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2015年1月28日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2015年1月28日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

【社長】
どうも寒いところ、お見えいただいて恐縮です。あまり特別なことはないので、簡単にまず私の最初のお話をさせていただいて、それから後はご質問を受けたいと思っています。
 まず、今回の年末年始の業務繁忙期におけるゆうパックと、それから年賀、この業務運行の状況につきましては、12月14日にご記憶のとおり衆議院議員選挙が実施をされまして、日本郵便としても例年以上に万全の態勢で臨んだ結果、天候不良などにより一部の地域で半日から一日程度の遅れが発生しましたけれども、郵便とゆうパック、そして年賀はもちろんのこと、衆議院議員選挙に伴ういろいろな書類についても順調な業務運行を確保できたということであります。
 ゆうパックについては、12月期では前年を約13.5%上回る約6千7百万個をお届けすることができました。また、年賀につきましては、元旦に、前年を若干下回ったものの約18億1千万通を配達いたしました。これは対前年では98.8%、2千2百万通の減ということであります。年賀状を楽しみにしていただいている皆さま方にも喜んでいただけたものと確信をしておりますが、改めて日本郵政グループの社員の皆さん方の頑張りには感謝を申し上げたいと思います。
 また、年賀葉書の販売につきましても、昨年の販売枚数を約1億枚下回り約29億8千万枚になりました。今年は昨年に引き続き、更にlineなどのSNSの利用だとか、あるいはARだとか、いろいろな珍しい取り組みをし、皆さま方にも記事としてお取り上げいただきまして大変ありがとうございました。おかげさまで、スマートフォンを活用した年賀の差し出しは前年の2倍以上、対前年では214%と確かな手応えを感じることができました。今後の年賀葉書の販売のヒントになったと考えております。
 それから、ご記憶のとおり、年賀につきましては、不適正営業についてのご指摘がありましたが、今回は特段の問題があったとは聞いておりません。私どもとしては、押し込みあるいは強制的な買い取りその他をしないようにという指導を、今回は前半からやっておりましたので、その成果が出たものと思っております。
それから、もう一つの話題は、ミャンマーとベトナムにおける日本型の郵便システムの導入について申し上げたいと思います。
 まず、ミャンマーにつきましては、総務省からの委託を受けまして、昨年5月から合計で6回に亘って専門家を派遣しまして、派遣日数は、延べで160日を超えております。郵便の確実な取集と配達の徹底、それから作業マニュアルや内務オペレーションなどの整備を行いまして、ヤンゴン中央郵便局の窓口カウンターや郵便局内のレイアウトなどを改善、更にはヤンゴン、マンダレー、ネーピードーこの三つが大都市なわけですけれども、その3都市間における書状と速達郵便物の送達日数がほぼ1日短縮をされるということが確実になっております。
 次に、ベトナムにつきましては、郵便に関する品質管理や職員教育につきまして、日本郵便がコンサルティングを行うこと、及び本年3月末を目途に日本郵便とベトナム郵政との間で契約を締結することについて、1月16日に基本合意をしたものであります。
 こうしたことは、現在の日本の郵便システムの更なる発展のためにも必要と考えております。実は、この2カ国に限らず、要請があればどんどん実施していきたいと思っておりますし、それ以外の国からもいろいろな意味での支援あるいは指導、そういうもののご要請がありますので、それには前向きに応えていきたいと思っております。
 冒頭、申し上げようと思ったのは、その2件でございます。
【記者】
幹事社です。昨年末に日本郵政としての上場計画を発表されましたが、上場して企業価値を向上するためには、これから発表する中期経営計画が大事だと思っております。まだ策定中だと思うのですが、日本郵便の収益改善とか、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の成長のために、どういった考えでその計画を策定していくのか、今の時点での考え方というものを教えてください。
【社長】
大変難しい質問と申し上げざるを得ないのですけれども、基本的にはですね、現在の、特に金利の問題等を考えると、収益の見込みというものが私どもが最初に想像していたレベルにまで到底達しておりません。それで、それについての見直しをしっかりとやり直して、それで中期経営計画を作っている最中ということで、まだ最終的な数字はでき上がっていないということでございます。これで、例えば中期経営計画で掲げておりますゆうパックを5億個であるとか、ゆうメール40億個を獲得の達成については、まずできると確信しておりますけれども、損益の向上だけではなくて、生産性の向上も同時に組み合わせてやっていきたいと思っております。
