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2017年12月21日 木曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2017年12月21日 木曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

【社長】
よろしくお願いいたします。ことし最後ですので、私の方から4点、お話をさせていただいて、後で皆さまからのご質問を受けたいと思います。
1点目です。ことしを振り返って、大変僣越ですけれども、今年の漢字一文字でどういうふうに表現しようかと。「北」という言葉が選ばれたり、安倍首相は挑戦の「挑」という字を選ばれていましたけれども、日本郵政グループで一文字選んだらどんな言葉になるのかなと。各経営陣と議論をして決めた言葉ではないのですけれど、私の印象では、構造物の「構」という字を選びたいと思っています。
 構造という意味ではなく、剣道も最初は全て「構え」から始まると。構えを整えて、攻守柔軟に対応できるようにやっていこうと。全ては構え、準備から始まるという意味で、「構」という言葉を選びたいと思います。
 ことし翻って、日本郵便ですけれども、大変お騒がせをしたトール社に係るのれん等の減損損失4,000億円。あるいは大変苦渋の選択でしたけれども、23年ぶりにはがき10円の値上げ。あるいは、実施は来年の3月1日からですけれども、ゆうパックの平均12%値上げ等の売上面への対応策や、経費の方でも、人件費高騰を何とか避ける意味もあって、まだ実験段階ですけれども、ドローンをどのように使ったら、効率的な配送ができるのかというような実験活動を始めて、経費の面への対応準備等をやってまいりました。
 ゆうちょ銀行も、昨年度の決算でいうと、連結ベースで利益の8割はゆうちょ銀行で上げておりますので、利益的にはここが中心メンバーになります。
 かつて日本の企業はバブル崩壊前に、金融業を除く上場企業では15、6兆円もうけていたと思うのですけれども、今やこれが42、3兆円というレベルになってきて、企業ベースでは、アベノミクスもサポートして3倍ぐらいの水準になっておりますが、一人置いて行かれているのが銀行業界です。銀行業界のもうけは、30年近く前のバブル期と同水準程度にしか達していません。都市銀行の資金運用収益はバブル崩壊前のピーク水準の4分の1程度に過ぎません。未曾有の低金利の故です。黒田日銀金融政策のおかげで企業収益が良くなり、潜在GDPの伸び率が1%程度といとうときに、2%近い実質ベースの成長率が実現できているわけですけれども、銀行業界はこの低金利が非常にこたえていて、低収益となっている。
 この中でどうするかというので、運用の深掘りをするべく、オルタナティブ投資等の運用を始める準備を着々と始めています。
 手数料収益も増やしたいということで、ATM、投資信託についても抜本的な営業推進体制を整えようというので、直営店233店舗と郵便局1,300局強で取り扱っていた体制を、郵便局は100局増やして1,400局強にし、かつ、投資信託の紹介ができる郵便局を1万8,000局強に増やすということで、手数料収益の拡大を図る、あるいは、地域金融機関と組んで、地域創生に貢献できるようなファンドへ既に9件の出資を行っております。
 かんぽ生命も、こういう低金利ですので、貯蓄型よりは保障型のプランをより一層磨いて、保険業も深掘りしたいし、資産運用収益等で昨年度は4割ぐらい収益に貢献しておりますので、ここについてもゆうちょ銀行と同じように、いろいろと投資の深掘りをやってきたというのがことしと思っています。
 うれしいニュースが来たので報告したいのですが、ゆうちょ銀行がアジアンインベスター誌から機関投資家としてすぐれた功績を出したということで表彰されました。そういう準備活動が一部で評価もされているなと思っています。
 ことしの言葉は「構」で行きたいと思っています。
2点目です。グループの一体感について、少し問題意識がございますので、述べさせていただきます。
 ことしの大きな出来事の一つとして、9月に政府による日本郵政株式の第2次売却がございました。これに続きまして、金融2社の株式に関しても今後、段階的に売却し、両社もそれぞれ次のステップに進むことになるわけですけれども、その中で、グループ一体感をこれまで以上に意識していくことの重要性を感じております。
 日本郵政グループは、郵便局ネットワークを中心にグループ一丸となってトータル生活サポート企業として、全国津々浦々のお客さまにあまねくサービスを提供するグループです。ゆうちょ銀行も180兆円の貯金残高の93%が約2万4,000局の郵便局で集めており、この資金を運用して日本郵政グループの収益の8割を上げている銀行です。
