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2015年6月26日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2015年6月26日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

【社長】
今日は株主総会の集中日で、お忙しいところ、皆さまにお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。本日の午前中に弊社におきまして最後の1人株主の株主総会をやらせていただきました。一部報道の方もお見えになっておられましたけれども、これから先、私どもとしては、いよいよの思いをもって、日本郵政グループの健全経営に向けて、引き続き努力をいたしますので、皆さま方のご支援、ご協力、よろしくお願いしたいと思います。
 今日は主に私から発表させていただこうと思ったのは、3点でございます。
まず1点目として、2013年10月から一部の地域で試行しておりました「郵便局のみまもりサービス」につきまして、その試行状況を踏まえて、7月から試行エリアの拡大並びにサービスメニューの充実及び料金の改定を行うことにしましたので、お知らせを申し上げます。これはお手元にですね、プレスリリース、相当細かいことが書いてございますけれども。
 試行エリアにつきましては、これまで実施しておりました1道5県103局というところから1道5県567局に約6倍拡大をするということで、特に山梨県とそれから長崎県、この2つの県については全域に拡大してみようということであります。
 併せて、子供世代向けの周知・ご案内を東京都、神奈川県、福岡県で実施をいたします。実施というよりは試行すると言った方がいいかと思います。
 それから、サービスにつきましては、1カ月の訪問回数を増やすことができるようにする。ご要望の多いものを中心に充実させていこうと。それとともに、他の企業の方々のご協力も頂戴しまして、あるいは地方自治体の協力も頂戴して、それで買い物支援ですとか、あるいは警備会社による駆けつけサービス、その他オプションがいろいろとできるように、順次ご提供をしていこうということであります。
 エリアの拡大と、それからサービスメニューの充実に伴いまして、今回料金の改定を実施いたします。類似サービスと比較をしますと、ご利用しやすい料金がご提示できていると思っておりますので、是非とも積極的にご利用いただけるようご案内していただければありがたいと思います。
 今後も、趣旨に賛同いただける企業、NPOなどとの連携、それから自治体の皆さま方との意思疎通を通じまして、お客さまの利便の向上に努めていきたいと思っております。
 特に地方自治体とは、これから先、いろいろな関係、私どもが果敢に公共サービスのお手伝いをするということも更に拡大することが可能かと思っております。
 それから、10月からでございますけれども、先般、4月の末にニューヨークで発表いたしましたIBMとAppleそれと日本郵政グループ、この3社で開発しました新しい高齢者向けのアプリ、この専用アプリを搭載したタブレット、それを活用した各種のネットサービス、それからそれに郵便局員のリアルな生活サポートサービスと、それを融合したサービスの試行も始めることになります。
 これからも日本の高齢者層の皆さまの生活をサポートしつつ、地域に密着して、地方創生にも貢献するサービスを、是非とも続けていきたいと思っております。日本郵政グループの使命としては、地域・社会のために役立つようなサービス、それをトータル生活サポート企業としてお手伝いをしていこうということでございますので、その基本的な趣旨に沿った方向付けだと考えております。
2つ目ですけれども、これは新しいニュースだと申し上げてよろしいかと思いますが、国際宅配便ゆうグローバルエクスプレスの米国向けの実施及びフェデラル エクスプレス社との国際運送ですね。これもプレスリリースがお手元にあると思いますけれども。
 日本郵便では、昨年10月30日にゆうグローバルエクスプレスの名称で、アジア・欧州・オセアニア向けに新たな国際宅配便サービスを開始しましたけれども、この度、米国宛の取扱いも実施するということになりまして、それで米国向けに関しては、製造業等から小口の物品やサンプル等の高品質な送達への需要がいろいろ多くなりますので、eコマース等のお客さまからは、EMS等の国際郵便では取り扱えないサイズの少し大きいもの、複数個口の配送、複数個口というのは、幾つかの荷物をまとめて、1つの宛先にまとめて持っていく、そういうことでございます。
