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2017年3月31日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2017年3月31日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

発表日:2017年5月8日

【社長】
私から3件申し上げます。その後で質問を受けたいと思います
初めに、本日、日本郵政と日本郵便は平成29事業年度事業計画について、総務大臣の認可を受けましたのでお知らせいたします。これは日本郵政株式会社法と日本郵便株式会社法により、毎事業年度の開始前に総務大臣の認可を受けることとされていることによるものです。
 なお、この事業計画は日本郵政、日本郵便ともに単体の事業計画の認可であり、日本郵政グループ連結の計画ではございません。連結の見通しにつきましては、5月の決算発表の際に業績予想という形で発表させていただく予定です。
2件目、3件目は、本日、ゆうちょ銀行、かんぽ生命ともに新規業務について認可申請をした件です。
 まず、ゆうちょ銀行ですけれども、「今後のビジネス展開」を取りまとめ、本日、これを踏まえた新規業務の認可申請を行いました。ビジネス展開のポイントは3点あります。
 1点目が、「顧客本位の良質な金融サービスの提供」、顧客本位ということです。2点目が、地域創生に貢献する「地域への資金の循環等」、地域への貢献ということです。3点目が、「資金運用の高度化・多様化」、運用の深掘りということの3本柱です。そのために、金融情勢等の大きな変化を踏まえ、ゆうちょ銀行の企業価値向上のために何を優先すべきかといったことも含め、検討いたしまして、3つの新規業務を申請しています。
 1点目が口座貸越サービス。2点目が地域金融機関との連携にかかわる業務。この連携のところが新規業務です。3点目が資金運用関係業務についての内容です。同時に、2012年9月に行った認可申請については取り下げています。
 一つ目、「顧客本位の良質な金融サービスの提供」については、既に簡明でわかりやすい資産運用商品の提供や積立NISAの推進を通じて、お客さまの資産形成をサポートするとともに、先般開始したmijica(ミヂカ)といった決済サービスの拡充等を推進しています。これに加えて、本日、全国のお客さまのさらなる利便性の向上を図るため、自動払込みや現金払戻しの際、一時的な残高不足となった場合に、不足する額を通常貯金口座経由で貸出する「口座貸越サービス」の認可申請を行いました。このサービス利用の申し込みは、全国の郵便局で受け付ける予定です。
 二つ目、「地域への資金の循環等」については、既に地域金融機関と連携し、地域ファンドを立ち上げ、ここへの出資を通じて資金の地域への供給を図っております。今後さらに、地域金融機関と連携し、地域の金融インフラとしてさまざまなサービスを提供していきたい。そのため、こうした地域金融機関との協調・提携関係を活用・拡張し、例えば地域金融機関との事務の共同化などを推進するために、いわゆる銀行業務の「付随業務」の認可申請を行いました。
 三つ目、「資金運用の高度化・多様化」については、既に社外の専門人材の採用等を通じて運用・リスク管理態勢の整備を進めており、プライベートエクイティ等のオルタナティブ投資やデリバティブを活用する等、運用の高度化を図ってきております。この取り組みを一層推進するため、これまで申請していなかったCDS、クレジット・デフォルト・スワップを含め、「市場運用関係業務」について、銀行に認められている業務が全て可能となるよう、包括的な認可申請を行いました。
3件目、かんぽ生命の新規業務の認可申請についてです。かんぽ生命はこれまでも新商品のたびに申請をしており、2年ぶりになりますけれども、このたび、これから紹介する三つの商品について申請しました。
 一つ目、「終身保険の見直し」です。本年4月の予定利率の見直しにおいては、長期性の商品である終身保険の保険料引き上げ幅が大きいため、本商品の投入により、保険料引き上げ幅の圧縮を行い、お客さまの保険料のご負担を軽減することがその目的です。具体的には、契約を解約した際の返戻金水準を低く抑えることで、従来商品対比で保険料の低廉化を実現します。
 二つ目、「定期年金保険の見直し」です。かんぽ生命では、低金利環境の影響により、現在、全ての年金商品を販売停止としています。今回、契約を解約した際の返戻金水準を低く抑えるなどにより、保険料の低廉化を実現した本商品を投入いたします。長寿社会における自助努力を支援するとともに、お客さまの年金商品に入りたいという現在は対応できていないニーズにお応えしていきたいというものです。