 かんぽ生命も、郵便局にいる1万8,000人のセールスパーソンに自分たちの保険を売ってもらって、日本で2割を超えるシェアの保険会社になっているというビジネスモデルですので、郵便局ネットワークと一体感を持ってやっていかなければいけない業態と考えております。
 どのように一体感を醸成するかというのは、いろいろ具体的な仕事を通じてやっていくのが一番なのですけれども、何か象徴的な言葉はないだろうかといろいろ検討しまして、先般、日本郵政の経営会議で決定し、「チームJP」というグループ社員向けのスローガンを制定いたしました。
 約2万4,000局の郵便局を中心とした日本郵政グループで働く約40万人の社員全員が、お互いの枠を超えて、一つのチームとして、お客さまの一生をトータルで支えていこうという決意をあらわす言葉として、今後使っていきたいと思います。
 この合言葉を日本郵政グループとしての連携、一体感が求められるあらゆる場面で使い、意識を高めてまいりたいと思います。
 この合言葉をグループ社員がより強く意識することによって、ゆうちょ銀行やかんぽ生命による郵便局のサポート体制や、連携営業体制のより一層の充実等を図り、お客さまにより良いサービスを提供してまいりたいと思います。
 また、グループの一体感を内外にお示しするものとして、例えばグループ各社のテレビコマーシャル、その冒頭に共通のサウンドを流すことも検討しておりまして、近々発表したいと思っています。
3点目です。年末の業務運行について、社会的な関心を大変いただいております。ことしは、eコマース市場の活況や宅配他社の影響などもあり、例年になく多くの荷物を取り扱っているところです。まだ速報ベースですが、12月18日現在で対前年約2割の増加という状況です。差し出しをいただいた皆さまにも、差し出しの時期等のご配慮や余裕を持った配達にご理解いただいた結果、先週、日本郵便から説明したとおり、大きな問題となるようなことはなかったと考えています。ご協力に改めて感謝申し上げます。
 配達につきましては、社員も大変頑張っているところですが、若干の遅れなど、ご迷惑をおかけする可能性も少しございますが、一丸となって必ず配達することとしておりますので、ご理解賜りたいと思います。
 まだ年末の繁忙度、大変厳しい、忙しい期間が終わったわけではございません。これからは年賀状が本格化する時期でもございますので、気を引き締めて頑張ってまいりたいと思います。
最後、4点目です。12月15日から年賀はがきの引き受けが始まりました。20日現在の引き受けは、約1億7千万枚、昨年比で99.9%という状況です。元旦には全国の郵便局から年賀状を心待ちにしている全国のお客さまに一斉に配達をいたします。社員一同、元旦に一通でも多くの年賀状をお届けしようと頑張っているところです。
 なお、お手元のプレスリリースにありますとおり、1月1日に、郵便発祥の地である日本橋にある日本橋郵便局にて、総務大臣をお招きして年賀郵便元旦配達出発式を行います。また、ことしの6月にはがきの料金を10円値上げさせていただいて、62円に改定したところですけれども、年賀状につきましては52円に据え置いております。ただ、年賀状を52円でお取り扱いする期間は、12月15日から1月7日までで、1月8日以降に差し出される場合は、通常料金の62円となりますので、大変恐縮ですけれども、10円分の切手を貼っていただく必要がございます。ご注意いただきますようよろしくお願いいたします。
私からのご報告は以上です。
【記者】
最後の年賀状の部分で1点質問ですけれども、1月8日から年賀葉書が62円になるということで、8日以降の差し出しで料金不足だとか、いろいろトラブルが起きることも想定されるかと思うのですけれども、そのあたりの対応についてどのように準備されているのかということと、野田大臣からも、国民に不便がかからないようにということで長門社長に要請があったという発言もありましたので、どのように周知していくのかということを教えてください。
【社長】
12月15日の野田大臣の会見の中で、12月15日から1月7日までは52円の年賀状が1月8日から10円分の切手を貼らないと有効にならない、非常にお客さまが混乱するのではないか、きちんと周知をしてほしいというご発言がありました。皆さんもご存じでしょうけれども、パネルまで用意して、誤解を招きやすいので、注意してくださいと説明されていました。たまたま大臣とお会いする機会が直前にありましたけれども、この点について大変懸念しているので、会社としてもしっかりとやってほしいという具体的な要請もございました。
