現在位置:
日本郵政ホームの中の1
日本郵政株式会社の社長等会見の中の3
2017年6月28日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2017年6月28日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

発表日:2017年7月19日

【社長】
どうもこんにちは。よろしくお願いします
私の方からは、きょうは3点、ご報告申し上げて、後でご質問を受けたいと思います。もう皆さん、既にご存じのことなので、あまりサプライズはないかもしれませんが、1点目、株主総会の報告です。
先般、6月20日から22日の三日連続で横浜アリーナにおきまして、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、日本郵政の順で株主総会を開催いたしました。最終日の日本郵政の株主総会では、トール社に係るのれん等を減損したことにより、2017年3月期決算で連結純損益がマイナスになったことについて、私の方から、「経営陣一同、大変重く受けとめており、誠に申し訳ございません」とおわびを申し上げるとともに、「今後は信頼回復に取り組みたい」と決意表明をさせていただきました。これに対しまして、ご発言のあった株主様から、「一定の評価をする」、「今後の改善に期待する」といったお言葉を頂戴いたしました。株主の皆様を裏切ることのないよう、トール社の経営改善にしっかりと取り組んでまいりたいと思っています。
 3社の株主総会に共通して言えることですけれども、株主様からは、営業の方法や商品性に関する具体的なご意見、ご要望が多く出されました。例えば、年々減少する手紙への対策ですとか、投資信託、自動車保険などの商品へのご要望、あるいは郵便局や支店におけるお客さま対応に関するご意見がございました。これらは、日本郵政グループをより良くしていくための叱咤激励と、優しくも厳しい応援のお言葉として真摯に受けとめ、今後に生かしてまいりたいと思っています。
 また、ゆうちょ銀行、日本郵政の株価が上場時の売出価格より下落していることについてのご懸念も示されました。株価自体は、さまざまな要因により形成されるものではありますけれども、この事態についても謙虚に受けとめ、企業価値の向上を目指していく所存です。
2点目です。昨年度末の3月31日の会見でお伝えいたしました、ゆうちょ銀行およびかんぽ生命における新規業務の認可申請について、6月19日に金融庁、総務省から認可をいただくことができました。皆様のご理解、ご協力に深く感謝申し上げます。
 お配りしました報道発表資料ですが、近畿地方で初めてとなる、ゆうちょ銀行の地域ファンドへの参加です。滋賀銀行が中心となっているファンドに参加するという発表です。
 九州地方の全体の銀行による熊本地震復興ファンド、北洋銀行、鹿児島銀行・肥後銀行、中部・北陸地方の銀行、そして、地域活性化ファンドでは5番目になりますけれども、近畿地方として滋賀銀行とのファンド組成を発表いたしました。
 かんぽ生命の3つの商品の見直しについても、現在、販売に向けた社内準備を進めており、2017年10月以降、郵便局とかんぽ生命の支店等での販売を予定しています。
 法人向け商品の受託販売につきましては、これもお配りした報道発表資料にございますように、第一生命保険の経営者向け介護保障定期保険「TOP PLAN エクシードU」、これを2017年6月30日から、かんぽ生命の支店等で販売を開始いたします。
3点目、日本郵便によるみまもりサービスについての報告です。かねてより事業化に向けて検討してきた郵便局のみまもりサービスについて、基本的な方針を固めましたので報告いたします。
 郵便局のみまもりサービスとは、「みまもり訪問サービス」、「みまもりでんわサービス」、「駆けつけサービス」の3種類のサービスの総称です。「みまもり訪問サービス」は、毎月1回、郵便局社員等がご利用者宅を訪問し、生活状況の確認結果をご家族や自治体へお知らせするサービスです。また、「みまもりでんわサービス」は、ご利用者に毎日指定された時間帯に自動音声電話をおかけし、体調確認結果をご家族等の報告先にメールでお知らせするサービスです。
 以上、二つが基本サービスですが、「駆けつけサービス」は、基本サービスのオプションとして、もしものときに、ご家族等からの要請でご利用者宅に警備会社が駆けつけるサービスです。この三つのサービスについて、2017年8月から全国の直営郵便局にて申込受付を開始し、2017年10月から全国でサービス提供を開始する方向で、最終準備中です。
 具体的な開始期日、料金の詳細などについては、システム判定等の準備状況を踏まえた上で、改めて7月下旬ごろにプレスリリースさせていただく予定です。我が国が直面している超高齢化社会において、地域社会の抱える課題解決に貢献するということで、郵便局らしいサービスであると考えております。
