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- 日本郵政株式会社の社長等会見
- 2016年3月16日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容
2016年3月16日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容
*鈴木康雄日本郵政上級副社長が同席
- 【事務方】
- 会見に先立ちまして、鈴木上級副社長の方から、本日行われました取締役会の結果を報告させていただきます。鈴木上級副社長、よろしくお願いいたします。
- 【上級副社長】
- 鈴木でございます。本日9時半から指名委員会を開きまして、三村委員長以下、御手洗さん、石原さん、そして私が出席いたしましたが、そこで次期社長に長門さんが最適任であるということに結論としてそうなりまして、それをそのまま9時40分から開かれました取締役会に提出をいたしました。取締役全員のご賛同を得て、長門さんに新たに4月1日から日本郵政の社長に就任いただくことになりました。
以上でございます。
- 【事務方】
- それでは続きまして、長門新社長の方からご挨拶をさせていただきます。長門社長、お願いいたします。
- 【新社長】
- 長門でございます。よろしくお願いします。
昨年の11月4日、ご案内のとおり、郵政グループ上場いたしまして、西室社長、このたび辞任されるわけですけれども、3社同時上場という前代未聞の快挙をなし遂げていただきました。郵政グループの民営化、民間企業化、積年の日本のテーマであったわけですけれども、見事に完遂されたということで、深く、内部の人間で申し上げるのも大変僣越ですけれども、敬意を表したいと思います。
このたび、日本郵政グループの社長に就任いたしますけれども、私から幾つかお話をさせていただきたいと思ってございます。 - 先ほど申し上げましたように、11月、昨年上場いたしましたけれども、やや自分たちが言うのも変ですけれども、大変成功裡に上場はできたかなと思っております。
無論、関係者の方々、大変努力していただいて、最初の設定も株価の水準とか、配当性向の考え方とか、いろいろ工夫をして魅力ある上場にできたという側面もございますけれども、やはり145年前から日本郵便がスタートいたしまして、その長い歴史、伝統に基づく親しみやすさと信頼感等というものが基本的にあったと感じておりまして、郵便局、郵便局の底力というものを十分感じた次第です。
私自身、昨年11月4日の上場の前に、海外の投資家等々にIR活動でニューヨーク等々行ってまいりましたし、上場後も、つい2、3週間前に海外の投資家さんを集める投資家説明会、国内の投資家の方々に来ていただく説明会等々でお話をする機会がございましたけれども、大変に強い投資家の方々、お客さまの方々からご期待をいただいたと思っておりまして、この信頼感とか親しみやすさとかですね、期待というものに十分応えて、日本郵政グループ一丸となって、上場企業にふさわしい業績をきっちりと上げていくということをリードするというのが、私のミッションと考えてございます。 - どの様に行うのかということですけれども、もう2万4,000局の郵便局が全国にございまして、大変なネットワークと、この場でお話しするのがいいのかどうかわかりませんけど、例えばメガバンク、一番大きいところでも全国の支店数、やっと800、コンビニエンスストアで一番大手でも1万8,000という水準ですので、この2万4,000局という全国津々浦々に張りめぐらしたネットワーク、そこに多くのお客さまが全国にいらっしゃると。ゆうちょ銀行だけでも口座を持っていらっしゃるお客さま、1億2,000万人の方々がいらっしゃいますけれども、そういう全国津々浦々のお客さまにきっちりと貢献すると、より一層貢献するというのが我々の最大のビジネス目的と考えてございます。
- 日本郵政、トータル生活サポート企業と中期経営計画でも銘打っていますけれども、いろいろな側面でいろいろなニーズ、全国のお客さまにお応えするというのが私どもの使命と思っております。全国にいらっしゃるお客さま、全国の各地域、ぜひ貢献したいと思っております。
ご案内のとおり、日本郵政傘下に3社ございまして、郵便、物流を担っている日本郵便と、金融機能のゆうちょ銀行、保険業務のかんぽ生命と、3社傘下におりますけれども、145年の歴史で鍛えられたこれら多様なサービスをとことん一層追求していくというのが私どものビジネスモデルになると思います。
傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命、親会社の私どもの日本郵政3社が同時上場いたしました。それぞれ独立した上場企業としての独立性はもちろん保たなければいけないと思いますので、3社相互のアームズレングスの関係というのはもちろん留意しなければいけないと思いますけれども、その上で、その3社それぞれの機能を発揮してもらって、私どもは親会社としてそれを有機的に連携付けるというのが親会社の方のファンクションと思ってございます。 - 今、社長をやっておりますゆうちょ銀行の方では、ご案内のとおり、日本の金利が大変低下してきておりますので、かねてより申し上げておりますように、その他の投資、私どもたまたまサテライト運用と、サテライトポートフォリオと申し上げていますけれども、そちらの方を一層深掘りして収益力をキープしていく、高めていくと、あるいはちょうど貯蓄から投資へというようなトレンドが進んできておりますので、そのプロセス、お客さまのニーズに応えるべく、お客さまの資産保有に絡んで手数料収入を増やしていくとか、かんぽ生命の方、かつての契約数が減ってきておりますけれども、一方で、新規の新たな保険契約の方も増えてきておりますので、保有契約残高をキープする、これから反転していくというようなことで新たなニーズにお応えしたいと頑張っておりますし、日本郵便の方も、手紙とかですね、切手とかそういうものが減っていく中で、物流を含めて、あるいは経費コントロールも含めてですね、これを何とかして行くビジネスモデルをそれぞれ深掘りしていってほしいと思っております。
