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2020年3月31日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2020年3月31日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

[会見者]
日本郵政株式会社 代表執行役社長 増田 寬也
【社長】
日本郵政の増田でございます。私から本日は6件、報告をさせていただきます。その後、ご質問をお受けしたいと思います。
まず1件目、ご契約調査の状況についてです。3月13日に金融庁、総務省に報告をして、同日、公表させていただきましたご契約調査の進捗状況についてご報告をいたします。
 まず、配布資料「ご契約調査におけるお客さまへの利益回復」をご覧ください。
 ご契約調査におけるお客さまからの利益回復のご要望に対しては、こちらの資料に基本方針として記載しておりますとおり、契約復元等を行うに当たっては、明らかにお客さま不利益のないものを除き、お客さま意向に沿って迅速な利益回復を行うことにしております。この方針のもとで、グループ挙げて迅速にお客さま意向に沿ったご契約の措置を進めているところであります。
 こうした考え方に基づき、特定事案調査および全ご契約調査については、お客さま都合によるものなどを除きまして、本日までにお客さま対応が完了しております。
 また、2月から実施をしております全ご契約調査の深掘調査は、6月末を目途に計画どおり進捗をしているところでございます。
 なお、いわゆる合意解除などのご契約の措置につきましては、資料の一番下の丸の部分に記載しておりますが、おおむね6月末を目途に行っていく予定です。
 ただし、昨今、新型コロナウイルスへの感染の影響等により、お客さまのところにお伺いをしてお話をお聞きしたりする等々の作業が、なかなか難しくなる可能性もございますので、調査の計画の見直しを行わざるを得ない場合があることを私どもも留意をしているところでございます。この点についてご承知おき賜ればと思います。
 次に、お客さまの信頼回復に向けたご契約調査の進捗状況についてご説明いたします。資料「お客さまの信頼回復に向けたご契約調査の進捗状況」をご覧ください。各ご契約調査の進捗状況のポイントを説明いたします。
 まず、項番1の特定事案調査について、「契約復元等」と書かれた表の一番下の欄をご覧ください。3月22日時点で3万7,813人のお客さまの契約復元が完了しております。なお、4月以降にいただいたお申し出に対しましても、引き続き丁寧な対応を継続してまいります。
 その下の「募集人調査」と書かれた棒グラフの一番下をご覧ください。3月25日時点で法令違反であると認められた事案は251件、募集人の数としては279人、社内ルール違反であると認められた事案は2,782件、募集人の数としては1,931人となっております。本日までに、お客さまへの再確認が必要な事案等を除き、募集人への面談、判定が完了しております。
 項番2、「全ご契約調査」についてご説明いたします。進捗状況については、約101万通の返信はがきのご回答をいただきましたが、そのうちお客さまからいただいたご意見、ご要望については、本日までにお客さまへのお礼状の送付、架電、訪問等によるご説明をおおむね完了させております。
 なお、全ご契約調査においても、3月22日時点において、2,206件の法令違反、社内ルール違反の可能性をうかがわせるご意見をいただいており、今後、必要に応じて募集人調査や利益回復に向けた対応を実施してまいります。
 項番3「全ご契約調査の深掘調査」について説明いたします。多数契約調査の進捗状況につきましては、表のとおり、3月22日時点でご意向に沿わないとご回答されたお客さまが優先対応で480人、優先対応以外で1,523人です。
 なお、この優先対応とは、過去5年間で新規契約15件以上加入し、その半数以上が消滅しているものです。優先対応以外とは、過去5年間で新規契約に10件以上加入し、その3割以上が消滅しているものです。お客さまに不利益が発生している場合は、その解消を図るとともに、必要に応じて募集人調査を実施してまいります。
 多数契約調査以外の調査は、お支払いいただく保険料が高額になっているケースなどについて、3月より、優先度の高いものからご契約内容の確認を行っているものです。先ほど申し上げましたとおり、こちらは6月末を目途に進めているところでございます。
 項番4「信頼回復・ご契約内容確認のための訪問活動」と、項番5「恒常的なフォローアップ活動、ご契約内容確認活動の充実」については、お客さまのご意向に寄り添っていく活動を続けていくとともに、お客さまのご契約内容の確認が必要な事案は誠実に利益回復を図ってまいります。
 資料についての説明は以上でございます。募集人調査の結果、法令違反、社内ルール違反とかんぽ生命が判定をした場合は、生命保険募集人として業務廃止または厳重注意の処分を行うこととしております。これは保険業法に基づく処分です。募集人に対する人事上の処分については、日本郵便におきまして、かんぽ生命の不祥事故等の判定結果を踏まえて、行為の対応等を精査した上で、処分内容を検討しているところでございます。
