。今、非常に、諸物価が高くなっておりますし、輸送のコストも非常にかさんでいるのも事実ですので、その中でどういう価格設定でこれからもいけるのかというのは、こういう時期ですから常時考えておりますが、計画的にいつまでにこうしようということを今考えているわけではありません。もう少し事態をよく見ていきたいと思っています。
 それから、配送のほうでどこまで吸収できるかということも、これから企業努力として考えていきたいと思います。
【記者】
賃上げのところですが、ほかのメガバンクとか大手生保は既にその物価上昇率以上の賃上げというのを表明しておりまして、このことは今後賃上げを考える上では、どれぐらい重視していかれるのでしょうか。
【社長】
当グループは金融2社もございますし、それから物流の業態もございます。今まではグループ統一で賃上げに臨んでいるという状況でした。基本的に、そういう形で進めていくというのが今の当グループの考え方です。いずれにしても根っこにあるのは人的承継ですとか、そういう人材の厚みを会社としてどうしていくのかという、将来の採用、社員をどれだけ確保できるかということにも大きく関わってきます。そこで後れをとると将来の経営に響いてきますので、当然、他社がどこまでそういう新しい人材獲得にアピールしているのかということも考えながらやっていきたいと思います。当然そこは組合でも、そういった点は十分考えながら、いろいろな資料も集めて、私どもに対してお話をされると思いますので、その中で、どこまで会社として、現状の経営の中でやれるのかはこれからよく詰めていきたいと思います。
【記者】
交渉事なので、あまりここで断定的なこと言えないのは分かるのですが、これまではかんぽ、ゆうちょ、日本郵便と横並びで考えてこられたと。今後についてはその辺はどうなるのですか。
【社長】
実は春闘交渉の中で、横並びをずっと維持するかどうかは必ず論点になっています。広く言えばそこも含めてということになりますが、あとは現在の諸物価ですとか、それから他社の動向などを考えながら、どうやって対応していけばいいのかを考えたいと思います。
【記者】
2点目、楽天モバイルですが、郵便局内の店舗の閉鎖ということが出ています。日本郵政は資本提携もされており、その効果などについて、この閉鎖と資本提携の効果についてどう見られて、受け止めていらっしゃるのかというのを教えてください。
【社長】
楽天モバイル様の郵便局内での申込カウンターを80カ所ぐらいに縮小し、その上で全国の郵便局へのチラシの配布に切り替えていくと聞いております。これは、楽天様の販売戦略に大きく関わってくることですが、お越しになるお客さまが1巡、2巡、したということではないかと思っています。私のほうで楽天様の販売戦略の方向性について情報を持ち合わせておりませんが、違う形での販売戦略をいろいろシフトしていかれたのだと理解していますし、それから、郵便局のスペースをお貸しするのは携帯キャリアの会社それぞれに平等でお貸ししていますが、私どもが資本提携しているのは楽天様ですから、先方の販売戦略に沿う形でご要望があれば、ご協力をしていきたいと思っています。
 それから、まず一番優先するのはやはり荷物だと思います。今、ゆうパックは楽天様関係が1割ぐらいを占めていますが、この荷物をより増やしていって、そのことによりゆうパック全体のトップラインを上げ、JP楽天ロジスティックスの営業成績を上げていくことで、楽天グループ様との資本提携の効果を発揮していきたいと思います。
【記者】
すいません、3つ目は先ほど来から出ている中小企業庁の件で、これから資料を見られるということではあるのですが、これは公表されている資料見ても、0点未満ということは、点数付けでマイナスだったものがあったということだと思うのですが、改めましてこれの受け止めを教えていただけないでしょうか。
【社長】
どういうケースが現場で起きているのか、しっかりと実態を踏まえた上で対応策をとっていく必要があると思います。このアンケート結果は相手様の貴重な声だと思いますが、日本郵便として現実に取引の実態の中で、どのようなことが行われているかというのは、よく見たいと思います。
 公表資料についてはかなり厚い資料で、公表されている会社名も150社程度あって、相当幅広く調べておられます。みなさまに共通する要素や業態的な特色など、しっかり分析する必要があると思いますが、いずれにしても優越的な地位を利用して何か正当な取引につながらないということでの指摘のように思いますので、しっかりと調べた上で対応していきたいと思います。
【記者】
今日発表されたイベントで、選ばれた事業者の方というのはどういう観点で選ばれたのかと、日本郵政のお知らせなので、独自でやってらっしゃると思うのですが、郵便局だとか、ゆうちょ銀行、かんぽ生命はこのイベントに関わってこられるのかっていうのを教えてください。
【社長】
イベントに参加する事業者はローカル共創イニシアティブ第1期のグループ社員の派遣先の方や、地方創生や地域の新しい事業を行っているローカルベンチャーや社会的な事業をやっている団体など、各地域で活躍されている方々が選ばれております。
