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2021年8月31日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2021年8月31日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

[会見者]
日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役社長 増田 寬也
【社長】
日本郵政の増田です。本日は私から2件、ご報告をいたします。
 まず1件目です。グループの内部通報制度の見直しについて申し上げます。先月の記者会見で外部専門チームおよびワンストップ相談・通報プラットフォーム、この2つについて、9月1日から導入することを決定したと申し上げました。
 このうち、社員が一切関わらない調査スキームを担う外部専門チームですが、こちらの体制については、現段階で約40名の外部弁護士などで構成するチームを組成するということにしました。
 具体的なチーム構成としては、通報の受け付け調査、調査結果の報告を担当するチームが中心になりますが、それに通報者のお話をいろいろお聞きして、どういう通報なのかということをより正確に理解をするという、一定水準の傾聴スキルを備えた産業カウンセラー、そして、デジタルフォレンジック調査の技術者、こうした人たちを含めた体制です。
 外部専門チームにおいては、9月1日の導入以降、通報に関する調査などを実施することに加えて、モニタリング的手法を活用したグループ各社の実態調査や通報内容の傾向などをコンプライアンス経営に活用するためのデータ分析の実施などを予定しています。
 さらに、この外部専門チームとの連携を強化するため、明日9月1日付で日本郵政のコンプライアンス調査室を改組し、名称を内部通報制度管理室と変えて、これを設置することとします。
 この室においては、従来の内部通報に関する調査に加えて新たな改善策の企画、内部通報制度の評価スキームの検討などを行うこととします。既に新体制に移行している日本郵便を含む各社コンプライアンス部門との連携についても強化を図ります。
 次に、各部署が設置をする窓口でそれぞれ受け付けていた相談通報を、一元的に受け付けるワンストップ相談・通報プラットフォーム、こちらの導入準備状況について申し上げます。
 プラットフォームを活用して調査を実施する各社コンプライアンス部門の担当者向け説明会の実施、マニュアルの配布により、システム操作についての理解を深めています。
 それから、社員に対しては先月と今月の2回、グループ各社のポータルサイトを通じた周知活動を実施するとともに、ユーザーマニュアルの配布も完了しています。
 さらに利用開始となる明日、4社長連名によるトップメッセージを発出いたします。また、私の動画メッセージの発信も行い、全グループ社員に対して、改善策導入の趣旨を改めて伝えることとします。
 これらの改善策の導入を通じて、社員が安心して積極的に声を寄せられる内部通報制度にしてまいります。
 これで、本日をもってこの第2フェーズ、利便性向上フェーズが完了ということになります。今後は第3フェーズ、こちらは中長期的検討フェーズとして、認証制度の取得、第三者評価スキームの導入、窓口担当者のスキル向上など、JP改革実行委員会の提言の範疇にとどまらない施策を順次検討、実施してまいります。引き続き、内部通報制度の改善を通じ、真のコンプライアンス経営を実現し、お客さまによりよい商品、サービスを提供できる企業グループへ変革することを目指してまいります。
 2点目ですが、年賀はがきの発行についてご紹介を申し上げます。
 2022年用の年賀はがきですが、ディズニーの年賀はがき、全国版、地方版寄付金付き絵入りはがきなど、当初発行枚数として、約18.3億枚を発行します。これは対前年比で約94%の発行枚数となります。
 この2022年用年賀はがきの特徴としましては、全ての券種で、森林保全につながるFSC認証を受けた紙を使用します。FSC認証ですが、これは国際的な組織である森林管理協議会(Forest Stewardship Council)が、環境、社会、経済の持続可能性の観点から、責任ある森林管理の原則に基づく規格を定めて、責任ある管理された森林や、そこから生産された林産物、再生資源、その他の管理された供給源からの原材料でつくられた製品を識別する、国際的な認証制度です。
 日本郵政グループではJPビジョン2025において掲げておりますとおり、サステナビリティー経営の推進として、温室効果ガス排出削減を目指して、環境負荷低減に取り組むこととしています。
