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2019年2月1日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2019年2月1日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

発表日:2019年2月22日

【社長】
本日、私からは8件お話しさせていただき、皆さんからご質問を受けてまいりたいと思います。
まず、1件目は年末年始の業務運行についてです。
 おかげさまで年賀状、ゆうパックとも概ね順調にお届けが出来たと感じております。
 年賀状については、対前年比で販売枚数は若干減少したものの、10円の値上げや5年ぶりに購入者さまに商品が当たるキャンペーンを復活させたり、お年玉くじ付き賞品を充実するなどして、収益ベースでは若干上回ることができました。
 今後も人口の減少、メールやSNSの普及などにより減少傾向は続くものと思われますが、引き続き、賞品の充実等、お客さまに喜んでいただけるような取組を行うほか、小・中・高校の学校やショッピングセンターなどで、各種の手紙教室等を実施することにより、手紙需要の創出を図り、年賀状差出の意識向上につなげていきたいと思います。
 また、先日、恒例のお年玉くじの抽せん会も開催いたしましたが、ことしは、二度目の抽選会として、4月20日に新元号を記載したシリアルナンバー入りの切手シートの抽せんも行う予定ですので、ご期待いただければと思います。
 次に、ゆうパックですが、12月は約1億69万個を取り扱いました。全体では、前年を5.8%程度下回ったとはいえ、平常月の3割増し程度の物数となっております。
 前年度からの大きな伸びの影響が一巡したことに加え、大口のお客さまとの契約の見直しなどにより、伸び率の縮小は続いていますが、EC市場の拡大はまだ続くと予想されるので、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思います。
2件目として、普通扱い郵便物の配達頻度(現行週6日以上)及び送達日数(現行3日以内)の緩和に関する制度改正についてお話しさせていただきます。
 先般の会見でも申し上げましたが、郵便物の減少傾向が今後も継続していく可能性が高いと考えられる中で、そのニーズに即した郵便サービスの提供や働き方改革への対応が求められています。今後とも安定的な郵便サービスを提供していくためには、現在の労働環境の改善を図って働き方改革を進めるとともに、郵便のユニバーサルサービスの内容にも踏み込んだ抜本的な業務の見直しが必要と考えています。
 先日、今通常国会への郵便法改正案の提出が見送られるとの報道がございましたが、私どもの要望としては、日本郵便の今後を見据えれば是非とも実現したい見直しであり、できるだけ早期の実施を希望することに変わりはありません。引き続き委員会での審議を見守りつつ、総務省等関係の方々と相談してまいりたいと思っております。
3件目として、特殊切手「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(寄附金付)」の発行についてお話しさせていただきます。
 この大会の寄附金付特殊切手を来月の3月12日から全国の郵便局で発売いたします。切手デザインの一つである大会エンブレムにはエンボス加工を施しており、凹凸があるものとなっております。10円の寄附金付きで、大会の準備・運営に使用されますので、ぜひお買い求めいただきたいと思います。
 今後ともオフィシャルパートナーとして、全国24,000の郵便局ネットワークや40万人を超える社員の力を最大限活用し、オリンピック・パラリンピックを身近に感じていただけるような種々の施策を実施することにより、東京オリンピック・パラリンピックが日本オリンピック・パラリンピックとなるよう盛り上げてまいります。
4件目として、ゆうちょ銀行にて、昨年5月に報道発表を行いました「ゆうちょPay」についてお話しさせていただきます。
 ゆうちょ銀行は、スマートフォンを活用した新しい決済サービス「ゆうちょPay」の取扱いを2019年5月から開始いたします。
 「ゆうちょPay」はこれまでに公表させていただいている、店頭でのスマホ決済機能、同様の決済システムを導入している金融機関との間で相互利用可能となるマルチバンク機能、東急電鉄様の券売機での「キャッシュアウト・サービス」に加えて、当グループのお客さまに広くご利用いただいている「払込用紙」にコード等を掲載し、当該コードをスマホで読み取ることにより、“いつでも”“どこでも”お支払いを可能とする機能を実装いたします。
 また、2020年2月から郵便局でも「ゆうちょPay」をご利用いただけるよう準備を進めているところです。