- トール、豪州の大変大きな買収をいたしましたけれども、国内の需要が伸びにくい環境にございます。これをカバーするべく、海外の機会を、オポチュニティ、ビジネスオポチュニティを捉えていくという意味もありますし、今までお尽くししてきた国内のお客さまへの追加的なニーズという意味でも、海外のトール社等の機会に、これからも邁進していきたいと思っております。
既に買収したトール、十分刈り尽くすと、実りをとり尽くすということも大事ですけれども、今後必要とあれば、新たなM&Aも十分考えられると考えてございます。 - 日本郵政の方は、それらを全部まとめて、有機的に2万4,000局の郵便局、全国のお客さま、こういう機能を発揮して、グループ全体でお客さまのニーズを満たしたいと考えています。
- 私の経営手法論、いろいろございますけれども、簡単に一言だけ今日は、クールヘッドとウォームハートという形で、大変月並みな表現で申しわけないんですけれども、ご紹介したいと思います。
クールヘッド。数字、論理、ロジック、これにこだわると。選択と集中の目で厳しく業務ラインをチェックすると。そういうことで規律ある経営をきっちりクールヘッドでやっていきたいと思ってございます。上場いたしまして、上場企業にふさわしいガバナンス体制も含めて、きちんとやっていきたいというのがクールヘッドでございます。ウォームハートの方ですけれども、私どもご案内のとおり、非常にステークホルダーが多ございます。お客さまはもちろんですけれども、我々の同僚社員諸君、組合員、あるいは私どもを監督しているお役所の方々、それから地方のお客さまと、その地方自身について非常に深く関心をお持ちでニーズをいっぱいご存じで我々に対していろいろアドバイスをしてくださる政治家の先生方も含めまして、関係者が大変多くございますけれども、彼らと誠実で本気のコミュニケーションをきっちりとやっていきたいと思ってございます。
いろいろ議論をしてコミュニケーションをして現実的な枠組みの中で何ができるのか、何ができないのか、きっちりとお互いに納得した上で合意を見てですね、私ども自身の現実的な経営に反映させていきたいと考えてございます。クールヘッドとウォームハート、この姿勢で是非行って参りたいと思います。 - 昨年、11月4日、上場いたしまして、日本郵政グループ全体、港でいかりを上げ、ついに大海原に航海を始めたところでございます。天気晴朗なれども波高しと、いろいろ障害もあると思いますけれども、日本郵政グループ全社一丸となって、大海原に繰り出して、ぜひ楽しい大航海をエンジョイしたいと思ってございます。
- 【記者】
- よろしくお願いします。大きく長門社長に2点、お伺いしたいんですが、まず今回、急遽の社長交代だったと思います。西室社長は来年の6月まで少なくともやるということをこれまでも公言されていましたが、きっかけは西室社長の検査入院だったと思うんですが、検査入院といえども、この間1カ月程度、詳しい説明は全く私たちにありませんでした。西室社長の病状が結局今、どのような状況で、なぜこのタイミングで交代を判断されたのか、本人が申し出たのかとかですね。あと、その人事をかえるに当たって、なぜ長門社長が選ばれたのか教えていただけますか。
- 【上級副社長】
- 直接の経緯は、西室社長が入院し、まず、いろんな検査をしておりましたが、その中で、あまり病気がすぐ回復するという状況でないということで、この3月3日にご本人から辞任届が出されました。3月31日をもって日本郵政の代表執行役社長を辞任したいということでございました。
これを受けまして、指名委員長であります三村さん、指名委員の御手洗さん、石原さんとご相談申し上げ、また、取締役の中でも最長老でございます渡さんとか、毎週会議でお目にかかっている監査委員の4人の取締役の皆さん、そういう方々からご意見を伺い、この後どういう方にやっていただいたらいいのかということをご相談させていただきました。その結果、三村委員長のご判断で、長門さんが社長に最もふさわしいということになりました。 - その議論の経緯で申し上げますと、今の社長の挨拶、長門さんの挨拶にもありましたけれども、昨年秋に上場したばかりであり、この上場の責めを担った者の中から、つまり現経営陣の中から選ぶことが望ましいのではないかというのが一つと、そしてまた、6月には最初の株主総会を控えておりますので、今まで執行の任に当たっていて細部まで承知している者がなった方がいいのではないかという点がございました。そのような意見が判断とされまして、今日の取締役会でもほぼ同様の意見が出され、全員で賛成したということでございます。併せて、三村指名委員長から、現経営陣の取締役、社内も社外も含めて、全体で長門さんを支えていこうという発言がございました。
- なお、今のご質問の冒頭に、病状はというのがありましたけど、病気というのは個人情報の中でも極めてタッチーな部分でございますので、そこはご勘弁願いたいと思います。ご本人から辞任届が出ているということで、ご了解願いたいと思います。
- 【記者】
- 最初のその補足で、3社長とか執行役の方の中でもなぜ、長門さんだったのかという点は。例えばこれまでの経歴ですとか、この1年間、半年くらいの実績とかについてはいかがでしょうか。
- 【上級副社長】