 多くのお客さまに長く親しまれる年賀はがきをFSC認証にすることで、森林の生物多様性や地域社会に配慮した持続可能な自然資源の利用と、手紙文化の承継を推進し、お客さまとともに世界の森林保全を応援してまいります。
 また、今後、通常はがきにつきましても順次、FSC認証紙に切り替えていくこととします。
 なお、今年も年賀特設サイト、郵便年賀.jp(ドットジェーピー)を開設します。年賀はがきの商品紹介、年賀状づくりに役立つコンテンツなどをご用意しておりますので、ぜひ多くの方にご利用いただければと思います。
 本日の報告事項は、以上の2件ですが、もう1点だけつけ加えさせていただきます。
 先般行われました第27回の万国郵便連合、UPUの大会議における選挙の結果につきまして一言申し上げたいと思います。これは、コートジボワールのアビジャンで先日行われたものですが、ご案内のとおりUPUの国際事務局長選挙におきまして、日本政府が擁立をした日本郵便の常務執行役員の目時政彦が当選をいたしました。UPU国際事務局長に、日本を含むアジア太平洋地域出身者が就任するのは初めてということで、私どもといたしましても、大変光栄に感じているところです。総務省、外務省はじめ、関係各所の力を結集していただいた結果でありまして、この場をお借りして、郵政グループの代表として御礼を申し上げます。郵便という世界中の国と国民の生活に密着した重要なインフラの維持、発展のため、UPUの事務局長が果たすべき役割は大変大きく、また、大変な重責であると思います。
 郵便事業に目を移しますと、コロナ禍において、日本はもちろん、世界的にeコマース、電子商取引が急拡大をしており、越境ECなどによる国際物流も増加しています。今、これらの商取引を支えるルールづくりが求められており、UPUは国際郵便の公正で開かれたルールづくりの中心となります。国際ルールの整備により、よりスピーディーで便利なサービスの提供が可能となれば、わが国の国際郵便サービスの利便性の向上にもつながってまいります。
 そのような重要な組織の事務局長に私どものグループの人材が選出されたことは光栄であると同時に、事業を担うグループCEOといたしましても大変喜ばしく思っています。日本郵便やUPUの郵便業務理事会でこれまで培った経験を存分に生かして、精いっぱい目時氏には取り組んでいただきたいと思います。
 私からは以上です。
【記者】
長崎と愛媛の郵便局長の事件を受けて、処分が発表されましたが、受け止めをお願いします。また、こうした局長の事件が相次いで起きており、局長の異動の活性化などを検討されるということでしたが、そうした再発防止策についての現状と今後についてお聞かせください。
【社長】
長崎住吉局と愛媛の深浦局について、大変高額の犯罪が発生いたしました。郵便局に寄せられる信頼感を著しく損ねたということで、事案を大変重く受け止めており、また、ご利用されている皆さま方に本当に深くおわびを申し上げたいと思います。
 こうした事案が発生しないように、以前の会見でも申し上げたところでありますが、大きく4つの対応策を検討しております。
 1点目は、グループ各社、特に日本郵便の支社の人事に関する体制を強化します。日本郵便において、具体的にどのような形にしていくのかということを、現在検討している段階です。
 2点目は、親子間あるいは親族も含めて、局長職を引き継ぐ場合、けん制が効きにくくなることが想定されるため、間に関係のない第三者を入れるということを申し上げました。具体的には、支社の社員などを間に入れるといったことが考えられますが、これについても現在、運用策について検討しているところです。
 3点目ですが、5年に1度、将来的にはもっと短い期間に、局長を最低でも1カ月程度交代させ、けん制を効かせ緊張感を持たせるということを申し上げました。こちらについては、今月から一部支社で先行して試行しております。今年度中に全支社にまで試行を広げ、その評価、反省を行った上で、来年の4月から本格的に実施することを予定しています。
 まずは5年に1度、1カ月程度ということでスタートさせていき、おおよそ対象者が1万7千人から1万8千人程度の局長ということになりますので、年間約3,500 人が対象になります。
 最後に、局長の異動の件です。10年を超えても異動していないという批判もございました。現在は年平均約600人異動しておりますが、これもタイミングを考えながら、その人数を増加させるように、日本郵便で検討しているところです。いずれも来年度から確実に実行していきたいと思いますが、それより前にできるものについては、試行を今年度中から進めていきたいと思っております。
【記者】