 このように、「ゆうちょPay」については、お客さまに“新しいべんり”をご提供できるサービスとして、大変期待しており、当グループを挙げて、日本のキャッシュレス社会の実現に貢献してまいります。
 今後も引き続き、さまざまなお客さまのニーズにお応えするべく、金融イノベーションを積極的に取り入れつつ、他企業さまと協力しながら、「顧客本位の良質な金融サービスの提供」、「地域社会への貢献」に努めてまいる所存です。
5件目として、以前、9月と10月に会見でご報告申し上げた、ゆうちょ銀行の社内調査委員会における、住宅ローンの媒介業務に関する調査状況について、社内調査委員会による調査結果が取りまとまりましたので、ご報告申し上げます。
 スルガ銀行の一連の状況を受け、昨年8月30日のゆうちょ銀行取締役会での議論を踏まえ、8月31日付で正式に委員会を設置し、ゆうちょ銀行のコンプライアンス部門、監査部門等の役員のほか、外部の弁護士という体制で調査を進めてまいりました。
 調査対象は、ゆうちょ銀行が住宅ローンの媒介業務を行った賃貸併用住宅ローン全257件です。
 ゆうちょ銀行は媒介ですが、スルガ銀行と一緒に住宅ローンをやっております。全体の件数は、開示しておりませんが、そのうちの257件が賃貸併用住宅ローンになっており、これが調査対象です。
 この住宅ローンは、契約者が融資を行った物件に居住していただくことが条件となっておりますが、調査の結果、当初から居住意思がなかったことが疑われる事案が24件、調査資料の偽装関係事案が8件あることが確認されました。これらの事案へのゆうちょ銀行社員の関与については、契約者への面談、社員ヒアリング、デジタル・フォレンジック調査、これは従業員のパソコンのEメール、添付資料等を全部調査いたしました。約9万7000件について調査を行いましたが、社員の関与は確認されませんでした。しかしながら、ゆうちょ銀行が媒介した物件の中に、このような不適切な事案が含まれていることが確認されており、事態を重く受けとめております。ゆうちょ銀行では、引き続き、さらなる態勢強化に取り組んでまいる所存です。なお、詳細につきましては、大事な案件でございますので、私の会見終了後、この会場にて、ゆうちょ銀行から直接、説明、質疑応答を行わせていただきます。
6件目として、限度額の関係についてお話しさせていただきます。
 昨年12月26日、民営化委員会の報告があり、これについて一言だけ追加でお話をさせていただきます。12月の会見で、限度額に関連して幾つか説明させていただいた中で、貯金を大幅に増やすというような経営はこれからはやらない、実はこれまでも行っていない、ということと、日銀当座預金については、ほとんど増えていないということを説明させていただきましが、改めて具体的に説明させていただきます。
 まず、ゆうちょと国内銀行の預金残高の推移ですが、ゆうちょ銀行(郵便貯金)の貯金のピークは1999年で約261兆円の貯金残高がございました。このときのほかの全ての銀行の合計貯金残高が約286兆円でした。これが現状は、ゆうちょ銀行は約180兆円、ほかの銀行の合計が約464兆円となっており、トレンドとして、私どもは貯金を増やすというビジネスモデルとはなっていないという、一つの傾向をお示ししているものだと思っております。とりわけ、2007年の民営化以降については、ほぼ180兆円の水準で推移しています。伸び率ですが、他行は286兆円と比べて62%程度増えています。一方、私どもは減っています。
 業態別預貯金残高の増減率の推移ですが、1,000万円から1,300万円に限度額が拡大して以降、どのように各銀行業態において貯金が増えたのか減ったのかという数字です。ゆうちょ銀行の増加率が最も低く、貯金はそんなに増えていません。
 日銀当座預金残高の推移は開示情報ではないため、数字については具体的にはお話ししませんが、ゆうちょ銀行はほとんど増えておりません。日銀当座預金が増えているのは、ほかのところで増えているということです。
 日銀当座預金、私どもが貯金すると金利をもらえるところ、ゼロ金利のところ、私どもが金利を払わなければいけない貯金とあります。3年前に日銀黒田総裁がマイナス金利を導入すると言われた時点では、明らかにゆうちょ銀行のマイナス0.1%に相当する部分の貯金残高は相当多かったですが、その後、さまざまな営業努力により、かなり減少しました。数字は開示しないことになっておりますので、申し上げられませんが、かなり減っているということもあわせて申し上げておきます。限度額に関して補足でご説明をさせていただきました。
7件目です。昨年、報道発表いたしましたアフラックとの資本提携の進捗状況について簡単にご報告申し上げます。現在、アフラック社株式の取得のための信託の設定、関係当局への届出等の準備をしています。関係当局への届出とは、米国内のルールで企業が一定の要件を満たす株式を取得する場合、独禁法上の問題が生じないかを事前に審査するため、関係当局に事前届出が必要となっているものです。これらの準備は順調に進捗しており、遅くとも年度内には株式の取得を開始したいと考えております。
