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2013年9月11日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2013年9月11日 水曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

【社長】
改めまして、西室でございます。今回が定例会見の一番最初ですけれども、ご承知のとおり、私ども、何とか2015年には上場したいということで、いろんな体制を整備していますが、そのためにはやはり経営の内容を充実させ、そしてまた透明性も確保しなくてはいけない。
これは当然のことですけれども、そういう観点から、これから大体毎月1回程度は定例の記者会見をやらせていただきたいと思っております。
今日は初回でございますので、初回らしい大きなトピックと言っていいのかどうか、よくわかりませんけれども、まず、最初にお伝えしたいのは、私どもの中期経営計画についてです。
2つ目は、もう既に、今朝の新聞、昨日の夕刊でお出しになったところもありますが、女子陸上部を始めるというお話です。今日、初見で出すつもりでしたが、皆様方がお書きになったので、これはニュースにはならないと思います。
それから、3つ目は来年春の採用予定者の内定式についてお話をしたいと思っています。
まず、中期経営計画ですけれども、私は就任する前に民営化委員長をやっていましたので、そのときから準備は進んでいると認識していましたし、就任後の9月には、最新版をつくって、ご説明しますと何度も申し上げてまいりました。しかし、就任後、グループをしっかりと見直し、それから既にできつつある中期経営計画と照らし合わせていましたが、やはり9月に間に合うような形でつくるのは無理があると判断致しました。最初に申し上げたようにこれは上場前に、会社の体質を良くしていくことが、どうしても必要だと判断したからです。公社化以来、ずっと郵政民営化の動きの中で、単年度利益を出さないと、この会社は場合によっては潰れるかもしれないというくらいの恐怖心を持ちながら、必死になって利益を出すことに努めてきた会社でしたので、場合によっては、必要な設備投資を先送りにしながらでも単年度利益に重点を置いてきたと、申し上げなければならないと思います。
主に2つの点について、今、整理、見直しが必要だと思っています。まず1つは、郵便局をはじめとする設備の老朽化の問題です。これは社員の方の作業環境、これに影響するだけではなく、これから先も、私どもは日本全国にいらっしゃるお客さまにサービスを提供していく会社ですから、そういう観点から見ても、この設備の見直しというのはもう一歩踏み込んで、しっかりやっておく必要があると思っています。その点で、現在、全面的な見直し作業に入っています。例えば、今使っているエレベーターが壊れたら、2台あれば1台動けばいいじゃないかというところにすら及んでいる訳です。エレベーターは大体耐用年数が20年から25年ですが、30年以上のベテランのエレベーターが約170台、中計期間中に25年の経年を超えるものは私どもの会社には3分の1近くあるという状況です。
また、例えば、それぞれの作業環境の中で、水漏れ、雨が降ったら天井から水が落ちてくる。そのような事故が年間で300件くらい起きている。実は、もう少し多いのかもしれませんが、これはやはり抜本的な対策をしっかり打っておかないといけない。また、冬になって屋根に雪が積もる前にやっておかなければいけないというところもあります。そのような、作業効率が低下せざるを得ないような状況というのも、やはり見直す必要があります。
また、外壁についての修理ですとか、あるいは化粧室、これは皆様方、郵便局の化粧室をお使いになったことがあるかもしれませんが、相当に悲惨な状況にあるところが残っています。いろんな意味で、全部こういうところは見直しをして、作業環境をよくするという即物的な話よりは、お客さまに対する対応の姿勢というものを、しっかりと直していかなければいけない。その点の全面見直しをやっています。