 このため、米国は何しろ大市場ですから、拡大しようということでございましたけれども、本日まで、米国宛のUGXを実施するためのパートナーはどこにすべきかということで模索をしてまいりましたけれども、フェデラル エクスプレス社の国際輸送を利用するということで、フェデックスさんとの合意に達しました。
 ご承知のように、フェデラル エクスプレス社、フェデックスさんは世界有数の物流企業でありますし、日本郵便がフェデラル エクスプレス社に米国宛のUGXの国際運送を委託するということで、米国という有力な市場に対して高品質なサービスを提供できると期待をいたしております。
 また、フェデラル エクスプレス社が海外で引き受けました日本向けの貨物につきましては、今後、日本到着後にその一部を当社のゆうパックによって国内運送していくと、そういうお手伝いもしようということで、合意をいたしましたことも、併せてお知らせしておきたいと思います。
 今回のフェデックスさんとの契約の締結によりまして、日本郵便は、日本と海外との間で、通販や貿易などを行っている事業者の方々に、より利便性の高い海外配送を提供させていただくことができるということでございます。
 実施時期等の詳細につきましては、後日、改めてプレスリリースをさせていただきます。現在発表できる範囲は、今日お手元に、資料は届いていると思います。
 私どもとしては、やはりフェデックスさんとしっかりとした緊密な関係を創ることができることは、国際的な運送にも今後とも関っていこうという決意の表れの1つだと思っています。
それから3点目はですね、これもお手元に割にたくさん書いたプレスリリースがありますけれども、「かんぽプラチナライフサービスの推進」、それについてのお知らせをしたいと思います。
 かんぽ生命は、ご承知のように、ご高齢の皆さま方の目線でビジネスプロセスを改革し、「安心感」「信頼感」に基づく「ご高齢のお客さまに優しい」ビジネスモデルを構築するということで、お客さまから真に選ばれる保険会社を目指しております。このため、かんぽ生命では、ご高齢のお客さま向けの取組を、「かんぽプラチナライフサービス」として推進をしていこうということでございます。これはトータルパッケージでございまして、まず1つは、加入者の年齢制限、これを大幅に上げたということ、それに加えて、このプロジェクトを推進するために専任の組織をつくりまして、関係役員がプロジェクトリーダーとして、各領域の社外有識者からの意見も参考にさせていただきながら、全社を挙げた社内横断的な取組を推進しております。
 この取組は、ご承知のように日本は高齢化先進国であり、したがって、日本郵政グループとしてAppleさん、IBMさんと一緒に新しい高齢者向けのプロジェクトを発足することに同意をしたわけですが、超高齢化が進んでいる中で、かんぽ生命の主要な成長戦略として、高齢者向けのサービス、このプラチナライフサービスを開始したわけでありまして、これについて将来の発展があると思っております。
 今後とも、ご高齢のお客さまに優しく、「最も身近で、最も信頼される保険会社」を目指しまして、商品・サービスを含めたあらゆる領域で態勢強化を実施していきたいと思っております。
 冒頭、私から申し上げることは以上であります。
【記者】
よろしくお願いします。幹事社のほうから2問質問させていただきます。
 まず1点目ですが、ゆうちょ、かんぽの限度額引き上げなどを盛り込んだ提言案についてですね、今日、自民党の総務会でこれらが了承されて、週明けに提言が政府に提出されるという運びになっています。金融業界が限度額引き上げに強い反対姿勢を示す中で、改めて社長のこうした動きについてのお受け止めと、今後の地銀や信金、信組などと連携を模索する中での影響などについてもありましたら、併せてお聞かせいただければと思います。
【社長】
非常に難しいご質問ですけれども、私どもの態度は実は一貫しておりまして、中期経営計画を今年4月に発表させていただきました。それで、その中期経営計画は、その時点である規制が、全てそのまま続くという前提で、向こう3年間を見た時に、我々の今の実力からして、これだけのことはできますというのが、3年間の中期経営計画です。それから先を考えるというのが、つまり上場に当たっての、上場の目論見書に組み込むべき将来計画ですよね。それが中期経営計画で言っているのと乖離したのでは、作りようがない。しかも、私どもはできる限り早く上場を実施したいと思っていますので、それを実施するためには、今の規制がそのまま存在するという前提で計画を全てつくって上場の目論見書を作成します。