 もちろん、私どももそういう混乱は十分にあると、お客さまにご迷惑をおかけしては申し訳ないと思っておりますので、いろいろ周知徹底すべく手を打っております。年賀はがき販売時に声を掛けたり、郵便局の窓口ロビー、あるいはカウンター、郵便ポストに注意喚起文を掲示するということや、2018年用の年賀はがきの表面下部にもしっかりと注意喚起文を記載しております。野田大臣はここについてもしっかり読んでおられていて、年賀状書く人は高齢者の方が多いのだからこんな小さい文字ではと。これ以上大きくすると書くところがなくなってしまうのですけれども、年賀はがきの表面下部にも記載して注意喚起をしています。
 同時に、年賀葉書の購入申込書、あるいは配布しているポケットティッシュ、チラシ等にも注意喚起文を記載しているところです。それから、日本郵便のウエブサイトのトップページのバナー広告や特設ページで周知しており、SNSでも周知しているところです。また、テレビコマーシャルでも周知徹底するようにしたいと思いますし、元旦に皆さんが年賀状受けられるときに、日本郵政からのご挨拶をお送りするのですけれども、そこにもこの注意喚起を記載する等して、周知徹底してまいりたいと思っています。
 本当にお客さまにご不便をおかけしますが、何とかご理解賜って、混乱のないようにやっていきたいと思っております。
【記者】
あと、実際に料金不足とかが起きた場合に、差出人が払う、または、受取人が払うという状況が変わったりすると思うのですけれども、そういう対応とかについてはどのように想定されているのでしょうか。
【社長】
しっかりルールを決めまして、1月15日までに52円のまま差し出されたものについては、料金不足を確認した郵便局にかかわらず、差出人に返還するという対応になります。1月16日以降に52円のまま差し出されたものについてはこの対応とは異なり、差出人の住所地の郵便局で料金不足を確認した場合には差出人に返還しますが、それ以外の郵便局で料金不足を確認した場合には、受取人に配達して、申し訳ないのですけれども、配達の際に不足料金を請求させていただくという対応を決めております。このように対応したいと思っています。
【記者】
ゆうパックの関係なのですけども、10月、11月に比べると、ちょっと12月は落ちついてきているのかなとも思うのですけど、どのように見ておられるというのが一つと、あと、配達員の人員のところ、11月に10%強不足というようなお話されたと思うのですけれども、現状はどうなっているかということをご説明いただけますでしょうか。
【社長】
10月、11月は例年と比べまして2割を超える水準でゆうパックの引き受けがありました。12月は、例年、お歳暮のシーズンということで通常月の5割位増えるというような月ですけれども、昨年よりも約2割、さらに増えているという量の段階です。
 どのようにしてこれに対応していくのかということなのですが、人員につきましては、十分増えると予測しておりましたので、いろいろ緻密に必要となる人員数を計算し、もうあらゆる手でアルバイト等を募集してまいりまして、現状では何とか乗り越えたなという印象を持っております。もちろん昨年もアルバイトだけでは足りなく、人材派遣会社にお願いするというようなこともやり、ことしもそういうこともしております。そういう方法論での人数は昨年よりも少し多いのですが、現状でこれだけ人員が必要だという計算に対し、100%に近い数字で人員を集められていると思っています。
 今度の月曜日、12月25日が繁忙度の大きい日になると思います。少し大変なところもありましたが、おおむね、大きな事件を起こすことなく、お客さまにご迷惑をおかけすることなく人員の対応もできて処理できると。これから年賀状もございますので油断はできないのですけれども、そういうふうに今評価しております。
【記者】
2割増えている現状の分析なのですけれども、他社の影響もあると思うのですが、そこら辺の分析をちょっと教えていただきたいというのと、あともう一つ、ネットの方でちょっと遅れが出ているというようなつぶやきなどが結構出ていますが、それについての認識をお願いします。
【社長】
ネットの方の遅れ。何をもって言っているのかわからないところもあるのですけれども、正直に申し上げますと、少し遅れたなというところがないわけではなく、12月4日、新大阪局で約1万個の荷物をトラックの出発時間に間に合わせることができなかったというのがあって、最大半日ぐらいの遅れが発生したとか、12月11日に新東京局で同じように、約3,500個の荷物ですけれども、トラックの出発時間に間に合わなくて、やはり半日ぐらいの遅れがあったとか、それから、12月4日から7日ぐらいに、大阪、あるいは東京で、構内がトラックで大変混んで一般道まで車列が伸びて、荷物の遅れは全くなかったのですけれども、一般の方に少しご迷惑をおかけした等の点としての事件が全くなかったわけではないので、ここをどう捉えて、どなたがどういうふうに言っているかわからないのですけれども、大きな致命的な遅れはなかったと考えています。
