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2021年7月29日 木曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2021年7月29日 木曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

[会見者]
日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役社長 増田 寬也
【社長】
本日は、私から2件発表いたします。その後、質問をお受けしたいと思います。
 1件目です。日本国際切手展2021の開催についてご説明いたします。お手元のプレスリリース資料をご覧ください。2021年8月25日水曜日から、8月30日月曜日までの6日間、パシフィコ横浜におきまして、国際的な切手の祭典である日本国際切手展2021を開催いたします。これは、世界から一流の切手コレクションが一堂に会する貴重な機会で、郵便切手や消印など郵便に関するものを収集する趣味や文化の発展、向上を図るために、毎年、世界各国で開催をされております。
 日本におきましては、1971年から10年に1度開催をされており、今回で6回目の開催です。本イベントについては、名誉総裁として高円宮妃殿下に就任いただきまして、8月25日の開会式にもご臨席をいただける予定となっております。
 開催テーマですが、今回は「郵便150年 新たな可能性へ。」です。これまで郵便が紡いできた歴史や文化と、これから紡いでいく未来、そして可能性を広くお伝えすることを目的に開催いたします。特に今年は郵便創業150年の年でもあり、郵便創業150年特別展示ブースを中心に、皇室コレクションをご紹介するブースや郵便局の臨時出張所も設けて、特殊切手の販売や記念の押印サービスを行ってまいります。
 そのほか、お子さまにも楽しんでいただける郵便局体験コーナーや文具メーカー14社様にご参加いただき、郵便とコラボした限定グッズの販売を行う文具マルシェも開催することとしております。神奈川県様や横浜市様とも連携し、万全のコロナ対策を行った上で、皆さまに広くお楽しみいただけるイベントです。ぜひ多くの方々にご来場いただければ幸いです。
 2件目です。グループの内部通報制度の見直し状況について報告します。本年1月29日の第8回のJP改革実行委員会における郵政グループの内部通報窓口などに係る検証結果のご報告以降、社員が安心して積極的に声を寄せられる内部通報制度へと再構築していくことに取り組んできたところです。
 本年3月の記者会見において、客観的で公正な調査ができる外部の人材を活用した新たな制度およびワンストップ相談・通報プラットフォームについては、夏ごろをめどに構築する予定と申し上げたところですが、本年9月1日から運用を開始することを決定しましたので、本日ご報告します。
 既に6月9日の第11回のJP改革実行委員会におきましても改善計画の報告をいたしましたが、外部の人材を活用した新たな制度については、通報の受け付けから調査結果の報告までの全ての過程を外部の人材で行う外部専門チームを導入することとしました。これまでの社外窓口では、通報をいったん受けた後に、通報の内容を社内の担当者に共有し、社員が調査をしておりました。今回の新たな制度の導入により、社員が外部専門チームによる調査を希望する場合などは、社員が一切関わらない調査スキームの利用が可能となり、情報漏えいのリスク低減、そして通報者保護の徹底が図られることになると考えております。
 また、これまで各部署が設置する窓口で受け付けておりました相談、通報を一元的に受け付けるポータルサイト、ワンストップ相談・通報プラットフォームを導入します。これにより、社員が相談、通報したい内容に合った適切な窓口の選択が可能となるとともに、情報システムの活用によるセキュアな環境の下、通報内容の秘密保持と情報共有範囲の最小化が実現できるものと考えております。なお、今後も不断の見直しを行って、JP改革実行委員会からの提言の範疇にとどまらない、よりよい通報窓口の構築を目指してまいります。引き続き社員の声は、グループ経営にとって貴重な財産であるという基本認識の下で、社員の声から、より幅広く早期にリスクの芽を検知することを通じて、真のコンプライアンス経営を実現してまいります。
 お客さまにより良い商品、サービスを提供できる企業グループへ変革することを目指してまいります。