公益通報制度と郵便局舎の問題について、それぞれお伺いします。内部通報制度については、今回、春から見直してきたわけですが、来年の公益通報者保護制度、これも意識したものだという認識でいいのかということと、来年施行する見通しについて、今回の第2フェーズでおおよそ対応の準備はできたのか、まだ準備する必要のあるものがあるとすればどういうことなのか、教えてもらっていいでしょうか。
【社長】
まず、来年の公益通報者保護法改正の施行も意識して今回の取り組みを行いました。来年からの公益通報制度の見直しなどで、第3フェーズで新たな問題点、課題が出てまいりましたら、それに適宜対応していきます。
 今回の第2フェーズで、外部専門チームをつくりますが、そこでは、通報を受け身で調査して解決をするだけではなく、フォワードルッキング的な対応を考えていますが、同じような通報があった事案がいろいろと出てくれば、そこの背後にある背景や、原因として考えられるものについての改善も、この外部専門チームには担ってもらいたいと考えております。
 いずれにしても、9月1日から第3フェーズを始めて、そこでの運用状況を見ながら、さらに改善すべきところを探っていきたいと思います。公益通報制度が日本全体で来年からさらに強化されるので、その動きを見据えて、対応を取っていきたいと思います。
【記者】
郵便局舎の関係で、今移転したり開局したりする際、世襲とは無関係の局長も含め、郵便局長が移転先の不動産を取得しているということ、取得しているケースが多いということですが、まず1点目に、これだけ多くの局長が、局舎保有を望んでいる動機というのは、そもそもどういうものなのか。それから、日本郵便では、地主が日本郵便とは取引したくない、局長としか取引しないと主張するケースだけ認めているわけですが、これだけ多くの地主が日本郵便と取引したくないと言っている理由はどういうものがあるのか。これだけ多いというのは何か不自然ではないのでしょうかというのが1つ目です。
 2つ目は、局長が地主に対し、日本郵便との取引は断るように言ってくれと働きかけている、それで自分の取引に誘導しているケースがあるわけですが、これは会社の取引を妨害するに等しいと思うが、どういうご認識を持たれているのか、会社として容認しているのかどうか教えてください。
 3点目に、自営局舎を推進している郵便局長会があって、そこと役員が重なっている郵便局長協会というところが、日本郵便の賃料を元手に利息収入を稼いでいる状況ですが、これについてはどういうお考えをお持ちなのか、それから、利息収入がどんなことに使われているのか、日本郵便の退職者も働いているかと思いますが、給料などに充てられているのか、ご存じの範囲で教えていただければと思います。
【社長】
まず、局舎について所有者がどのような人たちなのか、現役の局長、以前に局長職にあった人などがいるというのはそのとおりですが、なぜそのような形になっているのか、私は、幾つか背景があると思っています。最後の局長協会の利息収入の話とも関係しますが、1つは、賃料がおおよそ40年を超える形で払われるので、それを長期安定した収入だと見る局長がいるかもしれません。そこをどう考えるかというのはそれぞれの考え方によると思います。
 郵便局は全国に展開していますので、数が大変多いため、用地を取得するのに苦労するところと、比較的簡単に用地を取得できるところと、ケースによってさまざまあると聞いております。
 会社から見れば、賃料が高いのかどうかというところと、手続きが会社と社員間の取引ですので、不透明性を持ってはいけないということがあり、手続き的にもしっかりした形になっているかどうかが問題となります。賃料については、以前、民営化に際して「郵政事業の関連法人の整理・見直しに関する委員会」の松原委員長からの提言があり、賃料水準などが高いのではないかという指摘を受けて、基本的に引き下げる方向で改正をし、考え方を整理しました。また、これはどの企業もそうだと思いますが、手続きに関しては、会社と社員、それから経営者と社員間の契約について、利益相反にならないよう透明性を持つということで、そのような契約があるときは、日本郵便の取締役会に1件ずつ、全て資料をつけて取締役にご覧いただいて、チェックを受けています。ですので、手続き的にはちゃんと整えております。
 最後のご質問で、局長協会がお金を貸し付けて利息収入を得ているということですが、以前のもっと金利が高く、土地の価値がある程度右肩上がりになっていた時代にはそのモデルも成り立っていたと思いますが、現在では土地の価値の上がり方が非常に低い水準になってきておりますので、局長協会からお金を借りて、利息を払うのを魅力ある投資だと思うのは、なかなか難しい時代になってきていると思います。