- そこも今申し上げつつありましたが、現職の役員の中からという、あるいはその中で執行の任に当たっている者の中からということございましたが、とりわけ今、日本郵政全体として、その収益の源泉になっております金融業務に詳しい者がいいだろうということと、ましてこれだけ金融情勢が動いている最中ですから、そういうことにも詳しい者が必要だと、さらにまた、先ほど長門さんの説明にもありましたように、トールの買収などもしておりますので、国際関係についても詳しい者がいいと、そういう幾つかの状況を兼ね備えているのが長門さんであるということでございます。
- 【記者】
- もう1点、これは長門さんに伺いたいんですが、交代決まったばっかりだと思うんですけども、長門社長体制での経営戦略、数値目標といったものは、改めてお示ししていただけるんでしょうか。そういうことであれば、その目途を伺いたいのと、現段階でのお考えとして、この半年近く、郵政グループで社長をやられていて、郵政グループの課題をどう見てらっしゃるのか、これまでの数値目標の17年度末ということで、中計とかも出されていますが、こうした今の金利状況の中、市場状況の中で、変えていく可能性があるのか、また、グループ全体をどのような会社にしたいのか、改めてお伺いできますか。
- 【新社長】
- 多くご質問いただいて、3点、主にご質問いただきましたけれども、1点目の数値目標、何が出てくるのかという話ですけれども、これはご案内のとおり来年度がもうすぐ始まると、どこの企業さんでもやってらっしゃると思うんですけれども、来年度の営業計画、郵政グループ4社でそれぞれ構築中でございます。もちろんいろんな議論があるんですけれども。ただこれは、私ども今年度、この3月末に終わる今年度の決算発表が5月に予定しており、そこであると思うんですけれども。そのタイミングで、併せてご紹介申し上げたいと思っていますので、たまたま今、まだ各社の中でも議論で最終的な数字が固まっていないということもございますけれども、万一固まっていても、今の段階でお示しする立場にはないと、1点目は思ってございます。
- 2点目、中計のお話がございましたけれども、この中期経営計画、昨年の春、4月に発表させていただいたとおりでございますけれども、11月4日の上場の際はですね、この中計をセットにして、IR活動等をしたわけではないんですけれども、一番直近、郵政グループとして体系立って発表したプランがこの中計だったということで、この中計のロジックに沿って上場して、投資家の皆さまにご説明して、株を買っていただいたという経緯がございます。ものすごく外部環境が変わって、決定的にこの中計の前提が大きく狂っていると、このままではマーケットにミスリードするという局面が仮にあればですね、変更ということもあり得るかもしれませんけれども、当面の外部環境の変化程度ではですね、あえてこれを変える必要はないと思っております。先刻申し上げました連休前後にある今年度の決算発表に際して、同時にご報告申し上げるであろう今年度の、単年度の営業計画についてですね、その辺の外部環境を一部、修正というか加味して反映して、こういうふうにしましたという説明は、その段階でできるものもあると思っています。
- 3番目、比較的大きなお話で、半年間やってきてどう考えているかということですけれども、大変なオポチュニティを感じています。ある意味ではとんでもない組織だなと。ちょっと申し上げましたけれども、私、たまたま半年間、今までゆうちょ銀行の社長でした。例えばゆうちょ銀行の例で申し上げますと、総資産が200兆を超える日本で最大の銀行です。貯金残高178兆です。これも無論、圧倒的に最大です。で、2万4,000局の郵便局を使って、仕事をいろいろしています。現在、融資業務が許されておりませんので、主にマーケットの方への投資、あるいはお客さまとの関係での手数料収入等々が主体のビジネスモデルではありますけれども、潜在力は大変なものがあると思っています。
- 一つご参考までに申し上げますと、上場に際してニューヨークの方にIR活動に行った際にですね、必ず出てくる質問が、ゆうちょ銀行、あるいはかんぽ生命もですね、今度、上場して、11%位の株を売り出すんだけれども、行く行くは当面5割、最終的には10割丸々株を売ると聞いておると。そうなると、親会社の日本郵政との関係が薄まってくるのではないのかと。2万4,000局の郵便局と離反して行くのではないかと質問が必ずございました。これは、私が必ず申し上げたのは、違うんですと。現状ある178兆の貯金残高の9割以上はですね、この2万4,000局の郵便局で獲得したお金なんですね。これがあればこそ、我々、日本で最大の機関投資家としてこれからやっていこうというビジネスモデルが成り立っているわけで、出資者にかかわらず、どんなことがあっても我々は郵便局を必要としていますと、こう言っています。このネットワークが我々、日本郵政グループ、ゆうちょ銀行のみならず、大変な財産であると思っていまして、これをどう有効的に活かして行くかというところで、ビジネスの巧拙があらわれると感じています。
- まだ、全体の方の、日本郵政の方の経営はやっておりませんので、これからおいおい勉強してまいりますけれども、そこが一番肝になるのではないかと、現状では感じてございます。
- 【記者】
- おめでとうございます。西室さんの状況なんですけれども、社長を退任されるんですけれども、取締役は続けるということになっているんですけれども、そうすると、体調の方は、取締役の業務を行う、要は、そこまで悪くないという理解でよろしいですか。
- 【上級副社長】
- いただきました辞任届では、社長を辞めるということでございまして、先日も昨日も行ってまいりましたし、先週の金曜日、あるいは先週火曜日でしょうか、大体週2回ほどは西室さんと話をしておりますけれども、身体を動かすのはなかなか大変でございますけれども、判断力はしっかりしております。幾つかの指示もいただいておりますし、報告もいたしております。
- 【記者】
- 長門さんにちょっと伺いたいんですけれども、本体の社長になられることによって、ゆうちょ銀行の社長というのが空白になると思うんですけれども、そのあたり、いつ位までに次の人というお話、その辺も教えてください。