 それから、なぜ増えているのかの分析ですけれども、わかりません。わかりませんというか、もう二つしかなく、eコマースが大変に増えてきていますので、これで明らかに全体量が増えているというのが一つあると思われるのと、私どもも来年3月1日に値上げをすると発表しましたが、他社はもう既に値上げをしているということもあり、荷物の一部がこちらへ流れていることもあるのではないかなと思います。今の段階で2割ぐらい増えているこのゆうパックの増加分がどういう理由なのかというのは、残念ながら、まだきちんと把握できていない段階ですけれども、この二つが増えている主な理由ではないかと認識しています。
【記者】
2点ございます。1点は宅配の関係なのですけど、一部地域で当日の再配達の受付時間を早めているということを伺ったのですけれども、現状どのような状況で、当日の再配達というのは対応されているかというのが一つ。もう1点は年賀状なのですけれども、11月20日現在では対前年で93%、約13億枚の販売状況だったというように伺っていますが、足元で今どのぐらいの販売状況であるのか、2点よろしくお願いします。
【社長】
1点目ですけれども、大口のお客さま、法人のお客さまも含めまして、いろいろとできる範囲でご協力をお願いしているのは事実です。なるべく早く出してくださいとか、ひょっとしたら、これは時間がかかるので少し遅れるかもしれません、よろしいでしょうかとか、いろいろ具体的な会話はしておりますので、全くまっさらで、通常ベースと同じように全部やって何の問題もないということはございません。いろいろお互いに合意ベースですけれども、納得いく範囲でご協力を仰いでいることは多々あります。
 年賀状ですけれども、12月19日現在、販売枚数は、約22億9,682万枚の販売状況です。前年比では94.4%ですので、昨年より少ない枚数で販売状況は動いています。
【記者】
まずゆうパックなんですけれども、必要な人員をかき集めることができたということでその点は良かったと思うんですけれども、これは、かなりコストがですね、他社も人手不足でかかるんだと思うんですけれども、利益への影響という面でですね、これだけ無理やり人をたくさん集めることが、本当に利益面でプラスになっているのかどうかという分析が現時点でありましたら教えてくださいというのが1点です。
 もう1点、同じコストの話なんですけど、年賀状の10円ですけれども、これは実際に配達員がですね、たった10円の徴収のためにお宅を訪ねたり、留守の場合は再配達をしたりとかですね、そういう、本当にコストをかけて徴収をされるのか。されるのであれば、それは利益的にプラスだと言えるのかどうかという点についてお聞かせください。
【社長】
1点目ですが、公表していないのでなかなか申し上げられないのですけれども、おっしゃるとおり、労働需給はひっ迫しておりまして、人をかき集めて何とかゆうパック、あるいは年賀状を配達しようとしているわけですから、追加的な人件費は明らかに発生しております。巷間、いろいろ喧伝されておりますように、あちらこちらの作業で人件費が上がっておりますので、当然ながら、私どももそのコストを負担するということでやっております。ただし、私どもの本業はきちんとゆうパック、年賀状を配達する。年賀状はなるべく元日に配達するというのが私どもの仕事の本質ですので、これをやるためのコストは甘んじて受けるという姿勢でやっております。ただし、売り上げベースでは、ゆうパックは増えている、売上増の効果の方が圧倒的に大きくて、もちろんコストの人件費は上がっているのですけれども、十分凌駕できる水準で今推移しています。毎週ベースでそれぞれの数字をチェックしておりますけれども、人件費倒れになってしまって増えた、2割増になった宅配便業務が大赤字になるということはないということで現状推移しております。
 2点目、年賀状ですけれども、これも私どもの本業ですのでお客さまにご迷惑をおかけするのは本当に申し訳ないと思っているのですけれども、まずは周知徹底をする。そういうことが起こらないようにまず努力いたしますけれども、残念ながら、その後、起こってしまった場合には、決めたルールどおりきちんとやっていこうと思います。おっしゃるとおり、人件費が追加的にかかるでしょうけれども、これはやむを得ないと思っています。年賀葉書は私どもで一番大きい郵便事業の商品ですので、その1通1通の年賀状、10円のためにこういうことをやったから、この1枚に関しては幾らもうかっているという議論はあるかもしれませんけれども、年賀状業務というパッケージでマクロベースに見た場合には大きな収益源ですので、その追加的な人件費のコストは十分カバーできると考えています。
【記者】