今日総務会が通ったそうですけれども、自民党さんの特命委員会の方針として、あのような発表があったわけです。その中でなるべく早く上場に資するためにもあって、あのようなことをやると書いてありますけれども、これにつきましては、実は特命委員会の方にも申し上げたのですが、私どもとしては、とても物理的に間に合わないと思いますので、我々は上場に至るまでの過程は、従来どおり、規制がそのままあるという前提でやります。それまでの各業界、関連業界との間のお付き合いも、規制があって、それで今存在している状況というものを中心にして、それでしばらくの間、上場まではしっかりとやります。それから先については、これは政治とのプロセスですから、いつ実現するかよくわからない話なので、しかも、それが実現するに当たっては、これから政府において政令をどうするかという検討もあります。その後、郵政民営化委員会、その検討もあるし、そういうことを考えると、大筋の方向付けとして、自民党さんの特命委員会が決められたということについては、私どもとして歓迎をいたします。これを歓迎するというのは、規制がない方が仕事がやりやすいわけですから、歓迎はいたしますけれども、現状の規制がそのまま続くという前提以外の前提で、私どもの現在の上場計画というのは組替えができませんというのは、はっきりと申し上げております。一応ご了解をいただきました。
【記者】
すいません、今のお話の確認で、そうすると、上場までは、仮に政令が施行されたとしても限度額の引き上げは行わない……。
【社長】
施行されるというめどは全くついていませんから、施行されるめどがいつつくかもわからないのに、それを当てにして上場計画の目論見書を作るというのは、あまりに危険性が大き過ぎる。今、さっき申し上げたように、政府における検討、それは金融庁だけではなくて、総務省の検討もありますし、それから財務省の検討も当然あるわけですよね。それで政府の方針が一応決まって、政令改正というのが、動きが出たとしても、その後に郵政民営化委員会の審議があるわけですから、物理的に、正直言うと、難しいですねということは、おわかりになっているはずですね、という話をしたということです。
【記者】
もう1点、今後、今の上場についてですけれども、この後、本申請されると思いますけれど、上場に向けたスケジュールについてですね、現段階でお話いただける範囲で簡単にお聞かせいただけますでしょうか。
【社長】
そうですね、まず、本申請をやるということについては、詳細についてはお答えできませんが、本申請の後、しっかりと東京証券取引所、殊に自主規制法人の方でもいろんな検討がありまして、それをしっかりと真摯に受けとめながら、上場の方向に持っていくということです。
 これは、やはり私ども、常に認識しておかなければいけないのは、3社同時上場というのは、これは私どもが提案し、一応、方針として東京証券取引所も金融庁も認めてくださった。それは非常にありがたいんですけど、前例のない話なものですから、これは少なくとも日本では前例がない。世界的に見ても極めて希有な話ですから、これはいろいろなところについて疑義があってはいけないわけなので、それをしっかりとお調べくださるという態度で東証、あるいは自主規制法人があるのは当たり前の話だし、我々としても、それを歓迎したいと思います。少し時間の掛るプロセスになるかもしれませんけれども、時間を優先するということよりは、しっかりといろいろな指摘されるような可能性がある案件について、それに確実に対処しながら、着実な上場の過程を踏んでいきたい、こういうことです。
【記者】
2点伺いたいのですが、1点目は、西室さんのご出身の母体の東芝さんでいろいろ不正会計の問題が出ているんですが、その関係でコメントをいただきたいというのが1点目。
【社長】
不正と言わないで、不適正処理です。
【記者】
不適正ですね。すいません。今回の株主総会後の総務大臣の認可で、東芝の村岡さんが留保という形になったと思うんですが、その今後の扱いをどのように考えられているのか、以上です。
【社長】
村岡さんにつきましては、私どももいろいろな候補者がおられる中で、クオリフィケーション、まず、その性格、経歴その他で、比較して、あの方がいいなということで指名をしたいと言ったわけですが、ご承知のように、昨日の東芝の総会で、全ては人事も含めて第三者委員会の裁定が出ないと何も動けません、こういう話が発表されたわけですよね。
 そうなると、これはやはりその結果というのは、やはり人事にも影響するのが当然だろうと思いますので、それまで待つ、あるいは、留保しておいた方がいいよという、今日の総務省からのお達しは極めて当然のことだろうと思います。