 なお、これまでタブレットを活用したみまもりサービスおよび健康増進サービスについても検討してまいりました。改めて、検討中のサービス、アプリケーションやデバイス等になりますが、それに対する需要や現場の業務フロー等を精査いたしましたが、現状では事業に参入しても採算ベースに乗せることが困難と判断いたしました。そのため、この二つのサービスは事業化を見送り、一部自治体での試行にとどめることとします。今後は、競合他社の動向も踏まえ、アプリケーション、デバイスを含めたサービスのあり方について研究・検討してまいります。
 私から申し上げることは以上です。
【記者】
株主総会の出席者が、昨年に引き続きまして少なくなり、少し今回は減ったと思いますが、出席者を増やすためにはどうすべきでしょうか。まず1問、よろしくお願いします。
【社長】
おっしゃるとおり、昨年も何千人来られるかわからないということで、大変大きいところであるさいたまスーパーアリーナを申し込みました。ことしはそこが適切な日時での確保が不能ということで、横浜アリーナに場所を変えさせていただいた次第です。
 人数は、昨年よりも少し減りまして、初日のゆうちょ銀行は、昨年は886名でしたが、ことしは607名、かんぽ生命は、昨年は266名が219名、日本郵政も昨年は1,194名が838名と少なくなりました。
 ガバナンス上のストラクチャーを考えて、議決権行使比率等を見ますと、他上場企業と比べて全く遜色ない比率でおりますので、ガバナンス上の問題点は特にないと思っていますが、会場に来られる株主様がちょっと少ないのかなと感じております。当初より株主総会の集中日を避けるとか、いろいろ工夫しておりますが、もうちょっと出席者を多くしたいとも感じています。
 優待券、あるいはお土産とかについて、ある会社に聞きましたけれども、お土産があった時期は、例えば1,300人ぐらいだったけれど、やめたら1,100人切った。都心からある事情でちょっと郊外のほうに行ったら800人になったというところもございますし、上場後、初と2回目ではかなり出席する株主様が減ったというお話もありましたので、少し減ることはあると思うのですが、もう一つ考えなければならないのは立地の問題。さいたまスーパーアリーナと横浜アリーナと比べてみると、一見、横浜の方が多くの方に来場していただけるように思えるのですが、横浜アリーナは新幹線では新横浜まで行けるのですけれども、ほかの交通手段だと、どうしても乗りかえがある。さいたまスーパーアリーナは駅からすぐに着くところにあるけれど、横浜アリーナは駅から5、6分歩かないと着かないというような問題もあったかと思います。何とかもう少し増やせれば良いのではないかと思い、会場等も工夫しているのですが、東京では会場がいっぱいでなかなかない、かつ、私どもの場合は3社同時上場しましたので、昨年、ことしと火曜日、水曜日、木曜日と三日連続、前日に準備等もいろいろありますので、会場を四日間連続で押さえなければいけない。そして、株主数、50万人ぐらいいますので、株主様がたくさん来たらどうしようか等を考えますと、どうしても制約があり、場所の選択に苦慮しています。集中日は避けて、いろいろ工夫しながら、ぜひ多くの株主様に来ていただきたいと思っています。
 お土産ですけれども、来ていただく株主様はとても大事なのですが、より多くの株主様にお返しするという意味では、配当等でお返しする方が筋かと思っておりますので、お土産等で出席する株主様の数を増やすという手段は、来年以降もあえてとらないつもりで現在は考えております。
 あとサテライトなんかどうかというお話もあったのですけれども、やはり分けてしまうとなかなかうまく会場の雰囲気をお伝えできないとか、コスト的にも大変なので、上場企業をいろいろ調べましたら、会場が大阪でも東京にたくさんの株主がいるというような一部企業ではやっているようですが、私どもは、今の段階では、サテライト等のような工夫はしないつもりで、現状は考えております。
【記者】
もう1問です。ゆうちょ銀行の口座貸越による新規業務が認可されました。これの業績への貢献の見通しなどについてお聞かせください。
【社長】
郵政民営化委員会から問題ない旨の意見を提出していただき、6月19日の最終認可につながったと思っておりますけれども、郵政民営化委員会に提供した数字、岩田委員長もディスクローズされていますので、あえてここで共有させていただくと、向こう5年を展望して、毎年30万口座ぐらい実績がつくれるのではないかと。ある前提で残高を積んでみると、業務を開始してから5年後の平残で800億円ぐらい残高が積まれるのではないかと思っています。それがややコンサバかもしれませんけれども、大体の口座貸越サービスの今の段階での予測です。そんな実績を考えています。
