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2014年9月29日 月曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2014年9月29日 月曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

【社長】
今日、急に皆さま方にお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。本当は先週中にと思っていたのですけれども、やはり最終的に私どもが今日発表させていただく重要案件の認可が出ましたのが、午前11時ということになっておりますので、改めて皆さま方のお集まりをお願いしたということでございます。
 まず一番最初に申し上げておかなければいけないのは、27日の木曽の御嶽山の噴火により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被災された皆さま方に謹んでお見舞いを申し上げたいと思います。
 当グループの関係の従業員の方も、1人まだ安否不明の方がいらっしゃると聞いております。
 我々日本郵政グループとしましては、先ほども既にお知らせをいたしましたけれども、災害救助法が適用された地域の被災された皆さま方に対しては、貯金と保険の非常取扱いを実施しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
さて、本日、総務省から認可をいただきました日本郵便の増資等につきまして、お話をさせていただきたいと思います。お手元にあります「会見配布資料」というA4の紙をご覧いただければと思います。
 今回、内容は、3点でございます。
1点目は、日本郵便株式会社に6,000億円の増資を行うことにいたしました。同社は、本年第1四半期末決算の段階では、純資産が4,000億円を下回っておりまして、同業他社に比べて、自己資本比率がかなり低くなっているという状況になっております。このため、増資により、同社の経営基盤を強化するとともに、郵便・物流ネットワーク再編、不動産開発事業の展開など成長のための投資の財源を確保することとしたものであります。
 申すまでもなく、日本郵便は、私どもが経営の柱としております郵便局ネットワークの維持、地域・地方のためのネットワークの堅持ということについての中心になっていく事業でございますので、この事業の強化のための増資ということでございます。
2点目は、日本郵政株式会社が抱えております7,000億円弱の「整理資源」、「整理資源」というのは、年金の用語だそうですけども、これは1958年以前から郵政事業に携わっておられた方々へ支払う恩給相当の負担ということでございます。つまり、現在の従業員の方とは全く関係なく、過去に従業員であった方の恩給分、これが「整理資源」でございまして、民営・分社化の際に、債務全額を持株会社である日本郵政株式会社が一括して承継しておりました。
 現在もなお、7,000億円弱の債務が残っておりますので、これに相当する資金を退職給付信託に拠出することにより、オフバランス化、すなわち貸借対照表から消去するということにより、民営・分社化の際に引き継いだ債務を処理し、バランスシートを整備すると。バランスシートをきれいなものにしておくとともに、日本郵政株式会社そのもののキャッシュフローの改善を狙ったものであります。
3点目は、日本郵政株式会社が保有するゆうちょ銀行株式のうち、1.3兆円相当をゆうちょ銀行が自社株買いをするということでございます。法律上では「自己株式の取得」ということになります。日本郵政株式会社は、このゆうちょ銀行の自社株買いによって得た1.3兆円を、今申し上げました1点目、2点目に必要な資金1.3兆円、これに充当するということであります。日本郵便株式会社の増資と「整理資源」のオフバランス化のための資金に充てたいということであります。
1点目の日本郵便の増資と、3点目のゆうちょ銀行の自社株買いにつきましては、9月30日付けで実施することにいたしました。この二つにつきましては、お手元に両社からのプレスリリースがあると思いますので、それをご参照いただきたいと思います。
 それから、2点目の「整理資源」のオフバランス化に向けた退職給付信託の設定につきましては、速やかに信託先の選定手続きに入りたいと考えております。これを早くやらないと、どの位のリードタイムが必要か、まだはっきりわかっておりませんけれども、最終的な私どもの年度末のバランスシートをはっきりとクリーンなものにしておきたいということであります。
 日本郵政グループ内部での資本・資金の移動ではございますけれども、成長分野への投資、それから国営時代の債務処理に充てることによりまして、当グループ全体の企業価値の向上につながるものと考えております。詳細につきましては、会見の後、各社の担当の役員から説明させていただくつもりでございます。