8件目です。先週、ダボス会議に行ってまいりました。そのときの印象を簡単にご報告申し上げます。
 予定されていたトランプ大統領、メイ首相、去年来たインドのモディ首相、おととし来た習近平国家主席も来ないということで、目立ったのは安倍首相を中心とした日本グループで、安倍首相が力のこもったスピーチをされていました。主に6月に予定されている大阪でのG20に対する意欲についての発言でした。未来への楽観主義を取り戻すチャンスの会にしたいと言った上で、キーワードを2点おっしゃっていました。1点目は、データ・ガバナンスに焦点を当てた議論を「大阪トラック」とでも名付け、信頼に基づくデータ・フロー体制の構築に向けた話し合いをWTOの屋根の下で始めてはどうかということです。
 もう1点は、気候変動に立ち向かうイノベーションによる問題解決が必要ということで、人工光合成の活用や、ESG投資が増加するよう促したい等発言されて、日本は自由で開かれたルールに基づく国際秩序の維持・強化に取り組みたいという意欲を出されていました。世耕大臣、河野大臣も、あちらこちらのパネルに登場されて、日本の存在感が大きかったという印象です。
 また、私の印象としてあと四つほど述べさせていただきます。一つ目として、やはりこれからの国際経済の最大のリスクは米中問題だと思っています。貿易の問題にとどまらず、軍事問題、情報問題があり、国家の覇権争いにかかわるので、相当長引くと覚悟していたのですが、今回のダボスのおおむねの意見としては、いささか短期に読んでいると感じられたことが、個人的には驚きました。
 二つ目に、地政学も含めたさまざまなマクロの問題があります。それが話題になるたびに、市場は非常に激しいボラティリティが何回も顕在化するでしょうが、特に米国では、ベーシックなフローの経済は結構強いと思っています。もうその10年のサイクルになっているのですが、これがもうすぐ冷えるというように思っている人は非常に少ない。まだ基調は非常に強く、向こう2年ぐらい、このフローベースの強さは続くのではないかと思っている人が圧倒的に多いというのが二つ目です。
 三つ目はESGについてです。企業としてやらなければならない社会的なコストというような見方も一部あると思うのですが、このようなこともできないようでは企業としてやっていけるのかという論調で、非常に多くの投資家を中心に、かなり大事なテーマとして、浮かび上がってきているということを強く感じました。
 四つ目に、中央銀行のトップが集まるパネルディスカッションでのことです。そこでのコンセンサスは、大きく二つありました。世界の金融界が荒れるとすると、大きなリスクが2点あって、1点目は、広い意味でのノンバンクです。リーマン・ショックのおかげで、幸か不幸か、証券会社なり銀行は、規制をつくって、それなりにしっかり監督されているのだけれども、多額のお金が動いていて、この受け皿になっているノンバンクをまだまだ十分監督できてないところがあり、そこから綻びが出ないようにと大変懸念していました。
 2点目が、サイバー攻撃です。大変高度になってきていて、中央銀行もかなりの危機意識を持っていると感じました。文脈の中でビットコインという言葉が出てきましたが、これはもう終わったもので、もうビットコインというコインはないというように皆さんおっしゃっていました。ただし、このビットコインを形づくるプロセスでの技術は大変高度で、うまく使えばセキュリティを守ることができるような技術なので、日銀とヨーロッパの銀行が一緒になって、この技術をうまく使って、金融界の安定に貢献できる方法を一生懸命に勉強しているというお話がありました。
 以上が、ダボス会議に参加した私の大きな印象です。
【記者】
ことしの春闘が始まりましたが、日本郵政グループとしてどのような方針で臨まれるかという点と、その関連で、先ほど限度額の問題を言及されましたが、民営化委員会の意見書で、貯金のインセンティブについての注文もありました。この件がことしの春闘のテーマになるのか、ならないのか、あるいはもう少し先のスケジュールになるのか、その辺も含めて教えてください。
【社長】
ことしの春闘についての要求書をいただいておりませんので、まだ具体的な内容について申し上げられる段階にはございません。ただし、昨年から継続協議となっている扶養手当、それから65歳定年制のあり方、そして、さらなる非正規社員の処遇改善という3点が大きなテーマになると考えております。
 昨年と同様ことしもお互い誠実にコミュニケーションをとって、時代のテーマに応えて、労組の要請に応えていきたいと思っております。
 限度額については条件が二つ付きました。一つ目が、貯金獲得に係るインセンティブを撤廃することです。もう一つがさらなる限度額の緩和を行う際は、日本郵政のゆうちょ銀行の持ち株を3分の2未満となるまで売却することです。これについては、真摯に受けとめ、きちんとやっていきたいと思っております。