 私からは以上でございます。
【記者】
2点伺います。まず1点目が、トールの事業売却についてです。譲渡を公表されたときに、6月末の譲渡手続き完了を目指して、現地当局と調整という内容であったかと思います。現状、7月末を迎えておりますが、進捗状況を教えてください。
 もう一つは、東証の市場再編に伴って、ゆうちょ銀行がプライム市場の基準に流動比率的に見合わないのではないかという報道が出ています。増田社長の受け止めと今後の対応があれば教えてください。
【社長】
トール社については、エクスプレス事業の売却を行うために手続きに入りました。トール社と、買い手である投資ファンドのアレグロ様と共同で、現在、必要な手続きを進めています。その手続きに際して、オーストラリアとニュージーランドの当局の承認を取得する必要がありますが、当局の承認の取得が当初よりも遅れているため、クロージング、譲渡完了もそれによって遅れているとのことです。当局の手続きの遅れについては、何か申請内容に問題があるということではなく、私どもが当初想定していたよりも、当局サイドの事務的な処理が遅れており、このようなことになっていると認識しております。また、そのように当局からも情報を得ています。
 したがいまして、内容的には特に問題があるということではありませんので、間もなく承認は得られると考えております。その承認が得られましたら、最終の手続きをおこなってまいります。最短で8月末ということになるかと思いますが、引き続き早期の譲渡完了を目指していきます。
 それから、東証の区分についてのことですが、先般、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、それぞれに東証のから通知が参りました。ご質問のとおり、ゆうちょ銀行の一次判定結果については、上場維持基準の中で、一部基準を満たしていない項目があると承知しています。ゆうちょ銀行の経営陣、取締役も含め、プライム市場への移行を選択する方針ということですので、経過措置の適用を受け、プライム市場に移行するということで、今後、作業を進めていくことになります。
 最終的には来年1月に、選択結果が公表され、来年の4月以降、新しい区分でスタートしていくことになりますので、年内は経過措置の適用対象となりプライム市場に移行できるようにゆうちょ銀行で作業をします。グループ全体としても、ゆうちょ銀行の方針を基に取り組んでいきたいと思っています。
【記者】
先ほど発表のあった内部通報制度の外部での調査について、何人ぐらいのチームで、どのような体制で社外による調査が行われるのか。一方で社外による調査は、難しさもあると思うのですが、その難しさをどのように補っていくのか解説ください。
【社長】
外部の弁護士事務所と契約し、外部チームを編成していきます。当然、複数の体制を取っていきますが、詳細については外部の弁護士と調整しておりますので、具体的な体制は、まだ最終的に決まっていません。いずれにしても早々に最終的な体制を決めていきますが、どのような案件が出てきても対応できる体制をしっかりと用意していきます。
 なお、運用を始めてからも修正するところは修正していきたいと考えています。
 外部チームによって一気通貫で全てを調査したほうが、客観性や公平性は保たれますが、どうしても内部において、事実関係を確認しなければいけないということがありますので、事実を確認する作業は内部のしかるべき部署で、きちんした形で情報を外部チームに提供するようにしていかなければいけません。当然、外部の弁護士事務所から、守らなければいけない情報が私どもに伝わるということは考えられませんが、一方で、私どもから必要な事実について、誠実に、外部チームにお渡し、あるいはお答えをするといったことが必要です。情報伝達の方法については、実際に9月以降、スタートしていく中で、見直すべきところは見直しをしながら進めていきます。最初の半年くらいで、シミュレーションしているものと異なっていることが出てくれば、その時点で修正をしていきたいと思っていますが、肝は、今まで外部に通報窓口がありましたが、実際には内部の人間が入って調査をしていたというところを、しっかり遮断するということですので、その趣旨が調査の内容にしっかりと活かされるような形で進めていきたいと思います。現在、外部の弁護士事務所と具体的なやり方、取り組みについて調整をしている段階です。
【記者】
承知しました。人数はまだ見えてないということですね。
【社長】