このたびは、26日金曜日に皆さま方に既にお知らせした2件につきまして、各社それぞれお取り上げいただき、感謝を申し上げたいと思います。
 2件と申しますのは、一つは、「日本郵便とクレディセゾンとの提携」の件。これはセゾン投信株式会社の投資信託の郵便局店頭等での広告宣伝活動、または長期投資セミナーを郵便局等で開催することによって、投信市場の裾野拡大に貢献をするとともに、新たなお客さまに日本郵政グループの商品やサービスを利用していただけることを期待するものであります。
それからもう一つは、既にこれも26日にお知らせをいたしましたけれども、改めて10月3日に共同記者会見をする「日本郵便とフランスのジオポスト社、香港のレントングループとの資本・業務提携」についてですが、日本郵便が海外成長分野での収益機会を構築するに当たりまして、成長するアジア市場への展開を中心に、国際物流事業をトータルに行う総合物流企業となって、アジアで確固たる存在感を持つことを目指すものであると認識をいたしております。今回の経験豊富な海外パートナー2社との提携によりまして、新たな成長戦略の一つとして、高品質な国際宅配便サービスを提供できるということで、私どもとしても大いに期待をしているところでございます。
 本件、今申し上げましたジオポスト、レントングループとの共同記者会見におきましては、日本郵便の高橋社長及び提携先企業のCEOが出席する共同記者会見を予定しておりますので、詳細につきましては記者会見の場でご説明をさせていただきたいと思います。
 本日、私から申し上げることの骨子は、以上でございます。
【記者】
2点程お伺いしたいのですが、まず、来年の上場に向けてということで2点なんですけれども、1点目は、日本郵便は先にアフラックのがん保険や法人向け生保の取り扱いを強化・拡充する方針を示した他、日本郵便デリバリーの業務開始とか、都内での物流施設の新設など収益向上を目指す取り組みを矢継ぎ早に始めていると思うのですが、改めてどのような分野で今後収益力を高める取り組みを進めるのかというのと、あと、業務拡大すると民業圧迫だという話も出てくると思うのですが、その辺の懸念に対してどう説明していくのかというのが1点目です。
 2点目は、先程説明していただきましたけれど、年金債務等々、レガシー処理といいますか、上場に向けた過去の遺物というか、そういう処理について今後どう進めていくかというのをもし今後ありましたらよろしくお願いします。
 以上、2点お願いします。
【社長】
それでは、まず日本郵政株式会社の社長に私は昨年の6月に正式に就任をいたしました。それ以来、郵便局ネットワークと金融2社の有機的な結合を念頭に置きまして、新しい改正郵政民営化法、これに基づいてグループ経営にしっかりと取り組んできたつもりでございます。これまでも何度も申し上げてきたわけでございますけれども、この基本的な考え方は日本郵政グループの永続的な発展のために、各事業がそれぞれ自立して成長し、互いに支え合いながら新たな郵便局ネットワークを創造していく、それを目指したものでございます。本年2月に公表いたしましたグループ中期経営計画も、この方針を踏まえたものであるというのは、もう既に何度もご説明申し上げました。
 今般のがん保険の取扱局の拡大、あるいは日本郵便デリバリーの業務開始、郵便物流ネットワークの再編等々、いろいろなこういう事業展開というのは、この基本方針に基づいて日本郵便の郵便局ネットワークの基礎をしっかりとした基盤の上に置きたいということであります。
 ご承知のとおり、現在、日本郵政グループは2015年の春を目処に上場準備の完了を目指しております。来年の春を目処に準備完了を目指すと申し上げておりますけれども、今後も郵便局のネットワークの活性化に資する収益向上というのは、今まで発表させていただいたものの他にもいろいろあると思います。企業価値の向上に総合的に努めていきたいと思っております。
 それから、各施策の展開に当たりましては、例えば国内の学資保険の拡大を目指した「はじめのかんぽ」のような新しい事業展開を進めていくということで、「はじめのかんぽ」の話を少し説明させていただきたいと思います。
