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2014年6月25日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2014年6月25日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

【社長】
皆さん、こんにちは。今日は1日かけて、日本郵政の株主総会と取締役会、それから、午後にゆうちょ銀行の株主総会と取締役会をそれぞれ開催しました。その間に、私どもが決議した取締役の選任について総務副大臣から認可書の交付を受けました。
本日、日本郵政とゆうちょ銀行の株主総会で、取締役を確定し、それと同時にそれぞれの取締役会で執行役の選任を行いました。具体的な内容についてはお配りの報道資料のとおりであります。
個別の方々の選任理由については、解説は差し控えさせていただきたいのですけれども、ご質問があれば、もちろんお答えします。日本郵政としては、一部若返りを図るとともに、女性活用の観点から、新たに女性の執行役1名を選任しました。これで、上場に向けての体制が図れたと考えておりますので、当分の間このメンバーでやっていくということです。
それから、2つ目の話題は、かんぽ生命が4月2日に販売を開始した新学資保険「はじめのかんぽ」について、前回の会見でもご質問があり、関心が高いということはよくわかっておりますので、その契約件数についてお話しをしたいと思います。
契約締結ベースの確定数としてご契約いただいている件数はかんぽ生命のホームページに公表しております。「はじめのかんぽ」の4月の契約締結件数は約5万7千件で、昨年、2013年の4月の契約締結件数が、約1万7千件でしたので、今年の4月はその3倍強のご契約をいただいたということです。
かんぽ生命の保険約款の改定というのは、民営化以前からこれでいいのかという問題意識を持っていましたがようやく今年になって4月2日に新学資保険の発売になったという意味では、相当、お待たせしたということだと思います。「はじめのかんぽ」の販売開始ということで、キャンペーンを十分にやらせていただいたと思います。
また、もう1つは、この10年位の間に、学資保険市場のトータルのサイズがどんどん小さくなっていって、しかも、かんぽ生命については、他社よりももっと激しく減っているという状況だったのです。それで、私どもとしての今の考え方は、確かに4月の実績も良いし、これから先もできる限りのことはやらせていただきたい。これは、私どものシェアを他社から取っていくということではなく、本来、学資保険というものは、これから先の社会の安全・安心、殊に少子化の対応という意味では大事な保険であるはずなのですが、それが、私どもの努力不足というと、少し言い過ぎなのかもしれませんけれども、注力の仕方が少なかったということは否めない事実で、その結果として学資保険のマーケットそのものが小さくなってしまったということが現実なんですね。やはりこれから先の少子化の全体的な趨勢から考えても、この部分のカバレッジというのは安全・安心のためには大事な部分であろうと。ですから、私どもが先頭に立って学資保険が大事なものであるということを、いわば、もう1度、皆さま方、一般の親御さんたちにお考え直しをお願いして、学資保険のマーケット自体をもっと大きなものにするべきだと、私どもがその先頭に立ち、小さくなってしまったマーケットの中で、シェアを争うためにやっているというよりは、むしろ、マーケットそのものを大きくすることが社会のためになるんだという考え方で、やっていこうと考えております。
4月、5月は非常にハイペースで、少し良過ぎたと思いますけれども、お待たせしたという部分を含めて、これから件数的には減少することがあるかもしれませんけど、やはり、大事な保険だという意味では、しっかりと注力していきたいと思っておりますので、その点、ご理解いただきたいと思います。申し込み件数ベースでは今年4月が7万6千件、5月が6万9千件、相当なハイペースだと思います。これを何とか続けていきたいということであります。
以上、株主総会、取締役会、役員異動の話と、それから学資保険の話、この2つが、私から皆さま方にお話をしようと思ったものであります。
以上です。