はい。もう少しお待ちをいただきたいと思いますが、しっかりとした体制を整えてまいりたいと取りたいと思っています。
【記者】
日本郵便でタブレット端末を活用し、住民と自治体の職員をテレビ電話方式でつなぐ案内業務を、全国で初めて日光市で実施されるということですが、今後、ほかの自治体にどのように働きかけていかれるでしょうか。また、将来的に、医療機関と連携した遠隔医療などへの活用や、買い物サービスやデリバリー、その他、金融機関との連携で同様の活用の可能性というのはありますでしょうか。
【社長】
自治体と住民などをつなぐ役割、広く言うと、地方創生に資するようなさまざまな取り組みを、新しい郵便局の役割としてつくり出していきたいと考えています。自治体と意識合わせをして、具体的な事例を早く幾つか実施していきたいと考えています。それをご覧になった他の自治体からも手をあげてもらえるかもしれませんし、あるいは、異なるご要望が出てくるかもしれません。一方で郵便局の側だけではなく、自治体にも同様の考え方、思いを持っていただくことが大事になると思います。支社によって状況も変わってくると思いますが、地方の自治体と郵便局の取り組みというのは、どこも必要なことだと思っています。具体的な取り組み事例が出てくると伝わりやすい部分もあると思いますし、私どもにおいても積極的にPRしていくことも考えていますので、ある程度時間に余裕を持って広げていければと思っています。
 それから、先ほどお話がありました遠隔医療や介護など、社会保障の関係でいうと、従来私どもはみまもりサービスを行っております。みまもりサービスと実際の介護サービスを行っていく事と少し違いますが、介護の形態もさまざまですので、ケアが必要なご高齢者の方に対してどのように寄り添って、ご家族も含めてケアする体制を手厚くしていくのか、例えばご高齢者同士の老々介護のような形になっているところを、何かサポートすることができるようなことが考えられれば、私どもらしい仕事になると思いますので、そういうものを自治体などとつくり出していきたいと思います。
 遠隔医療については、これまでも世の中で相当議論があって、どのように取り組むかというのは、なかなか難しい話ですので、今すぐに何かできるとは考えておりませんが、日本全体で高齢化が進んで、家族構成もご高齢者同士の所帯から、やがてはご高齢者単独の所帯に切り替わっていく過程の中で、ケアが必要となるご高齢者もこれからますます増えていくと思います。一方で地域としての地域力といった、お互いに隣近所で助け合うことが非常に難しくなっていく時代になりますので、自治体も徐々に地域から撤退していく中で、郵便局らしいサービスをより追求していき、みまもりサービスからもっと踏み込んで、もう少し広いサービスを郵便局として提供できればと思います。
 全てこれから模索をしながらとはなりますが、最新のテクノロジーや、タブレットなどさまざまな情報を受け取るツールを使いながら、今、お話にあったような分野にも目を向けていきたいと思います。
【記者】
今後、ゆうちょ銀行が自治体の指定金融機関になっていくような可能性というのはありますでしょうか。
【社長】
指定金融機関については、自治体の意向で地域金融機関などが指定され、引き受けられていますので、ゆうちょ銀行で積極的に指定金融機関になるつもりはありません。ゆうちょ銀行としては、郵便局あるいは一部直営店をベースにして、地域の金融機関と広く協調していきたいと考えています。地域の金融機関は全ての市町村を網羅するよりも、急激に人口が減っているところについては集約、統合化という動きがありますので、代替の金融機能を果たすところということで、郵便局をお選びいただき、私どものほうでも郵便局内にATMの設置などをしています。地域の金融機関と協調して、しっかりと地域を支えていきたいと考えております。加えて自治体とも協調して、金融機能が地域で欠落しないように取り組んでいくということになると思います。
【記者】
日本郵便から2020年度の業務区分別収支が発表されましたが、収益構造というのが急激に変化をしている中で、転換期みたいなものをどう考えていらっしゃるのかについて、少しご所見をお願いします。
【社長】
郵政グループ全体の収益構造は、今後、社会や時代の変化とともに大きく変えていかなければいけないと考えております。今の収益構造は、基本的に金融2社、特にゆうちょ銀行が一番大きく、ゆうちょ銀行が海外で資金を運用して、収益を大きく上げて、郵便局ネットワーク全体を支えることにかなり貢献をしているという収益構造です。グループの一体性というのは今後も未来に向けて、変わらず、あるいはむしろより強固にしていかなければ生きていけないと思っていますが、その上でゆうちょ銀行の株式を100%売却して、今のグループ全体としての収益構造も大きく変えていくということになります。