 ですから、村岡さんにも直接、私もお話ししましたけれども、留保して、それで実際に、全てがクリアになった後で、実際の仕事をしていただく。そして、もしも疑義があるような結果が第三者委員会から出た場合には、直ちに辞表を出していただきたいというお話を言っておきました。そういう状況です。
【記者】
出身母体、東芝の今の現状についてのコメントをお願いします。
【社長】
私も東芝、相当長いこといたわけですけれども、考えてみると直接の経営そのものから離れて、15年ぐらい経つ。それで、現状について、隅から隅まで把握しているつもりはありません。
 しかし、私としては考えられないようなことが、不適正な会計処理という形で行われたということは、事実であると認めていますので、極めて残念なことだし、あってはいけないことだろうと思います。
【記者】
すいません。2問あります。1問目は改めてなんですけれども、ゆうちょ銀行のですね、あるべき大きな姿として、どういうことをお考えなのか。例えば、メガバンクや今の大手銀行のようにですね、フルサービスの商業銀行を目指すのか、それとも、農中モデルといっては何ですけれども、機関投資家としてブラックロックのようなものを目指すのかというのが、まず1点目です。
【社長】
ブラックロックを目指すと公に言うつもりは全くありません。私どもはブラックロックさんとは違って、しっかりと郵便局ネットワークに支えられる金融機関という、これは希有な形かもしれませんけれども、そのポジションというのは、世界的にもユニークだし、日本の社会のために役に立つと思っています。今の日本の金融機関の預かり資産の運用について、極めて私どもとしては疑問がありますので、目指す先はもっと積極的に、しかも最新の知見をもとにして、それで運用していく。預かり資産運用、リスク管理というのは、一番大事な部分。それで、今年の2月に一般公募までして、募集をやりました。その結果として、非常に優秀な方が応募をしてくれたので、それで、ご承知のように、24日、正式に執行役副社長という形になりましたけれども、その人を中心にして、新しい形を作ろうと思っています。それで、新しい形というのは、今ある、従来からやっていたのと違った形でやっていくということに結果的になると思います。
 それをやるためには、チーム編成の時間も必要ですし、しかも、他にいろいろな候補者の方いらっしゃるけれども、ほとんどの方が現実に仕事をしておられる方々で、それでこちらに移りたいというお話は、現在、仕事をしておられるところにご迷惑がかかるようなことをしてはいけないと、いうような配慮も当然必要ですから、それで、しばらく時間をかけて、ちゃんとしたチーム編成をしてから始動したい。7月位には、形として、ある程度の発表はできると思いますけれども、実際に動き出すのが年内にできれば、わりにスピードとしては早いことになるなというふうに思います。
【記者】
すいません。もう1問は質問というより、お願いなんですけれども、先日、ゆうちょ銀行の長門社長のですね、インタビューが一部メディアで出たんですが、公式な会見をされずにですね、メディアに出る場合はですね、国民の財産の案件なので、広く全国民の関心事も高いので、ここはメディア対応もですね、広くあまねくユニバーサルサービスでお願いしたいんですけれども、よろしくお願いいたします。
【社長】
そうですね。できる限りそうしたいと思っているのですが、あれ実は、公式にインタビューを受けるよとやった話ではないんですよね。これは、記事にしてくださったメディアさんには、申し訳ないけれども、正式な記者会見ではない話を、メディアさん自身の観測も付け加えて、それで1つの記事にされたので、そこまで面倒見切れないなという感じがします。
 それから、従来から日本郵政グループとしては、グループのCEOの交代の時には、ちゃんとした着任会見をするけれども、それの子会社についてはやった経験がないんだというのがはっきりしました。これから先は独立することですから、やはりそれぞれの会社の責任者が別々に会見をするということを、習慣としてはつくっていきたいと思っております。
 ただ、差し当たって、今すぐにやるのではなくて、もう少し先になると思う、先になるというのは、実際に上場して、その辺までは3社、いろんなところで調整をしながらやらなければいけないんですけれど、実際に、上場するという行為が始まった後、そこから先はそれぞれの会社が、それぞれのCEOを中心にして動き出すというのは当たり前の話だろうと思っています。
【記者】
3社同時上場ということで、グループ内の内部取引についても、きっちりと投資家に説明していく必要があるのではないかと思いますけれども、納得していただく説明のあり方というのについて、西室社長はどのようにお考えなんでしょうか。