 実は、今朝ほどこの話をしている時に、そういえばあの資料があったから、場合によったら、皆さまに差し上げるので準備をしておいてといった資料がありますけれども、学資保険の新規契約件数と、それから件数の推移という表であります。これをご覧いただきますと一目瞭然でございますけれども、全体の市場規模というのは、1993年がピークでありまして、その時が全体で221万1,305件、それからその中でかんぽのシェアは72.1%でありました。他社の数に比べまして圧倒的なシェアを持っておりましたが、2013年直近でございますけれども、直近では市場全体の規模そのものがピーク時に比べますと25.5%に下がってしまっている。かんぽは、11.2%まで縮小したということであります。他社もそれぞれ努力をなさったと思いますけれども、私どもにしてみますと、この学資保険というのは極めて思い入れの深い商品でございまして、そもそも日本の学資保険というのは、かんぽが始めさせていただいた保険の体裁でございます。特に最近のような少子高齢化、将来に対する不安のある、そういう事業環境の中で、学資保険がやはり細くなり過ぎているという認識があって、何とかこの学資保険の改定をさせてもらいたいというのを、民営化前からかんぽとしてはお願いをしておりましたものが、ようやく本年4月2日から学資保険が改定されたわけです。その結果として、私どもは、これは10年以上にわたってお願いをしていたものでございますから、ここでこの保険が成長できないようだったら、我々の決心とそして実力を疑われるというようにも思いましたので、しっかりとした営業をさせていただいて、結果的に、ご承知のように、非常に成績は良好だということになっています。
 これは、今申し上げたように、民業圧迫ということではなくて、日本の社会のために保険の一つの形態として学資保険というものは大事だという認識から、現状で私どもは、それが実証されつつあるというような事態だと理解をいたしております。一方的な説明で申しわけないですけれども、どうも、ともすると、民業圧迫はしていません。他社の方も今回、私どもが増えることに伴って増えておられます。ただ、私どもは極めて一生懸命、この保険そのものを、学資保険という形を日本の将来のためには必要だと思ってやったと、その結果が表れているという状態だということであります。
それから、今、幹事社からのご質問のもう一つは、上場に向けての過去債務、その処理はどうするのかと。冒頭申し上げましたように、過去の恩給時代の積立不足の債務、これは今回7,000億円を使って信託にしたいという、このオフバランス化を図る、そのいわゆる整理資源という部分、これが今回の対象でございまして、1959年以降の分につきましては、現在の日本郵政グループ社員も含めまして、国家公務員共済の対象となっておりますので、民間企業の企業年金のような年金債務は他にはございません。日本郵政グループ連結の退職給付にかかわる負債というのは、本年6月末のバランスシートをご覧いただきますと、第1四半期決算で約3.1兆円ございます。これは、見方によったら年金債務ではないかと、おっしゃられるのかもしれませんけれども、今回の退職給付信託設定の対象外となる分2.4兆円というのは、現役の社員の退職金に対するものでありますので、今回の施策は、恩給時代の積立不足というものをカバーしたということでございます。これは、例えばロイヤルメールの上場に当たっては、イギリス政府は過去分については、こういう非常に古いものはもとより、つい最近のものに至るまでほとんど政府の方が吸収をしてくれたということがございますが、私どもとしては、既に引き継いでいる債務はしっかりと持ち続け、そしてそれを償却し続けますけれども、ただ、バランスシートに残すのはあまりに形が悪過ぎるということでやらせていただきたいということです。
【記者】
二つお尋ねします。最初にですね、冒頭コメントされた御嶽山のですね。
【社長】
御嶽山、はい。
【記者】
安否不明の方について、今わかっている情報を教えてください。それが1点目です。
 もう1点目は、今日午前中に開かれた郵政民営化委員会で、会議後に会見された増田さんがですね、日本郵政株式の上場に向けて、主幹事証券会社が近く決まった後に御社からヒアリングをしたいと。上場のスケジュール感ですとかユニバーサルサービスとの両立ですとか、後は日本郵政に限らず、ゆうちょ銀行株、およびかんぽ生命株についてもお尋ねしたいというお考えを披露されていますけれども、これについてどのように取り組まれるのでしょうか。
【社長】
はい、わかりました。一番最初の安否不明者につきましては、極めてプライバシーに関連することでございますので、詳細は、1名だけ、女性の方で安否不明の方がいらっしゃるということであります。それ以上の詳細は勘弁していただきたい。
【記者】
所属する会社も。
【社長】
ですから、我々のグループの従業員の話として。
【記者】
グループの女性従業員。
【社長】
はい。
 それから、増田さんのお話ですけれども、今回の私どもの資本構成の変更については、増田寬也委員長にも事前にご説明申し上げて、そしてよくご理解をいただいている部分であります。
 ただ、これは増田さんのご理解、正に正しいのですが、上場をする前に我々がやっておかなければいけないいろいろな検討事項のうちの一つとして現在の資本構成をしっかりと将来に向かって問題のないように、そして将来の成長に資するように見直しをするということについて、大筋の賛同をいただいております。