 不動産や、シナジー効果のある新しい分野で、収益の柱となるものを早く作っていくということを考えております。そのような形でポートフォリオを転換させていき、グループ全体のビジネスを強固にしていきたいと思います。
 一方、郵便・物流事業というのは、私どもにとって大変大事なコアビジネスです。郵便・物流事業、特に物流分野は非常に変化が激しいものですが、新型コロナウイルスの感染拡大により、ラストワンマイルとして、また、産業を支える非常に基本的なインフラとしての重要度を増しており、私どもとしても大事なネットワークだと認識しております。物流については、特にデータドリブンのような形で、時代に合った形に中身を大きく切り替え、ラストワンマイルだけではなく上流にどんどん乗り出していくことを考えております。EC市場のさまざまなデータをいち早く取り込んで、お客さまにお届けするところまでの最適な解を一気につくり上げていきたいと思っていますので、収益構造を変えていく上では、やらなければならないことは非常に多岐にわたると思います。社会構造も大きく変わり、これから従業員の確保も大変難しくなってくるような時期に入ってくる一方で、リアルの人と人とのつながりを大事にしたサービスを提供すると同時に、デジタルの力を大きく取り込んで、全体の社会的なインフラとしての役割を強固にすることと併せ、収益を上げて持続可能性を強めることに全力を挙げていきたいと思います。
【記者】
3月に発表された楽天との提携でお伺いしたい。物流、あるいは携帯、金融などの分野でも提携していくというお話だったが、大体3カ月以上経っている中で、各分野でどういった進展があったのか教えてください。
【社長】
まず、一番先行しているのは、昨年の夏ぐらいから楽天様と検討しておりました物流分野、それが7月に新会社という形になり、新会社をベースに、特に楽天市場の中で物をどのように流していくのかという具体的な検討を行っております。
 金融面では、年内にゆうちょ銀行デザインの楽天カードを発行したいと思っています。ゆうちょ銀行で楽天様と毎週のように打ち合わせをしており、システムをどう変えていくか、お客さまにどのように訴求する、あるいはメリットをどうやってつくり出していくかということについて、現段階では内部的に検討をしているところです。より具体的なことを発表できるような段階になりましたら、事前に公表して、お客さまにご利用をお願いしていきたいと思います。かんぽ生命については、商品をどうするかということも考えられます。全体としては物流分野において物をどのようにお届けするかというところと、今後、社会全体としてサービスが非対面・非接触の中で成り立っていくときに、どのような新しいサービスを提供していくのか、やはり日本郵政グループの大きなコアビジネスというのが金融分野ですので、金融の分野で新たに商品・サービスを投入し、その先も見据えて協議を進めていきたいと思っております。
【記者】
楽天カードを出すという施策を今進めているということですが、ただカードを出すにしては、そんなに時間がかかるものなのかなと。楽天との金融分野での提携の上で、どういったところが課題になっているのかということ、そうした課題を踏まえつつも、カードを発行する先について、どういったものを現状協議の中で検討されているのか教えてください。
【社長】
新たなカードを発行するには様々なシステムを変えなければいけないため、相当時間がかかります。基本的には今の楽天カードをベースにして最小限のシステム改修を行い、ほかの地銀などと同じ形態のものを年内に出していくというのを考えております。ほかの地銀などを見ても、最初の発行はやはり相当時間がかかっているようです。その先は、さらに手を加えて、どのようなサービスを提供していけるのかということになってくると思いますが、これについては、まだ少しアイデアを申し上げるには早いと思っております。
【記者】
前の質疑の中で、物流も上流にどんどん乗り出していくというお話をされていたかと思いますが、この楽天との提携の中で、物流施設への投資について、現状どの程度協議が詰まってきて、今後のスケジュールなどが決まってきたのかなど、教えてください。
【社長】