 賃料についても、地代は固定資産税の評価替えのときに変更しますし、建物についても一定の適正な形になるように、利付国債の直近3年間の利回りなどを見て賃料水準を決めたりしています。もちろん個別に一つ一つ不動産鑑定士の評価を得ていますが、私はこの問題が報じられてから、不動産鑑定士も同じ人に固定せずに変更をしていただくなどして、賃料水準について周辺の状況などもよく見ながら、疑念を生じないようにしっかりとやる必要があるということを申し上げております。
 2点目の、日本郵便には貸さずに、局長のほうに貸すようにといったことを地主に働きかけているというお話については、実際にどのような形で働きかけが行われているかということは、日本郵便としても確認していないということですが、土地の状況、性格、地主の状況などについてはきちんと調べ、そういったことも含めて、資料に記載をして、その上でやむを得ない場合に局長から土地を借りるということ、土地が一番利便性の高いところであることが大原則ですが、関係者から調達する場合には、本当にやむを得ない場合に当たるのかどうか、会社として厳格に調べるようにということを言っています。
 現在、かなりの局数について、局長や元局長が所有している物件を郵便局として借りて運営をしております。賃貸契約は40年を超えるものが一般的ですので、すぐに変わっていくとは考えられませんが、特に新規のものについては、一つ一つさらに、今まで以上に、丁寧にしっかりと見ていくということを行っていきたいと思います。
【記者】
局長協会が貸している場合には、おっしゃるように、局長自身はほとんどもうからないと思いますが…
【社長】
局長協会でどのように使っているか、人件費に充てられているかどうかということについては、日本郵便には確認したいと思いますが、私は承知をしていません。
 抜けておりました。失礼しました。
【記者】
局長協会という局長たちでつくる団体、協会からお金を借りて、郵便局を建てる場合は、おっしゃるように局長自身はほとんどもうかりませんが、低金利かもしれませんが、局長協会はちゃんと利息収入を得ているわけです。日本郵便の賃料を元手に、局長たちでつくる外部というのか、局長の関係団体が収益を上げている、ここは問題性、特に感じてはいませんか。
【社長】
全国で人口減のため空き家もあちこち出てきているため、また状況は変わってきていると思いますが、郵便局の立地、場所については、長い歴史の中で、その用地を確保するという流れで生み出されてきた仕組みではないかと理解しています。  何か問題があれば見ていかなければならないと思いますが、以前に比べて局長協会自体の事業は、非常に資金的にやりにくくなっている時代だと思いますので、それによって非常にもうけているということには、私はつながらないと思います。どういうことにその収益を使っているのかは存じ上げませんが、特に課題認識はしておりませんでした。問題は、貸主に対して適正な賃料を会社としてどのように支払っていくかというところなので、そこはしっかり見ていきます。
 局長協会の実態については、日本郵便に聞いてみたいと思います。
【記者】
局長協会の融資は年々、この3、4年見ていると増えていて、もう何十億という単位、去年1年間だと10億円以上貸し付けていますし、一昨年、3年前に比べると増えています。社員でつくる団体が、会社の拠点、移転先を先回りして社員が取得して、社員でつくる団体がお金を貸し付けて、社員はほとんどもうからずに利息収入を得ているというのは、普通の企業だと考えられないような事態だと思います。それが例外的にあるというのは理解できますが、今もかなりの数あるわけです。そこは変だなという気はしないということですか。
【社長】
会社の立場から見れば、賃料の水準が適正か否か一番の関心事であって、局長という立場でその局長協会とどういう関係を持つかというのは、私どもからすると会社の業務そのものとは異なります。長い歴史の中で、そのようになっているのかもしれません。
 最近の融資の総額についてちゃんとした数字を把握しているわけではなく、局長協会の事業内容を十分承知しているわけではありませんが、もしコンプライアンス違反などということがあれば、当然、日本郵便で問題を明らかにすると思いますし、局長協会と社員、そこから借りるということについての関係については、十分分析ができておりませんので、今この場では申し上げられません。
【記者】
深浦郵便局で社員2人が処分を受けていて、減給が1人と戒告が1人、これは立ち会い義務を怠ったということで処分を受けているということですが、1人は新入社員、もう1人は契約社員、あるいは派遣社員ということでよろしいですか。
【社長】
そのとおりです。
【記者】