 ただし、募集人から退職願が提出される等の場合には、優先的に調査をして、処分を実施する必要がございますので、昨日、お客さまの意向によらず、乗換判定を潜脱する行為や新規契約と解約を繰り返した2名の者につきまして、懲戒解雇を実施いたしました。全体的な処分状況につきましては、改めて、ご報告を申し上げたいと思います。
 次に2件目、今回のかんぽ問題に対する管理者の責任として、本社、支社等の管理社員の夏期賞与を減額することといたしましたので報告いたします。資料「本社・支社等管理社員の2020年度夏期賞与の決定(減額)について」をご覧ください。
 既に日本郵政、日本郵便およびかんぽ生命の3社の役員につきましては、2020年1月から、今年の1月から6カ月間、月額報酬、5ないし40%の減額を実施しております。今般、経営者と一体となって営業推進、現場指導等行ってきました本社、支社等の管理社員も一定の責任を有しているということを踏まえて、本社、支社等管理社員の2020年度夏期賞与を約5%減じた支給月数とすることを決定いたしました。先般の労使交渉で本社、支社等管理社員の2020年度賞与については4.3カ月ということを決め、これを夏期と冬場と2回に分けて支給するということで、夏期はその半分の2.15月を支給することでございますが、一般社員の組合妥結支給月数の2.15月から約5%、0.1カ月分を減じた支給月数とすることを決定したものです。
3件目、既に3月25日に報道発表いたしました、4月1日以降の当面の業務運営について、改めてお話を申し上げます。1件目でご報告いたしましたように、特定事案調査については、お客さまの対応や募集人処分に一定の目途がつきつつあります。その一方、深掘調査についてはお客さまへのご契約内容の確認を6月末目途に進めており、今後とも進捗をしっかりと図っていく必要がございます。また、チェック態勢など、再発防止策については、年度内に一通りの態勢整備を行ったところですが、今後、その徹底に努めていく必要がございます。
 このような現状を踏まえて、ご契約調査の進捗および再発防止策の徹底を最優先で行うこととし、4月以降も昨年末までと同様に積極的なかんぽ生命保険商品のご提案は控えさせていただくこととしました。
 なお、昨年末に業務停止命令が発効する直前に撤去いたしましたパンフレットの再配置等の諸準備を行うために、4月19日までは現在の業務停止命令期間と同様の対応を継続いたします。通常営業の再開の条件や再開時期は、ひとりよがりにならないように、社外の有識者の意見を伺いながら慎重に進めていく必要があると考えており、この後で説明をいたしますJP改革実行委員会からご意見も伺いながら、日本郵政グループとして判断をしていきたいと思います。
4件目、4月に立ち上げますJP改革実行委員会についてご報告を申し上げます。本件はこれまで、仮称ではありますが、アドバイザリーコミッティーとの名称で説明させていただいておりました。資料にございますとおり、JP改革実行委員会、すなわち、さまざまな改革を実行するための組織と位置付けまして、日本郵政グループに対する国民の皆さまからの信頼回復に向けて、外部の専門家の方々に公正・中立な立場から各種アドバイスをいただくために設置することとしたものでございます。委員は、コーポレートガバナンスの専門家、コンプライアンスの専門家、消費者団体、消費者問題の専門家、金融経済の専門家および弁護士の皆さまに務めていただくことといたします。委員の皆さまには、行政処分に伴う日本郵政グループの取り組み事項の検証や、信頼回復およびお客さま本位の業務運営を実現するために策定する取り組み事項への助言と、その達成状況の評価等を担っていただくこととしております。
 第1回目の会合は、資料の別紙の項番2に「本委員会設置日」と記載がありますとおり、2020年4月2日に開催を予定しております。貴重なご意見をその場で賜りたいと考えております。
 委員会では5名の委員の方全員にお集まりいただきまして会合を開くわけでございますが、定期会合以外にも、委員の方と個別に意見交換すること等を通じて、外部の方々の知見を活用させていただきながら、お客さまからの信頼回復に向けて取り組んでまいります。なお、資料の項番3に委員の皆さま方の氏名、現職、略歴を記載しております。
 なお、マスコミの皆さま方には4月2日の第1回目の会議につきまして、冒頭の取材をしていただく場をおつくりいたします。冒頭はカメラ撮影の機会を設けて、その後、委員だけで非公開の会議の終了後、座長と私からマスコミの皆さま方に会議の模様のブリーフィングを行いたいと考えております。また、取材については別途ご案内を申し上げたいと思います。
5件目、3月26日に受け取りました、特別調査委員会の追加報告書について申し上げたいと思います。
 特別調査委員会の皆さまにはご多忙の中、精緻な調査と詳細な分析を行っていただきまして、大変感謝をしております。追加報告書にはかんぽ生命によるご契約調査の検証結果のほか、募集人調査の分析、経営陣の認識を含めた事実経過、12月にご提言をいただきました改善策の実施状況等についてご報告をいただきました。
 12月にいただきましたものを含めて、特別調査委員会からいただきました貴重なご報告を踏まえ、一日でも早くお客さまの信頼を回復することができるように、引き続きご契約調査、業務改善計画に盛り込みました改善策の実施に全力で取り組んでまいります。