【記者】
今の800億円の話ですけれども、どれぐらいで黒字になるとか、どの程度の利益を見越しているのかを教えてください。もう一つは、野村不動産ホールディングスの件ですけれども、先日、御社からも野村不動産ホールディングスからも交渉を終えたというIRがありましたが、その受け止めと、特に野村不動産ホールディングスからは、御社の名前を適時開示資料に出した上で、御社による株式の取得について交渉をしていたけれども、検討を打ち切りましたという発表があり、本当に異例の形だったように思いますけれども、そのあたりの受け止めを含めてお聞かせください。
【社長】
1点目のご質問ですが、スプレッド次第ですけれども、仮に1年間の平残が800億円とすると、仮に1%の利ざやだったら年間8億円。2%ならその倍。3%なら3倍と、それくらいの水準で収益の貢献になると思います。したがいまして、ゆうちょ銀行、3,000億円、4,000億円の年間利益を上げる会社ですが、直接的な利益インパクトはそんなに大きくないと思います。今、スルガ銀行の住宅ローンと個人ローンを代理業者として媒介させていただいていますけれども、それはゆうちょ銀行の直営店233店を主に使って実施しているわけですよね。今度の場合は口座貸越ですから、全国の郵便局、ゆうちょ銀行で申し込みができ、審査が通れば、どこでも利用できるのです。私どもの特徴は、全国津々浦々の郵便局を通じて、いわゆる貯蓄業務を推進しようというビジネスモデルで、そこが参画できる業務になり得るわけです。地方創生等の時代のテーマについても、相応の貢献が期待されている日本郵政グループとしてはふさわしい商品ではないかなと思っていて、地方創生、今度のみまもりサービスもそうですけれども、そういう形で地方創生等に貢献する一つの大きな手段にもなり得ると思っていまして、そういう定性的な期待も大変大きく感じています。
 2点目ですが、これは先般、適時開示したように、一つ目が、私どもが発表したものではございません。二つ目に、現状、そういうことを検討している事実はありません。これに尽きます。もう1社もいろいろおっしゃっているようですけれども、私どもとしては、これ以上でもこれ以下でもないということです。
【記者】
先ほどの野村不動産ホールディングスの件とも関連しますが、今後のM&Aの方針についてですね、改めてお伺いできますでしょうか。その野村不動産との件も、社内から慎重論などもあったと思いますけれども、そういったところも含めて、今後の方針についてお伺いできますか。
【社長】
適時開示の段階で、そういう事実はないとコメントしていますので、社内でどんな議論があったかということは申し上げられません。一般的にどんなアジェンダでも、社内でフリーにいろいろ議論しています。どんなテーマでもですね。ガバナンスは非常に大事なので、社外取締役も含めて、あらゆる重要な経営課題は議論をしております。ただ、最終的に組織決定をした場合には、組織としては、もう一丸となってその方向で行こうとなっておりますので、企業ストーリーとしては、いろいろな意見があったとか、誰が反対、誰が賛成とか、おもしろいかもしれませんけれども、そういうことは一般的に我が社にはないと考えていただきたいと思います。
 M&Aを建前で議論しますと、もうM&AのためのM&Aの議論になりますので、そのときの私の言葉の方向感、かなり力がこもるとM&Aに相当入れ込んでいるとか、ややそっけなく話すと関心が薄れたのではないかというようなコメントをときたまいただきますので、注意して申し上げますと、大事なことは、企業のパフォーマンスを上げること。郵政民営化法がございますので、日本郵政は、時間がどれくらいかかるかわかりませんけれども、いずれゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式の全てを処分するわけですよね。既に申し上げているように、ユニバーサルサービスへのインパクトとか、グループ一体経営の影響とかも勘案し、当面5割ぐらいまでと考えています。経営の自由度を与えるためになるべく早く考えていきたいと思っていますけれども、そうなると金融二社の連結ベースでの親会社に帰属する純利益が減ってくるわけですよね。
 現状、日本郵政、時価総額で国内10位ぐらいのポジションにあります。当期純利益は、連結ベースで4,000億円、5,000億円ぐらい。昨年度、修正前の目標は3,200億円で、トールの減損なかりせばですが500億円上振れましたけれども、そういう利益を上げていて、時価総額6兆円ぐらいの会社です。従業員がグループ全体で40万人ぐらいの従業員がいる会社です。