それからもう1つ、郵政グループは、見方によれば、いろんな意味でシステムを活用している、いわばシステム会社と言ってもいいだろうと思います。民営化あるいは分社化以降、5つに分かれた会社が、システムについてもそれぞれ責任を負ってやっていくことになった結果、それぞれの会社のシステムそのものについても、それを管理し、そして実際に使うためのSEの数の充足も必要になりました。それから全体を見て、グループとして存続するためには、やはりシステム全体の見直しというのがなければいけないということ。ご承知のように、システムの世界は日進月歩で、非常に早いスピードで変わりつつあります。クラウドの導入というのもアジェンダの中に入っていますけれども、この次のもっと高度化されたシステムというものを確実にやっていけるような体制がどうしても必要です。
そういう観点から、今回、システム全体を統括するCIO、チーフ・インフォメーション・オフィサーとして日立ソリューションズさんから来ていただくことになりました。小松敏秀さんという日立ソリューションズの副社長さんですが、こちらでは日本郵政の執行役副社長として、システム全体を見ていただくことになります。人が1人入ったからすぐに直るということではありませんが、システムで一番大事な部分というのは、根幹についての認識がしっかりあるということ。それと同時に、実際にシステムを使って、お客さまにサービスを提供している前線との間の継続的な対話と、それを踏まえたシステムづくりということも大事だと思っています。このシステムの見直しは、当然時間もかかりますし、それから経費もかかると思いますが、その見直しを中期計画の中にしっかりと盛り込んでいきたいということです。
今回策定しようと思っている中期経営計画は、2014年から始まって、15年、16年までの3年間の計画で、これは毎年ローリングしていく予定です。これから先の、つまり15年に上場したいと言っているわけですから、株式の上場前の準備期間はどうなるのか、そして株式を上場する年にはどんなことをやっていくのか、さらに上場した後でどのような形になっていくのかということも、できる限り展望していきたいということです。
この中期経営計画の見直しをやることで、従来から申し上げている上場計画を遅らせるつもりは、全くございません。今までも皆様方に申し上げていたように、2015年の春には上場の準備をしっかりと完了するということを、あくまでも目指していきたい。
ただし、上場は私どもが決める話ではありません。株主は、100%株を持っておられる財務省の理財局ですが、金融庁、あるいは総務省との間でも上場の時期、やり方についてしっかり相談したいと思っていますので、そういうものを踏まえて、実際にいつになるかが決まってきます。
上場がいつになるかというタイミングの問題で、非常に重要な点は、多分、経済の状況がどうなって、株式市場がどうなっているかということだろうと思います。ご承知のように、東京オリンピックが決まったことが、これからの日本の経済に非常に明るい方向づけを示していると解釈いたしますので、ぜひとも、そういう景気状況、あるいは株式市場の状況というのを踏まえながら、早期の上場が達成できるようにと思っています。
上場して、我々の会社がどうなるかということを考えるときに、やはり一番大事なのは、上場に当たってのエクイティストーリー、つまり、この会社が、今後、どのような会社として生きていくのか、そして、会社の中の内部管理がどうなっているのか、会社の財務状況がどうなっていくのか、などなど、我々が準備しなければいけないことがいろいろございます。
それを考えると、果たして、これから先、1年、あるいは1年半の間にどこまでいけるか、まだ見当はつきませんが、難しさはわかっていながら、やはり2015年の上場というのはしっかりと確保できる状態まで持っていきたいと思っております。
規模的に考えると、今までの日本の株式市場の歴史の中では、最大規模の上場になるだろうと想像いたしております。それは、つまり、それから先、運営していく上において株主さんの数がどうなるのか、あるいは卑近なことでは株主総会は一体どこで開けばできるのかなど、いろいろなことがありますが、今からあまり余計な心配をすると、健康によくないので、その辺までのディテールはもう少し先にさせていただきたいと思います。
2番目は、皆様方、既に報道されましたが、女子陸上部を創部いたします。
この計画そのものは、私が着任する以前からいろいろな形で社内でも論議し、そして、スポーツ界ともお話をしていた事項でございますので、それがどのタイミングで漏れるかと思っていましたが、昨日、見事に記事が掲載されてしまったわけです。日経さんの夕刊に出ていた内容は、ほとんど正しい。よくここまでお書きになったなというのが正直なところです。