6件目、来年度の当社および日本郵便の事業計画について、ご報告申し上げます。3月30日、当社および日本郵便の事業計画それぞれにつきまして、総務大臣から認可をいただいております。両社の事業計画につきましては、一連のかんぽ問題の不祥事を踏まえた内容とさせていただいております。
 なお、認可をいただきました際、総務大臣から両社に対しまして、業務改善計画の着実な実施によります信頼回復や、災害・感染症発生時の対応、サイバーセキュリティー対策等による業務継続の確保などについて要請事項をいただいております。これらについての具体的な対応は今後検討してまいりますが、総務大臣から我々に直接ご要請いただいたことでございますので、当社としても問題意識を持って、真摯に対応してまいります。
私からの冒頭のご報告は以上となります。
【記者】
2点質問いたします。
 1点目、募集人調査についてお伺いいたします。先ほど退職願が提出された2名の募集人に対して、優先的に調査を行い、懲戒解雇としたとのご説明がありましたが、当該2名の勤務先、年齢、違反行為を可能な範囲で教えてください。
 また、資格をはく奪する募集人の規模について、現時点での見通しを教えてください。
【社長】
昨日懲戒解雇とした者は、非常に特殊なケースで、退職願が提出されたため、特に急ぐ必要があったものです。1人は岐阜県内の郵便局の元課長、50代男性、もう1名は福岡県内の郵便局の元課長、同じく50代男性でございます。
 現在、日本郵便においてさまざまな人事上の処分を行っており、かんぽ生命において募集人の資格剥奪等について、鋭意調査しているところでございます。まとまり次第、ご報告申し上げたいと思います。
【記者】
2点目、全ご契約調査についてお伺いいたします。3月22日時点で2,206件の法令違反や社内ルール違反の可能性が指摘されています。これらは具体的にどのような事案が含まれるのか、可能な範囲で教えてください。
【社長】
全ご契約調査の法令違反や社内ルール違反の内容については、現在分析中です。改めてご報告申し上げたいと思います。
【記者】
全ご契約調査に関して、101万通の回答のうち、意向に沿わないと主張されたお客さまは、どの程度含まれていたのでしょうか。以前、2割程度、約20万人の方が意向に沿わないと主張されているとのご説明がありましたが、状況は変わりないのでしょうか。
 また意向に沿わないと主張されたお客さまのうち、返金や契約復元の可能性のある方は2,206人と理解してよろしいのでしょうか。あるいは、返金や契約復元の可能性のある方はもう少し大きな数となるのでしょうか。
【事務方】
現在集計中ではございますが、ご意向に沿わないと主張されるお客さまは約12万人程度です。
 2,206件は、ご意向に沿わない方、ご意向に沿っている方を含め、ご意見を賜わったものをスクリーニングして、法令違反、社内ルール違反の可能性があるものを拾った数字です。
【記者】
この後の利益回復に向けた対応は、12万件が対象になるのでしょうか。
【事務方】
12万件のご意向に沿わないご意見には、さまざまなものが含まれています。当社として利益回復の対象としてご意見を受け止めるべきものは、ご契約の解消や保険料の返還についてお申し出をいただいたお客さまのご意見です。
 こうした方に対しては、冒頭増田から申し上げましたとおり、お客さまのご意向に沿った形で、契約を復元してまいりたいと思います。
【記者】
意向に沿わないご意見とは、お客さまから契約内容について意向に沿っていないとのお申し出があったことと理解しておりましたが、それは違うのでしょうか。
【事務方】
お客さまに契約内容がご意向に沿っているかどうか、ということについても確認をしておりますが、いただいたご意見の中には、かんぽ生命に対するお叱りのお言葉をいただく場合も多くございます。
【記者】
全ご契約調査に関して、101万通の回答のうち、特定事案調査や深掘調査と同じ定義による意向に沿わないお客さまは、どの程度いらっしゃるのでしょうか。
 また、そうした方は権利回復の対象となるのでしょうか。
【事務方】
現在集計中ではございますが、契約内容についてご意向に沿わないお客さまは、およそ7,000から8,000人程度です。これらの方は、権利復元の対象となります。
【記者】
先ほどご説明がありました懲戒解雇となった2名は、お客さまに対して直接保険商品の勧誘を行っていたのでしょうか。
【社長】
詳細までは報告を受けておりませんが、保険商品の勧誘を行っていた者だと思います。
【記者】
先ほど本社、支社等の管理社員の夏期賞与を減額するとのご説明がありましたが、これは日本郵政・日本郵便・かんぽ生命の本社、支社に所属する管理職が対象と理解してよろしいですか。
 また、対象人数はどの程度になりますか。
【社長】
対象は、日本郵政、日本郵便、かんぽ生命の本社、支社に所属する管理職です。日本郵政では、郵政大学校や施設センターなどが含まれます。日本郵便では、支社、会計センター、資金管理センター等が含まれます。かんぽ生命では、サービスセンターが含まれます。
 対象人数は、日本郵政が約370人、日本郵便が約2,730人、かんぽ生命が約750人、3社合計で約3,850人です。
【記者】