【社長】
そのためにですね、昨年の12月に3社同時という発表をして、それで、いろいろなコメントをいただきたいと思って、いろんなコメントをいただきました。それが一番オープンであり、3社同時上場を決めた時の態度であると。同じような態度をずっと貫いていきたいと思っています。
 ですから、コメントの数が少ないなというのが、正直言って、昨年の12月発表以来の私自身の感覚というか、もっといろんなことを聞かれていいはずなのに、どうしてメディアさんもどこも言ってこないのかな、という感じがしていたんです。これだけ時間が経つと、3社同時上場というのは、我々としては必然であったというようにご理解をいただいたなと勝手に思い込んでいます。
【記者】
予備申請のプロセスで、東証さんとのやり取りはしているとは思うんですけれども、その辺のディスクローズのあり方みたいなことでアドバイス等はあるのでしょうか。
【社長】
これはディスクローズしない審査期間というのは当然あるわけですね。東証さんにしてみても。私どもとしても東証さんからこんな問い合わせがありました、さあ、大変だ、困ったなんてことを、一々やるのは不思議な話で、現状では、それについてディスクローズするような範囲のコミュニケーションは東証さんとの間ではありませんが、東証さんが非常にいろんなことを心配しておられて、それで我々に対してのいろんなご質問があることは事実ですし、それには一々真摯にお答えをしています。
 そういう意味では東証さんが一番、3社同時上場についてしっかりとお考えになって、そして、それをはっきりと、アプルーブするという方向付けは一応伺っているわけですけれども、それについてしっかりとした仕事をしたいと思っておられる熱意には敬服しております。
【記者】
全く違う話なんですが、昨日、自民党で開かれた勉強会で、政権に批判的な報道を規制するために経団連に働きかけた方がよいのではないか、という報道が一部されていて、そのために広告を減らしたり、悪影響を与えている番組のスポンサーを列挙するべきだなんていう声も出ていたという報道があるんですが、御社としても広告をメディアに出している立場として、何かご意見があればお聞かせください。
【社長】
いや、もう、何かそういうことを、メディア規制をお考えになっておられる方の方が、やはり民主主義の原則から外れているような気がしますね。失礼ですけれども、そういう方々のご意見というのは、やっぱり報道の価値もないのではないかなと思います。
【記者】
先月の会見の時に、イオングループとの連携のお話をされていらっしゃったんですが。イオンのコンビニでいうと、ミニストップになると思うんですけれども、別にそこに限らず、今後の日本郵政グループのコンビニ戦略みたいなものって、何かお考えでいらっしゃるのかなと。もしありましたら、お願いします。
【社長】
はい、わかりました。コンビニさん全体に対して、幅広くつき合っていこうということは考えていますけれども、実際にやっぱりお互いに利用をし合うことがメリットがあるんだろうと思いまして、それで従来は、ご承知のように、ローソンさんとやっていましたけど、ローソンさんも、別に佐川さんと最近仲よくしたいというご発表ありました。そういうことがありますから、可能性として、私どもは、ちょうどイオンさんが新しい経営体制をつくっていこうという、そういう動きの中で、日本郵政グループと、グループとしてつき合いをしたいというお話があったので、それはもう前向きに取り上げて、それで何ができるかということの検討を始めているということです。
 ただ、これは他のコンビニさんを排除するつもりでやっているのではなくて、なるべくお客さまの視点に立った時に何が便利なのかということで、それで話を決めていこうと、これはイオンさんも同様だと思っています。
【記者】
上場に関連していくつか質問なんですけれども、西室社長はグローバルに海外投資家、国内投資家含めていろんな機関投資家等とコミュニケーションをとられていると思うんですが、現時点での、その投資家の日本郵政株に対する反応というのは、どのような反応を示しているのか、直近でどういったコミュニケーションがあったのか教えていただきたいと思います。
【社長】
はい。日本郵政グループですから、その上場は東京証券取引所でやると決めております。日本の国内での上場ということになりますが、ご承知のように日本の国内の東京証券取引所、東証のマーケットそのものが外国系の投資機関の力が非常に大きいわけなので、そちらに対する目配りは当然必要だということは認識しております。