これについては、10月1日に改めて創部の報告をやらせていただきたいと思います。女子陸上部は駅伝を中心として、中長距離の競技を予定しています。駅伝というのは、たすきをつないでいくものですから、私ども、手紙をお届けする郵便事業とは親和性が高く、また応援しやすいと考えています。
今の予定では、10月1日に東京駅前のJPタワーで創部発表会をやらせていただきますので、ぜひともご来場いただければありがたいと思います。
企業スポーツとしては新参者ですが、皆様から応援していただけるような部にしていきたいと思います。ちょうど折しも東京オリンピックが決まったところですから、その中で活躍できるような選手が育成できれば、我々としてはそれ以上の幸せはないと思っております。
3番目は、来春の採用予定者の内定式ですが、これは採用予定のグループ各社の内定者を10月1日に集めて、合同で内定式を挙行しようと考えています。
総合職の内定式は、グループ各社の内定者約200人を集めて、JPタワー4階のカンファレンスルームで開催する予定で、この内定式には、先ほど申し上げた女子陸上部のメンバーにも出席していただきたいと思っています。
ご承知のように、10月1日が内定の公開日ですから、それまでの間は、どなたが、このチームに入ってもらえるか、現状ではお話できないということはご理解いただけると思います。
それから一般職の内定式は、全部で13ある全国のエリアごとに、グループ各社の内定者を集めて合同で開催する予定です。
全国の内定者を集計しますと、2000人を超えております。グループ各社の内定者が地域ごとに集まって内定式を行うことで、グループとしての自覚を持ち、お客さまへの貢献を続けていただければありがたいと思います。
それから、既にご承知のとおり、先般のJP労組の全国大会で妥結承認された新人事制度の一部を平成26年(2014年)4月に先行導入し、業務範囲および勤務範囲が限定された新一般職という新しい職種への非正規社員の内部登用も考えていきたいと思います。これは全体の制度の実施よりは、少し前倒しになりますが、いいことはなるべく早くやりたいということです。
それから、12月から再来年の入社の採用活動を始める予定でいます。平成26年4月の採用内定者と同様に優秀な学生の方を集めたいと思っています。
最初に、私から申し上げるのは以上でございます。
【記者】
中期経営計画の発表が少し先延ばしになるということですけれども、最終的にいつごろを目指しているのか。それから、もう一点、アフラックとの提携ですが、こちらの進捗を教えてください。
【社長】
まず第1に、中期経営計画が、いつ発表されるかということですけれども、現状では来年の2月を予定しております。経営計画そのものの全体もしっかり見直しをして、来年2月に発表するということになっておりますので、それとの整合性も同時にとりながら、最初に経営計画の発表のほうが来るだろうと思っています。 それから、既に発表しましたアフラックさんとの業務提携関係の話ですけれども、現在1000局がアフラックさんのがん保険を扱っているわけですが、それをもう少し数を増やしながら、教育を開始しております。あまり急いでやるよりは、しっかりと業務について理解していただいて、内容についての理解レベルを上げながら、ゆっくり始めて急いで完成することを考えているということです。最初、業務提携発表のときに、2万局までやると申し上げました。それが完成するのに、今の教育の進行状況も見なくてはいけないのですが、できる限り2年以内に2万局までいけばいいと、私としてはそう思っています。まだ、現場はもう少し時間がかかるかもしれないと言っていますけれども。
それと同時に、現在、既に、他の保険会社さんの代理店業務も郵便局でやっております。日本の保険会社も、アメリカの保険会社もありますけれども、決して力を落とすことなく、もっと力を入れながら範囲を広げていくということもやらなくてはいけないと思います。実際、各保険会社さんからも極めて興味を持っていただいており、私どもの方に、もっと拡大のスピードを上げたいという申し入れはいろいろいただいております。ただ、あまり範囲を広げ過ぎると、事故も起きやすいので、そういうことがないように注意を払いながら、なるべく門戸は開放して、私どももそういう代理業務についてのスキルを上げて、そして、一番大事な郵便局ネットワークがさらに収益も兼ね備えた、しかもサービスのレベルが高い、そういうものになっていくことを期待しているということです。