立ち会い義務を怠ったということですが、お客さまにお金を渡すときの立ち会い義務は明記されていますが、金庫からお金を出すときの立ち会いについて明文化されたものはないと思うのですが、これはどうですか。
【事務方】
郵便局で現金の出入りを締める際に、日々帳簿上の残高と金庫内の現金の確認をするというところに、立ち会いをするということが内規で定められております。
【記者】
分かりました。今回のことを受けて、全国の郵便局でこの立ち会い義務がちゃんと行われているかどうかという調査は、これからされる予定がありますか。
【事務方】
定期的な検査などを通じ、立ち会いなどの確認を行っているところです。これについては引き続き実施します。
【記者】
そうすると、深浦郵便局は定期的な検査などで見つけられなかったということですか。
【社長】
事件が起きておりますので、そこは見つけられなかったということだと思います。
【記者】
分かりました。それを前提にお聞きしますが、地区連絡会内の郵便局長や、地区連絡会部会の責任者や、支社長の処分の内容を見ると、それと同等かそれより重いぐらいの処分が、この新入社員と契約社員に出されていますが、これは規程に当てはめているとしても、ちょっと厳しいのではないかと。特に新入社員に、この手続き違反での処分はやり過ぎじゃないかという感想を持ちますが、いかがでしょうか。
【社長】
まだ入ったばかりの新入社員だということの議論はあり、手続き的な違反について単純に当てはめるとより重たい処分になりますが、そこは可能な限り軽減をしているということで、日本郵便から聞いております。
【記者】
分かりました。
【記者】
かんぽ生命に日本郵便の保険営業の社員が出向することになっていますが、それに絡んで、活動拠点の集約というのを進めています。明日から9月14日までの退職勧奨というのを始めるそうですが、結局リストラというでしょうか。
【事務方】
詳細については確認して、別途お答えさせていただきます。
【記者】
言葉の定義だけ教えてほしいのですが、内部資料の中に発生予想過員数というのが、東京支社だけでも321人いますよというような資料がありますが、これは余剰人員が321人いて、明言してないけれども、それぐらいはやめてほしいというニュアンスなのでしょうか。
【事務方】
おそらく日本郵便の支社で出している文書だと思いますので、確認の上回答させていただきます。
【記者】
かんぽ生命の販売自粛に伴い、年賀はがきの販売ノルマも特に定めないということにしていたと思いますが、今はかんぽ生命の営業は自粛していないため、年賀はがきの販売ノルマも復活するのでしょうか。
【社長】
今年、すなわち来年正月用の年賀はがきの販売についても、目標などは設けず営業していきたいと思います。
【記者】
日本郵便が郵便局舎を社員から借りることのメリットは何ですか。
【社長】
郵便局舎については、道路などの建設予定地にかかったり、建物が老朽化して取り壊したりということがあり、郵便局が移転することがあります。
 会社で所有権まで取得する場合には、非常に多くのお金が必要になるため、昔は郵便局長自身が、自分の財産で局舎などをつくって、それを会社に貸すという歴史もありましたし、現在も局舎を借りるということが会社としても数多く行われています。これは郵便局だけではなくて、物流倉庫など大きな投資をしていくときにも、そういった方法で行う場合があります。
【記者】
社員から借りるメリットというのは。
【社長】
所有者にかかわらず、そのときに最適な条件、立地上最優先すべきものがあればそこにしますし、ほかにいい土地、あるいはいい建物がなく、やむを得ない場合に社員から手当てをするという形になっています。
【記者】
あくまでもやむを得ない場合の話ですね。
【社長】
そのとおりです。
【記者】
楽天の携帯電話の販売について、郵便局内での販売を行っていると思いますが、今後の販売の展開や、楽天との協業全般についてお聞かせください。
【社長】
全国10局で試験的に、郵便局のスペースをお貸しして、楽天モバイル様が販売をするということを行ってまいりました。それが今日で一度終了しますが、10局のうち4局については、引き続き9月以降も販売を行っていくと聞いております。
 今後、これまでの試行を評価して、楽天モバイル様のほうでどのようにされるのか、経営戦略などを立てられると思いますが、9月からはもう少し規模を縮小して、継続していくと聞いています。
 楽天様との一般的な協業については、さまざまな分野で話をしているところです。公表できるものが出てきましたら、適宜公表していきます。
【記者】
局舎の関係で、結局のところ、もうからない局舎を郵便局長たちが欲しがるのはなぜなのでしょうか。