直接不適正な案件に関与した管理職の方は、これとは別に処分があると理解してよろしいですか。
【社長】
今回の夏期賞与の減額の対象は、本社、支社の管理職にある者です。現場で直接不適正な案件に関与した管理職につきましては、現在、人事上の処分等を行うべく作業をしております。
【記者】
全ご契約調査において、法令違反又は社内ルール違反に該当する可能性があるとされた2,206件は、深掘調査の対象と別のものでしょうか。
 また、スクリーニングにより類型化されているのでしょうか。
【社長】
詳細な分析はできておりませんが、深掘調査とは重複がございます。
 類型等も現在分析中です。もう少しお時間をいただけると、詳細のご報告ができると思います。
【記者】
募集人調査は3月末までに完了するとのご説明がありましたが、法令違反251件、279人と社内ルール違反2,782件、1,931人が人事処分の対象者の分母となるのでしょうか。
【社長】
特定事案調査については、かんぽ生命による保険業法上の処分、日本郵便による人事上の処分のいずれについても、ご指摘の数字が分母になります。
【記者】
全ご契約調査や深掘調査の募集人調査には、法令違反251件、279人と社内ルール違反2,782件、1,931人は含まれていないのでしょうか。
【社長】
全ご契約調査や深掘調査の募集人調査については、特に深掘調査は、今後募集人の対応について調査を行うことになります。よって、現在作業中あるいは今後作業を行う予定です。
【記者】
募集人の処分は、深掘調査が終わる6月以降に行う予定でしょうか。
 また、募集人処分が完了する時期は、いつ頃をお考えなのでしょうか。
【社長】
募集人の処分は、早期にできるものは早期に行いたいと思います。少なくともかんぽ生命が違反事実を判定したものについては、随時処分をおこなうことになると思います。 全ての募集人処分が完了する時期の目途は立っておりません。もう少し時間がかかると思います。
【記者】
募集人の上司にあたる管理職の処分の規模感はどの程度になる見込みでしょうか。
【社長】
規模感については、私も報告を受けておりません。日本郵便においてもまだ算出できていないと思います。いずれ明らかにしてまいります。
【記者】
随時処分を行って行くとのご説明がありましたが、処分は始まっていないのでしょうか。
【社長】
先ほどご説明いたしました2名の懲戒解雇は、特別の事情があり先行して行いましたが、それ以外は現在作業中です。募集人の処分はこれから行います。
【記者】
ゆうちょ銀行の株価が3月に大きく下がっています。減損処理の必要性について、どのようにお考えでしょうか。
【社長】
会計ルールでは、時価が簿価の2分の1以下となった場合、減損処理をしなければならないとされております。本日の株価などからみると2分の1以下となっていませんが、会社としてさまざまな判断をしていきたいと思います。
 いわゆる強制減損は必要ないと考えておりますが、それ以外については今後よく検討していきたいと思います。
【記者】
先日発表された全国郵便局長会元会長である大澤誠日本郵便執行役員副社長の退任の理由を教えてください。
【社長】
日本郵便からは、組織の若返りを図るための会社都合による退任と聞いております。
【記者】
日本郵便の事業計画についてお伺いいたします。来年度の事業計画において、対前事業年度の計画比で物件費が403億円減少する理由を教えてください。郵便局の削減や再編を行う予定があるのかについても確認させてください。また、物件費の減少の内訳を教えてください。
【事務方】
日本郵便から説明させていただきます。来年度の事業計画において物件費が対前年度計画比で減少しておりますのは、大きく二つの要因がございます、一つはゆうパックなどの荷物の委託にかかる集配運送料が前期の想定ほどの支出ではなかったということです。
 2点目が、今年度は郵便局のPC端末の更改を行いましたが、来年度はそうした要因がないことです。郵便局数の減少などによるものではございません。
 物件費減少の内訳についてですが、1点目の集配運送料の減少が約150億円程度、PC端末の更改費用が約90億円程度となっております。
【記者】
集配運送費の減少、PC端末の更改費用がないこと以外にどのような要因で減少しているのでしょうか。
【事務方】
それら以外にもさまざまな要因がございます。例えば水道光熱費など少額の経費の削減等があります。
【記者】
日本郵便の来年度の事業計画において、ゆうちょ銀行、かんぽ生命からの受託手数料が対前年度計画比で1,090億円減少しておりますが、これはどのような試算に基づくものなのか、ご説明をお願いします。
【社長】
日本郵便が受ける手数料には2種類ございます。一つは独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構から受ける郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金です。これはほとんど変動しておりません。もう一つは、相対契約に基づき、日本郵便の実際の業務量等に応じて算出される額を金融2社から受ける受託手数料です。
 詳細は日本郵便から説明いたします。
【事務方】
日本郵便から補足させていただきます。