【記者】
設備の更新と、システムの見直し、それぞれありましたけど、金額でいうと、全体でどれくらいの規模だと考えていらっしゃいますでしょうか。
【社長】
それが困ったことに、まだ、どれくらいかかるのかわかりません。それをやるために、実は、腰だめでもいいから数字がつかめていれば、9月末には発表できたのですが、まだ、数字の積み上げをやっている最中ですので、全く数字についての規模感が、私としてもつかめておりません。
【記者】
もう1点、女子陸上部について、今度、正式な発表があると思いますが、東京オリンピックがありますけれども、当面の目標とか、どうなったらいいなとか、何か希望がありましたら、改めてお聞かせください。
【社長】
せっかく、郵政グループとしては初めてのスポーツチームの編成ですから、できる限り、そのスポーツのカテゴリーの中で、存在感のあるような陸上部にしたいと思います。まずは、駅伝ですから、正式に駅伝に参加ができる、それだけの数の選手をしっかりとそろえて、そして、なるべく早い時機に駅伝に参加できればと思っています。
あと、オリンピックは、まだ、7年先ですから、最初に、チーム編成した方の中からでも、それに出場できる人が出てくればいいなと思っていますし、これから先、陸上部を育てていく上で、有望な選手に出場していただきながら、オリンピックにも出場できるようになればいいと思います。日本のオリンピックの開催が、スポーツ全体の底上げになると思いますけれども、一方で、廃部するところが非常に増えているということも現実としてあります。私どもは、廃部ではなくて、新しく部をつくるわけですから、創部して、そして、そのスポーツにさらに力を貸すことができれば、これ以上の幸せはないということです。
【記者】
先ほど、郵便局の設備のほうは、エレベーターが古くなっているとか、そのような具体的な話もありましたが、システムについて何か比喩的に言って、どれくらい老朽化が進んでいるということなのでしょうか。
【社長】
システムそのものの老朽化はないです。老朽化というのは、設備の老朽化です。これは、しばらく、節約を一生懸命やってきた企業ですから、設備のほうにしわ寄せがいっていたと。それは、我慢してもらう段階を通り過ぎているというのが実感です。ですから、コンピューターシステム、あるいはシステムそのものが老朽化しているのではなく、システムそのものが全体の構成の中で、やはり、時々、事故を起こしたりすることがありますから、そのようなことも含めて、そういうものを直すのと同時に、全体のシステム構成というものについても、しっかりと目配りをして、やっていかなければいけないということです。
【記者】
先ほど、新人事制度のことをおしゃっていましたけれども、これは、非正規社員からの内部登用を考えるということですけど、どれくらいの人数になりそうですか。
【社長】
まだはっきり決めていません。組合との間で、どれくらいの人数にするかということについて、まだ決めていませんが、ある程度の内定の数字はあります。数字をあえて言えば、望むらくは、3000~4000人のレベルで、新制度の正規社員への登用というのは考えたいと思っています。
【記者】
中期経営計画と昨年発表されたグループビジョンとの関連性についてお聞かせください。あと、システムを統合して、今までのものを直すというよりも、新しく投入しなければならないシステムもたくさんあるのでしょうか。
【社長】
グループビジョンは、現状で大幅に変える必要はないだろうと思います。ただ、中期経営計画を発表するときに、グループビジョンの改定版というのも同時に考えなければいけない可能性はあります。ただ、生活支援企業だという基本ですとか、あるいは、あの中で、もっと謳いあげておいた方がよかった、郵便局ネットワークというのが我々の事業の根幹であるということを、改めてもう一度書き込む必要があるかもしれませんし、そういう点での、一部改定はありますが、大きな意味での変更はないと思っています。