 仮にですけれども、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の全株式を売却すると、日本郵便だけが主要な子会社になる会社となりますけれども、日本郵便の損益状況、昨年度トールの減損なかりせば純利益が150億円ぐらいですよね。先般、5月13日に今年度の業績予想を発表しましたけれども、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の非支配株主帰属分を含む中計の4,500億円を見込むと。株式11%売った前提でも4,000億円を見込むというプランを発表しました。その内数としての日本郵便の純利益は130億円という数字を発表しました。
 この損益だけでは、時価総額6兆円、国内10位、40万人の従業員の規模を維持していくというのは結構大変なのではないかと思っています。したがって、何をやるかというと、ユニバーサルサービスはきちんと実行し、全国のどんなへき地でも、郵便局を維持した上で、何とかして売り上げを伸ばす。経費を削減して、日本郵便をきちんと筋肉質な強い経営体にしていくというのは、当然、第一義的に重要な経営アクションになってくると思います。
 売り上げを伸ばす手段として、仮にシナジー効果があって、文化的にも相性が良くて、いい企業と遭遇して、先方にもそういうお気持ちがあるのであれば、M&Aというプロセスを否定するものでは全くないと思っています。M&A自体が目的ということではなくて、あくまでも日本郵政グループのパフォーマンスを強くする手段として、正当化できるものがあるのであれば、否定しないで今後も考えていきたいと思っています。
 いい機会なので申し上げますと、日本郵便、常々申し上げていますが、トールを買収して、トールの売り上げが7,000億円、8,000億円と円ベースでありますけれども、それを除いて、日本郵便の売り上げ約3兆円です。このうちのビジネスモデルとしてゆうちょ銀行、かんぽ生命は日本郵便の郵便局ネットワークなしには生きていけないビジネスモデルですので、彼らからフィーをいただいています。このフィーが年間約1兆円です。これを除いて、郵便・物流事業で1兆9,000億円、不動産事業で260億円、物販事業で1,300億円というのが日本郵便の売り上げです。ユニバーサルサービスをきちんと果たし、郵便局ネットワークを守った上での話ですけれども、このそれぞれの売り上げを伸ばす努力を今後、やっていこうと思っていて、その手段として、仮にいいM&A案件があったら、しっかりとそれも引き続き考えていきたいと、一般的には思っています。
【記者】
今後、介護事業を起点としたまちづくりみたいなものが、全国的にもおそらくどんどん増えていくと思いますけれども、そういう中で、日本郵政グループがどういうふうに関わっていくかというような構想みたいなものはありますでしょうか。
【社長】
私どもの特徴はやはり2万4,000局、全国津々浦々に拠点があることです。今後もへき地とか離島の拠点を閉めないということでやっていきますので、拠点がある恐らく数少ない組織の一つだと思います。例えば新宿郵便局の一部スペースに複数の地域金融機関が参画する「銀行手続の窓口」を設置し、いろいろな手続ができるようにするとか、日本生命が郵便局のネットワークを活用し、郵便局にテレビシステムを置いて、それを使った日本生命のお客さまの保険契約の保全手続ができるようにするなど、ニーズが出てきています。
 ゆうちょ銀行もATMは地方銀行と提携しているとか、郵便局に地方銀行のATM(現金取扱機能なし)を置くとか、いろいろなことが出きます。そういうことで、拠点があるがゆえに、いろいろなことができると思っていて、それについては、福祉活動のためにやっているわけではないので、著しく損失が出るというと、ちょっと考えますけれども、そうでなければ、大いに貢献したいと思っていますので、いろいろなことをやった後で、その姿がきっと地方創生への貢献の姿になると思います。
 今からこういうことをやろうと思って、こういう方向で強引に引っ張っていくということはあえて考えていなくて、ぜひ、郵便局ネットワークを生かして貢献していきたいと思っています。
【記者】
介護を起点とするようなまちづくりみたいな部分で、関わり方みたいなものはありますでしょうか。みまもりサービスとも関係してくるかと思いますけれども。
【社長】
今度、ようやくみまもりサービスをスタートすることになりました。随分時間がかかって申し訳ないですが、ことしの10月、下半期から考えています。そういうことを通じながら、どういうニーズがあるのかなど出てくると思います。そこで具体的にどのように貢献できるかと、少しずつ考えていきたいと思っていますので、今の段階でおっしゃった介護も含めて、どんな姿になるかというのをお示しするのは少し早いかなと思っています。具体的にどんな絵になるか、少しずつ考えていきたいと思っています。