トール社の件について伺いたいのですが、減損した後にガバナンスの見直しだとか人の入れ替えだとか、あと、削減だとか、いろいろやってきているとは思いますが、現状、今どういう状況にあって、来年に向けて何をやっていくのかということを伺えればと思います。
【社長】
4月25日の会見で、トール社に係る約4,000億円の減損を発表した際に申し上げたことしの対策を取り組んでおります。2017年1月1日から、ジョン・マレン会長、マイケル・バーン社長の2人を迎えて、4月25日に発表した対策を、やや前倒しのスピードで取り組んでおります。
 あのとき発表したのは、売り上げが伸びないということもありますが、トール社は約100件のM&Aを実施して大きくなりましたので、管理、人事、総務、調達、企画またはシステム等が重複する部分もあり、ここを整理するというのが最初の対策です。今年度のミッションは、ファットになったトール社を筋肉質にするというのが、この新しい経営陣のミッションで、当初五つありましたディビジョンを三つにする、22のビジネスユニットを11にする、こう申し上げました。これは既に7月1日に完成済みです。
 また、約2,000の人材を削減する。もともとなかった兼務のポストなど、いろいろありますので、人員ベースではもうちょっと少ない人数ですが、約4万人いる従業員のうち、大変残念ですが、2,000人弱をカットすると申し上げました。現状、1,500人弱ぐらいの人員カットは既に終わっていまして、通常よりも速いペースで対策を実行しております。
 一番効果が大きいのは人件費です。その次に資材調達です。この辺も相当オーバーラップしておりますので、整理しており、手応えが出てきていると感じております。ジョン・マレンとマイケル・バーン、このトップ二人に、毎月来てもらっています。彼らは、日本郵便の子会社ですので、日本郵便との会議をやるわけですが、その際、私自身も彼らとは毎月会っています。今月上旬、私自身がメルボルンにあるトール社の本社に行きまして、トップの二人にももちろん会ったのですが、彼らが選んだ各ビジネスユニットを担当している幹部10人ぐらいと個別に面談しましたが、そういう対応をやっていると認識しております。
 最近発表した今年度の上半期の決算で報告しましたが、四半期ベースで見ると、昨年度の第4四半期、2017年1月から3月が底だったという数字が出ております。7月から9月の第2四半期では、ついにプラスになって、数字が良くなっています。この10月から12月も、そのペースで進んでいると、私自身は期待をしております。昨年度の第4四半期の数字がボトムだったという数字を、今年度出したいと思っています。
 そういう具体的な数字を出すためのアクションプランをつくっていて、そのとおりに動いていこうと思っています。自分たちだけでは足りないアイデアもあると思いますので、コンサルティング会社と契約し、彼らのコンサルタントをトール社の本社の中に常駐させて、絶えず社長、会長と意見交換をしながら、彼らのアイデアももらって、いろいろ筋肉質にするべく対応をしているという状況です。
【記者】
ゆうパックの配達や仕分けといった現場の労働の環境について伺いたいのですが、例えば、休憩とか休みがとりづらくなっているとか、長時間の残業を強いられているというような声も聞こえてくるのですが、労働の実態について、どのように把握されていますでしょうか。
【社長】
必死にやっておりますので、通常月のオペレーションとは違う風景が、ひょっとするとそこかしこで見えるのかもしれませんが、私どもはブラック企業ではないという誇りを持って、ヒューマンオペレーションもやりたいと思っていますから、くれぐれもそういうことのないようにお願いをしながらやっている最中です。
 ただし、先ほど申し上げましたように、状況はかなり厳しく、必死になって対応しているところがありますので、人によっては、自分の休憩時間に入り込んでいくということはあるかもしれませんが、大きな労働問題になって、私どもの経営のアジェンダになるというような局面にはなってないと認識しております。
【記者】
ドローンや配送ロボットについて質問させてください。これまで実証実験を積み重ねられてきたと思うのですが、今後の実用化に向けて、現在、どの段階にあるのかとか、今後の見通しなどについても教えていただけますでしょうか。
【社長】
ドローンと配送ロボット、少しレベルが違いまして、ドローンは少し前から実証実験を始めております。南相馬市等で実施していますが、配送ロボットの方はまだ始まったばかりです。
 ごらんになった方はおわかりかもしれませんが、自動運転とはどんなことやるのか。無人自動車が、郵便局からお客さまの所までずっと公道を走っていって、目の前でとまって、急に手が出てきてはがきを出すというところまでは至っていないのです。運動場を一周する程度の実験段階です。ドローンとこの配送ロボットと称しているものとの完成度は、正直言って差があると思います。いずれにしても、まだ両方とも実験段階です。