あと、システムを統合するといっても、もう既に、会社としては、ずっと同じグループでいたわけです。それで、その間の連携は全くとれていないわけではないので、新しいシステムを第1号に投入して、それで、それによって統合するみたいな、大がかりなシステムの変更というのは、現状では考えていません。ただ、そういうことも含めて、新しくCIOを任命して、来週の火曜日から、いよいよ、実際に実働に入ってもらうわけですから、その人が来て、しっかり見直した上で、いろんな意見が出てくるだろうと期待しています。
ただ、スクラッチから新しい全体のシステムを構築するというだけの余裕もないし、それから、それを構成する、それを再構築するだけの時間的な余裕も、金銭的な余裕も、両方ともすごく難しいと思います。
ですから、トータルシステムを新しく導入するという、以前、私が東京証券取引所の社長のときにやったような従来のシステムを全く違ったものに変えるというやり方は今回はやれないだろうし、やる気はないと申し上げておいたほうがいいと思います。
【記者】
あともう1点、アフラックの販売局についてですが、オリンピックが東京に決まったことで、さらに、東京地域に力を入れていくというようなことを考えていますか。また、過疎地で金融機関がない郵便局での販売を優先的にするとか、そういうことは考えていらっしゃいますでしょうか。
【社長】
特に東京地域をプッシュするということはないと思います。 ただ、東京地域が豊かになっていくことはあるでしょうが、むしろ、東京地域を中心にして、日本全体がいろいろな意味で新しいものをつくろうということになっていく中で、私どもが地道な形で、やろうとしている補修をしっかりやろうみたいな話で、そういうときに、人がきちんと集まるとか、経費、費用が余計にかかるとか、そういうことの心配は既にしています。例えば、エレベーターは相当入れ替えなければいけないのですが、エレベーターの需要は明らかに増えると思います。だから、そういう面で心配はしています。
なお、過疎地の今まで何もなかったところに新しく拠点をつくってということは、現状では想定していません。
【記者】
前から懸案になっている、かんぽ生命の新しい学資保険の認可がまだ滞っている状態ですが、見通しについてどうご覧になっているかというのが1つと、もう1つ、なかなか認可がおりないということが中期経営計画のスケジュールを遅らせるということに影響したのか教えてください。
【社長】
かんぽ生命がやらなければいけないご指摘が全部で8項目ありました。それは、昨年11月の話です。
それについての我々の対応は、新しいシステムを入れるなど、様々な取組みを行っております。追加でお支払いできる可能性があるお客さま約75万件については、ご請求の案内の発送を完了しており、7月末にこういう対応をしっかりやっていますということを金融庁にご報告申し上げています。実際にそれが作業として完了するのは、年度内ということになります。作業が完了するまでには、学資保険の認可はいただけるのではないかと、相変わらず希望を持っています。
また、今回の中期経営計画の見直しで、発表も、後ろにずれましたから、そう意味で認可申請している学資保険も入った形で計画が出せるだろうと未だに思っています。
【記者】
女子陸上部の話で、先ほど西室社長がおっしゃったように、他の企業では廃部が相次いでいる中での創部だと。そのような状況で、西室社長の見方として、企業スポーツの廃部が出ていることをどのように分析されているのか、また、今後、うまくやっていくには、どのような工夫が必要だとお考えでしょうか。
【社長】
会社がスポーツをやるということには、2つやり方があると思います。1つは、スポーツをやることによって会社をつくり、それをプロフェッショナルに運営していくということを目指している場合と、それから一般の会社が、一部の社員、あるいはチームを持つだけでもいいと思うのですが、それに広告宣伝費のうちの一部を割いて、それをキープしていく場合と、2種類あると思います。
私どもの場合は、会社全体のイメージ向上のためには、やはり何らかのスポーツチームを持つというのは大事な部分で、これなら社員の方々のサポートも得られるだろう、あるいはお客さまからの理解も得られるだろうということで女子陸上部になった訳で、これから先、それを続けていくだけの会社としての資金的な余裕は十分あると考えています。
今まで廃部が続いた理由の1つとして、会社は景気が悪くなると企業スポーツの予算を削るということになっていた訳で、これから経済がよくなっていくと、しかもオリンピックを控えていますから、私どもと同じように新しく始められるという会社も、あるいはそれをもっと充実させていくという会社も増えていくのではないかと期待しています。