 ただ、今のお話にあったように、上場のタイミングの問題、それから主幹事証券会社をどうするかというお話、まさに今、財務省で検討しておられる最中のものですから、それが終わらないと何も申し上げられないという事情も増田さんはお分かりの上で、今言われたように、それがはっきりとしたならば、きちんとした将来計画をもっと具体的に話してもらえるんですねと。具体的に私どもも郵政民営化委員会に対してお話ししないことには、それこそ私どもとしても行動を疑われることになりますので、これはもう、もちろん、その都度、増田委員長だけでなくて、委員会に対して私どもの状況の報告をやらせていただきたいと思っております。
 したがって、ユニバーサルサービスはどのように確保していくんだという一番大きな問題、それから金融2社はどうするんだと、これも何しろ今のところ、まだ発表もできる中身がないので、中身そのものができたらすぐにお話をしますということで、ご了解いただきたいという状況でございます。
【記者】
二つお伺いします。一つ目が今日発表された資本政策のことなんですけれども、今日発表された内容で、上場に向けての準備としての資本政策で、何割ぐらい、要は十分なのかどうかということと、もう少してこ入れが必要なのかとかですね、その辺りの感覚を教えていただきたいというのがまず1点。
 それから二つ目なんですけれども、先日発表されたセゾン投信との関連、日本郵便との提携のことでですね、日本郵便の方では、ゆうちょ銀行の投資信託の販売とそのままバッティングすることはないといおっしゃられていたんですけれども、提携自体が投資信託市場に一石を投じる動きであることは間違いないように思われてですね、それにあわせて、例えばゆうちょ銀行の投信の営業戦略を見直すであるとか、あるいはグループとして投資信託の方向性についてですね、一つ統一感を持たせていくとかですね、そういうことは今後考えられるのかどうかということを教えていただきたいのですけれども。
【社長】
はい、わかりました。それでは、まず資本政策の分ですけれど、これで十分かというご質問につきましては、これで十分とは言えないかもしれないけれども、少なくとも上場の前に必要な最低限の資本政策は実施をすることができたと。当然のことながら、今、私どもの持っている大きな資産をどのように動かすか、あるいは資本政策をどうするかというのは、ずっと論議されていたところであり、私自身も着任してすぐに一番大事な部分は、本当は現状をどうやって変えていくかということ、それで中期経営計画を今年の2月に発表させていただきました。中身についてはご承知のとおり、いろいろなことが実現しつつあります。
 資本政策部分というのは最も難しい部分でありましたので、中での討議も含めて、いろいろな相談をした上で、これがやはり将来のためには一番いいだろうということで、まず上場してしまった後ではできないことでございますから、全て100%私どもが責任を負っている、これは、責任を負っているというのは国に対して責任を負っている。それは100%株主が国であるわけですから、そういう状況の中で、やれる範囲で必要なことは一応これでできたかなと思っております。
 これから先は、今度は外の株主もいらっしゃることになりますので、それはそれぞれしっかりとした株主に対する責務の履行をするのにどういう資本政策が追加で必要になるかというのは、それぞれやっていかなければいけない部分だと思っております。
 それからもう一つのセゾン投信、これはですね、ちょっと毛色が違う話です、おっしゃったとおり。まず基本的に申し上げておきたいのは、今扱っている投信はゆうちょ銀行がやっているということでありまして、それはただ、ゆうちょ銀行がやっているのは、他で組成していただいた投信のうち、郵便局のお客さまのためになるであろうという長期的な視野の安定的な収入ということをまず基本にしながら、いろいろな品ぞろえをするということができております。これはそのまま続けさせていただくというのが大前提。
 ただ、ゆうちょ銀行そのものは、投信を組成することはできません。それで、これは現状でも将来も恐らく投信を組成するという事業の方に手を出していくことについては、問題が起きる可能性がある。したがって、私どもは投信の組成を自分でやるということは越権行為だと思います。ただ、今度、セゾン投信を導入するというのは、これはセゾン投信の投信を郵便局のお客さまに直接売るということの門戸を開放したというだけでありまして、それは郵便局がお勧めして売っているということではなくて、郵便局のお客さまがお集まりいただいた所で、そこでセゾン投信が宣伝をし、そして販売をするということは、どうぞ、やっていいですよということ。これは、郵便局のお客さまが、どちらかというと保守的な方が多いので、新しい投信の形というものについて、チャンスを差し上げることができるのではないかなと、それがトータルで投信のマーケットについてもポジティブな影響があるだろうし、ということでやっているわけであります。