 それで、何で3社なんだと、しかもどちらの株を持てばいいのかわからないというご意見はあろうかと思われますし、いろいろあると思うんですが、我々は我々の立場から言って、一番早く上場ということを達成するために3社同時というのを選択して、それで昨年の12月以来、こういう方向でいきますということを皆さま方の全体の批判にさらされるという形でお受けしており、どうして3社同時なのかというのはおわかりいただかなければと思います。またその次は、日本郵政グループのそれぞれの会社の強みということについて、しっかりとしたご理解をいただかなければいけない。
 差し当たって、中期経営計画の3年分は、割りにしっかりと作ってありますので、いろいろなご質問には的確に答えることができる。これから先は、上場の最終的な目論見書、これの発行の時にはもっと広くて、それで夢のあるものを作りたい。夢じゃないですね。現実に達成できるような、我々のプランを作りたい。それをご理解いただくというのは、我々の責務だと思っています。
【記者】
民業圧迫についてなんですけれども……。そういった議論がある中で、成長戦略を描いていかなくてはいけない。描こうとすると民業をどうしても圧迫してしまうというふうに……。
【社長】
今のまず問題設定からいって、成長戦略という話がね、成長をするための戦略というのを私どもは作っているつもりはないんです。これから先、どうやったらベストの国民、あるいは世界の人たちに対するサービスができるかということの戦略を作っているので、成長だけを目的にしているつもりは全くありません。
 我々が、まず例えば最近のトールの買収のような、グローバル化が必要だという認識のもとに何が一番早道かということで、トールの買収は決めて実行したわけですけれども、これの考え方というのは民業の話と全く関係ないんですよ。それで成長というよりは、私どもが物流企業として生きていくためには、グローバル化にとって何が必要なんだという発想から、いろんなことを考えている一部、それがトールの買収。それで何でグローバル化しなければいけないかというのが、物流に携わる企業であるという我々自身のポジションをリディファインしたということ、それをもとにしたら、やはり海外の部分というのを、どうやったら早くエスタブリッシュできるかということになってくると思います。その道を、グローバル化はやっていますけれども、成長のためというグローバル化ではなくて、我々の本当の意味での物流企業としての今後も存在を続けるためには、今、なるべく早急にグローバル化をしておかなければいけない。そういう考え方ですね。
【記者】
上場のスケジュールについてですが、何月頃上場をしたいというか、できそうだとか、そういった話はあったのでしょうか。
【社長】
まともに行けばどうなるか、という予想だけはしていますが、先の絵を描くというのが難しいことです。これはしかし、しっかりした絵を描かないと人に信用していただけませんから、ちゃんと真面目にやろうと思っています。
【記者】
実際の上場は何月ぐらいに、その絵が描けて……。
【社長】
正直言って、私はそれなりに申し上げたいんですけれども、実はリーガル的な配慮から言うと、今、正確に何月という話をしてはいけないんだと。この前ちょっとちらっと口走った時間軸がありますけれども、これは社内の従業員に対するお話が外に漏れた話なので、それ以外に私どもとして確定的にスケジュールを今公表することは考えておりませんし、今発表できません。
【記者】
フェデックスの件なんですけれど、契約の相手は日本法人になっているようですが。アメリカの本社との提携はどうなのでしょうか。
【社長】
アメリカの本社ですか。本社がアプルーブした上で、日本法人が代表して私どもと契約をしたと理解をしておりますし、契約の文言もそうなっています。
【記者】
そうなると、日本法人との資本のやり取りというのは、将来、考えていますでしょうか。
【社長】
資本提携、これは今のところ、全くその話はしていません。あちら様からもご要請もないし、今のところ何も。お互いにまだ、話が決まって、これからやってみたらば、なかなかいい仕事ができそうじゃないかというところまではアグリーした、これは本社も含めてアグリーしていただいたということです。そこから先の話はまだ全く何も決まっていないので、今の段階ではお話しすることはありません。
【記者】
ゆうちょ銀行のですね、個人資産の運用の分野でいろいろ考えられているところだと思うんですけど、今の、進捗状況を伺いたいんですけど。
【社長】
これはね、進捗状況の話なんぞをしたらけしからんと、こういう話になっていましてね、まだ詳細その他は決まっていないというのが本当のところです。