 2つ目に、増田社長自身、日本郵便の取締役でいらっしゃるので、決議する際には1件ずつ理由などを確認されているという理解でよろしいでしょうか。その中で、やむを得ない理由として、地主が日本郵便とは取引したくなくて、局長にしか貸したり売ったりしたくないという理由をご覧になっているかと思いますが、そこに不自然さはなかったということでいいのか。
 3つ目は、増田社長自身、今日はまだ分析できていないというようなお話も幾つかありましたが、ご自身で何か情報を集めたり調べたりするお考えがあるのかどうか、教えてください。
【社長】
局長がなぜ会社のほうに貸すのかという点について、メリットとして考えられるのは、長期安定した収入ということに魅力を感ずるかどうかが一番大きいと思いますが、ここはそれぞれ所有者によって違っていると思います。先ほど申し上げましたように、投資としての魅力は非常に薄いのではないかと思いますので、そういった面での理由は考えづらいと思います。
 それから、日本郵便の取締役会の関係ですが、1件1件資料が上がってきていますので、個別に全て見ております。全国の状況が図面なども含めて出てきています。
 具体的にどのように調査したのか、ちゃんとした鑑定評価を取っているのかなど書かれていますが、所有者が誰かというよりは、利便性やそれ以外の要素なども非常に多く記載されています。昔から、私が生まれ育ったところも含めて、郵便局というのは局長自身が所有している例が多くありましたので、所有者が局長であることについて、それほど疑問を感じることはありません。やはり賃料水準や、利便性の良さなどが、地域のサービスを提供するにあたって一番重要だと思っています。
 局長協会の話については、会社の関係する人間がつくっている団体ですので、多少のことは聞けるかもしれませんが、実際の運用のところはどこまで分かるか分かりません。日本郵便には、どういうことが分かっているのか、会社として問題にすべき点があるのかどうか聞いてみます。
【記者】
取締役会の決議で、わざわざこの決議をしているのは、企業と社員の取引であるがゆえだと思います。そこで、先ほどからおっしゃっている真にやむを得ない理由であるのかどうかというのを取締役として確認されているのではないかと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。そして、その真にやむを得ない理由のところで、特にこれまで不自然なところはなかったということを確認できればと思うのですが。
【社長】
もう一度申し上げますと、取締役会で一つ一つの郵便局の状況は、私も含め、取締役が確認しています。それから、局長の土地の案件というのが、原則として、やむを得ない場合に局長が所有しているものを借りるということですので、そういったことも含めて、この対象の物件がいいのかどうかということを確認しています。
【記者】
これまで特に不自然なことはなかったということですか。
【社長】
背景まで書いてあるわけではありませんが、もちろん出てきている書類はさまざまな部署を通して、クリアされている物件が上がってきておりますので、そこに出てきたもので差し戻しになったものはなかったと記憶しております。当然、最終段階として問題ないということで、私自身も確認をしています。
【記者】
デジタル庁が発足しますが、郵便局と自治体との連携の中で、デジタル化に寄与する部分で、具体的に何かされていきたいお考えはありますか。マイナンバーカード関連などで、何かお考えはありますか。
【社長】
デジタル化は、サービスをお客さまに提供していく上で、オンライン上でサービスがより広範に提供できることが非常に重要になりますので、大いに進めていきたいと私どもも思いますし、自治体でも、さまざまなデジタルデータの仕様などについて、共通して使えるような形になっていると、私どもとしても利用しやすいと考えています。明日からデジタル庁が発足しますが、総務省でもさまざまなことをこの関係でご検討されていると聞いています。そのような中でデジタル化が、今後の郵便局の事業につながっていくということがあれば、大変幸いだと思います。
 それから、マイナンバーカードの活用というのは、国が大きな視点から進めていくと思いますが、私どもとしては郵便局で今後交付していくなどという役割が期待されるのではないかと思っています。まだ十分に普及していない状況ですし、マイナンバーカードの普及にも協力していかなければいけないと思っています。
【記者】
UPUの目時事務局長のご就任は、国連の中でも、故・緒方貞子さんと同じぐらいの立ち位置と聞いていて、非常に重要なポストということですが、日本郵政グループの今後の世界観と、その中での日本の郵便局の地域観のようなものをお聞かせいただけますでしょうか。