 それから、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、先ほど申し上げたように金利の影響が非常に強くて、それに対応してどのような形にしていくかということについての工夫その他もしっかりと見直しをして、そして、できる限り3月末と言っている中期経営計画発表の目途につきましては、それをキープしたいと思っているのですが、もしかすると4月までずれ込むかもしれないという状況であります。それと同時に、この中期経営計画そのものだけで上場準備が完成するわけではありませんので、その中期経営計画をベースにして、それから先の将来に亘って新しい事業その他、どのような構想が考えられるかということも入れた形でエクイティストーリーを作らなければいけないと思っています。
 しかし、現状、非常にこの中期経営計画が作りにくい状況というのは、それぞれの金融機関が非常に苦労しておりますように、大変な金利の安さでありますから、来年のことを予想するのに、来年の予想というのはやはりリーズナブルな形での予想でなければいけないだろうと。それを前提にすると、なかなかきちんとしたものを作るのは難しい。しかし、上場時期については、これまで申し上げてきた来年度半ば以降の上場を目指しております。世の中、何が起こるかわからない時代ですから、差し当たってどのようにしていくかということは、その都度考えざるを得ないことは事実であります。
 それで、全体のグループ戦略を、先ほど申し上げたエクイティストーリーという形で作り上げるわけですけれども、投資家の、ステークホルダーのそれぞれのお考えもある程度探りながら、しっかりと企業価値を適正、あるいは適正以上に、我々の希望としては評価をしていただきたいと思っております。
 何かあまり答えになっていないのですが、こんなところですね。
【記者】
労働組合が、連合の統一の春闘の方針に沿ってですね、今年の春闘で2%程度、月6,000円位のベースアップを要求したいという、どうもそのような方向のようですけれども、一方で、今おっしゃったように、日本郵便というのは非常にまだ収益改善という非常に重要な課題もありまして、そういうのも鑑みてですね、まだ決まったわけではないのが前提ではあるんですけど、この2%の数字というような考え方について現時点でどのようにお考えか、お聞かせください。
【社長】
現時点で言えば、簡単に言えば、足元の事業実態からみれば、かなりかけ離れた要請だと思います。正直なところ、私ども現在見えている範囲での損益状況から言えば、その6,000円、それから4.3カ月、どうも組合の方からそのようにおっしゃったらしいんですけれども、とてもとてもその数字を丸のみできるような状況には会社の経営はなっていないと言わざるを得ないと思います。
 しかし、実際、組合からの発表というか、内報はあったのだと思いますけれども、まだ組合自体も最終的な要求のレベルについては決めていないと伺っております。中央委員会を開かないと、最終的な春闘の目標というのは決まらないということですから、それが決まって、それで、それから、やはりまた夜を徹して、お互いにいろいろどこまでやれるのかということで話をすることになると思います。現状では、私ども、今回の春闘はそう甘く見ているわけではなくて、大変に世の中の全体の動きが、企業によって損益の状況がまちまちであるということをバックグラウンドにして、同時にアベノミクスを何とか成功させたいということもよくわかりますので、理解はするけれども、実現することについての私どもなりの困難があると言わざるを得ないと思います。
【記者】
ありがとうございます。
【記者】
先日、ヤマト運輸がクロネコメール便をやめるという考えを、結局、発表しましたけども、これがゆうメール等ですね、日本郵便の事業に与える影響について、ビジネスチャンスなのか、あるいはただでさえ厳しいと言われている中で大変になるのか、現時点でどのようにお考えになっているのかお聞かせください。
【社長】
そうですね、あのご発表そのものが具体的な数値がそんなにはっきりしてない部分もありますので、私どもとしてすぐに評価しにくいのですけれども、恐らく、おやめになる部分と、それから力を入れていく部分をはっきり区分けして、それでおやりになるのだと思います。というのは、小口の個人の部分というのは非常に手間も掛かかるし採算が良くない。一方、バルクで発送するものについては、これはやはりできる限りそれを受けていく形になさるのだろうと思いますね。それで、価格レベルについても、まだきちんとした発表はないのですけれども、私どもの今のゆうメール、あるいはゆうパック、新しい企画いろいろやっていますけれども、その価格と比較して現実にどうなっているかというのがはっきりしない限りは、ちょっとコメントしにくいと申し上げざるを得ないと思います。
【記者】