【記者】
幹事社です。よろしくお願いします。2つ、幹事社からお伺いします。1つは、毎月繰り返して恐縮なんですけれども、日本郵政及び金融2社の上場の見通しについて、6月5日の財政制度等審議会で主幹事証券会社の選定基準が示されたということで、また一歩進んだということになると思うんですけれども、それを受け、改めて、日本郵政と金融2社の上場の見通しについて教えてください。
もう1つ、ご質問を申し上げますけれども、先般、日本郵便のクレジットカード、カード決済業務の提携状況について、三井住友信託銀行との提携という報道もありましたので、検討状況と狙いを含めて、教えていただけますか。
【社長】
はい。わかりました。最初の上場の見込みですけれども、確かにおっしゃるとおり、6月5日に財務省の財政制度等審議会の国有財産分科会で、これからの進め方についての答申が出されて、これをベースにして、今、財務省の理財局を中心に検討を始めたという状況であります。
私どもももちろん無関心でいるわけでは全くなくて、今回の役員の交代その他も来年は何とか上場しようというつもりでの人員の入れ替えもやっているわけですが、実際に今、特定的なご質問として出てきたタイミングの問題、これは正直言ってまだはっきり申し上げる段階にはないと思います。それと同時に金融2社の上場の件についても、これから、まず親会社の上場についての相談をし、それを基にしながら同時に、日本郵政として金融子会社をどのように組み合わせていくのか検討することになりますが、現時点では成案ができておりません。したがって、タイミングの問題も、それからどこまで上場するのかという話、これは実際に何%の株をIPOするのかということもまだ全く決まってないわけで、それも含めて、財務省ともよく相談をしながら前に進めていかなければいけないということです。答えにならない答えですが、まだはっきり申し上げる段階にはないというのが現状です。
それから、もう1つの三井住友信託銀行の話というのは、実は前回だったか、前々回、私どもの、これから先の事業を考える時に、事業を前向きに進めるための準備をいろいろしなければいけないと、そういうことで会社の設立その他もするんだというお話をしたように覚えております。そのうちの1つが、今回取り上げていただいた三井住友信託銀行との合弁会社という形ですが、実際にはまだできていません。できていませんというか、三井住友信託銀行から出資はまだ受けていないと。会社だけは4月1日に設立しています。設立しないと国際ブランドへの申請ができないものですから、まずそれで申請をして、それではっきりめどがついたところで、三井住友信託銀行からの出資もやはりしていただいた方がいいだろうと思っているという状況です。目的は極めて単純で、これから先の小口の荷物の増加、その中で、やはりクレジットカードを使ってお支払いをしたいというお客さまが当然出てくるわけですから、それもできるような形にしておかないと郵便局のフロントラインは困ってしまうので、そのための準備をしっかりやっておこうと。実際に、稼働し始めるのは9月あるいは遅れて10月位から、実際の実務のフロントラインでそれを適用するという形になっていくと考えています。
【記者】
聞き間違いだったらちょっと恐縮なのですけれども、先ほど、かんぽの学資保険の4月の実績は7万6千件と聞こえたのですが、私、5万6千件と記憶しているのですけれども。
【社長】
契約締結ベースの数字で5万7千件です。それから、先ほど7万6千件という数字を出しましたね。7万6千件の方は申し込み数。それで、申し込みの中で、まだ審査中という場合があったりしますので、実際には5万7千件というのが確定の数字です。
【記者】
もう1点お伺いしたいのですけれども、先日の財政審の答申の中で、主幹事証券会社の選定基準の中に、国内の地域に有力な販売網を有する証券会社を主幹事証券団の中に入れることも検討に値するというような文言が入っている一方で、実際には、財務省の方でも、過去の上場に関わる手続きの経験やノウハウなどはしっかり審査しますと。東京証券取引所のホームページによると、何ら実現等について保障するものではありませんと言いつつ、もう16社、主幹事証券会社の実績を有する証券会社の名前が挙がっていまして、このあたり、実際どうなのかというのは財務省の方で決まっていくのでしょうけれども。