 ただ、ドローンにつきましては、ルールもつくらなければならないので、地方自治体や国が、何時に飛べるのか、こういうときはどのように回避するのか、電線のあるときはどうするのかなどの法制化の問題も出てくると思うのです。実技のベースではかなりの手応えは感じております。ドローンは、場所によっては配送ロボットよりもずっと早く実用化のレベルにできるので、それ自体が実は実験かもしれませんが、実際に始めたい。ここで成功したから全国に広げたいとか、そのような日は、ドローンの方が圧倒的に近いと思っております。
 具体的な開始時期は決めておりません。もう技術的にはかなり完成度が近い局面もありますので、ご期待に添うよう、なるべく早く実現したいと思っていますが、残念ながらいつまでにとコミットはできません。来年中に実現したいと言っている者もおりますが、これは会社としてのコミットではありません。ただ、特に僻地や離島から運ぶには大変便利な道具だと思っていますので、そのようにしたいと思っています。まだコミットできるベースでのデッドラインの日程を申し上げられませんが、ドローンの方が大分早いと思っていただいていいと思います。
【記者】
先ほどのゆうパックの話で、もう少し具体的に教えていただきたいのですが、トラックが出る時間が遅れるというのは、つまりその前段階の仕分けにすごく時間がかかっているということなのでしょうか。
【社長】
荷物が多過ぎて間に合わなかったということです。
【記者】
仕分けに時間がかかっていると。
【社長】
同じことですよね。仕分けしていたが、荷物がたくさんあって間に合わなかったということです。
【記者】
自民党の郵政事業に関する特命委員会で、交付金制度に関する法制化を進めているということを聞きますが、そのことに対して日本郵政グループとしてどのように考えられているのか。
【社長】
これは政府・与党の方で議論されていることですので、交付金がどのくらいの金額で、どういう仕掛けなのかは詳細には聞いておりませんので、論評する立場にないのですが、ただ大事なところは、ユニバーサルサービスを担っています。これについては追加的なコスト、あるいは通常の業務以上のコストがかかっている。これについて、水準はまだわかりませんので迂闊に言えませんが、相応に協力してやりたいという趣旨で今回の制度をいろいろ工夫していただいていると思っています。ユニバーサルサービスを履行するのが私どもの義務であり、仕事ですから、この業務についてご理解いただいているというのは大変にうれしいなと思っております。
【記者】
毎年8月に金融2社から消費税を減免してほしいという要求を日本郵政から総務省に出されていると思うのですが、それと引きかえのようなことが、与党の税制改正大綱に書かれてあると思うのですが、今後交付金制度が法制化された場合、もうそういった要望は出されないと捉えていいということでしょうか。
【社長】
与党の今年度の税制改正大綱に書いてあることは、ユニバーサルサービスをサポートすべく、交付金制度を考えたい、これを推進する、従来からあった消費税の要求は今回は落とすとはっきり明確に書いてありますので、おっしゃるとおり、セットになっていると思います。
 ただ、これから立法化しなければいけませんので、来年の国会で議論をした上でどうなるかということに尽きると思いますので、現状は、私どもは、交付金制度をつくる趣旨は、ユニバーサルサービスを履行している日本郵便、日本郵政のサポートを相応にしてやりたいという理解、そのような考え方だと思っておりますので、そこについては大変うれしいと表明している段階で、立法化を待ちたいと思っています。
【記者】
日銀の金融政策について伺います。金融緩和政策が金融の経営に与える副作用を指摘されていますが、例えば金融の収益性が低下しているというのがありますが、この点についてどう思うかというのが一つです。
 もう一つは、日銀の黒田総裁が、今月、金融システムの安定化のために銀行が口座維持手数料をとってもよいのではないかと発言したのですが、この点について、ゆうちょ銀行の持株会社としてどうお考えでしょうか。
【社長】
日銀の金融政策、13年4月から黒田総裁が就任して、リフレ政策を大々的に前面に出して金融政策を打たれました。あのとき、有名な2・2・2ですけど、2%達成するためにベースマネーを2年で2倍にするとおっしゃってやってこられたわけですよね。
 先ほども申し上げましたように、この金融政策だけで今の2%に近づいている、実質GDPの伸び率が実現しているとも思いませんが、大きな貢献ファクターとして黒田総裁の金融政策があったと思っております。この政策のおかげで、バブル前の約3倍も利益を上げるような企業が出てきているわけですから、この点については、明らかにご立派だったと言わざるを得ないと思います。大変に評価すべきだと思っています。