- 【新社長】
- 兼務はいたしませんので、私が辞めた後は空席になりますけれども、空席の期間が長くならないように、しっかりと後任を早急に探したいと思っています。今日からスタートして、勝手に何人か考えている候補者もおりますので、順番考えてですね、ご無礼にならないようにして、アプローチをして、ご了解いただきたいというふうに思ってございます。私の後任がどこかで参ります。
- 【記者】
- まず、最初は鈴木さんへの質問になるかもしれませんけど、西室さんなんですけれど、判断力はしっかりしていて幾つかの指示をいただいていると。とはいえ、やっぱりなかなか時間的などれ位の入院期間が続くのかとか、いずれ出社して、またそこで意思決定なり指示ができるのかとか、その辺はもう医者の判断を含めて、もう厳しいという、そういうことなんでしょうか、前提なんですが。
- 【上級副社長】
- お医者さんの判断はお医者さんでないとわからないんですが、ご本人が辞任をしたいと言っておりますので、3月の時点で辞任するということでございます。
- 【記者】
- もう1点ですが、後任の社長を選ぶに当たってですね、3社長であるとか、内部からの、取締役からの登用の中で検討があり、長門さんということでした。過程の話、途中経過の話をどこまでお話しできるかあれですけれど、例えば日本郵便の髙橋社長であるとか、髙橋さんも郵政公社からいて10年ぐらい、郵政に精通している方です。長門さんも長門さんの経営手腕があると思うんですけど、長門さんはまだ郵政に来て1年と経っていないですよね、金融には精通しているということですが。また、社外取締役にはですね、過去、ほかの企業での社長経験であるとか、要するに、経営トップとしての知見がある、経験がある方も多数いらっしゃいます。そういった中でも、なぜやっぱり長門さんかというところは、例えば、まだ、天下りという言葉が当たるかはわかりませんけれど、郵政という、なかなか、郵政を官僚出身の方ではまだ任せる時期ではないであるとか、そういった判断があったとか、少し中の過程の判断をもう少しお聞かせ願えないでしょうか。
- 【上級副社長】
- 先ほど申し上げたように、現経営陣の中から選ぶことが望ましいと。しかも、株主総会が近いということもあって、執行の任に当たっている者がやることがいいだろうと。併せて、こういう金融情勢でもあるので、金融に詳しく、かつまた、海外事業にも精通している方がいいと、そういうことでございます。
- 【記者】
- まず、鈴木さんにお伺いします。西室さんと今週ですか、先週ですか、お会いして、つまり、社長を辞めるということをやり取りがあったと思うんですけど、西室さんからはどういう辞任したいということで後を頼むとか、途中で申し訳ないとか、どういう話があったのかをお聞かせ願えますでしょうか。
- 【上級副社長】
- 2月8日に入院して以来、検査を大分しておりましたが、その後で、ご自身の判断で、辞任というよりは一身上の都合によりというふうに書かれておりますが、退任をしたいということでございました。昨日、三村委員長から内々のお話を承りまして、後任は長門さんですということを申し上げたところ、あとは皆さんできっちりやってください、よろしくお願いしますということでございました。
- 【記者】
- 長門さんもお会いになったかと思うんですけど、西室さんとですね。
- 【新社長】
- 私はお目にかかっておりません。
- 【記者】
- 入院されてからは、もう1回も。
- 【新社長】
- お会いしていません。
- 【記者】
- では、2人にそれぞれお伺いしますけれども、今回、西室さんが辞任されるに当たって、旧のですね、所属した東芝の責任をとったという見方が出てくるのは自然だと思うんですけども、そのことについてどう思われますでしょうか。
- 【上級副社長】
- 東芝のことについては、東芝の方での進退を明らかにしているんで、それは済んだと思いますが、郵政はまたそこは別だと思っております。
- 【新社長】
- 私も東芝の件で云々する立場にいないと感じております。
- 【記者】
- 長門さんにですね、ちょっと就任の経緯をちょっと教えていただきたいんですけれども、まず、いつ、誰から、どんな言葉で社長就任を要請されたんでしょうか。
- 【新社長】
- 今日、取締役会がございまして、その前に指名委員会、ございましてですね、三村さんが委員長ですけれども、その場に来いということで参りましたら、その場でご指名を受けたということでございます。
- 【記者】
- それよりもっと前にですね、声をかけられて、何か受けてくれないかと、そういうやりとりはなかったんでしょうか。
- 【新社長】
- ございません。
- 【記者】
- その言葉を聞いたときのお気持ちと、どうして、これ、受けられたとかっていうのも教えていただけますか。
- 【新社長】
- 幸か不幸か、随分、報道さんがいっぱい書いてくださって、自分の名前も出てきましたので、そういう意味では心の準備がなかったわけでもないのかもしれませんけれども、率直なところ、昨年の5月11日、私、ゆうちょ銀行に奉職をし始めましたけれども、この打診があったときに、一つ大きな、個人的には意思決定のプロセスがあったと思いますけれども、そのときに、日本にとって非常に大きなテーマ、ゆうちょ銀行の場合はですね、民間の金融分野に、かつて政府の一部門だった部分が入っていくと、組み込まれていくと。かねてより200兆を超える、これだけの固まりが別枠で、GDP2位、3位になった国の金融界にあるというのはおかしいじゃないかということを、兼ねてから言ってたわけですけれどもね、それがいよいよ上場を通して、ますます民間金融機関の中に入っていくというプロセスに、自らが参加するというのは、これはこれで人生にとって大変なチャレンジだなと、よし、受けようと思って、ここに来させていただいたのが昨年の5月ですけれども、その段階から既にですね、ゆうちょ銀行のみならず、日本郵政グループに、もしもニーズが合ってですね、自分自身の力を出すべきタイミングが来るのであれば、何でもやろうと思っておりましたので、今朝ほど申し伝えられた時にもですね、そういう覚悟で、同じ質量でお受けしようと思ってお受けした次第です。