 ですから、性格が全く違うし、郵便局が自分でお勧めしてやるというのは、ゆうちょ銀行が扱うことを決めてお勧めしている分だけであります。郵便局のお客さまに直接セゾン投信がおやりいただくということは、一つの大きな刺激になるだろうということで始めたわけでありますので、全く性格の違う話でございます。
 何か込み入って申しわけないのですが、まさかゆうちょ銀行がそれをやるわけにはいかないでしょう。そしてまた、郵便局のお客さまは、いろんなお客さまがいらっしゃるから、殊に若い世代の方の関心というのは、恐らく、今、非常に関心を引いているセゾン投信の投信ですから。それに接する機会を提供することができるというだけの話です。
【記者】
まだこれから発表だと思うんですけれども、中間決算の数字もおぼろげながら、何となくにわかに見えてくる頃だと思うんですけれども、何か社長の耳に入られていることで、金融関係でもっとこうした方がいいとか。
【社長】
そうですね、中間決算、まだ最終的な数字が上がった状態にはなっておりませんけれども、いろんな話を総合すると、やっぱりもう少しやれたのではないかということが、それぞれの会社の反省点だったろうと思います。ですから、9月末よりはいい成績を来年の3月には出せるようにみんなで努力をしようと。これは、郵政グループの各社だけではなくて、郵政グループの従業員の方々も、恐らく、そんな感触をお持ちじゃないかなと。もっといい数字にして、それで上場につなげて欲しいという話になるだろうと思います。いろんなキャンペーンその他も始めておりますけれども、そういうものの成果をしっかりと刈り取りながら、頑張っていかなければいけない。これは従業員の方々も含めて、マネジメントとしても、来年3月の業績については、これが最初の上場に当たっての業績になるわけですから、それはしっかり見据えなければいけないと思っております。
 それで、ついでに申し上げると、中期経営計画、今年の2月に出させていただきました。これが今の数字のベースになっております。それで、これはその時にも申し上げていますけれども、ローリング方式でありますので、今年の2月、3月にはローリングした後の中期経営計画というものをお見せできるかと思います。その中には、新しい施策やその他もいろいろ入ってくると期待もしておりますし、それをやらなければいけないと思います。
【記者】
はい。貯金の3月までの中期経営計画中の目標というのは。
【社長】
現状で申し上げられるのは、目標として中期経営計画に掲げた分、それは何とか達成するだけではなくて、そのもう一歩上を何らかの形で達成できればと思っていますけれど、今はまだそれを申し上げる時期ではないし、9月からキャンペーンもいろいろ始めておりますし、その成果を見ながら、更に必要があれば追加の施策も打っていかなければいけないと思っております。ご承知のように、金融の環境、決してよくないんですよね。もうそれこそ金融機関の収益の問題については、むしろ社会的な問題と言っていいような状況でありますから、例えその中でも私どもとしては、中期経営計画に入れたものは必達できるように頑張っていきたいと思っておりますし、それよりも上を狙いたいというのが本音でございます。
【記者】
二つ前の質問のお答えをもう一度確認したいんですけれども、今回の資本構成の変更というのが、まだ十分でない部分もあるかもしれないというお話でしたが、上場までのタイミングで、要は株主が一人しかいない時の状態の中で、もう一段踏み込むという可能性はあると考えておいていいのかということを、一応、もう1回聞いておきたいのですが。
【社長】
非常にきつい念押しなんですけれども、正直言って、私、現在のところで、もう一段の変更が必要だとは考えておりません。ただ、世の中は、何が起こっても不思議ではないような世の中ですから、そのようなことが起きた時には、それにかかわらず対応せざるを得ない。殊に金融関係の状況というのは、しっかりと見据えながらやっていかなければいけないと思っています。基本的には、これが上場前最後の資本構成の変更と考えているということであります。
【記者】
分かりました。あと、もう2点あるんですけども、そこのバランスシートへのオフバランスの反映というのは、今度の中間期というのは間に合わないものなんですよね。
【社長】
中間期はですね、なぜ今日やっているかというと、中間期のバランスシートを作成した時に、少なくとも中間期でこういうことが将来起こりますということが書き込めるようにはしておきたい。それとともに、これをオフバランスシートにするために信託にする、信託にするためにはどこの信託会社にお願いするのか、どんな形にするのか。それは具体的なものは、これは入札でやらなければいけないと思います。それは時間が掛かるのですね、結構。それを実現するには数カ月必要ですから、今期の末には決めておいて、そして来期のバランスシートには、この分については注記の形できちんと入れられる、場合によったら、きちんと形が決まれば、第3四半期の決算のバランスシートは新しい形になるかもしれないし、そこで間に合わなければ、少なくとも来年の3月のバランスシートにはきちんと反映したい、そういうことです。