 為替レートも、8,000円だった株価も2万円を超えるとか、いろいろメリットがございましたので、そこは正当に評価すべきだと思っています。
 ただ、内容もどんどん変わってきて、2%はなかなか実行できないので、何回もデッドラインを延ばしていたり、80兆円まで毎年国債を買うと言っていたのですが、もう既にことしは60兆円ぐらいになっていますから、人によっては、ステルスの出口ではないかと言う方もいらっしゃいますが、これはもう単純に金融政策の手段が、イールドカーブコントロールに変わって、金利オリエンテッドになってきたからこういうことになっているのだと思います。
 いずれにしても、一連の黒田総裁の金融政策があって、今の好況になっていると思いますので、ここについては評価をしたいと思います。
 ただ、結果的に非常に低金利、日銀の当座預金の追加分については、2016年1月29日にマイナス0.1%と、マイナス金利まで発表されて、今やっているわけですから、非常に低金利です。しかもイールドカーブの10年のところをゼロにしましたから、10年まではみんな水面下なわけですよね。
 そういう状況ですので、金融機関は押しなべて苦しんでいる。3倍もの利益を上げて最高益を謳歌している業態もありますが、都市銀行は、バブル崩壊前のピークの4分の1程度の水準しか資金運用収益が上げられない状況となっています。私どもも、昨年度の実績で言うと、連結ベースの利益は約8割がゆうちょ銀行、約2割がかんぽ生命で構成されております。かんぽ生命の経常収益の約4割がこの資産運用収益等です。ゆうちょ銀行の収益の約94%が資金運用収益ですので、当然ながら、私どもも相応に苦しんでいるという状況になっています。
 ただ、黙って日本だけに投資をしていると、もっとひどい業績になると思うので、運用を高度化・多様化することによって、何割かは跳ね返してこんにちの収益を作っている状況です。
 今の状況を見ていると、こればかりはわかりませんが、アメリカのイエレン議長が今度政策金利を25ベーシス上げると。量はもう減らしている。来年は3回ぐらい上げる必要もあるのではないかとFRBが発表した。
 ヨーロッパのドラギ総裁も、少し状況が変わってきているという発言もしております。欧州は、実際に金利を上げるには相当時間がかかると思いますが、何らかの見直しがあるかもしれないという時期に、日本はしばらくそういうきっかけが全く見えませんので、日本の低金利はまだしばらく続くと覚悟せざるを得ないと思っています。
 それでも、なおかつ相応の収益を上げるような対策を、具体的な経営戦術として、打っていかなければならないと思っていて、今までやってきている資金運用については、高度化・多様化をさらに推進していくというつもりでおります。無論、かんぽ生命は保険業務がありますし、ゆうちょ銀行は役務がございますので、これをできる範囲で一生懸命頑張ってやっていきたい。私どもの場合には、ゆうちょ銀行は約1億2,000万口座を持っています。ここにかかわる、既に収益を上げている決済等の手数料、約2万7,500台あるATMからの収益もいろいろ深掘りして、上げていきたいというのが大要です。
 口座維持手数料ですが、メガバンクが発表された今度の店舗削減や人員スリム化など国内業務の大規模な構造改革ですけれども、フィンテック等のテクノロジーを巧みに利用して人を減らすということですので、業務内容は変わらないけれども、人は減らすと。何を言っているかというと、売り上げについてはあまり期待できないという覚悟をされていることだと思います。
 したがって、利益は非常に簡単な計算で、売り上げ引く経費イコール利益ですから、売り上げが伸びないのであれば、経費を減らさらざるを得ない。この経費について明確な方法を一つ二つ、人員、あるいは店舗のところで出したというのがメガバンクの対応だと思います。
 したがって、彼らは、手数料について、いろいろと考えていると思います。そういう彼らの思惑を黒田総裁がどこまで理解しておっしゃったかわかりませんが、口座管理手数料なんかについても手段の一つとしてあるのではないかと、もしかしたら思われて、おっしゃったのかなと思っています。これをどうするかは、各銀行の経営陣の決断になりますので、どうなるか全くわかりませんが、他国を見ると、そういう例は幾らでもありますから、そういうことを考えることは十分にあり得ると考えています。