既に楽天様でお持ちになっている倉庫と、間もなくオープンする新しい倉庫があります。また私どもが、地域区分局として物流を取り扱うということで、これまで計画してきて、今、具体的な設計を行い、楽天市場の商品の動きを見ながら、それを使っていくようなことを新会社でコントロールしていきたいと思っています。新会社で、この倉庫を具体的にどう投資していくかというのは、今後の話になってきます。
 大きさなど、荷物には非常に多くの形態がありますので、それをどのような料金でどのような形で流していくのか、将来的にどれだけ多くの荷物を取り込むことにつながっていくのか、現状、各店舗から物流事業者を自由に選べるような形になっているところがかなりありますので、楽天市場の中で、日本郵便が取り扱う部分をぐっと増やしていきたいと考えています。そのようにシフトさせていくためには、どのような形がいいのか、JP楽天ロジスティクスの新体制でいろいろ検討していると聞いています。
 先ほど上流と言いましたが、やはりEC市場、オンラインで物が発注されたデータをできるだけ早くいただくことが、ラストワンマイルの配達までつながってくるということになりますし、これも相応のシステムを、一番いい形でつくり上げていきたいと思っております。それから、お客さまにあまり無理な負担をかけることなく選んでいただけるようにしなければいけません。新会社は7月の初めにスタートしたばかりですが、物をお客さまにお届けするという分野で一番いいサービスを提供し、お客さまに選んでいただけるということに向け、まさに協議をスタートさせたという段階だと聞いております。
【記者】
愛媛県の郵便局の前局長による2億円詐取の受け止めと、以前から言われている5年程度ごとの交代勤務など、局長犯罪の再発防止策の進捗状況を教えてください。
【社長】
愛媛県で局長が絡む高額の金融犯罪が発生したことについて、大変重く受け止めておりますし、大変遺憾なことであり、お客さまをはじめとした関係者の皆さまにお詫びを申し上げたいと思います。
 本件、支社社員が深浦局に行って、事情聴取を始めようとしたところ、元局長が姿を消して、結局亡くなられたと聞いています。
 一般のお客さまへの被害は、現在のところ確認はされておりませんが、かなり短期間でそこまで金額が膨れ上がったということで、異常を検知する仕組みがありますが、もっと早く異常値を検知することができるように、またどういう形にすれば犯罪を未然に防げるのか、複数の社員でしっかりと点検するような形を考えています。
 しかし2人局の場合にはどうしても点検が薄くなりますので、すぐに他の局で同様の犯罪が起きていないかどうか、実態を緊急に調査させましたが、そうしたことは現時点では確認されておりません。
 架空の入金処理などで、短期間にあそこまでの高額の犯罪につながったということですので、例えば、金庫内にある現金を、さらに短い期間で確認するようなことができなかったのか、あるいは途中の段階で異常を発見できなかったのか、いろいろ反省材料はありますので、全般的にそういうところを見直し、既に運用しているもの、そしてこれから早急に運用をしていくものを整理しました。
 社内調査の結果、ほぼ全体像を把握できてきたと思っておりますが、まだ再度調査しなければいけないところもあります。再発防止策について、局長の研修や局長のローテーション、特に長らく同じ郵便局の局長のポストにいる場合には、必ず途中段階でローテーションを挟むということを検討しています。それから、いわゆる世襲のような形で引き継いでいくことがないように、親子はもちろんですが、親族間まで広げて、間に必ず第三者を挟む形にします。
 ローテーションにあたっては、地域性もありますので、場合によっては支社からそういった社員を送り込むことを考えており、ゆくゆくは、ローテーションの期間を5年というのをもっと短縮し、交代期間1カ月というのをより長くしていきたいと考えております。異動についても、エリアマネジメント局長は大体年間で600人ぐらいですが、異動の数をもっと増やせるようにしていきたいと検討しています。今年の秋から幾つかの支社で始めて、来年までには、今考えておりますことが、全ての支社で取り組まれるように、内部で検討しているところです。
【記者】
秋からやるというのは、何を秋からやるのでしょうか。
【社長】
幾つかの郵便局で、異動や5年に1度のローテ―ションといった再発防止策についてスタートをさせていきたいと思っています。
(※記者会見における発言および質疑応答をとりまとめたものです。その際、一部、正しい表現・情報に改めました。)