 かんぽ生命から受ける受託手数料は、大きく募集手数料、維持・集金手数料、様々なインセンティブ等で構成されております。
 募集手数料につきましては、今年度の途中から積極的な営業を控えていること、現在業務停止とされていること等を踏まえ、また、来年度も当分の間、積極的な営業を再開しないと考え、非常に低調となると見込みました。加えて、インセンティブ等についても、来年度は受け取らないものと見込みました。これら二つの要因により、来年度はかんぽ生命から受ける受託手数料が大きく減少すると見込んでおります。
【記者】
募集人調査の処分についてお伺いいたします。例えば、法令違反と認定された方は資格を剥奪するなど、募集人の処分に対する考え方や臨む姿勢について、教えてください。
【社長】
募集人調査において、法令違反、社内ルール違反等と判定されたものについては、原則として法令違反に対しては厳しく、社内ルール違反に対しては相応に処分を行うこととします。加えて、今回は募集人から、いわゆるリーニエンシーという、自己申告をしてもらった上で事案の全体像をつかむ作業を行いましたので、リーニエンシー対象の方については、一部軽減される措置を組み合わせながら、全体の処分の内容を決めていくことになります。
【記者】
法令違反、社内ルール違反それぞれについて、自ら違反行為を申告された方はどの程度いるのでしょうか。
【事務方】
自ら違反行為を申告された方は、法令違反、社内ルール違反全体で約4割弱程度です。
【記者】
東京オリンピックの開催が来年に延期され、開催時期も決定しました。日本郵便はスポンサー契約を締結しておりますが、今年末で現行契約が切れると思います。スポンサー契約についてどのように考えていくのか、現時点のお考えがあれば教えてください。
【社長】
現状、会社の意思決定をするには情報不足ですので、組織委員会から情報をいただいた上で、判断をしていきたいと思います。
【記者】
来年は、東京オリンピックが開催され、郵便事業が創業150年を迎え、新たな中期経営計画が発表される節目の年になると思います。節目の年の前年度における意気込みをお願いいたします。
 また、新体制になって3カ月が経ち、グループとしての一体感が強まっているように見えますが、意識していらっしゃるのでしょうか。
【社長】
来年は、東京オリンピックが開催され、郵政事業にとっても節目の年を迎え、新しい中期経営計画を発表し、実行に移す年でございます。通常では、現行の計画の最終年をきちんと仕上げ、出てきた問題を踏まえて次年度の中期経営計画を作成することが一般的だと思いますが、先々を読みづらい状況にあります。グループにおいては金融2社の低金利のみならず、金融情勢が非常に揺れている状況です。郵便の物流事業につきましても、国際的には減少傾向だと思いますが、小さいエリアにおいては、家庭とスーパーなどの間で荷物が動いております。よって、中期経営計画は、非常に多くの要素を考えて議論しなければならないと思っております。
 郵便局ネットワークは、単に従来の金融商品や物流サービスを提供するだけではなく、地域で必要とされるサービス全般を自治体などに代わって提供できる力をつけていく必要があります。ゆうちょ銀行、かんぽ生命においては、資金運用等を確実に行い、利益を生み出していくことが必要です。事業の多角化も必要です。前回の記者会見で不動産事業について申し上げましたが、そうした日本郵政グループが持つ強みを中期経営計画にできるだけ盛り込み、実のあるものにしていきたいと思っております。作業はこれからです。2020年度の特に前半をどう乗り切るかをきちんと考えた上で作業を進めていきたいと思います。
 2点目のグループとしての一体感について、お答えいたします。グループ全体の本質的な部分に関わる問題ですが、グループガバナンスをしっかりと構築していく必要があると思います。郵政民営化法上、民営化の進展に伴い金融2社は独立する方向にありますが、全国に展開している販売チャネルである郵便局をきちんと活用することが日本郵政グループの特徴だと思いますので、将来的に日本郵政の株式保有率が低下した後も、グループとしての一体感を共有していくことが大切だと思います。
 もう一つは、かんぽ商品の契約乗換問題が象徴するように、グループガバナンスに欠陥があることが明らかになりましたので、マイナスから立て直し、さらにその先を視野にいれた強固なグループガバナンスを構築することが必要だと思います。現在、取締役会等で議論しているところですが、持ち株会社が事業会社から必要な情報を機敏に受け取り、平常時においては事業会社がそれぞれ独立して、危機的な状況においては持ち株会社が前面に出て危機を乗り越え、さまざまな問題に柔軟に対応できるグループガバナンスを構築していきたいと思っております。
 特に、事業会社3社の社長との日常的な意思疎通は、1月以降、相当意識して行ってきたつもりですが、今以上に事業会社3社と持ち株会社の意思疎通を、仕組みとして強固にしたいと思います。
【記者】
JP改革実行委員会は、どの組織の下に設置するのでしょうか。また、以前にアドバイザリーコミッティーをつくるとのご説明がありましたが、その委員会との関係について教えてください。
 また、JP改革実行委員会は常設の組織なのか、かんぽ問題の解決とともに廃止される一時的な組織なのかについても、お伺いいたします。
【社長】