【社長】
私はセレクションボードのメンバーではないので、詳細についてあまり詳しく知らないので、財務省にお伺いいただくのがよいと思います。
【記者】
先ほどの冒頭のお話の中でですね、新学資保険のお話がありましたけれども、その市場を拡大する方策ですとか、あと、かんぽ生命保険の学資保険のシェアの目標ですとか、そういった数値の面とかがもしございましたら。
【社長】
シェアについては、結果の話なのです。今の学資保険というカテゴリーは業界全体として縮小しているのです。どうしてそうなったかというと、皆さん学資保険についてプロモーションをあまりやらないで、品揃えだけ増えていって、私どもの学資保険もずっと約款は同じものでしたから、そのプロモーションの努力をしてこなかったということで、本来あるべき学資保険のマーケット規模というものが、少子化が進んでいますから10年前のマーケットよりは縮小しているかもしれないですが、10年前にあの位の数があったものというのは、保険のカテゴリーとしては相当大きなカテゴリーになるので、それをやせ細らせてしまったのは私どもにも責任があると思います。これから私どもは先頭に立って、学資保険という保険のカテゴリー、つまりお子さんの将来を考える安心・安全を考える時に大事な保険だということをプロモートしていく必要があると。
シェアは正直言って結果であって、シェア何%やりますというターゲットは何も決めていません。かんぽが何かを始めたというと、何かシェアを取られると、こういうお話になりがちですが、全体として小さくなっていったマーケットの中でかんぽはそれ以上に小さくなった。我々はそれを反省してみると、本当は少子化の全体のトレンドの中では大事な保険の部分を、今までどちらかというとやせ衰えるに任せてしまったというのは、やはりそれを販売している企業、それは日本中の保険会社を一緒に含めて、責任があったのではないかと反省をしています。
【記者】
所得がなかなか増えない中で、売り込むにも限界があるのではないかなという感じがするのですけど。
【社長】
それはそのとおりです。ですから、所得は増えていないし、それから、お子さんの数も減っているというのは、これは逆風ですよね。だけど、逆風以上のものが起きてしまったマーケットが学資保険だと。それは結果的に私どもが一生懸命売らなかったという時代が長過ぎて、それで、他社も、そういう意味ではつけ足しみたいなことになってしまったのかなと。私どもこれは大事な将来のための商品だと思っていますから、それに力を入れます。他社のシェアをとるという指令も出していないし、そういうケースもあまり聞いていません。他社から乗り換えますという申し込みはほとんどございませんから。
【記者】
3点ほど伺いたいのですが、先ほど三井住友信託銀行とのカード決済交渉のところですけど、三井住友信託銀行以外のところを含めてと、これはどう考えられているのか、それを1点伺いたいのと、2点目は、かんぽの宿が12月にもう1つ閉めるという話を伺ったのですが、これで全部で今年度6つということで、今停止しているのが4つあって、今年度中に10個位減らすのではないかという話もあると思うのですが、その中で、このかんぽの宿をどうされていくのか。3点目は、今回、株主総会、今日あったと思うのですけれど、JR東日本の会長が入られたのですが、これは、上場に向けて、JRが入られた意味合いといいますか、そこら辺をもう少しお願いします。
【社長】
まず三井住友信託銀行。カードの決済というのは小口配送のために必要なので、それでまず三井住友信託銀行にお願いしたわけで、それ以外のところを全部拒否するというつもりでは全くありません。まず、会社の形をつくって動き出して、それから広がるにしたがって増やしていくというのが当然、将来の考え方としてはあると思うし、いいと思います。
それから、かんぽの宿ですけれども、今ご指摘のとおり、閉めさせていただくかんぽの宿については、もう皆さま方に公表しているとおり、既に予約の停止もやっており、5宿は8月末で、1宿は11月末で営業を終了するということでやっております。1つだけ、今おっしゃったようにちょっと遅れているというものがありますけれども、これも含めて実際に地元の了解もとり、そして大きな影響なしにここまで来たと思っています。