 三つ目、「入院特約等の見直し」です。医療技術の進歩を受けて、入院日数が短期化しておりますので、1日の入院であったとしても、入院保険金日額の5日分を上乗せしてお支払いする入院初期保険金を設け、短期の入院でも充実した保障を受けられるようにいたします。また、従来の入院特約では、外来手術を保障しておりませんでしたが、外来手術が増加している環境を踏まえ、保障することとします。
 価格面でも、終身保険用の特約については、解約返戻金を無くし、保険料払込期間を長期化することで、お客さまの月々の保険料負担を大幅に軽減した低価格タイプもご用意しています。
 以上、三つの商品の見直しにより、低金利環境においても魅力ある商品のご提供が可能となると考えております。認可が取得できれば、10月以降、郵便局とかんぽ生命の支店にて販売を予定しております。
 次に、法人向け商品の受託販売についての申請です。第一生命保険から経営者向け介護保障定期保険の提供を受けて、かんぽ生命の支店で販売を行うものです。認可が取得できれば、6月以降に販売を予定しています。
 これまでも経営者向け定期保険の受託販売を行っておりますが、従来の商品群には介護保障ニーズに応える商品がないため、今般、法人顧客の介護保障ニーズに応えていくために申請を行ったものです。
 詳細については、会見終了後に担当が残り、ご質問を受けさせていただきます。私からの報告は以上です。
【記者】
まず1問お伺いしたいのですけれども、きょうのゆうちょ銀行の新規業務の申請の件ですけれども、今回の口座貸越の業務を申請した狙いと、2012年9月の申請については取り下げということですけれども、その住宅ローンなどはもうこの際、基本的には断念をするという考え方なのか、将来的に改めて参入目指す可能性があるのか、そのあたりをちょっとご説明いただければと思います。
【社長】
先ほど申し上げましたように、今度の新規三業務を選択するに際しては座標軸がありまして、一つ目は顧客本位で考えようと。この口座貸越は、お客さまの利便性をさらに向上させたいというニーズから始まったものです。
 二つ目は、やはり、全国津々浦々に郵便局がある、ネットワークがある、日本郵政グループのゆうちょ銀行ですので、地方への貢献、地方創生に貢献したい。
 三つ目が収益の94%、運用業務で上げておりますので、運用業務を一層深掘りするために貢献する武器を新たに持ちたいと、この3点ですね。
 三つ目から参りますと、CDS、これはゆうちょ銀行のシステム含めて準備が整わなかったので、これまで申請していなかったのですが、今までにデリバティブ、オプションズ等含めて認可をいただいています。それで遅れておりましたCDSの認可申請をしました。
 加えて、今後、まだ我々の知らない商品も、これから出てくるかもしれないわけですね。銀行業として許認可するであろう商品については、ゆうちょ銀行もオートマティックにですね、それも認可してもらおうと。運用については、ほかの金融機関と同じように、あらゆる運用ができるように体制を整えたいというのがこの三つ目の申請の内容です。
 これまでは、ぽつぽつと空き地があったかもしれないのですけれども、それを全部埋めて、面で運用業務、全部できるように認可をお願いしたいというのが三つ目です。
 二つ目の方は、既に熊本地震におけるファンドとか、北洋銀行とのファンドとか、肥後銀行、鹿児島銀行とのファンドとか、地域金融機関とのファンド組成は既に進んでおりますけれども、今般は、これに付随する業務についても認可をお願いしました。地域金融機関といろいろ協力し、地域貢献に資するため、いろいろ、地域金融機関とお話をしておりますと、具体的に、いろんなアイデアが出てきております。まだ成就しておりませんので、内容は細かくお話しできないのですけれども、そういうものもですね、この認可によってできるように、一括して認可を受けようというのが二つ目の趣旨です。
 例えば、これはもうお話ししてもいいタイミングだと思いますけれども、銀行によっては、地方公共団体に、例えば税公金とかですね、いろんな収納をしなければならないときに、地域金融機関とゆうちょ銀行も絡むときがあります。これをばらばらでやっていると大変なので、融資におけるシンジケートローンの幹事行みたいなイメージですけれども、どこかがまとめてやるというのはどうだろうかというアイデアがございます。
 これは、拠点の数が多いゆうちょ銀行の方がひょっとしたら向いているかもしれないということもあってですね、具体的にお話があるものですから、こんなことをやるとか、ちょっとまだディスクローズできないのですけれども、その種の話がいっぱいありましてですね、そういうものを地域金融機関とスムーズにできるような認可をいただいておこうというのが二つ目です。