JP改革実行委員会は、日本郵政の社長直下、すなわち私の直下にあるタスクフォースがJP改革実行委員会の事務局を務めています。
 以前アドバイザリーコミッティーと称していたものが、JP改革実行委員会になります。特別調査委員会の調査終了後に発足させる予定でおりましたので、4月2日に発足いたします。アドバイザリーコミッティーのメンバー5名がJP改革実行委員会の委員5名となります。
【記者】
JP改革実行委員会の会議は、どのような頻度で開催されるのでしょうか。
【社長】
4月2日に第1回委員会を開催した後、5月下旬に第2回委員会を開催したいと思います。その後は、状況を見ながら2カ月に1度程度開催したいと思います。急な議案があれば間隔を詰めて開催しますし、委員全員にお集まりいただけない場合も委員に個別にご相談しアドバイスをいただくということで進めていきたいと思います。
 来年の3月までは間違いなく開催します。しかし、単にかんぽ生命の不適正契約問題だけではなく、日本郵政グループ全体の信頼回復についてさまざまなアドバイスをいただくことを考えておりますので、私としてはもう少し長くご審議いただきたいと考えております。
【記者】
先日、郵便局員を1万人規模で削減する案が浮上しているとの一部報道がありました。こうした協議が行われているのであれば、その内容を教えていただけますでしょうか。
【社長】
一部新聞にそうした記事があったことは承知しております。今、日本郵政グループは経営面で非常に難しい状況にあることは事実です。低金利の問題、物流の問題、最近は新型コロナウイルス等の影響によって、さらに状況が難しくなっております。よって経営を合理化する努力が常に必要になります。経費を節減するために、さまざまな案を考える必要がありますが、その中に人員面の問題もございます。しかし、具体的に人員削減ありきで考えているという事実はなく、1万人削減ありきで労働組合に提案や協議をしたという事実もございません。
 郵便局の業務効率化についてさまざまな変動要素を含めて考え、そうしたことをトータルで次期中期経営計画に反映させていく必要があると思います。郵便局の役割やサービス内容について議論をする中で、効率化が必要なのかをきちんと議論していきたいと思います。
【記者】
コスト削減手法の一つとして、人員削減という選択肢を排除はしないということでしょうか。
【社長】
私は着任して日が浅いのですが、郵便局ネットワークにおいて、全国あまねく提供しなければならないサービス内容やそのあり方に関する議論が薄いように感じています。そうした議論が定まらない中では、効率化の議論にたどり着かないと思います。世の中がデジタル経済に移行していく中、郵便局サービスをどうしていくのかとの議論が先決です。
【記者】
世界の金融市場のボラティリティーが非常に上がっている中、金融2社、特にゆうちょ銀行の有価証券ポートフォリオに対する影響やご懸念について教えてください。
 また、ゆうちょ銀行のドル調達コストが引き続き高どまりしています。ドル調達についてのご懸念について教えてください。
【社長】
どこの金融機関も、最近1~2カ月の世界的な市場変動の中で、大変ご苦労されていると思います。ゆうちょ銀行も、そうした状況を前提にさまざまなリスクを考えながら、資産運用を行っております。詳細については、ゆうちょ銀行にお尋ねください。
【記者】
当社の取材で、払い込みが完了している契約を解約して新たな保険に乗り換える事例が、2018年度の1年間で約5万件に上るということが分かりました。こうした契約は、顧客の不利益が大きいため、お客さまのご意向に沿っていなければ被害回復をすべきではないかと考えていますが、今のところ特定事案調査や深掘調査の対象にはなっておりません。以前から高齢者が子や孫を被保険者にする契約が幾つか散見されますが、そうしたものも含めて、深掘調査の対象に追加するお考えはないのでしょうか。
【社長】
冒頭の資料でお示ししたとおり、お客さまに不利益があれば、お客さまのご意向に沿って迅速な利益回復を行うことが、かんぽ生命の大方針です。よって、いわゆるAB契約等も、確認をした上で、お客さまに不利益が生じているものについてはきちんと利益を回復いたします。
 現在、多数契約や多数契約以外にもいわゆるヒホガエなど優先的に調査をするグループを決めて深掘調査とその契約復元を行っています。この中にご指摘のAB契約等も含まれる場合があると聞いています。よって、現在行っている深掘調査を急ぎ完了させたいと思います。それらに一定の目途がついた後に、まだ不利益が生じているケースが残るようであれば、不利益の解消を行っていきたいと思います。
【記者】
顧客が不利益に気づいていないケースが多々あると思います。現在のやり方は顧客から声を上げないと救済されないように思います。その点についてどのようにお考えでしょうか。
【社長】
できるだけ気づきの機会が増えるように考えたいと思います。私も個々の解決策までお答えできませんが、全体の考え方は回復を遂げるということになりますので、どのように働きかければ、不利益につながっている契約が浮き上がるのか、かんぽ生命に伝えて考えたいと思います。
【記者】
総務省の元事務次官による情報漏洩問題の社内調査についてお伺いいたします。前上級副社長へのヒアリング等の現状についてお教えてください。