それから、次の段階については、今回の経験を踏まえながら、やはりかんぽの宿という事業そのものを日本郵政がやっていくということは社会のためになるつもりで一生懸命やっているわけですけれども、逆に採算が全くとれないものをやって、続けていくということは、やはりやるべきではないだろうと思っています。ですから、これから先も、さらに何宿か交渉を始めなければいけないという、内々の相談を始めていることは事実です。まだ最終的に決まっておりませんけれども、今回と同じように、地元の了解をしっかりとりながら摩擦が起きないような形で、それで閉めさせていただくということをさらに考えざるを得ないと思っています。
それから、JR東日本の清野さんですけれども、入っていただいた理由は、まさにご指摘のとおり、いわば民営化の大先輩なのですね、JRは。何しろ1人だけ株主っていうのは、国交省が株主だった時から始まって、清算事業団が株主だった時代が長くあって、それから株の公開にステップとしていったわけですけれども、そういう経験というのはやはり貴重なところがありますから、そういう経験も生かしてやっていきたい。
それと、もう1つは、JRも非常に多角的な経営をいろいろやっておられます。私どもも宿泊業や病院を経営していたり、いろいろありますけれども、いろんな意味で広範囲な経験をお持ちの会社で、それであまり他の会社の役員もやっておられないという状況があったので、これは是非ともお願いしようということで、清野さんにお願いをして取締役になっていただいたということです。
【記者】
今の質問で確認が2つあるのですが、カード交渉のところで、出資の関係、会社にしてもらう、そこら辺についてどういう考えなのかというのを1点と、あと、かんぽの宿だと、例えば何年後にどれぐらいの数字といいますか、おぼろげながらも目標みたいなのがもしありましたら、よろしくお願いします。
【社長】
そうですね、三井住友信託銀行と合弁会社をつくるということにしたのは、その会社そのものが今回のカードの利用について責任を負う会社を1つつくるわけなので、それを私どもだけの子会社ではなくて、やはり経験が豊富で、実績もある三井住友信託銀行にも出資をしていただいた方がいいだろうと。それで、1つだけでおしまいかというと、それを限定しているわけではない。つまりエクスクルーシブだというお約束をした上ではなくて、今、私どもが100%やっていますけれども、これから先、三井住友信託銀行にまずご出資をいただいて、会社をつくるという過程を経て、その上で必要に応じて、いろんな処置をしていかなければいけない。つまり小口のデリバリーが増えると、その決済の仕方にいろいろまたバリエーションが出てきますよね。ですから、競合の会社との比較論からいって、ここが抜けていると言われないようにしっかりとやっていこうということです。
【記者】
出資比率は特に、どれぐらいっていうのはありますか。
【社長】
少なくとも私どもは基本的には責任を持つ会社ですから、50%以上は必ず持つつもりで考えています。
【記者】
あと、かんぽの宿のイメージについては。
【社長】
実はまだイメージ、決め切っていないのです。そういうと、逃げ口上に聞こえると思いますけれども、真剣に検討していることは事実です。ただ、これはいろんなファクターがあって、本当に地元との関係を考えて、採算だけで決心していいものとは限らないだろうなと。ですから、地元のニーズ、地元自治体、あるいは周辺の同業の会社、それから、その他関係の方々とのいろんな接触を通じながら決めていかざるを得ないと思います。まだ最終的に決まっていません。
ただ、候補を簡単にいうと、今赤字を出しているところは全部候補です。黒字のところも結構ありますが、それは差し当たって、考慮の中には入っていません。赤字のところは第一義的には赤字を何とか消す努力をしようということでやっている。それがとても無理だという話になると、次の段階は今回と同じように、地元の了解をしっかり得た上で閉めるというプロセスに入るということです。
【記者】
傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命の資産ポートフォリオについてお伺いします。前回、前々回の会見で、社長は運用方針を急に変えたり、国債を急に売却するということは考えてらっしゃらないというお話をしていたと思うのですが、ただ、最近、GPIF、こちらもかなり国債を大量に保有しておりますけれども、収益性の高いポートフォリオへシフトしなさいという、そういう動きがありまして、次は御社も国債を売って株へのシフトというのを上場を控えて収益性を上げるためにやるのではないかという試算をしている証券会社もあります。こうなるとかなり大きなインパクトがマーケットにあると思うのですけれども、それを踏まえて今後の運用方針について改めてお聞かせください。
【社長】
今、申し上げられる範囲は、現状で大幅に現在のポートフォリオを変えるということを能動的にやるつもりはありません。それでも私どもの資産ポートフォリオについては、毎月、安定性その他をいろいろ考慮して、それでALMの会議をやっておりますから、見直しは常にしているのですけれども、見直しの結果として大幅な動きをするようなことは決めておりません。
【記者】
先ほど、学資保険の4月の状況、5月の状況を教えていただいたんですけど、4月で大体前年と比べると3倍というお話で、その後、年間通じてもそういうオーダーになってくるのか、あるいはこの1年間をどう見通したらいいのかということを教えていただきたいのと、先ほど学資保険があまり刺さってないところを開拓していくんだというお話だったと思うのですが、その方法としてはですね、何かどういうことをしたら、今まで学資保険に興味がなかった親御さんたちに刺さっていけるのか教えてください。
【社長】
4月に3倍になったから、それがそのまま続くとは全く思っていません。どこまで続いてくれるかなということで、社内でも心配をしている状況ですけれども、ただ、原則論というか、基本論を考えると、今まで実は、かんぽがつくり、かんぽが支えて、学資保険というのは成り立っていたのですね、昔。それで、かんぽの約款がお客さまから見ると、もう少し何とかならないのかというご批判もあって、それで約款を変えたいと考えていたのですが、今まで許可が下りないで過ごしてきました。その間、私どもも圧倒的な自信を持ってお勧めできないというヘジテーションがフロントラインではあったんだろうと思います。
それで、私どもが下がっていき、その分全部他社で肩がわりされたという状態ではなくて、トータルマーケットを小さくさせてしまったというのは、業界全体の責任だろうと。そしてそれを、これから先の少子高齢化の社会を考えたときに大事な保険カテゴリーだったら、これをもう少し力を入れてやってみるというのが業界のためにも必要なことではないかと思い直したということであります。
ですから、今ご質問の前年比3倍がずっと続くとは全く考えていません。
【記者】
では、どういうイメージを持ってらっしゃいますか。
【社長】
今言うのはちょっと早過ぎますね。全くトレンドがつかめませんから。まだ4月、5月でしょう。発売してふた月で、それで世の中このように様変わりしますとはとても言える状態ではないです。
【記者】
三井住友信託銀行との合弁の件なのですけれども、ゆうちょ銀行がですね、既存決済業務ができて、イシュアリング業務もできると。日本郵便ファイナンスがアクワイアリング業務をやるのだったら、イシュアリングを兼ねているところがやるのが筋なのかなと思うのですが、今回、噛まない理由について教えてください。
【社長】
これはむしろですね、現在、ご承知のように、ゆうちょ銀行はいろんな新しい商品を出したいという提案をして、それで今、ペンディングで審査中の状態なんですね。だから、そういう状態の中の会社がその新分野的なところに参加するのは、やはり審査のさわりになるだろうと、我々としては推測をいたしましたので、それでゆうちょ銀行には、将来を考えたら、ゆうちょ銀行にも出資をいただかなくてはいけないようなことにもなると思いますが、今、最初から出資という話はできないし、したくないということです。
【記者】
上場のタイミングについてなんですが、会見のお話を聞いている中では、西室さんのお考えとしては、日本郵政については、できれば来年12月位まで、ゆうちょ銀行、かんぽ生命も2015年度中にはというお考え、要望としてはあるのかなと受けとめているのですが、そのようなお気持ちでいらっしゃると理解してよろしいでしょうか。
【社長】