- 【記者】
- もう一つ追加なんですけど、先ほどから、資産がすごくこのグループは多いということなんですけども、このマイナス金利が導入されてですね、逆に、すごく逆風にもなるのではないかという見方も強まっていますけれども、その辺の対処の仕方というのは、何かお考えありますでしょうか。
- 【新社長】
- 私は、今日、この質問出てくるの待っていました。とてもうれしい。少し、ある数字を申し上げますけれども、黒田総裁が1月29日、マイナス金利の発表をしましてね、当然ながら、金融界、金利スプレッドがスクイーズされて、収益力が落ちるだろうということで、金融界、軒並み株が売られていったわけですけれども、何が起こっているか。とりわけ、一部週刊誌では、大変生意気ですけれども、不勉強な週刊誌は、何かもう、ゆうちょ銀行、壊滅的にやられるんじゃないかとか言われていましたけれども、これ、昨日の終値段階ですけれども、1月29日の株価を100としましょう。メガ銀行3行とかと比較してですね、ゆうちょ銀行、96.3%なんですね。これ、ナンバーワンで高いんです。メガ銀行の一番低いのは、89.8、89.8から96.3なので、7%位しか差がありませんけれども、一番高いんですね。マーケットはこの様に評価しているというのを、まず、ご理解賜りたい。
- せっかくなので、調べてきましたので、もう一つ数字を申し上げますと、マイナス金利に絞って申し上げますけれども、マイナス金利、インパクト、ご案内のとおり、二つございます。日銀に積んでいる当座預金、昨年の平残以上プラスアルファあります。置かないといけない金額等々外して、それ以上に増えた部分について、従来、プラス0.1%で金利を日銀が銀行に払っていました。今度はもらいますよというので、行って来いで、0.2%の差がつきましたと。その金額だけで見ればですね、ひょっとすると、ゆうちょ銀行は、規模が大きいが故に、絶対額ベースで一番大きいかもしれませんよね。ここにおいて、ゆうちょ銀行が一番影響を受けるかもしれないというのはあるかもしれません。ただし、計算されるとすぐわかると思うんですけれども、インパクトが非常に限られていると思いますね。この程度と言ったら大変僣越なんですけれども、金融ビジネスに対して非常に不遜なんですけれども、十分はね返し得る金額だと思います。
- もっと大きいのは、二つ目のインパクトで、これによって日本全体の金利が下がったわけです。今、いろんな諸事情があって、非常に荒れていますので、本来は、イールドカーブのロングエンドの方は、これでインフレを惹起するわけですから、そんなに下がらなくて、20ベーシスも、で、ショートエンドの方は20ベーシス下がって、イールドカーブが立ってくることが起こるはずです。でも、まだそんなインフレ懸念が全然ないので、理論的には全部0.2%落ちるというのがあると思うんです。ただ、少し混乱していますので、10年債がもっと40まで行くとか、大騒ぎなんですけども、仮に、落ち着いてきたら、0.2%下がるという金融絵図になったということなんです。これは、融資のない銀行の、ゆうちょ銀行だけにインパクトがあるのではなくて、あらゆるお金を出すところに効いてくるんですよ。ですから、融資をやっている住宅ローンの金利も下がるわけですよね。したがって、ひとしなみにこのインパクトはあるんですということなので、一人、ゆうちょ銀行だけがいたずらにやられているわけではないと。この当座預金の金額とですね、各銀行が持っている資産の金額とどっちが大きいのかというと、圧倒的にそちらの方が大きいわけで、こちらの方のインパクトが大きいんですね。だからこそ、これは一つの理由だと思いますけれども、株価も、我々よりももっと響いている銀行があるということだと思います。
- ですから、私は、黒田総裁は、やっぱり日本の、長年の問題がデフレだったので、これに対して断固戦うという姿勢で3年間頑張ってこられてて、彼自身おっしゃっているようにできることは何でもするとおっしゃっていましたから、その一環で、1月29日、このマイナス金利の政策を出されたわけで、私は、そこについてはですね、非常に敬意を持って頑張ってらっしゃるなと評価しております。マクロ的にはそうなんですけれども、ミクロ的には、申し上げましたように、当座預金の部分は少し傷むし、運用の機会もその分減るわけですから、その部分は明らかにビジネスにインパクトがあるんですけれども、先ほど申し上げましたが、サテライト運用の方とかですね、いろんな工夫をしながら、はたまた手数料収入の方も工夫をしながらですね、それを打ち返して、何とかやっていきたいと、経営としては考えてございます。十分対応できると自信を持ってございます。
- 【記者】
- ゆうちょ銀行はですね、地域の金融機関との協業というのも、一つ課題としてあると思うんですけれども、今度は、日本郵政の社長としてですね、協業についてはどのように取り組むお考えでしょうか。
- 【新社長】
- 考える質量は全く変わりません。ゆうちょ銀行としてやるべきこと、日本郵政でできること、内容は違うと思いますけれども、地域、先ほど申し上げましたように、全国津々浦々の2万4,000局の郵便局、そこのお客さま、その地域というのが、我々のレゾンデートルですので、できることは何でもやりたいと思っております。内容は、種目は、競技種目は変わってくると思いますけれども、同じ方向で、同じ質量で考えたいと思います。
- 【記者】