【記者】
中期経営計画の件で1つ質問があるのですが、一般的な、例えば、メガバンクとか保険会社とか物流、衣料でもそうなんですが、中長期にわたる目標の経営数値、OHR、ROAなど、こういったものも当然、中に盛り込まれてくるという理解でよろしいんでしょうか。
【社長】
そのつもりです。それをやらないと、上場計画になりません。
【記者】
郵政グループの場合、いろいろ特殊事情があって、例えば、OHRがかなり高いとか、そういう事情があると思うのですが。
【社長】
この会社そのものの宿命的な特殊事情というのは、ご指摘のとおりありますけれども、ただ、それを隠して上場するわけにいきません。ですから、上場するということは、いろんな意味で会社の中の情報について開示し、それが皆様方の納得が得られるようなものであるということにしていかなければいけないわけですから、覚悟の上です。
【記者】
郵便局の改修の件についてですが、2万4000あるうちの何局くらい、そういう改修作業が必要なのでしょうか。
【社長】
実はこれは、まだ調査が全く終わっていません。今ようやくめどがついたのが、各市の中心になっている郵便局で、そこをまずやるのですが、そのほかに、我々が局舎を所有していないところもあります。そういうところの改修はどうするかなど、難しい問題があるので、その点についてはまだ方針を決めていません。
【記者】
オリンピックの東京開催が決まりましたが、郵政グループとして記念切手なり何か支援を考えていますでしょうか。
【社長】
ええ。もう盛大にやりたいと思っています。それこそ記念切手はもちろん言うまでもなく、前回の長野オリンピックでも、いろんなことをやりました。
ただ、この前の長野の時には、全体の小口運送については、オリンピック委員会が、UPSさんをオフィシャルサプライヤーとして指定されていたので、我々の手の届かない部分がありました。今回は、どのようなことができるのか、さらに検討していきたいと思っています。
あと、長野オリンピック・パラリンピックのときにやったのは、記念切手の発売、寄付金つきの記念切手。それから、臨時郵便局の設置。これはそれぞれの選手村に設置したいと思います。それから、選手村の宿泊施設は、全部おつくりになるのでしょうが、長野のときには、その宿泊施設の一部を協力しました。それから、他に、郵便料金だとか、航空郵便の送り方だとか、それについて各国語の会話集みたいなものを作りました。また、スポーツに関連した、世界の切手展。それも長野の時にはやったようですが、これも考えます。
それから、国際交流。この機会に海外の人と文通をしたいという小学生さんがいるのでしたら、そのサポートも長野のときには少しやったようですから、やらなくてはいけないと思っています。
これからまだ7年ありますから、少なくとも3、4年は考える時間があると思っています。
【社長】
本日はあまりトピックらしいものがなくて申しわけなかったのですが、私どもにしてみると、中期経営計画を本格的にもう一度見直すというのは、会社としては大変大きな決断をしたつもりです。そのマグニチュードがどれくらいなのか、まだ、はっきりしておりませんけれども、しっかりと受けとめてまいります。
それから、今日質問は無かったのですが、4-6月の業績がすごく良かったのですが、あれを4倍にしたら大変なことになるという数字が4-6月の1619億円の純利益です。これは正直言って、でき過ぎです。
フロックが一部、いろいろありました。郵便事業の収益、また、ゆうちょ銀行で、資産の入れ替えをやって、それに伴って臨時的な利益が出ている分がありましたので、それも数百億単位で出ていますから、そういう意味では、実力以上の決算ができたということです。しかし、それを4倍して通期見通しが大きく変わるのではないかという期待は持たないでいただきたいと思います。我々としては、従来から申し上げているような数字の範囲での成長はやれるように考えたいと思いますが、先ほど申し上げた全体的な改修、その他についてどのようなインパクトがあるのか、それはまだ集計ができていないので、しばらく待っていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。失礼します。