 前者の貯金のインセンティブについては経営の目から見ると二つの種類がありまして、ゆうちょ銀行と日本郵便の経営の意思としてゼロにすると方針を決めて直ちに実行できるものと、労働協約を結んでいて、労組から同意がないと実行できないものがあります。前者については、直ちに取りかかる方向で、もう既に準備を開始して動いております。後者については、労働組合との合意が必要ですが経営としてはできる範囲で速やかに実施するとしておりますので、きちんと慎重にお互い納得して交渉していきたいと思っています。
【記者】
間もなくマイナス金利の導入から3年、3年前にちょうど長門社長が持ち株会社に移られることが決まったタイミングで、十分はね返せる規模のインパクトだと言っていたのを覚えています。この3年のはね返しのご評価の総括、マイナス金利があるから運用の改革を急がないといけないというモチベーションにもなった部分はあると思いますが、運用改革をどのように見ているのか。今後、マイナス金利がしばらく続くとして、今のスピード感で大丈夫なのかどうかについてコメントいただけますでしょうか。
【社長】
2016年1月29日に黒田総裁がマイナス金利を発表されました。その時点で私はまだゆうちょ銀行におり、日本郵政に移ることが決まったというタイミングではありませんので念のため申し上げます。したがって、ゆうちょ銀行の社長として、直接的にこのインパクトを感じました。はね返せるというのは、経営としてはね返さなければいけないという意気込みで申し上げたつもりなのですが、マイナス金利・イールドカーブコントロールといった日銀の金融政策による非常に低い金利水準が大変に負担の大きい経営環境であることは間違いありません。昨年5月15日に今年度から始まる中期経営計画を発表させていただきましたが、最も厳しい中期経営計画になると思います。
 ゼロ金利を打ち返す手だてはいまだに中計のほうで申し上げた方法論と変わっていません。運用の高度化・多様化、これ以外にないと思っています。黙ってただ直利を取ろうと思って運用しているだけでは、どんどんじり貧になるのは目に見えていますので、これをほかのものでカバーすることが必要だと思います。引き続き運用の高度化・多様化をやっていきたいと思っています。
【記者】
春闘の点で、補足でお尋ねします。手当のことについて言及されていたのですが、国がガイドラインというのをつくっていまして、同一労働同一賃金に関して正社員と非正規社員の格差を是正する場合に、その正社員の待遇を下げて非正規社員に合わせるというのは望ましくないというガイドラインを政府がつくっております。
 ことしの春闘でも、特に扶養手当については、労使交渉になると思うのですが、この点、基本的にガイドラインを踏まえて、交渉に当たるという考え方なのか、手当以外のところも全体最適みたいなところで結論を出すということも一つの考え方だと思いますがどのようにお考えでしょうか。
【社長】
大事なガイドラインとなりますので、きちんと踏まえて対応していきたいと思っています。
 その前に1点だけ、一部報道で、本来正社員がもらえるであろう手当を削減して、非正規社員の処遇改善に回し、総額はプラスマイナスゼロという捉え方の記事がありましたが、そういう気持ちは全くございません。社員の半分20万人が非正規社員で、彼らに大事な戦力になってもらわないと業務は回りません。大事なステークホルダーです。彼らのモチベーションもありますので、私どもの予算と相談しながらできる範囲できちんとやっていこうと思っております。
 住居手当については、正社員で転居を伴う異動があった場合、居住するための住宅がないところに転任する場合を想定した手当です。各種手当については、総合的なバランスを常に見直していて、時代に即して対応していこうと思っているところです。その時に転居を伴う異動が前提となっていない一般職にも住居手当が払われている、それはフェアな対応なのだろうかという議論がありました。加えて、住居手当を実際にもらっている一般職が非常に少数だったのです。それらを勘案して決めたもので、非正規社員の方々の処遇を高めることとは全く別の議論でやめたということをご理解いただきたいと思います。ただしこれでも、住居手当をもらっている方々には直接的な不利益があると思いましたので、激変緩和措置を設けました。
 それから、正社員と非正規社員については、人事異動での勤務地の変更の有無や職種の内容等、いくつか差があり、差があってもそれは決しておかしくないと思っています。その前提においても、社員の半分が非正規社員であり、彼らなしでは回らないモデルなので、そこは、しっかりとやりたいと思っています。労組ときちんと誠実にコミュニケーションを図り、できるだけ応えていこうと思っています。
【記者】