【記者】
ゆうちょ銀行の活動についてお伺いしたいのですが、一部報道で現在、東芝が売ろうとしているメモリビジネスに対し、メザニン出資の可能性に言及されているような記事がありましたが、現状、ゆうちょ銀行はこの一般事業法人に対して、優先株への出資や劣後ローンができるものなんでしょうか。また、実際に東芝メモリに関しまして、そのようなメザニンファイナンスは検討されているのでしょうか。
【社長】
個別企業について申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
 メザニンでの参加はできます。いろいろ条件があって、相対融資はできないですね。だけれども、ボンド投資等のアレンジメントが投資体系としてできるのであれば、既にやっているものもございますので、そこについての障害は一般的にはありません。
 本件については、ちょっと報道が出ましたけれども、個別の話は、差し控えさせていただきたいと思います。
 例えば、世界中のバンクローンとか、流動性のある商品で、ファンド・オブ・ファンズみたいなところからまとめて資金を出す場合と、個別で資金を出す場合がありますが、個別に出すとなると、そんなに大きな金額が出るわけではなく、非常に小さな金額になるので、何か報道されている話だと、みんなものすごい単位で資金を出していますけれども、ゆうちょ銀行の場合にはそんなことは決してあり得ないですね。一般的にもですよ。
【記者】
第2次売り出しに関連してお伺いしたいんですけども、株主総会でもお話がありましたが、株価が第1次売り出しの株価を現状下回っている中で、さすがに第1次売り出しの価格を下回る価格で第2次売り出しはできないと思うのですが、それに対するお考えをお聞かせください。それで、できないとすれば、まさに企業価値の向上に取り組まないといけないわけで、要するに、時価総額を上げていくということですが、先ほどM&Aのお話がありましたけれども、M&Aなしに株価を上げることは可能だとお考えでしょうか。これは、内部資源の活用により収益を好転させ、企業価値の向上をすることは可能だとお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
【社長】
第2次売り出し、これは財務省がやるお話ですので、いたずらに株価が下回っているからやらないのかはわかりません。
 日本郵政の株式の売却収入で東日本大震災の復興財源に充てたいとしていて、目途として、4.1兆円ぐらいと見込んでいます。
 これは財務省が決めることなので、私どもがとやかく言うことではないです。
 2問目ですけれども、私どもは現在、そういう話はないと発表しただけです。あの報道が出たのが5月12日で、その後、皆さんの前で僣越ですけれど、いろんなマスコミでまた高値づかみじゃないかとか、またシナジーがないんじゃないかとかいろんなことを書かれたりして、次が白紙になったという報道が出ましたけれど、私どもとしては、そういう事実はない、私どもの発表した内容ではないと報告しました。これがなくなったので、イバラの道だとかいろいろ報道されていますが、先ほど申し上げたように、あくまでも追加の手段としてM&Aがあり得るのであって、これなしに生きていけないとは申し上げておりません。
 内部資源の活用により十分やれることはあると思っています。まだ、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式を持っておりまして、この前の決算を見ていただきましたらわかりますように、これだけ厳しい国内の金利状況の中で、ゆうちょ銀行は約2,000億円含み益を増やしております。
 ゆうちょ銀行の収益の90%以上は運用益、6%ぐらいが手数料収益ですけれども、融資等はございませんので、この運用益と手数料収益が唯一の収入源です。けれども、運用業務も手数料業務も十分深掘りできると思っておりますし、今、池田社長に頑張っていただいている地域のファンドはまだ始まったばかりです。
 今日発表したのもやっと5つ目で、合計金額10億円、20億円の水準ですので、まだまだ小さいですけれども、ゆくゆくはリミテッド・パートナーで参加するのではなく、ジェネラル・パートナーとしてもやっていきたいと、池田社長が言っておりますので、ゆうちょ銀行もまだまだ伸びしろは十分あると思っております。
かんぽ生命も、保険契約数がまだ下降ラインから脱却できていませんが、新契約保険料の水準は維持できており、十分頑張っております。運用も、国債の投資比率が、ゆうちょ銀行はもう3分の1以下になりましたけれども、かんぽ生命は全体のポートフォリオの半分以上持っているということですので、資金運用についても上振れのチャンスはあると思っています。