 一つ目はですね、従来から、お客さまへの融資というのは一部ございました。ゆうちょ銀行にお預けいただいているお客さまの定額貯金、定期貯金を担保にして、貸出のニーズにお応えしています。
 この残高は申し上げられないのですが、私ども1億2,000万口座を持っておりますので、皆さんが想像する以上の割合で、そのサービスを受けたいという個人の方々がいらっしゃいます。
 したがいまして、これはお客さまから見ると無担保融資になりますので、ニーズはあるのではないかなと思っております。お客さまの利便性の向上を図りたいというのが今回の主張です。
 ただし、これまでの有担保の、定額定期貯金を担保にして貸出をするのと違って、無担保の貸出になりますので、そういう意味では初めての融資業務へのスタートとなりますね。そういう意味でちょっと質的に違った商品になるかなと思っています。ただし、カードローンでは500万円とか1,000万円とかという範囲でローンを設定されている銀行が多いと。ピークが過ぎましたけども、多重ローンというようなことも社会的な問題になることが、現在でもございますので、注意してスタートしたいと思っておりまして、マックス1人当たり50万円。当初は30万円ぐらいから始めてですね、まずは50万円までという枠をつけてやっていきたいと思っております。
 すぐにも始めたいのですけれども、簡易郵便局を除く全国の郵便局2万局ぐらいになるかもしれませんけども、全局でサービス開始するというのがポイントなんですね。口座貸越ですから、通常貯金口座があれば、どこでもできますので、そういうふうにやろうと思っています。ゆうちょ銀行の基幹システム開発が必要となりますので、ちょっと時間がかかります。
 慎重にスタートしたいと思っておりますので、システム設計も含めて今から2年ぐらいかかることになると思います。2019年、年初から4月あたりに始めたいと思っています。
 個人ローン、今、ノンバンクで4兆円、銀行系で6兆円ぐらいの残高があります。日本で大体10兆円ぐらいのマーケットですけれども、その一角をこの口座貸越というスタイルでゆうちょ銀行が参加していくというのが、今回の申請の内容でございます。
 2012年9月の申請をなぜ取り下げたのかということですけれども、当初申し上げました顧客本位、地域創生、運用の深掘りの観点から考えたのが一つですね。もう一つは、現下のマクロの情勢を考えますと、例えば住宅ローンのうちのほんの一部ですけれど、今、アパートローンを少し注意しろというような声があったり、個人の方のローンでも、多重債務の問題等が喧伝されていたりと、少し混んでいるマーケットだなと感じています。
 そこにゆうちょ銀行が乗り込んでいく最初の仕事は何だろうかと。最初の三つの原則から考えて、少しプライオリティーが落ちるのではないかと思ったことがあります。特に中堅企業への貸出につきましては、私ども全くノウハウがありません。大企業については、かろうじてですね、社債を買っております。ゆうちょ銀行の審査部が自ら2,000社の格付けをやっておりますので、リスクぐらいは読めるかもしれませんけれども、貸出のノウハウがないということで、いろいろ考えて、一番プライオリティーが高いところはここだろうということで選びました。
 そうなるとプライオリティーが落ちる、当面はこれを断念ではなく、自分たちの意思で諦めたということではなく、今はやらないということで、これをみずから取り下げようと決意したということです。
 将来、マクロの金融環境等が変わってきて、ゆうちょ銀行もその時代に合わせて考えを変えなければならないというような局面が仮に来た場合には、改めて何か考え直すことがあるかもしれませんけれども、当面は、これは取り下げようと、我々の意思で取り下げたという背景でございます。
【記者】
もう1問お願いします。今のとは別になるんですけれども、今度は郵便の方の話になるのですが、昨今、物流コストの増大というのがかなり社会問題化しているところがあるのですけれども、日本郵便の方では現在、一部の大口顧客との間で値上げに向けた交渉をしているというふうに認識をしているんですけども、こちらの交渉がまとまりそうかというところと、今後、個人向けのゆうパックのところでは当面はないということだったんですけれども、コスト面で転嫁をするような、将来的にはお考えがあるかどうか、もしあればということでお願いします。
【社長】
現状ですけれども、相対運賃を適用している大口のお客さまにつきましては、常にコスト相応の運賃をいただいているのだろうかということをチェックしておりまして、絶えずそういうコスト割れしているところにつきましてはいろいろと交渉をして、運賃を改定するというのは常時行っております。現在におきましても、そういうお取引先につきましては交渉をしている最中です。