【社長】
UPUというのは非常に歴史のある、また重要な組織であって、国連の関連する組織の中でも、私も大会議という大会に総務大臣時代に行ったことがありますが、重要な場だと認識しています。目時常務にも、会社という小さな立場ではなく、広く俯瞰的な立場で、公平公正なルールづくりに活躍していただきたいと思っております。全世界の人と人を手紙でつなぐ、それから物をお届けする上で、その公正なルールづくりというのは大変重要なことになりますし、将来的な世の中の発展にも重要になります。そういう意味で、この目時氏には非常に広い、高い視点で公正なルールづくりに臨んでいただきたいし、そういう面で貢献をしていただきたいと思います。
【記者】
地銀での見守りサービスの紹介が発表されましたが、今後ほかの金融機関、または金融でない別の企業などにもそういうものを広げていかれる方針というのはありますでしょうか。
【社長】
お相手様次第ではありますが、できるだけ他の企業とも連携して、こうしたサービスを広げていきたいと思います。
【記者】
保険の営業が4月から再開になりましたが、10月から新しいことをするとか、そういうことはありますでしょうか。
【社長】
今年の4月から営業を再開し、まだ半年たっていない時期ですが、お客さまに対して郵便局の姿勢を見せていくということが大事な時期かと思います。営業ということにあまりとらわれず、丁寧に親切にお客さまに対応していくという姿を積極的に進めていくことです。あれだけの不祥事がありましたので、一朝一夕に信頼を取り戻すということは、他の企業を見ていても難しく、今は我慢の時期であり、こうした時期を乗り越えないと、次にはつながっていかないと思います。現場で多くのお叱りもいただいて、苦しかった時期も非常に長く経験されてきたかと思いますが、次に向かっていくときに、やはり経営理念などをしっかりと反すうして、私も含め全社員でともに前に進んでいければと思います。
 今はオンライン中心ですが、フロントラインの人たちとは可能な限り意見交換する場を設けて、いろいろな話を聞いています。お客さまにさまざまなサービスを、自信を持ってお届けする、そういうことをしっかりと考えて取り組んでいただきたいと思います。
【記者】
深浦郵便局の社員1人減給というのは、退職までずっとついてまわる減給という処分で、例えば本社の常務が報酬月額30%、1カ月の減額に比べても重いと思いますが、そういう認識でよろしいですか。
【事務方】
社員の減給については、就業規則で定めているとおり、1日の平均賃金の半分以下ということにしています。また、この減給は1回の措置限りで、何カ月も何年もわたって減給をするというものではありません。
【記者】
1つ下がって、その後、普通なら階段で増えていくところが、減っていって、それをトータルすると結構な額だというような見方は間違っていますか。
【事務方】
1回に限り賃金から減給した分を差し引くということですので、一度受け取る給与額からは減りますけれども、翌月からは回復するということです。
【記者】
単月の影響なのですね。
【事務方】
そのとおりです。
【記者】
局長は管理者だと思いますが、管理者なら管理職であり、管理職手当というのをもらっていると思うのですが、一方で、局長に立ち会う社員というのはそういった手当はもらっていないけれども、局長の行動を、立ち会うということで管理しているのではないかと思います。手当と処分のバランスがおかしいという声が現場から出てきていますが、これは単なる現場での混乱なり誤解だったりするのでしょうか。
【事務方】
受け止めはいろいろあると思いますが、局長は管理職であり、管理職手当は支給されています。社員については、管理職手当は支給されていませんが、今回の減給に係る分は、基本給に係る分の減給です。局長の方は戒告、訓戒などございますが、これに合わせて、賞与などのほうでも、管理職は減額という措置もあります。厳正な処分を実施したものと考えています。
【記者】
支社長や総務・人事部長、金融業務部長あるいは地区統括局長、部会長、この人たちに比べると減給というのは厳しい、そこのバランスがよくないということに対しても、受け止めはいろいろあるということでしょうか。
【事務方】
現場において、社員としての非違の認定に対しての懲戒処分と、その現地にいなくても管理監督した者に対する措置ということで、見方は変わってまいります。また、管理職のほうが、同じ戒告であっても受ける経済的な措置は大きくなっていますので、経済的影響から見れば管理職のほうが重たいという事実はあります。
(※記者会見における発言および質疑応答をとりまとめたものです。その際、一部、正しい表現・情報に改めました。)