 何よりも、日本郵便です。ユニバーサルサービスはきちんと続けていきますけれども、売り上げが3兆円ある、経費も3兆円ある。これは一般的に経営者の目から見て、相当やれるところがある企業だと思っています。できもしないのに何だということになりますけれど、3兆円の経費を1割削るだけで3,000億円出てくる会社なんですね。郵便局がユニバーサルサービスをきちんと守っていった上での話ですけれども、その余地がありますので、十分成長戦略は示し得ると思っています。
 プラスアルファで、カルチャーも合ってシナジーも合って、価格も適当であって、お互いにほれ合った仲のところが出てきたら、追加的にM&Aをやるということであって、一義的には、内部資源の活用による収益改善をきちんとやらなければならないと思っています。それに専念していくのが当面の私どもの課題であると感じています。
【記者】
地域金融機関との関係性についてお伺いしたいんですけれども、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の限度額の話等は、引き続き、今後課題になっていくかと思うのですが、地銀協などは、是々非々で地域ごとに連携を検討していきたいと、特にゆうちょ銀行ですけれども、言っていて、地域金融機関はマイナス金利で苦しんでいますが、今後どういうふうになっていくと社長はご覧になっていますか。
【社長】
競争している相手同士で、一部のプレーヤーに特別な追加ライセンスが下りれば、当然、邪魔だな、困るじゃないかと言われる向きは一般的にあり得ると思います。ですが、昔と比べて、今、例えば全銀協、あるいは地銀協から見て、ゆうちょ銀行がどういう存在かというと、もう、まなじりを決して、民業圧迫だといって、本当に邪魔だという局面にはないのではないかなと感じています。勿論、謙虚に考えなければいけないので、私どもが何かしたことによって、民間の土俵を踏みにじるということがあってはいけないと思うので、注意して対応しようと思っています。
 限度額は昨年の4月1日に引き上げていただきました。ゆうちょ銀行の場合は、旧来1,000万円だったのが1,300万円に。どのように貯金残高が推移するかモニタリングを継続してきましたが、報告しているように、伸び率は他の銀行と比べて相当低い状況で推移しています。ですから、ゆうちょ銀行に、他の金融機関から資金が流れてくるということが起こっていない、そういう環境ですし、今度の新規業務につきましても、当座貸越サービスで、これをやっている銀行は数行なんです。地銀の一部、信金の一部であって、概して、他の金融機関の邪魔とならないのではないかと思っています。棲み分けと言うとちょっと聞こえが良過ぎるかもしれませんが、常識の範囲で、限度額が引き上がっても、地域金融機関にとって非常に目くじらを立たせるような局面にならない競争ができる範囲というのは、具体的なアクションとしてあると思います。
 地銀の将来については、コメントを言う立場にないので差し控えますけれども、マイナス金利が象徴的でありますが、この低金利が続いているという環境は、やはり一般的に広い意味で、保険業界も含めて金融業界は大変な環境だと思います。環境としてはしばらく厳しい時代を生きていかなければいけない。それはもうゆうちょ銀行もかんぽ生命も同様ですけれども、そういう環境に彼らもあると思っていて、それぞれの銀行でいろいろ工夫してやっていると認識しております。
【記者】
ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株の追加売り出しに必要な条件、今はまだタイミングを見計らって、中で考えているということだと思うんですけれど、上場した当初に株式を50%まで引き下げ、なるべく早期に完全売却するというのを出している中で、具体的に何がどうなれば売却できるのですか。
【社長】
できないとは一言も申し上げたつもりはないんですけれども、今のプライオリティーは、東日本大震災からの復興がナショナルプロジェクトなので、そこの約4兆円規模の財源は政府が保有している日本郵政の株式売却収入で賄うと言っていますから、これはもう日本のプロジェクトなんですね。これがファーストプライオリティーですから、見届けなければいけないと思っていますが、これが終わった段階で、マーケットに消化能力があるのであれば、私どもとしてはいつでも、タイミングや環境としては始まると思うんですよね。ですけれども、先ほど申し上げましたように、そもそもその2社がどういう状況、パフォーマンスを示しているのかとか、やっぱりユニバーサルサービスをきちんとやるとか、私ども日本郵政グループの大事なメンバーなので、一体経営についても影響はないのか、そもそも株式市場は大丈夫なのか、幾つかそういう変数はありますけれども、環境が許せばいつでもあり得ると思っています。
【社長】
ありがとうございました。