 個人のお客さまにつきましては、今いろいろ喧伝されておりますけれども、私どもの1年間のゆうパックの取扱高が大体5億個ぐらいです。ヤマト運輸は3倍、15億個ぐらいだと思うんですね。これがアマゾンなどのeコマースが急増していることもあって、ちょっとさばき切れないということだと思うんですけれども、私ども自身はですね、現状、この労働力の方で大変ではありますが、基本運賃の水準につきましては、2015年の8月に1回運賃を上げさせていただいておりますので、特に現状では値上げの予定はありませんが、引き続き、推移を見守りたいと思っています。
 ただし、今回いろいろ議論されているのは、ある意味では、時代のテーマかなと思っておりまして、山本七平の「日本人とユダヤ人」ではないのですが、安全と水は無料だと。同じようにおもてなしサービスも無料だというふうに思われかねないようなカルチャーがあったと思うんですけれども、コスト割れではいけない。そもそも労働力が逼迫してきていて足りない局面が多い、運賃が安過ぎるというような問題提起だと思うんですね。
 今、時代のテーマとして働き方改革と、クオリティー・オブ・ライフというのも時代の大きなテーマになっていると思っておりますので、私どもも環境としては全く変わっていないので、現在、逼迫度はそんなに強くないとは感じておりますけれども、同じような環境がどんどん迫ってきていると思っておりますので、日本郵便全体としてこれを真正面から捉えて、私どもとしても働き方改革を含めて、どのように対応をすべきなのかということを真剣に考えていこうと思っています。
 従来から、「はこぽす」の設置場所を増やしたり、つい先般発表しましたけれども、郵便局やコンビニに受け取りに来てくれたらポイントを付与するキャンペーンを実施します。幾つかこの労働力逼迫問題、料金問題、働き方改革問題に対応してきているんですけれども、もう少し速いスピードでいろんなことが起こるかもしれないと思っておりますので、他社の動向も注視しながら、私どもも真剣に取り組んでいきたいとは考えています。
【記者】
ゆうちょ銀行の新規業務ですけれども、大体何年間で残高をどれぐらいの規模まで増やしたい、それをもって、収益に対してこれぐらいの貢献をしていきたいというざっくりとした規模感があれば教えていただけますか。
【社長】
規模感は言えません。定額定期貯金を担保にして貸付している金額があるので、これぐらいはいけそうだなというある程度の目安がありますし、これぐらいの収益になりそうだなというのもありますけども、残念ながら、まだ公表しないことになっています。
 ただし、ゆうちょ銀行の計算によると、これを始めて、初期に若干システム投資等がかかりますけれども、3年目というわりと早い段階での単年度黒字を考えております。4年目あるいは5年目早期に累積損益も黒字というベースでやれるだろうということを計算しておりまして、ジャッジメントは比較的簡単に決断できたビジネスです。
 金利ですけれども、定額定期貯金を担保とした貸付はもう実際あるので、ご存じの方もいらっしゃると思うんですけれども、定額定期貯金の預入金利がベースとなるため、非常に金利が安いんですね。口座貸越サービスのライバルはカードローンになると思いますので、カードローンはいろんな幅があって、定義もいろいろあり難しいのですが、大体8%から15%ぐらいの金利水準ですよね。私どもはまだ決めていませんし、考えているところですけれども、そのような数字になると思います。今までのローンよりは残高が少なくとも利益が積み上がるスピードが早くなると思いますので、時間軸としては3年目で単年度黒字、4、5年目で累積損益も黒字と、このようなことを想定したビジネスと認識しております。
【記者】
3つありまして、まずゆうちょ銀行の新規業務の申請ですけども、3つあるうちの地域の資金との運用の高度化は、わりと包括的なものだと思うんですけれど、口座貸越サービスについては、限定しての内容なのか、あるいは申請としては無担保融資を包括した形なのでしょうか。
【社長】
包括なのは「地域への資金の循環等」と「資金運用の高度化・多様化」です。CDSもたまたまピンポイントになっていますけれども、銀行で許される運用業務のツールは全部できるようになると。口座貸越サービスはこれだけピンポイントです。
【記者】
結果的に口座貸越サービスは、キャッシュカードに引出し機能が付いて、ATMで引き出せるようになったりするというのはあり得ますでしょうか。
【社長】
例えば貯金残高が10万円しかありません。そこで50万円まで貸せるという認定を受けて、どこかの郵便局に行って、ATMで下ろすと。貯金残高の10万円と口座貸越を使えば60万円下ろせるんですね。この口座貸越を50万円使ったことになるんです。