【社長】
調査にはもう少し時間がかかると聞いております。きちんとした報告書がまとまれば、その段階でご報告したいと思います。
【記者】
日本郵政の事業計画に、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命の株式は、できる限り早期に処分するとの記載があります。社長ご自身は、どのようなスケジュール感で金融2社の株式売却を考えているのでしょうか。今回の問題が起きた背景に、完全民営化が遅れていることがあるのではないかとの指摘もあります。お考えを教えてください。
【社長】
新型コロナウイルス感染症の影響等もあり、世界的に株式市場の不安定さが増しております。基本的には、法律の文言どおりに、できるだけ早期に金融2社の株式売却を進めたいと思いますが、スケジュールについては、何も申し上げられない状況です。
【記者】
株価にこだわり過ぎると、いつになったら株価が上がるのかわからず、いつまで経っても民営化が進まないという悪いスパイラルに陥るように思います。株価ありきなのか、スピード感が必要だと思うのか、お考えをお伺いいたします。
【社長】
経営者とすれば、両方をきちんと見渡して考えたいと思います。会社の将来の成長ストーリーがないと、市場の皆さんの心に刺さらないと思いますので、そうしたものを次期中期計画等で明らかにし、株式売却の道筋を考えていきたいと思います。
【記者】
先ほどご説明があった懲戒解雇の2人についてお伺いいたします。過去に発表された、月額保険料が最高額148万円の事案、あるいは契約件数が最大122件の事案に該当する募集人なのでしょうか。
 そうでない場合、相当な多額契約または多数契約を行った募集人なのでしょうか。
【事務方】
前回お示しいたしました多額契約の最高額の事案や、多数契約の最高件数の事案に関与した募集人かどうかは、わかりません。ただし、この2人の募集人に関しては、相当な件数の契約の新規締結および消滅を繰り返し行っておりました。
【記者】
現時点で法令違反や社内ルール違反と判定された2,210人のうち、異議申し立てをされている方はどの程度いるのでしょうか。
【事務方】
判定が確定した募集人から順次対応しておりますので、法令違反や社内ルール違反と判定された2,210人の募集人全員に対して通知を行っているわけでございません。今の時点では、まだ数十人から不服申し立てがされているという規模感でございます。
【記者】
先ほど、ゆうちょ銀行株式について、いわゆる強制減損は必要ないが、それ以外については検討したいとのご説明があったと思います。これは自主的に減損処理を行う可能性があるということでしょうか。
【社長】
減損処理について検討するということではございません。この環境の中で、決算発表の時期や方法などを検討しなくてはならないということです。
 また、一般論として申し上げますと、現在の株式市場の中で、簿価に比べ株価が非常に低くなっている株式を、各社お持ちになっており、さまざまな検討をされていると思います。それと同様に当社もさまざまな検討をしていきたいという意味です。決算については、しかるべき時期に発表したいと思います。
【記者】
新型コロナウイルスの影響によって、株主総会や投資家向けIRなどの開催方法を見直す必要があると思います。現段階で、どのようにお考えでしょうか。
【社長】
株主総会は、法律の規定もあることから、予定通り開催したいと思います。既に担当部署に3月に行われた他社の株主総会について学ばせていただきながら、安全な開催方法を考えたいと思います。
【記者】
日本郵政の事業計画についてお伺いいたします。総務大臣からの認可時要請事項の4番目に、「宿泊事業については経営の健全化に向けて抜本的な見直しをすすめること」との記載があります。前年度の記載と比べると、一歩踏み込んだ表現となっております。宿泊事業の現状に抜本的な見直しを求められることに対する受け止めをお伺いいたします。
 また、今後、どのような見直しを実施するのかについて、お考えをお願いします。
【社長】
現状は、かんぽの宿は稼働率が下がり厳しい経営状況です。この状況がいつまで続くのか出口が見えない状況です。かんぽの宿に関しては、一部を地元に引き受けていただく等経営改善の取り組みを進めてまいりましたが、赤字が継続していることから総務省から認可要請事項に記載された指摘を受けております。4月には政府の経済対策がまとまり、さまざまな支援策が出てくるとも聞いていますので、この局面をどのように乗り切るのかを考えて参りたいと思います。経営の健全化に向けて抜本的な見直しについても、考えてまいりたいと思います。
【記者】
今は新型コロナウイルス感染症の影響で、困難な状況かもしれませんが、4,000万人を目標としている訪日外国人旅行者にターゲットを絞って集客をする等の経営努力をせずに、駅から遠い、老朽化が進んでいる等の理由であきらめてしまっているように思えます。新たな事業を開始するよりも、現在行っている事業を着実に育てるほうが成功する可能性は高いと思いますが、お考えをお伺いいたします。
【社長】
訪日外国人旅行者4,000万人の目標の達成は、今のままでは厳しいと思います。総務省からのご指摘に対しては真摯に対応していきますが、2020年度の宿泊事業は大変厳しい状況となることを覚悟しております。