- 何点か伺いたいことがあるんですが、まず、西室社長はですね、子会社の取締役を兼務されていたと思うんですが、長門社長も同じように兼務されるのでしょうか。
- 【新社長】
- 今日、日本郵政の社長になれと選任されただけでございますので、組織の問題、これから考えて対応したいと思います。まだ、決定しておりません。
- 【記者】
- わかりました。2点目、長門社長と鈴木副社長の役割分担について、何か明確なものがあれば教えていただきたいんですが。
- 【新社長】
- 明らかに、今までのバックグラウンドもですね、それから、担当されている、もちろん上級副社長ですから、一番高いところにいる副社長のお一人なわけですけれども、自ずから社長と上級副社長とのジョブアサインメントとは、当然違うと思いますので、そのとおりにやってまいります。ただし、先ほど申し上げましたように、日本郵政、大きい組織ですけれども、非常に、ある意味ではチャレンジングなタイミングに来ていると思いますので、全社一丸と、全グループ一丸というのが基本思想ですから、基本姿勢ですので、特に我々はですね、密に、それこそ先ほど申し上げたように、コミュニケーションしてですね、きっちり心を一にして進んでいきたいと思ってございます。私はそう考えています。
- 【上級副社長】
- 1点補足させていただければ。西室社長の時にも社長補佐というのが私の仕事。最近はそれ以外にも内部統制システム担当となっておりますけれども、そこは今後も変わらず社長を補佐するというのが、副社長の仕事だと思っております。
- 【記者】
- わかりました。すいません、最後に鈴木上級副社長に一つお聞きしたいことがあるのですが、就任されてから3年ほど経たれてですね、なかなかこれまで記者の前に出られるということがなかったと思うんですが、今回こうして会見の場にいらっしゃったのはどういう心境の変化があるのでしょうか。
- 【上級副社長】
- 心境の変化でもなくてですね、もともと私、総務省で事務次官やっておりましたから、定例会見で週に2回はやっておりましたので、記者会見が嫌いだとかそういうわけじゃないんですね。
今までは、会社を代表するのは副社長ではなく、それは社長ですから、常に西室さんが出て来るとそれは当然だと思っております。
今回は、西室さんがたまたまお休みされていらっしゃいますので、その間、新社長を選任するという指名委員の一人として、こういう経緯で選ばれましたということを説明するために上がりました。
- 【記者】
- ありがとうございます。
- 【記者】
- 2点ありまして、1点目は、子会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命との関係なんですが、西室さんはですね、ゆうちょとかんぽの新規業務がやりやすくなるように、50%までの株の売却を、3年から、長くて5年以内にはやりたいということを言っておりましたが、その方針は変わらないのかというのが1点とですね、ゆうちょ銀行の社長が空席の間は、どなたが社長業務をされるのかという2点を教えてください。
- 【新社長】
- 1点目ですけれども、今、昨年11月4日に上場した際のロックアップ期間に入っておりますので、不用意にゆうちょ銀行とかんぽ生命の次の売り出しをこうしたいということは申し上げられる立場におりません。ただ、一般的にその前から言っていたいろいろなメッセージがあると思いますけれども、それについてはあえて変更しなければならないという状況にもないと思っています。
- もう1点、付け加えですけれども、ゆうちょ、かんぽが上場していくのは反対だと言っているわけではないんですけれども、新規業務のところですけれども、私はよく、これも同じようにIR等々で海外に行ったときに必ず聞かれるのは、5割まで売り出しをすると、ご当局へ新規業務を求めるときに、認可を求めるのではなくて、届け出で済むんだからずっと楽になるでしょうと、早くそうなったらいいねというお話が必ずあるんですけれども、そうかもしれませんが、もしも本当にゆうちょ銀行なりかんぽ生命なりのビジネスモデル上、この業務が必要なんだということになれば、認可を求めればいいわけですから、もう決断して、固い決意でご当局に、ぜひご認可をお願いしたいと。こうこうこういうロジックなんですと、こういうふうに世の中に貢献できるんですと、お客さまも喜ぶんですと、民業圧迫と言っている方々もそんなにひどい話にならないんですということを必ず申し上げて、許可を取ると思うんですね。ですから、新規業務が50%とつながっているというのは、必ずしも1対1対応ではないとご理解賜りたいと思っています。
- 2点目はゆうちょ銀行の社長が空席時の対応については、これはちゃんと決まっていますから、オートマティックに、例えば西室社長がいないときも、鈴木上級副社長がやったようにルールが決まっておりますので、私、今月いっぱいいるんじゃないかと思いますけれども、整々とやっていきます。
- 【記者】
- 長門社長にお伺いしたいんですけれども、西室社長は、日本郵政グループをグローバルなロジスティクス企業にしたいということをおっしゃっていたんですけれども、改めてグローバルロジスティクス理念についての社長のお考えとですね、もしあれば、モデルとなるべき、したい他国のですね、グローバルロジスティクスビジネス企業というのが何か頭の中におありでしょうか。
- 【新社長】
- もう少し勉強時間をいただいてからお答えしたいなと思いますけれども、基本的には、ロジスティクスに限らず、日本郵政グループとしてやれると、やった方がいいという話があれば、自らのオーガニックなスタートでもいいし、経済的余力の範囲で、M&Aの機会もあるのであればそれもするし、そこはオープンに考えたいと思います。
ロジスティクス、あらゆる機会を考えて、それが成長プロセスに入っていくのであればですね、聖域なく考えたいと思っております。