スルガ銀行の媒介ローンに関する件ですけれども、不適切な事案があったということで、行員は関与していなかったということですが、何が原因だったと考えられているのかと、改善策をどうしていくのかと、もう1点、現状は取り扱いを停止していると思うのですが、今後どのような対応をとっていくのか教えてください。
【社長】
ゆうちょ銀行で行っている業務はスルガ銀行の住宅ローン等の商品の媒介です。住宅ローンをご利用したいお客さまにスルガ銀行の住宅ローン商品をご説明し、申込書類等を受入れ確認し、スルガ銀行に提出します。それから、スルガ銀行が審査をして、承諾したら貸出を実行するという仕組みです。スルガ銀行がこのような事態になることを前提にしておらず、住宅ローンをご利用したいお客さまについて、同行が実施する審査で確認しているので、その結果、承認となれば、貸出を実行するものと思っていたというのが実態でした。これが大きな反省の材料です。今から思うと、何千件とある住宅ローンのうち、賃貸併用住宅ローン案件で24件、諸事情により非居住となっている事案があったということは、お客さまから申込書類を受け付けて、本当にそうなのかという目でしっかり見て、スルガ銀行に提出する等をしないといけなかったと思っています。
 それから、今回の調査では、コンプライアンス部門の担当が書記として、第三者の弁護士が、全部をヒアリング等行うなどした結果、大変時間を要しました。住んでいることを前提に住宅ローンを借りて、ついでにアパートもつくる。3分の1は住居用で、貸すところは3分の2というように行っていたのですが、諸事情により非居住となっている事案がありました。媒介といえども、本当に住み続けるのかというチェックをしっかりと行うことについては、今から思うと、行うべきだったというのが反省です。
 今後の改善策については、現在、ゆうちょ銀行では取扱いを停止していますが、再開する時は媒介になりますので、今回のことを踏まえて、ルールをしっかりと作ってやることになると思っています。
 その前に、どことやるのかという点については、スルガ銀行で全件調査をしていらっしゃる最中と聞いています。最終的に新たな体制や方針を出されると伺っていますので、それを見きわめた上で、引き続き同行と同じようにやっていくのか、同行との提携を見直して違う銀行とやるのか、住宅ローンを止めることとするのか、考えたいと思っています。
 先日一部報道で、口座貸越サービスを巡り、スルガ銀行との提携を中止する方向で検討しているという記事があったと思いますが、この記事は事実に反していて、そのような決断はまだしていません。実は4月ぐらいから始めたいと思って準備していたのですが、スルガ銀行の経営の方向性や業務改善状況など、今後の状況をしっかりと注視し、適切に判断したいと思っています。4月からは口座貸越サービスをスタートできない可能性が高まっていると感じていますが、スルガ銀行との提携中止を検討しているという報道はまだ私どもの決断ではございません。
【記者】
先ほどのダボス会議の所感が非常におもしろかったので、1点お伺いしたいのですけれども、ブレグジットが控えていますが、その会議の中でのブレグジットについての各トップの感触と、長門社長ご自身で、ファイナンスの面だとか、ロジスティクスの面で、こんな影響が出てくるだろうという意見があれば、お願いします。
【社長】
ブレグジットについては、おおむね、日本人も含めて同じような意見だったと思います。各意見の割合は、少し幅があったら申しわけないのですが、メイ首相が今言っている修正案が何とか通るというのが6割、2割がハードブレグジットでハードランディング、残りの2割が、もう一回、EUに残ろうという感じでした。
 ただ、大変冷たく言うと、今、ヨーロッパの世界経済への貢献度は低いので、イギリス云々はあまり関係ないというような感じでした。
【記者】
ゆうパックの動きに関して、大口の顧客との契約の見直しのご発言についてもう少し補足いただけますか。
【社長】
要するに、値下げして取扱量で稼ごうとすることはやめようということで、単価を上げました。お客さまは渋々ご了承くださったのかもしれませんので、同業他社の価格と比較した結果、流れて行ったということもあると思います。取扱量が落ちてきている理由は4点あると思っていて、これが1点目です。
 2点目は、同業他社が、単価を上げたり、スキャンダルがあったりして、日本郵便に流れてきていたのが、少し収まったということです。3点目は、例えば、アマゾンや楽天が自身でラストワンマイルを配達されている点です。最後の1点です。きのうの新聞に、ヤマトについて、利益が増えたが取扱量は減っているという記事がありました。ヤマトも取扱量は減っているということで、その理由を考えると、私どもが感じているのは、ゆうパックよりも料金の安いゆうパケットに流れているという点です。単価を上げましたので、ゆうパックとゆうパケットの料金差が少し開いてきています。現にゆうパケットは取扱量が非常に増えていますが、同業他社でも同じようなことが起こっているのではないかと思っています。
【社長】
どうもありがとうございました。