同じ関連の質問で、ヤマト運輸がやめる理由としても信書の取扱いについて一定のお考えがあってということを理由に挙げていましたけど、信書を現在の形でやっていくことについてですね、社長なりのお考えを一言ちょっと伺えればと……。
【社長】
これはですね、信書についての定義もはっきりしておりますし、それに基づいて、現在の信書の規制というのは、私どもが決めたものではなく、これは総務省で最終的に決めて、もう既に発表されている部分ですね。ですから、その部分について、岩盤規制の一部になっているという評価をされているような記事も見受けられますけれども、岩盤規制というもののカテゴリーの中に私どもの信書の範囲というものが抵触するとは正直言って思っていません。
 というのは信書そのものを、一般の信書、これは全面的に私どもが今やらせていただいておりますけれども、これは、新規参入は受け付けてはいるけれども、いまだに新規参入をするとおっしゃったところはありません。そういう意味では、私どもは現在の規制そのものの、私どもに今課せられているいろいろな義務ですね、やはり信書と言われる中で、普通の手紙や葉書みたいなものだけではなくて、三種、四種と要は社会福祉的な、あるいは社会貢献的な部分も多く含んでいる。それともう一つは、法で決められている郵便局のユニバーサルサービスというものがあります。これは、他に対抗のところがない以上は、我々としては経済的な理由だけでネットワークを縮小することはやらないと法的には義務付けられている。その分のカバーを考えるならば、現在の規制というのは、かつかつで我々としてはやっていける範囲だなと正直言うと思っておりますので、ご承知のようにずっと、今回の消費税の前まで、十数年に亘って一度も値上げをしたことはありませんし、今回の値上げも消費税分だけの値上げということで、あくまでも物価の安定には寄与している。それが、もっとどんどん上げるという、私どもの手取りを増やすような方向に行かないように私どもの社会的な責任としてしっかりとやっていこうと思っていますから、よろしくご理解いただきたいと思います。
【記者】
ありがとうございます。
【記者】
冒頭のご発言にありましたですね、エクイティストーリーの話ですが、中期経営計画の見直しをできれば3月までにとありまして、それとは別に、エクイティストーリー……。
【社長】
別ではありません。サブスタンスのある数字というのは、中期経営計画の今回の見直しで一つベースができます。それから、エクイティストーリーというのは全体の上場に当たって、将来に亘ってどのような事業展開を考えているかということをわかりやすく投資家の方に説明をするためのものです。ですから、そういう観点が少し違うので、長期的な、そして将来を含んだものというのがエクイティストーリーになると思っています。ですから、性格的に違うのだと。それで、そちらの方は、今のこちこちに作らなければいけないような現状の経済状況だけを基にしたものと違った自由な発想をある程度入れたものに、信頼いただけるものにしていきたいと思います。
【記者】
もう1点、上場に向けて取り組むことの一つとして、ガバナンスについてのお考えを聞かせていただきたいのですが、御存じのように、コーポレートガバナンスの強化というのが現在、日本には課せられていて、着々と進んでいるわけですが、日本郵政のガバナンス上の課題というのを、現時点において、社長はどのようにお考えなのか、お聞かせください。
【社長】
そうですね、現状において私どものガバナンスの基礎になる取締役会の構成その他については、模範的なものがそれぞれの会社でできていると思っている、模範的なというのは、少なくとも社外取締役の方、それがクオリファイされた方々が半分またはそれ以上占めた取締役会構成をつくり上げているという意味でですね。コーポレートガバナンスは一番大事な部分ですし、投資家の方々に説明する場合でも、はっきりと、それについての対応は、今のコーポレートボードのストラクチャー以外の部分についても、きちんとしたものを作っていきたいと思っています。
 実際に、ガバナンスについてのいろんな検討あるいはコンプライアンスの検査、監督、そういうものについては、法で決められている以上のシビアな体制を敷いておりますので、あまり心配はしておりません。
【記者】
今のエクイティストーリーの質問の追加ですけれども、今、自由な発想で、今後、エクイティストーリーを考えていくとおっしゃって……。
【社長】
自由な発想というと言い過ぎかもしれませんね。
【記者】
例えば、どのような発想、アイデア、これまで参入していなかったビジネス、まだみんなが想像だにしていないような展開、そういったものが今、西室さんの頭の中におありか、教えていただければ幸いです。
【社長】