 ご質問のご示唆は、ゆうちょ銀行はどうするのかということかもしれませんが、検討はしますけれども、まだ結論には至っていません。手数料収益は、ゆうちょ銀行は約6%しかございませんので、昨年度の実績でいうと900億円弱です。これでは少ない。メガバンクと比べて4分の1、5分の1の水準ですから、もうすこしできるなと思っております。いろいろ聖域なく検討したいと思っていますが、口座維持手数料は、お客さまに直に負担を求めるということになりますから、大変に重い意味があると思っていますので、慎重に検討したい。それよりもやるべきことがまだたくさんありますから、ATM、決済とかいろいろありますので、まずそちらを検討し、その次の検討材料になると思いますが、ここは慎重に対応したいと私どもは思っています。
【記者】
今のお話は非常に重要だと思うのですが、検討するというのは、もう既に検討を始めていると考えてよろしいのでしょうか。これは、そう難しいことを考える必要はないので、ぱっと考えればある程度わかると思うのですが、導入することによって、ゆうちょ銀行にはどれほどのメリットがあって、どのような難しい点があるのか、その辺を明快におっしゃっていただきたいのですが。
【社長】
全く検討は始まっていません。私が申したのは、持株会社の立場として、ゆうちょ銀行に、手数料収益を上げる努力を聖域なくやってくれと言っているので、一つの課題として検討するに値すると思っていますが、現状は、経営会議、取締役会等で全く出てきていません。検討も始まっておりません。
 今検討しているのは、約2万7,500台のATMをどのように使って、もう少し手数料収益を上げられるのか。それから、投資信託残高が少し前まで1兆円だったのが、今1兆5,000億円ぐらいになっています。ことしの投資信託の販売額は、非常に大きいです。だからこそ、そこの手数料収益を上げるために、取扱店を233の直営店と郵便局を1,400局強に広げ、かつ郵便局1万8,000局強で投資信託の紹介ができるようにしたのです。ここは検討して、いろいろやっているのですが、口座維持手数料について具体的に検討が始まったという事実は全くありません。
【記者】
影も形もない。
【社長】
影も形もありません。ですから、少し誤解されると困ります。検討しますと言ったのは、することになるかもしれない程度のことで捉えていただきたい。全く、影も形もないのが現状です。
【記者】
チームJPをつくったということなのですが、先ほど一体感ということを強調されました。消費者から見ると、郵便局は、銀行もはがきもみんなやって、荷物もやっているもので一体的には見えるのですが、どうも経営の方が、何社に分割とかっていって、ばらばらにやってきた結果、こういうことになっているのではないかと思うのですが、コマーシャルのデバイスを統一すれば一体感が出るなんて問題ではないと思うので、むしろ経営として、この一体感を醸成するためには、どんなことが具体的に必要だとお考えになっているのですか。多分こういうことをやろうということは、一体感がないということが前提となってお考えになっているかと思うのですが、その現状も随分長く続いてきたので、どのようにこれを決着つけようとしているのでしょうか。
【社長】
ことし10月1日で民営化10年になりました。この間、グループ5社から4社になり、グループ会社間での人事異動を実施したり、いろいろ工夫しているのですが、どうしてもずっと同じ会社にいると、少し意思疎通が薄くなる懸念があります。
 当然だと思います。しかも、2015年11月4日、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、日本郵政と3社同時上場しましたから、ガバナンス上は独立した企業としてやってくれという意見も出てくるわけです。
 したがって、どうしても離れがちになるのですが、やはりもともとは一体だったわけで、ゆうちょ銀行もかんぽ生命も郵便局ネットワークなしには成立しないので、本来もっと一体化すべきだと思います。私はそういう方向でやりたいと思って、推進しているということです。
 二つあって、一つは、このように分かれたのがおかしいのだから、もとに戻せとおっしゃる。これは私どもが決められることではないし、現状をとやかく言っても始まらないと思うので、私どもは今できることを何でもやりたいと思っています。
 大事なのは、後者のご質問で、具体的にどうするのか。これは、成功体験を各社員が覚えていくしかない。郵便局と一緒に協力して、こういうディールをやってこういうことができましたと、かんぽ生命と一緒にやって、こういうことができましたと、そういう経験を実際の同僚たちが味わっていって、やはり一体感を持つ方がいいのだと、これが私どもの価値なのだというのを本気でわかってもらいたいと思っていますので、そういう具体的な案件をたくさん仕掛けていきたいというのが本音です。
 ただし、スローガンも必要です。これは経営のメッセージなのです。JPは1チームだと。一体となってやっていくというのを打ち出すために言葉を選ぼうと思って作成しました。
【社長】
ありがとうございました。よいお年を。