気持ちは変わっていないのです、それを今の段階でもう上場しますというお話が、少なくとも財政審で決まった段階で、私どもの方がそれに対しての詳細なエンドースをするという立場にありません。ですから、気持ちの問題をここで公表するというわけにはいかない。それからもう一つは、上場のタイミングというのは、その時のマーケットの状況で全然違いますよね。それで、今のところ来年度の上期、少なくとも消費税がもう2%上がる前までの段階では、日本の景気はそんなに悪くならないだろうというふうに一般に見てもらえると。そうすると、マーケットの方から考えるとそれまでの間にできることはやった方がいいのかなと思わざるを得ない。それで、それをミスしたらそこから先なんですけれども、その辺はまだ正確には決まっていません。
ただ一方、財政審の中の国有財産分科会で方針を出したということは、来年度の国家予算の中の収入の部分に、その売却が入ってくるはずなのですね。基本的には。いろんな見方が、いろんな角度から違った見方ができる。
【記者】
その日本郵政の上場の時にゆうちょ銀行とかんぽ生命についても、その後どれ位IPOするのかも含めて決めておかないと、日本郵政の上場も......。
【社長】
そのとおりです、はい。それはいろんな議論がありますよね。例えば、先に金融2社を上場すべきだということをずっと唱えておられる方が未だにいらっしゃる。それから一方、金融2社の上場が大事なのではなくて、日本郵政の上場が大事だから、それを先行すべきだと、それぞれおっしゃっている方がいらっしゃるんですけれども、その両方、どちらが正しいというようなことも含めて、これを最終的に決めるのが、日本郵政については国、つまり理財局が最終的には決める。それから、金融2社については、日本郵政が決める、それは法的には明らかなんですね。ですけれど、日本郵政の上場を決める時に金融2社をどうするのかという腹積もりをしっかりしないで、いたずらに日本郵政だけ上場してしまうということはあり得ないだろうと思います。
ですから、これからいろんなシミュレーションを行い、それから財務省理財局等の考えもあり、全部を総合していろんな意味での相談をして、国民全体にとって一番いい方法は何だろうかという観点、それが一本の考え方だと思います。
【記者】
ゆうちょ銀行の新規業務の話なのですけれども、いろんな銀行協会、地銀協会、それから政治の方とか、いろいろ聞いている中では、やはりゆうちょ銀行の株式の100%全てを日本郵政が売却するまでは、新規業務は認められないというような声も強いのですけれども、これは今、もうずっと平行線を、ずっと何年もたどっているかと思うのですけれども、その辺を打開するようなことは何か考えられるのでしょうか。
【社長】
非常に難しいですね。ご承知のように、片方の、主として銀行業界の全体としては、もう100%売るまでは一切まかりならんとおっしゃっている方がいらっしゃると、それもよく聞きます。それと同時に、さっさと新規業務やらせるべきだという政治家の方がたくさんいらっしゃることも、これも一方の事実ですよね。それで、その間に、どういう最終的な決まりがあるかということがはっきりしていない状態ではありますけれども、やはりこれから先を考えると、上場というのは両方のメリット、つまり金融2社と、それから親会社と、両方とも頭出しはすべきではないかなと、正直思います。
【記者】
中期経営計画でゆうちょ銀行にしろ、かんぽ生命にしろ、営業強化を打ち出していますけども、実際に日本郵便といいますか、各郵便局が営業戦略、施策を打つための予算については、私が聞いている限りだと、各郵便局に割り振られた今年度予算というのはそんなに増えてはないという......。
【社長】
増えていませんね。
【記者】
ということなのですが、そういう中で営業強化をしていくために、今後予算を増やしていく、今期途中から増やす、あるいは来年度は増やすとか、そういうお考えはあるのでしょうか。
【社長】
さて、難しいんですけどね、それぞれの個別のところの出先にお話を聞かれたらば、あんまり増えてないと言いますよね。それはもっと増えればもっとやれるという意味なんです。逆に言うと、今のゆうちょ、かんぽでこれから営業成績を上げていこうと思った時に2つ方法があって、1つは自分のところの直営の郵便局でやるということと、それからそれぞれの地域にあるゆうちょとかんぽの直営店と連携をとったり、お互いにいろいろ方法はあります。それは、お互いに有機的な結合を保ちながらと言っている理由は、その間で、例えば報奨金をどちらが出すかとか、いろんなやり取りがあります。