具体的にどういう方向、濃淡はどんなのというのは、もうちょっと勉強時間いただいてから、きちんと誠実にお答えしたいと思います。
- 【記者】
- 長門社長にお尋ねしたいんですが、社長の後任の方なんですけれども、今、社長の頭の中にあられるのは、外部の方なのかどうかというのと、当然、次お願いされる方というのは、金融のプロ中のプロの方にお願いすることになるというふうに考えてよろしいのかというのと、あとスケジュール感で言うと、1カ月以内位にはお決めになりたいという、それ位のスケジュール感をお考えなのかどうか、その3点お願いいたします。
- 【新社長】
- 3点ご質問いただきまして、1点目は、むろんノーコメントと。2点目は、むろん金融の達人を持って来ると。3点目も、まだ申し上げられるタイミングにありませんと。そっけないんですけど、すいません、もうごくごく普通の答えで申しわけないんですけど。
- 【記者】
- 承知しました。ありがとうございました。
- 【記者】
- 先ほど、長門社長がおっしゃられたマイナス金利の状況下、厳しい中で、やはりゆうちょ銀行なんですけど、非金利収入やサテライト運用で打ち返すとおっしゃられたんですが、実際、非金利収入の場合は、貯蓄から投資へという、こういった状況下でそういう動きは、増えているんでしょうか。
一方で、また、サテライト運用なんですけど、運用のパフォーマンス自体なかなか出せない状況だと思うんですけれど、いかがなんでしょうか。ゆうちょ銀行自体も、世界有数の資産運用で、さらに預金も1300万円上限となると、預金だらけでどこに投資していいのか難しいところだと思うんですが、その辺を踏まえて教えてください。
- 【新社長】
- 2点ご質問いただきまして、1点目ですけれども、個人金融資産1700兆円あって、51%貯金・預金と。これが米国の13%にならないまでも、何らかの個人保有資産の投資の方に向かうはずだというのが1つのアベノミクス、あるいは皆さんの考え方で、現にそういう方向で動いてきたんですね。
アベノミクス登場までは4万円近くあった日経ダウがずっと落ちて、2003年4月末、もう7,000近くまでいってしまってずっと右肩下がりと。その後もあまりパッとしませんでしたので、そういう活動、投信等々の投資活動をすると、大体やられちゃっているというのがトレンドだったんですね。これが日本ではなかなか、投資活動がうまくいかなかった大きな理由の一つだと思います。
それは、アベノミクスでは大分跳ねましたので、それもあってつい最近まで投信残高日本で100兆円というところまで来て、いよいよ行くのではないかと思っていたら、この年初からの大変なボラティリティのマーケット状況になって、ご案内のとおり、新聞報道では3兆減ったという話もありますので、そういう環境では確かに、投信等々の手数料を期待するのは少し苦しいかもしれないという環境はあると思いますけれども、これは、この状況は本当に長く続くのかということもありますけれども、実はこのさなかにあってもですね、私どもは手応え感じてなくはないと。 - ご案内のとおり、JP投信というジョイントベンチャーを私ども、つくらせていただいて、ゆうちょ銀行45%、日本郵便5%、三井住友信託さん30%、野村ホールディングスさん20%ということで行っているんですけれども、これがスタートしたのは2月22日です。この間ずっとマーケットは荒れていましたので、大変に苦しい船出だと思います、環境としてはですね。加えて、マイナス金利、1月29日に紹介されて、2月16日から施行でございましたので、我々の発想は、わかりやすい、相対的に損のしにくい商品をご紹介して、高速販売で高齢者の方々からお金を取ろうとするのではなくて、2万4,000局ある全国津々浦々のお客さまにですね、息長く持ってもらおうという発想での商品設計で、主に商品二つあったんですけれども、一つは、残念ながら、日本の国債を主体とする商品でしたので、もう発売前からギブアップという状況でのスタートをしたのが2月22日です。
- ちょっと数字はディスクローズできないかもしれませんけれども、初日どんなことが起こったかというと、大変に好調だったんです。ご祝儀もあったかもしれません、初日ですから。2月の平均の売上高があるんですけれども、それを圧倒的にこなす位この1商品だけで実績ができましたし、この効果もあって、もう10年間、我々、投信業務やってきていますので、100種類以上の商品を持っていて、1兆円位の残高が今ございますけど、こちらの方も、併せて販売できたというので、うまいビジネスモデルを考えれば、基本的にニーズはありますので、一旦マーケットが荒れてきても、その漁場はそんな簡単に消えないと思っていて、あきらめずに、しつこく、この機会を求めて頑張っていきたいと思っていますので、もちろん環境がいい方がいいんですけれども、十分対応可能であると考えているのが1点目です。
- 2点目、運用。おっしゃるとおり0.2%金利が大きく下がったわけですから大変なことで、今までどおりの運用をしていれば、もちろん、なかなか大変だと思います。サテライト運用と気楽に申し上げましたけれども、お考えの向きもあると思うんですけれども、去年の4月発表した中期経営計画では、3年間かかって、2017年度ですから、2018年3月末までに60兆円まで増やすぞと言っておりましたけれども、昨年末、既に59兆円になっております。今年度中にも、この3年計画の数字が達成できるような勢いなんですけど、なぜかというと、このマイナス金利を含めた低金利状態が日本であるので、その他のオポチュニティを探さざるを得なかったというのが実情です。ですけど、他にはですね、もちろんヨーロッパも、アメリカですら、昨年、9年ぶりに12月、金利を0.25%上げた時に、今年は4回上げるだろうと思われていたのが、下手をすると1回もないのではないかと思っているほど、米国の金利もそんなに高くなってきてないんですけれども、それでもですね、日本の金利よりは、まだいいところはあるし、これもご紹介しているとおり、7人の侍といって、一時売れていたんですけど、今はもう13人いるんですが、外部からプロの方々を採用してですね、さらにノウハウを高めて、運用業務を深掘りしていこうといって、現在励んでやっている最中なんですけれども、ここで全く新たなですね、オルタナティブ投資等々、まだいくらでも機会はあると思いますので、0.2%、まだまだ黒田さんは、推進されるかもしれませんけれども、十分対応して、跳ね返していけるところに我々はいると考えてございます。