【記者】
最後にGPは認可を取ってもまだ相応のノウハウはないというふうに聞いているんですけれども。
【社長】
二つ目の付随業務とは、銀行法第10条第2項柱書の付随業務なんですよ。今おっしゃった地域ファンドはすでに認可をもらっていて、リミテッドパートナーシップにはなれるようになっているんですけれども、ゼネラルパートナーシップの申請はしていません。これはまだ対象に入っていません。私どもはまだだと思っていますので、これは申請していません。
 今回申請するのは、地域金融機関との連携にかかわる業務、これは付随業務のところであって、GPはちょっと違ったレベルになりますので、今回GPは申請していません。ですから、従来のファンドは、LPは今後もいろいろやるつもりですけれども、GPはまだ対象外でございます。
【記者】
貸越サービスのところをお伺いします。まず、審査のところをどうされるのか。例えばこれを保証会社に任せるとなると、まさに今そこが問題になっていて、入口から途上管理まで銀行がきちんとやりなさいと言われていますけれども、審査はどうされますか。
【社長】
きちんとやります。おっしゃるとおりで、保証会社を付けます。今、申請に際してどういう会社を使うのかというところでですね、住宅ローンと個人ローンにつきましてはスルガ銀行と提携してやっていると。ゆうちょ銀行はお客さまを探してきて、スルガ銀行が貸出をして、ゆうちょ銀行が手数料をもらっていますけれども、そのときに保証している会社があるんですね。これはスルガ銀行系の会社ですけれども、そこを今のアイデアでは使おうと思っています。将来的には、この会社に出資も検討しようと考えておりますけれども、当面ここを使おうかと思っています。
 それから、保証があれば、銀行からするとだめな場合でも、その保証条件がちゃんと満たされていれば返済されるから心配ないということで、無責任な貸出がたくさん出て社会問題化しているんですけれど、本来はですね、貸出する方は貸出責任があるのできちんと審査をした上で、なおかつ保証をつけるというスタイルが正しい、教科書的な回答だと思いますが、ゆうちょ銀行は初めての業務ですので、教科書的にきちんとやりたいと思っています。したがって、審査もきちんとして、この人はオーケーと、50万円までですけどね。別に50万円までやらなくてもいい、30万円でもいいんですけれども、マックス50万円までというのをきちんと審査していきたいと思っています。
【記者】
先ほど、金利の話をされましたけれども、銀行の無担保ローンの場合だと、極度が100万円以下だと14.5%がマックスの金額になるんですけれど、50万円はさらに少額なので、金利は14.5%とその辺高く取らざるを得ないんでしょうか。あまり小口で低い金利だとコストがかかって仕方ないと思うんですけれども。
【社長】
これはビジネスジャッジメントになりますので、まだ2年間ありますから、実際に始める前に決めたいと思いますけれど、いろんな定義があって、いろんなローンがあるので難しいんですけども、年率は8%から15%ぐらいですよね。その中で何%がいいのかというのは、いろいろ研究したいと思っています。リサーチでは同じような当座貸越サービスをやっている銀行がありまして、各銀行ともいろいろ水準、金額工夫しているんですよね。十分参考にしてやりたいと思っています。結果どうなるか、2年間待ってください。
【記者】
大きく2点伺います。先ほど上限50万円のお話をされたときに、30万円ということを、おっしゃったんですけども、これは開始初年度という意味なのか、契約1年目という意味なのか、その辺どういうイメージでいらっしゃるのか。
【社長】
今あるアイデアではいきなり50万円にするよりも、ゆうちょ銀行として30万円ぐらいからスタートするべきではないかなという議論もあるということと、仮に50万円としても、この人は20万円まで、この人は30万円までというのもあると思うんですね。そういうニュアンスで申し上げたので、まだどういうふうにスタートするかは決まっていません。ただマックスは50万円にしておこうということだけが決まっていると思ってください。30万円という数字が議論の中で出てくることもあり得るということでご理解いただきたいと思います。
【記者】
もう1点、先ほど審査に関連することなんですけれども、イメージだと、口座からお金を引き出すというよりは、現金が借りられるということだと思うんですが、気軽な感じで借りてしまうというケースもこれから出てくる可能性があると思うんですけれど、そういうことを防ぐための啓発とか、もちろん審査の体制をどう整えていくかとかも教えてください。
【社長】