ですから、そういうものもありますので、今、おっしゃったように、明示的にこれだけ予算を増やすから営業成績を上げましょうというようなシステムはつくりたくないし、もっと独創性があって、それでしっかりとした、今、せっかくある郵便局のネットワークを、本当に生きたものとして活用できるような方法というものを、みんなで考えながらやっていこうよということですから、そのようにお考えいただきたいと思います。
【記者】
集配再編だとか、あと最適化などで、3年後にどれ位のコストを削減しようという目標で、今、進められているのか、すごく大ざっぱなものというのは。
【社長】
今のご質問すごく大事な部分を言っておられるんです。というのは、郵便局ネットワークを堅持して、そして実際、郵便局ネットワークがもっといろんな意味で、社会にも貢献できるようにしていこう。つまり、末端の地域社会に貢献することによって、存在意義がある部分ということについては、これは我々としては基本的に経済性だけの判断はしません。
一方、経済性の判断をするというのは、集配局を大きくするだとか、新しい機械を入れるだとか、いろんなことを今やっています。その結果が、今度の少なくともこの3年の間にこの位のお金はかけます、それから、コスト的に損益は一応この程度出しますという計算の積み上げで出てきている。それが中期経営計画の3年間ということです。
【記者】
中期経営計画を発表されてから3カ月たって、今、12分の1ですけれども、今の進捗状況というのをどのように御覧になっていらっしゃいますでしょうか。
【社長】
これは、全体的にいえば、しっかりとやらなければいけないことは出てきたので、それに向かって努力をして、見直しする方向にいっていただいているということは事実だと思います。ただ、そうですね、スタートダッシュが効いているところと、そうでないところといろいろありますけど、例を引けば、今までエアコンが壊れてどうにもならなかったところは、今年の夏にはエアコンがきちんと動くようには全部なると思いますから、これは実感できると思います。そういうのは予算に全部入れています。
それから、危険性がどうのこうのという、エレベーター、エスカレーターの問題だったり、それから雨漏りがするとかいろんなことがありましたよね。それは動き出していますから、フロントラインにしてみると、そういうことの実感はしていただけていると思います。そのときのコストは、今度の中期経営計画では算入済みですから、安心してやれるだろうと思っています。
【記者】
先ほどのゆうちょ銀行の新規業務について補足でちょっと数点伺いたいのですけれども、ゆうちょ銀行を含めて上場するとですね、かなり収益性が今まで以上に厳しく求められる中で、新規事業はなかなか認められないというか、手足を縛られた状態というのは、経営の観点から見て、やはり新規事業が認められないまま上場する、経営していくというのはかなり苦しいというような......。
【社長】
相当苦しく、かつ悲しいですよね。ですから、今度の中期経営計画というのは、現在の規制が全部そのまま続いた、そういう前提で、ここまで我々としてはやれると思いますということを、皆さま方に提示したわけで、それで新しく認可していただく部分が増えるとか、限度額がなくなるとか、そのようなことがすぐに起こるという甘い期待は一切しないで、今のままでここまでの実力はありますというのをお示ししたのが中期経営計画だと思ってください。
【記者】
この問題に対しては民業圧迫ということが常に言われていてですね。
【社長】
そうですね。
【記者】
新規事業をやるからには、民間の何かの事業と当然競合するわけで、民業圧迫をしないまま、この新しい新規事業をやるというのはかなり難しいと思うのですが、この折り合いはどうつけるかという。
【社長】
そうですね、折り合いはもちろん、私どももあえてアグレッシブにやるという姿勢を出すつもりは全くないのですが、やはりどのように受けとめられるかというのは、それぞれの業界によって違いますよね。そういう意味では、できる限り非難を受けないような形でやっていくということが、我々の与えられた方向だろうと思います。
【社長】
どうもありがとうございました。