頭の中を解剖すればいろんなものが詰まっていると自分自身では思っていますし、いろいろ検討も続けております。それで今、エクイティストーリーと申し上げた理由は、恐らく、その仕込みで頭出しがある程度できないと誰も信じてくれないだろうと思いますので、一部、最近、細かいいろいろな提携だとか盛んにやっておりますけれども、そういうものを積み重ねながら、実際に我々の目指している方向というのは、現状からもう少し先のところまで考えたものであるということで、作っていきたいと思います。
 別に、空想の物語を作ろうとしているわけでは全くなくて、リアリティーのあるものを作るためには、それなりのエビデンスが必要だと思っています。が、中期経営計画には、全てを盛り込むことはできないし、引き続き成長戦略を検討していく中で、やはりいろいろな新しい動きを、私どももせざるを得ないし、していく必要があると思っています。
【記者】
例えば以前、西川社長が当時ですね、カードビジネスだとか証券ビジネスといったものも視野に入れていかなければいけないということを就任の時にインタビューでおっしゃった、そういう記憶があるのですが、そういったものはお考えの中に。
【社長】
カードローンや住宅ローンの本体参入については、認可申請しておりますが、現在、全部ペンディングになっております。ですから、それを、現在はっきりとした認可が得られていない状況で、それについての夢を語るわけにはいかないというのが現状のポジションです。
【記者】
証券業についても、今のお話のとおり……。
【社長】
さて、これは難しいご質問ですけれども、証券業そのものに進出するのかというご質問でしたら、これは申請を出しておりませんが、いろいろなことを可能性として考えていきたいと思っています。
【記者】
それは、軸になるのは貯蓄から投資へという。
【社長】
大きな意味でのトレンドはそういうことですね、はい。
【記者】
今、一部、提携等で証券に参入していらっしゃると思うのですが、商品という点ですね、もう少し、広い意味での証券業というものを、ジャパンポストグループとして営んでいくというお考えがあるという……。
【社長】
そうですね、本当はその部分についてもきちんとした絵が描ければ良いのですが、現状で認可のないものについて話をするわけにいかないものですから、そこについての制限はあります。ただ、いろんなことを考えていることは事実です。
【記者】
春闘についてなんですけれども、先ほど、ベア6,000円、4.3カ月の一時金、なかなか水準の高い玉だと思うのですが、一方でちょっと、意地の悪い聞き方なんですが、例えば、ベアを見送った上で、年間一時金は前年度据え置く、実質のゼロ回答というのは可能性としてあり得るんですかね。
【社長】
さて、これは交渉の結果がまず第一。さっきおっしゃられた4.3カ月、それから2%のベースアップということすら、まだJP労組から正式に聞いていない状態ですから、ここでそれが出てきたらという、例えばの質問にはあまり答えにくいので、勘弁してください。
【記者】
日本郵便を中心に、支社本社でも、女性の働き方の勉強会みたいなものを随時開催していらっしゃるようですけれども、そのことが、企業価値向上に向けてどのようにつながっているとお考えでしょうか。
【社長】
そうですね、今日の新聞を拝見していたら、どこかの新聞で三井住友フィナンシャルグループの奥会長が、これはマネジメントの決心次第で女性の活用についてはもっと進歩できるんだと。それで、それをやるかやらないかがマネジメントの方向付けによるのだというおっしゃり方をしておられましたけれども、正しいと思います。
 私ども、まずは、あまり脆弱な形をとるよりは、しっかりとした、地に足がついたような女性登用をさせていただきたいと。女性の登用について、大きく下駄をはかせて、無理してどこかのポストに登用をするというようなドラスティックなことは、現状では考えておりません。これから更に、政府の方針の発表も多分あるでしょうし、基本的な方針がはっきりすれば、それは、コンプライアンスの一部になりますので、差し当たって私どもはそういう意味では中小企業並み以上のことはできるけれども、それ以上、それより先の野心的なことをすぐにやるような計画は持っておりません。
【記者】
二つありまして、一つが、先月聞きそびれたんですけれども、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式の売却、50%程度を当面目指すというところが、51%と50.0%では随分意味合いが違ってくるところがあると思うのですけれども、この着地点というのは、どちらを意識されているのですか。
【社長】
これは、50%を超えると考えていただいて。ですから、今おっしゃられた対比では、51%の売却ということになりますかね。そちらの方を目指してということです。しかし、法律の解釈そのものについて、疑問はあまり持ってないのですけれども、50%以上を売却すれば届出制になる。50%で認可制になっているものを届出制にするというステータスになると、こう書いてありますから、そのステータスまでは、やはりしっかりと株を公開していくということの方が大事だと思っています。
【記者】