 こうした状況を別にして、平常状態に戻った時に、かんぽの宿は、外国人旅行者が訪問する、交通の結節点にある、若い世代が訪問する等の地域による特色を生かした経営を行うことになります。一生懸命に仕事をしたいと考えている社員の想いに応えられるように考えていきたいと思います。
【記者】
かんぽ商品の営業再開についてお伺いいたします。どのような環境や条件が整えば本格的に営業再開が出来るのでしょうか。増田社長のお考えをお伺いいたします。
【社長】
かんぽ生命による調査が進むこと、募集人処分が進むこと、お客さまの不利益の解消が進むことが必要だと思います。特別調査委員会の報告書の結語に、「今般問題となった不適正募集による被害者らの怒りや苦しみを考える時、その被害回復に道筋を付けぬままの営業再開は考えられないと言うべきである」との記述がございます。これは大変重たい指摘だと思っております。
 営業再開をどの段階で判断するのかについては、JP改革実行委員会などからご意見をうかがい、事態の進捗をよく見ながら、最終的には当社が主体的に決定していきたいと思います。
【記者】
ご意向に沿っていなかったお客さまに対して契約復元をするかどうかについて、お客さまのご意向を確認しているところだと思います。お客さまの中には、自分に対する勧誘が法令違反や社内ルール違反でなかったのかについて、知りたいと感じているお客さまもいらっしゃると思います。当社の取材において、お客さまからそうした声を耳にします。一方で、かんぽ生命は、個々のお客さまに対する勧誘が違反であったかどうかについてはお知らせしない、と説明しています。増田社長はこうした対応について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
【社長】
日本郵政グループの基本スタンスは、お客さまが自分の契約にご疑問のお申し出があれば、それについて調査を行うことです。その上で、極論を申し上げれば、事実をできるだけ争わずに、契約を復元する姿勢で臨むべきだと考えています。
 法令違反や社内ルール違反など違反の内容を全てお客さまに通知した場合、契約の復元にマイナスの影響が出ることを危惧します。法令違反や社内ルール違反がはっきりしているものについては、通知をすればよいとも思いますが、曖昧なものや、従来のルール上は違反とは言えないものの、お客さまのご意向に沿って復元せざる得ないものが出てくる可能性があります。よって、どのように対応すべきなのか、この場でお答えすることができません。
 私から千田社長にお願いしていることは、お客さまがご納得いかない契約は、きちんと復元をするということです。これを最優先にした結果、違反の内容まで明らかに出来ない状況なのかもしれません。あるいは、通知した内容に誤りがあった場合や異論があった場合に対応する態勢が取れないことが理由なのかもしれません。
 ご質問のとおり、違反の内容を知りたいとのご要望を持つお客さまがいらっしゃるかもしれませんが、私としては契約復元を最優先に取り組んでほしいと考えております。
【記者】
日本郵便の事業計画についてお伺いいたします。「郵便局等の廃止等について」との項目の中に「お客さまの需要の減少や店舗施設の老朽等の課題解消に伴う店舗配置の見直しを行います。」との記載があります。現在、どの程度の店舗配置の見直しを想定されているのでしょうか。
【社長】
地域の方々の居住状況の変化や利便性を考えた郵便局の配置の見直しは迅速に行うべきと考えています。これまでも、利便性を高めるため、地域の大規模ショッピングセンターに郵便局を移転する事例等がありました。
 郵便局ネットワークの水準は基本的に維持する前提で、ビルの2階や地下にある複数の郵便局を立地の良い路面の店舗に集約するなど、地方だけでなく都市部を含めた郵便局の配置の見直しを行う必要があると思います。
【事務方】
日本郵便から補足いたします。
 具体的な数は公表しておりませんが、来年度も例年と同数程度の建て替えや移転等を予定しております。老朽化等により同じ場所に建て替える場合や、収益性が高まる商業施設に移転する場合もございます。全体としての郵便局ネットワーク水準は維持いたしますが、こうしたことによりネットワークの価値向上を図るための取り組みを進めております。
【記者】
日本郵便の事業計画に「郵便局等の廃止等について」との記載がありますが、ご説明があった郵便局の配置の見直し等の中で、廃止される郵便局もあるということでしょうか。
【社長】
トータルの郵便局数は約2万4,000局で変わりありませんが、これまでも、毎年、一定規模の建替え、移転、場合によっては廃止を行っております。
【記者】
今回のかんぽ生命の問題は、郵便局の廃止の方向に影響しないのでしょうか。
【社長】
私は、日本郵便からそうした説明は聞いておりません。
 かんぽ生命からの受託手数料が減少しておりますが、2020年度に郵便局のネットワーク水準を変えるまでには至っていないと聞いております。
【記者】
今のご回答は、2021年度以降はわからないとの意味でしょうか。
【社長】
そうした意味ではありません。2021年度以降については、中期経営計画の中で議論することになると思います。

(※記者会見における発言及び質疑応答をとりまとめたものです。その際、一部、正しい表現・情報に改めました。)