 社員を派遣する先は地方創生分野でその地域や全国的に名が通っているローカルベンチャー的な組織ですが、社員を派遣したことにより更につながりが強化・拡大されており、今回ご登壇いただくことになっています。様々な事例を具体的にお話しいただけるので、グループ全体にとっても非常にプラスになるのではないかということで、ご登壇をお願いしております。
 それから、ゆうちょ銀行、かんぽ生命も含めてどうかとのご質問ですが、派遣している社員は当グループ全体の中から選定し、日本郵政に一度籍を移して派遣しております。このイベントのテーマ別セッションの中で考えられているものは、グループ各社に将来的には必ずつながっていくような分野だと思いますので、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命も含めて、グループ全体として、ここで得られる知見を将来に生かしていこうということになっております。
 ちなみに、基調セッションに出演される村上氏はじめ、私以外の3人の方も、相当各分野で様々な活動をされている方で、ご興味のある方であれば生の声をぜひとも聞きたいと思ってらっしゃる方々ではないかと思います。
【記者】
2点目ですが、第3四半期決算、間もなく発表されると思うのですが、今年度の本格営業が始まって、行方が注目されていると思うのですが、残り1カ月半の投資信託や保険商品の販売に対する社長の意気込みと、あと、来年度からの営業方針で、このようにしていきたいというような、変えたいような部分というのはありますでしょうか。
【社長】
その点については、ゆうちょ銀行やかんぽ生命で今、整理をしています。その後の発表でもご承知のとおり、2018年頃に比べると、数値がかなり下がっています。現状はまた少しずつ上がってきていますが、現場の第一線で商品販売している人たちの声をよく聞く必要があると思います。今、ゆうちょ銀行で営業のあり方などについて整理をしているところですが、どのような声が出てきているのかということを、私もゆうちょ銀行から間接的に聞いています。フィデューシャリー・デューティーをちゃんと守った上で、お客さまにちゃんと寄り添って、資産形成に資するような商品販売ができるようにしっかりとした体制をつくってほしいとゆうちょ銀行には言っております。ゆうちょ銀行側でも体制を強化して、いろいろと対応策を考えているところですので、今月から来月にかけて決めたうえで、その内容をフロントラインなどに下ろし、4月からはしっかりとした対応で臨んでいきたいと思います。
 2022年度は、やはりまだいろいろな影響を受けて、十分な成果が上がっていないと思いますが、だからといって以前のようにまた問題を起こすような販売の仕方になってはいけませんので、単に販売額とかだけではなく、どれだけフィデューシャリー・デューティーを守っているかどうかという点を評価の中でウェートを高くして、営業に臨むことを考えています。
 全体がまとまったら、その考え方がいいのかどうか、私のほうでもしっかりと確認したいと思います。
【記者】
ありがとうございます。最後ですが、ちょうどATMの手数料が上がってから1年たって、値上げはやむを得ないと思うのですが、小銭の預け入れについて、何らかの形で受け皿のような仕組みというのがあると、すごくいいじゃないかなといつも思っていまして、社会的なデジタル化が進む中で、来客者を減らさないような戦略として、増田社長はどのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。
【社長】
今のご指摘は大変重要で、ATMに行って小銭を預けると手数料がかかる、それから、お子供様たちが貯金箱に小銭を入れて、それで持っていくと、やっぱり手数料がかかるなど、従来とだいぶ違う形になりました。お客さまから随分いろいろな声がこの1年間で届きました。
 おっしゃるとおり、コストが相当膨れ上がりましたので、有料化についてはご理解をいただかざるを得ないのですが、一方で、郵便局をいろいろと使っていただき、ご愛用いただいているお客さまに対して、別の手段で何かお返しできるようなことがあり得るのかどうかということを、いただいた声をしっかりと整理して、日本郵便とゆうちょ銀行で、考えていくべきと思います、ゆうちょ銀行にはこの1年間の声について、分析などを行ない、ゆうちょ銀行から見てどのようにしていったらいいのかを考えるように、今、話をしております。
 現時点では、にわかに何かを見直すということはありませんし、やはり有料化はしていかなければいけないと思っていますが、ただ、今のままでいいのかどうか。もっと違う形であれ、少しでもお客さまからお褒めいただけるようなやり方はないのか、そこは、ちょうど1年たちましたので、考えていきたいと思っています。これは私も大きな宿題だと思っております。
(※記者会見における発言および質疑応答をとりまとめたものです。その際、一部、正しい表現・情報に改めました。)