 それで、これを作るということは、方向として私どもも当然前から考えていた話ですから、それは方向としては決まっていますけれども、その実際の形、出資比率、それから時期、まだ全く何も決めていないということで、多分、少し時間がかかるだろうと思います。
【記者】
限度額引き上げについて伺いたいんですけれども、限度額引き上げ提言がまとまって、先ほど西室社長のご発言の中で、規制がない方がやりやすいので、というお話がありました……。
【社長】
究極的にはそうですよ、ええ。
【記者】
規制がない方がビジネスはやりやすいというのはそのとおりなんだと思うんですが、これ、限度額引き上げが実際いつになるのかは別にしてですね、されると、やはりゆうちょ銀行の貯金の量というのは増えていくのではないかと思うんですが、増えていくという、規模が大きくなるということについては、やはりゆうちょ銀行としてはその道を志向していく、志向していきたいというお考えなのか、規模はもうこのままで本当はいいんだけどと、いうお考えなのか、そのあたり、今、西室社長はどのようにお考えなのか聞かせていただきたい。
【社長】
ちょっと難しい質問ですけどね、まず差し当たっていろんな考え方が世の中ではおありになって、それで結局、あんなにたくさん預かり資産を持っていて、運用するのに困るのではないかというご批判がまず基本的にゆうちょ銀行についてはあります。しかし、我々は郵便局のネットワークを持っていて、それで郵便局ネットワークによって集めた預かり資産ですね、それは極めて貴重な財産だと思っています。それを増やすということが我々の目的ではなくて、それをいかに活用するかということの方が目的だと思っています。
 ですから、預かり資産の運用のためのチームをしっかり作るんだということで、佐護副社長も経営に参画してくれることになりました。ですから、日本の金融機関の横並びでやった時に、やはり、ゆうちょ銀行というのは、極めて先進的かつユニークな資産運用の模範が示せればと、それが将来の理想です。
 ですから、少しずつ預金をあちらこちらから奪い取ってなんてことを、私どもは考えていないということです。
【記者】
同じく限度額の関係で聞きたいんですけど、冒頭質問があってご回答なかったかと思うので、ちょっとお聞きしたいんですが、地銀や信金、信組と連携強化を目指している中で、今回の問題はかなり反発があってですね、連携強化に与える影響というのはどのようにお考えでしょうか。
【社長】
これはご発表になっている方によりますから、非常に強烈な反応が出たのは、ご承知のように地銀協の寺澤さんからすぐに即時に出ましたけれども、それ以外はあまり大きな声でおっしゃっていないんですね。オリジナルに原則として賛成はできないということは皆さんおっしゃっている。私どもそれは承知の上で、やはりお互いに連携し合って背中を向け合って仕事をするより、お互いに手を携えて地方のため、あるいは社会のためにやるという方法がたくさんあるはずじゃないですかと、それを実現するというのは我々の責務ではないかと、正直言って思っています。その方向でやりたいと思っています。
 ご批判があることは十分承知しておりますけれども、やはり何もトライしないで、それで頭からだめ、ということで日本の金融業界はそれでいいのかなという気がしているということです。
【記者】
重ね重ねで恐縮ですが、ゆうちょ銀行の運用のところでちょっとお聞かせいただきたいんですけれども、限度額の引き上げの拡大の中でも、例えば地域金融機関の業界団体であるとかが、ゆうちょ銀行は預金を増やしても融資に今の現状回せないと、で、詰まるところ、地方創生にもつながらないのではないかというような意見はたくさん出ていたかと思うんですけれども、あるべきゆうちょ銀行の運用の仕方の中で、地方にお金を環流させる仕組みというのがですね、社長の中でどういうアイデアがあるのかというのをもしあれば教えていただきたいんですけれども。
【社長】
その話を全部しゃべっちゃうと、新聞さんにはよろしいかもしれないけれども、相手先が困りますので、いろんなお話を、いろんな方々としております。現実に何とか方向付けが決まりそうな話もあるんですけれども、それには今年の夏までは少なくともかかるだろうと思いますね。その間、何をやるかということはいろんなことの可能性をやはり最初から先入観を持たないで、お互いに追求してみようよ、という形でお話を進めさせていただいているところがあるというのが事実ですし、それを実現していきたいと思っています。ちょっと中身の話はね、機微にわたる話ですから、無理です。すみません。
【社長】
どうもありがとうございました。