- 【記者】
- 改めてお伺いしたいのは、ゆうちょ銀行の規模拡大について、引き続き、そのゆうちょ銀の規模拡大を懸念する声があって、特に長門さんは、民間金融機関出身であられる中でですね、そういう懸念の声も多く聞いてらっしゃると思うんですけども、限度額も引き上げられてもいます。ゆうちょ銀というのは、引き続き、やっぱり規模も追っていく金融機関であるのか、それについて日本経済として見た時に、まさにトゥービッグ・トゥーフェイルの最たるものだと思うんですけども、こういう指摘について、長門さんは、今、どのようなお考えをお持ちであるのかを聞かせてください。
- 【新社長】
- 3点位申し上げたいと思うんですけれども、まず3番目のトゥービッグ・トゥーフェイルですけれども、我々フェイルするわけにいかないので。ディスクロージャー誌でディスクローズしておりますけれども、私どもこれまで、その7人の侍たちを外部からとる前から運用は非常に成功していて、ディスクロージャー誌にあるように含み益が相当ございますので、そのフェイルということを少しでも考える必要が全くない環境にあるということだけご承知おきいただきたいと思っています。
- 2点目ですけれども、民間銀行の方々は、大変僣越ですけれども、民業圧迫と一言言えば、自分たちのテリトリーからコンペティターが一人消えるようなことになりますので、非常に気楽におっしゃってらっしゃるんですけれども、外部環境が随分変わってきているなと感じています。私どもの貯金残高、今178兆円ございますけれども、ピークは99年でございまして260兆円ございました。この時のあらゆる日本での銀行の個人の合計預金残高290兆円でございました。これが現状、290兆円が430兆円に5割増になってございます。99年から16年たってですね。我々は260兆円あったのが178兆円に35%減っているという環境でございまして、本当に我々がずっと民業を圧迫してきたのかという一風景がここにあるのと、もう1点、本当にこれもちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、私が銀行員になった昭和47年の頃はですね、本当に資金が足りなくて、預貯金でお金を集めると、銀行はもう右から左に融資で、資金需要があったために融資案件をつくれて、収益を上げることができたという環境だったんですけれども、今、ご案内のとおり、国内の預貸率、全国銀行平均で7割、地銀さんの一部に至っては5割ないというような状況ですので、預貯金の重さという意味も、少し環境として変わってきているんじゃないかと、大変僣越ですけれども、そういうふうに感じています。
- さらに3番目ですけども、ゆうちょ銀行は規模拡大を図るのかということですけれども、やや評論家的に申し上げると、このたび限度額を増やしていただいて、大変感謝しているんですけれども、お客さまからクレームがいっぱいゆうちょ銀行にまいりますけど、一番多いのが、この限度額に関してのクレームで、年金が入った時にオーバーして、手続き大変だったとかですね、退職金入ったんだけど、本当に不便なんだと。これが300万円でございますけれども、増やしていただいて、その部分、明らかにお客さまの利便性はよくなると思いますので、大変、郵政民営化委員の方々等々に感謝しております。
- ですけれども、私どものコアになっている商品が定額貯金でございまして、やっぱり金利が上がってくるときに、より相対的に魅力が増してくるという商品ですので、この金利下で、そんな簡単に、我々だけ一方的に資金が集まってくるという懸念は、そんなにないんじゃないかと、評論家的に言うのも変なんですけど、思っておりますのと、900万円以上、私どもに貯金をお預けいただいているお客さまというのは、全お客さまの中の4%なんですね。その方々が一気に300万円、圧倒的に増やすだろうかというと、それもなかなか起こりにくいなと思っておりますので、結果的に、我々だけ預貯金が相当増えるという状況を心配する必要はないんじゃないかと。逆に、求めようと思っても、なかなか簡単にできそうにないと感じております。
- 【記者】
- マイナス金利のところで確認だけさせてください。要するに、対応可能というのは、サテライト投資を順調に増やしており、そういうことで対応、運用でそんなに苦労しませんと、対応できますと、そういう理解でいいんでしょうか。
- 【新社長】
- 運用の方は、主にサテライト運用です。もちろんベースの方でも、ちょっと長めの方をやるとか、いろんな方法もあります。でも、主にサテライト運用で、かつサテライト運用の方であるのは新たなオルタナティブ投資、今度、私ども始めるんですけれども、それを含めてですね、サテライト運用で一言で言っても、昔日のサテライト運用とは違う形態がいろいろあるよと、これを含めた上での対応が一つです。
- もう一つは、手数料収入で、なかなか投信業務の方はしんどいかもしれませんけれども、私ども、例えば、貯金金利の方の金利は大変苦しいんですけれども、やっぱり下げたんですね。この辺は、変な話、払うべき手数料が減ったということになるわけですから、手数料収入はプラスになるんですよね。その他、いくつか工夫すべきところは手数料分野であると思っていますので、これも合わせ技でやって対応したいと考えてございます。