攻める方はこういう業務をやるということで、これがフロントになるんですけれども、ミドルがしっかりしてなければならないので、リスク管理をどのようにやるのかと、どういう考え方でどういうお客さまを対象にやるのかとか、企業融資とは違うので、プール管理、マス管理的なリスク管理手法が必要になると思うんですけれども、そのようにやっていこうと思っています。幸いシステムで2年弱かかると言っていますから、この時間をうまく、テイクアドバンテージして、きちんと審査体制を整えたいと思っています。
 これは他行もいろいろ工夫して、いろんな理屈でやっていますので、十分、参考にしながら勉強していきたいと思っています。
【記者】
何か啓発みたいなことについては。
【社長】
これは、やらなければいけないことになっていますので、きちんとやらせていただきます。今の個人ローン、住宅ローンありますので、ここでも相応にノウハウをためてきていて、ゆうちょ銀行はスルガ銀行とのジョイントベンチャーをつくって、そこに人を派遣しているんですね。最初の人員構成はスルガ銀行がマジョリティーだったんです。今はゆうちょ銀行がマジョリティーになってきておりますので、一部ノウハウがたまってきているんですけれども、これをしっかり体系化して、お客さまに対しての啓発についても、もうマストになりますから、きちんとそこも整えてやっていきたいと思います。
【記者】
全国の郵便局で販売を目指していくということなんですけれども、今のご質問にちょっと関連するのかもしれないんですが、研修とか、ある意味体系を整えるということで、社員の方たちを今後どういうふうに育て上げていかれるかということ、例えば2名局とかも、かなり小規模な局も含むということだと思うので。
【社長】
きちんとやりますけれども、ちょっと違うのはですね、例えば、今やっているスルガ銀行の住宅ローン。ゆうちょ銀行がエージェントやっているわけですけれども、これはどこでやっているかというと、ゆうちょ銀行直営店233のうち82店舗でしかやっていないんですよ。なぜかというと、ノウハウがない。もちろん貸出するのはスルガ銀行ですけれども、ゆうちょ銀行が紹介するわけですから、住宅ローン、個人ローンについてのノウハウがないとできない。たとえその代理業者であってもですね。訓練もし、いろいろ研修会にも行き、いろんなことを教育した上でやっていて、今82店舗なんですね。なぜ今度全局でできるかというと、まずサービス利用の申込みを全国の郵便局で受付けます。その上で、貯金の口座があるわけですね。そこから、お客さまからお申込みをいただき、ゆうちょ銀行が審査して、この人はオーケー、ここまで枠を決めましたとなった後は、オートマティックに対応していくわけです。別に郵便局の社員が一人一人、その都度、貸出契約を結んでお金を引き渡すというアクションは出てこないんです。だから、できるということなんです。もちろんその前に、この人はオーケーと誰が審査するのか、どういう基準でやるのか、この人は一体幾らまで貸していいのかとか、何年で返済して幾らぐらいするんだろうかと、どんどん決めていくわけですよね。審査するのは郵便局の社員ではないんですね。ゆうちょ銀行の担当部署、保証会社です。もちろんちゃんとベースの教育はしますけれども、そういうノウハウがなくても、この業務を全局でやれるというのがポイントなんです。これは郵便局ネットワークが一番、テイクアドバンテージできるのではないかと思います。まさにそこがポイントです。
【記者】
1点伺いたいんですが、口座貸越サービスですね、例えば銀行のカードローンですと、カードローン専用の口座をつくって、まさしく借金をしているという感覚を持ちやすいと思うんですけれども、今回の口座貸越サービスは、ふだん使う貯金口座を使って、貯金をおろすようにできるわけですから、借金をしているという感覚を持ちにくくてですね、知らず知らずのうちに借金の世界に足を踏み入れるということになりかねないと思うんですが、そのあたりの懸念と、そういったことをどう防いでいくかという、そのあたりどうお考えでしょうか。
【社長】
まさにお客さまに対して啓発するという、言葉が僣越ですけれども、啓発というか、そういうことをやっておくのと、やはり入り口が大事になると思います。審査をどのようにやるのか、この人は一体どういう職業についていて、どのような水準の報酬を毎月、あるいは定期的に得ているのか得ていないのかとか、今まで貯金口座を持っていて、どういうふうに使っていたのかとか、入り口できちんと審査をして、どういう条件でこの人にその権利を貸与するのかというところが大事になると思います。ですから、そこは総合的にいろいろやらないとできないという作業になりますので十分注意をして、ゆうちょ銀行にとっては非常に新しい世界に入りますので、きちんとやってまいります。
【社長】
ありがとうございました。