【記者】
分かりました。
 あと、もう一つだけ。今回の資本構成の変更を受けて、これから上場を控える中で、投資家の皆さんへの何か判断材料が一つ増えたとは思うんですが、投資家の皆さんへの、どういった影響を期待しているのかを教えていただけるとありがたいです。
【社長】
なかなか、まだ上場そのもののスケジュールも中身も決まってない状況で、そこまで申し上げるのは難しいのですけれども、我々としては、トータルのグループ全体の資本の形の姿としては、この形の方が投資家の方々にも説明しやすいし、安心感をいただけるようなものである、そう思ったので一生懸命やっているわけです。
【記者】
今回のこの施策を終えた後の、ゆうちょ銀行の自己資本比率というのはどれくらいになるのかというのを、もしわかれば......。
【社長】
自己資本比率ですけれども、現状で53.8%のものが、今度の自社株買いをやることによって46.4%に下がります。46.4%でも、結構高い自己資本比率だと思います。
 それで、あと、そうですね、2014年度のROEは、2.1%が2.4%台に、コンマ3ポイントくらいは結果的にはよくなる見込みということです。よくするというのは本当に意味があるのかどうかという問題、もう一つあるんですけれども、それは別として、結果は今、申し上げた数字です。
【記者】
やはり一般の金融機関に比べて、非常に自己資本比率が高いと思うんですけれども。
【社長】
そうですね。はい。
【記者】
それに関しては、どのように思っていらっしゃるのか。
【社長】
おかげさまで、いろいろな規制を頂戴しているものですから動きが鈍くなっているので、結果としてそういうことになっておりますけれども、やはり我々としては、もっと我々の力を発揮できるような資産運用の仕方というのは、当然、考えていかなければいけません。しかしながら、今、すぐにそれをやるということは現状では全く考えていないし、しかも現状で規制があるものは規制があるという前提で皮算用をするので、どれがなくなればどうするということを一々皮算用をやっても仕方がないので、それよりは現状は粛々と、何が起きても安全確実な資産運用をしている金融機関として、極めて大きな規模の安定感のある金融機関がここにいますということは、国民全体の経済のためにも安定感が提供できると思います。
【記者】
近く、財務省の方で上場に向けた主幹事証券会社の選考がありますけれども、改めて指名ということで、上場に向けた、今日もいろいろ政策を発表いただきましたけども、スケジュールも含めまして、今後の見通し等をお聞かせいただけますか。
【社長】
そうですね、今後の見通しは、正直言うと財務省に聞いてくださいというお話なんですよね。非常に簡単に申し上げれば、今、本当に検討中であって、確かに10月に入ってからの決定になると思いますけれども、主幹事証券会社を選定するということがまず終わって、それで、その主幹事証券会社が指名された後で主幹事証券会社と一緒に、いろいろなこれからの上場の問題というのを決めていかなければいけない。主幹事証券会社が決まったら、私どもの方から主幹事証券会社にはああしてもらいたい、こうしてもらいたいと、いろんなことは言いますけど、その前にここで発表できるようなものは一切持っていません。すみません、何もなし。
【記者】
マーケットで、足元で株高、円安というのが進んでいまして、金融2社、ゆうちょ銀行、それからかんぽ生命、いろいろポートフォリオの変更というのがどういうふうに、より積極的にJGBを増やしていくとかですね、そういったことをお考えでしょうか。
【社長】
現状では、もちろんもうすぐ来期になるわけですから、それでALMをどのように考えていくかという基本的な方針についての討議はしております。しかし、今回のALMの設定について私自身が考えているのは、ここで決めるけれども、これから先のボラティリティーを考えると、どのように変わるか分からないので、それはしっかりその都度、きちんとした見直しをしながらやっていかざるを得ないということで、それで大きな意味で、現状で従来と大幅に変わるという形ではございません。逆に言えば、大きな変更はしないつもりだけれども、その場その場に合わせた変更は、きちんとALMを考えながらやっていきますよということだけ申し上げたいと思います。今ですら、もう決まっているALMのやり方というのは、従来と大幅に変わるものでは全くありません。
【社長】
どうもありがとうございました。すいません、急にお呼び立てして、ありがとうございます。それじゃ、失礼します。