もう1点。ゆうちょ銀行のATM、27,000台位あって、大きな財産だと思うんですが、海外発行カードにも対応していて、今、セブン銀行とゆうちょ銀行だけだと思うんですけれど、それで、メガバンクとかもですね、これから対応できるようにしていきましょうというような方針が出つつある中で、これからある意味、競争が激しくなる分野でもあるのかなと思うのですが、既にリードしている立場として、これからどのようなことが考えられるのかというのをお聞かせいただきたいのですけれども。
【社長】
現状では、メガバンクがいつまでにというのは、いまだに全銀協も発表していないんですよね。ですから、いつになるのかよくわかりませんけれども、私どもとしては、これはATMをご利用いただいている立場から言えば、当たり前のことをやらせていただいているだけの話で、世界の他の国で通用するようなカード、それが受け入れられるようなものが、何とかおかげさまで私どもとしてはできておりますので、それは一つの柱として大事にしたいと思っています。これから先も、ATMについては、お手伝いをして欲しいという会社もありますから、そういうお手伝いは労を惜しまないつもりです。
【記者】
先ほどお話しされた新規事業というところで、まだ申請をしていないものを含めてというところの縛りと、あとはエクイティストーリーで夢というか、将来を語るというところの難しさが、卵が先かひよこが……、鶏が先かではないんですけれども、50%以下まで出資比を減らさないと新規事業はなかなか難しい。一方で、新規事業というのは、具体的に成長が見えないと株式を売るに当たっても、という形で、どっちが先かというのはなかなか、難しい状況なんですが……。
【社長】
そうですね、今の比喩の仕方で、あるいは言い間違いになられたかもしれませんけれども、卵とか、ひよこと鶏と、こうおっしゃられましたが、これが一番正解だろうと思うんですよ。というのは、鶏になっていく可能性のあるような、ひよこになりたくて夢だけ語っても、誰も信じてくれないだろうと。それで我々が今の規制の中でやれる範囲で、ここまではできるということは、それぞれ実施をしていかないと、我々の将来についての考え方というのはわかっていただけないだろうと。ですから、さっきの鶏と卵とひよこでは、ひよこを少しは産んでみせないと、皆さん方に信じていただけないだろうと思っております。
【記者】
1点だけお願いします。エクイティストーリーの方で、かなり具体的な数字も入れてという話が出ていたと思うんですけど、逆に言うと、3月の中期経営計画の段階ではどういったものが出てくると……。
【社長】
まず、サブスタンシャルな現状の、現在の経済状態から推計をして、それでこれから3年間を見た時に、どんな形まで我々は努力してやっていけるのかということを出す、それが中期経営計画のしっかりしたものだと思います。
 それから、エクイティストーリーと言いましたけど、目論見書に記載するもの、それについては、それよりももっと膨らませて、信頼の置けるようなエビデンスがある程度、ひよこの段階のものが出ているということを中心にして、成長戦略を検討する必要があるだろうと思っています。
【社長】
あと一つ、ヤマトさんがおっしゃったのかもしれませんけれど、岩盤規制を私どもは実は守っているという認識がないものですから、表現の仕方としては、もう少し違った言い方があるのかなという気がします。
 ヤマトさんは、簡単に言えば、非常にいろんな問題があるので、一番経費が掛かる部分についてはやめて、経費の掛からない大量のものに集中するというようにも読めるんですよね。これはもう明らかに作戦の転換だと思います。作戦の転換のターゲットは私どもだと思っております。ですから、これについては、価格体系、あるいは対応の仕方をよく見せていただいた上で、しっかりとした対応をさせていただきたいと思っています。
【記者】
さっきのひよこの話なんですけど、きっと鶏というのは、今、申請しているような新規業務でなかなか難しいもののことも含むと思うんですけど。
【社長】
そうですね。ええ。
【記者】
ひよこだと、例えば、新規業務の申請を改めて、何ていうんでしょうかね、やりやすいような新規業務の申請を新たにするということも含まれていると考えてよろしい……。
【社長】
ええ。申請が必要なものは、すぐには認可が出ないと思いますから、申請をすることができるものがあるならば、その申請はやります。今ペンディングになっているものを今更改めて、早いところ住宅ローンをやりたいとか、あるいは私どもが中心になってのローン、融資をやりたいとか、そのようなことをもう1回繰り返すつもりはありません。我々はきちんとお預けして、それで、それはやはり法的に言えば、クリアになるのは50%以上の放出ということですから、そういう意味では、アベノミクスの具体的な成果として、私どもの上場は取り上げていただけると信じているのですけれども、なかなか時間が掛かったものですから、そこまで考えていただけないような気がして、極めて寂しい状況であります。
【社長】
はい。どうもありがとうございました。