案件なし
- 【社長】
- 今日、10時から株主総会、引き続いて取締役会が開かれまして、19人の取締役が決まりました。そのうち18人は再任でございますが、新任1人の方は今年1月に三菱地所から転籍されました長島俊夫、不動産関係の副社長ですが、この方が正式に取締役になりました。19名の取締役が決まり、引き続き去年と同じような体制で仕事をすることになりましたので、よろしくお願いいたします。
- まだ、今年は特に郵便事業会社が、皆様ご承知のように一時金支給を3カ月にするなど、非常に厳しい環境でございますが、反転攻勢に向けて心を新たにして頑張りたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
- 今日は、お手元に(資料「郵政改革について」)お配りしましたように、郵政改革について、もう一度皆様にお願い方々、簡単にコメントしたいと思います。
そこに「1 経営の現況」、「2 震災からの復旧・復興に当たっても、郵政改革法案の棚ざらしは大きな問題」と書いてございますが、この1と2につきましては、既に皆様、丹念に取材していただいて、記事にもしていただいておりますので、詳しくは申しませんが、この「3 郵政改革関連法案の審議状況」について、改めて、今どういう状況になっているかをもう一度申し上げたいと思います。
- この郵政改革関連法案というのは、もう大分前になりますが、平成21年9月9日の三党合意以来、実は7カ月間にわたって政府・与党内でさまざまな議論が行われ、ようやく平成22年4月30日に法案を出したわけでございますが、それから約1年超を経過して、今現在、ほとんど国会で審議が行われない状況にあるわけでございます。昨年の通常国会、暮れの臨時国会、今年の通常国会と、いずれも法案が提出されておりますが、審議はほとんど行われておりません。今年の通常国会でも、1月24日に会期が始まっているわけですが、4月12日に郵政改革に関する特別委員会の設置決議が行われてから、委員会の名簿が提出されるまで約1カ月半を要するというようなことがあり、いまだに審議に入っていないわけです。
その間、私どもは、現在の郵政民営化法の中にあっても、株式売却凍結法が同時に成立している結果、いわば身動きできない中で経営に当たっているという状況が、ずっと続いているわけでございます。その間、当然のことでございますが、会社の経営は新規事業が認められないということで、なかなかうまくいかないことが多く、そこに書いてございますように、いろいろな面で、資産の劣化を招いていると思います。
そこで、皆様にお願いして、一刻も早く、少なくとも国会で審議を始めていただいて、今、私どもの郵政グループはどういう状況にあり、新しい法案の基で、どういうことを展開するのかとか、そういうようなことについて、少なくとも議論していただきたいということを切にお願いしたいと思っております。その点、皆様にもよろしくお願いしたいと思います。
- 以上、簡単ではございますが、冒頭申し上げることは以上でございます。何かご質問があれば、何でもお答えしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
- 【記者】
- この審議の見通しなのですが、本日、この法案を手がけた亀井国民新党代表が総理特別補佐官として官邸に入られることになりましたが、このことが法案の審議にどういう影響を及ぼすのか、また、どのように期待されているのかということをまずお教えください。
- 【社長】
- このことについては、亀井代表の政治家としての行動でございますので、私からコメントすることは何もございません。それから、これがどういう影響を与えるかについても、私としてはコメントするのが適当でないというか、どうコメントしていいかわからないというか、そういう状況でございます。
ただ、私が申し上げたいのは、この郵政改革法案の審議というのは、そういう政局の動向と関係なく、要は国民の資産としての郵政三事業をどうするか、今後どうしていくかということでございますので、国会として本来の姿である審議を始めていただきたいということをお願いするという1点に尽きると思います。
- 【記者】
- もう一つ、これも政局の話になるかもしれませんが、国会が70日間延長されて、民主党では衆議院での再議決という話もあったのですが、期間的には少し足りないのではないかということのようです。この法案審議の期間として、今の状況をどのようにお考えでしょうか。
- 【社長】
- もちろん、審議期間は長い方が、よりありがたいということは当然のことだろうと思いますが、70日間ということであれば、十分に国会で審議を尽くす時間はあるのだろうと私は思っております。
- 【記者】
- 郵政の審議入りについては、自民党は震災がまず先であると応じていませんが、これについて、まず率直にどういうお考えであるか教えてください。
- 【社長】
- 震災が先だということですが、特別委員会の名簿を出していただいたので、震災の審議ももちろん重要でございますが、郵政改革法案の審議も同時に大切だろうと思います。特に、私どもは、今度の震災でおそらく企業グループとしては最大の被害を被ったものの一つでございまして、地方公共団体からも、まず、いろいろなことの復興の最初に郵便局をどうしてくれるかということが、常に議題になるような、重要な問題の1つになるわけです。まさに、どの市町村にとっても、復興計画の1つとして、郵便局をどこに設置するかということが重要なテーマになると思います。
ところが、この郵便局を復興するにしても、私どもの体制がどういう体制になるかということが決まりませんと、なかなか復興計画自体が描けないわけでございます。したがいまして、私どもの気持ちとしては、郵政改革法案は今度の大震災の関連でいけば、震災復興関連法案の一つとして位置づけていただいてもいいくらいの、震災との関連も深い法案であるというふうに私自身は思っているわけでございます。
- 【記者】
- ちょっと古い話ですが、この郵政改革法案については、アメリカがWTO上、そのサービス協定に違反するという見解を示したこともありますが、これについて改めてご所見があれば、お教え願います。
- 【社長】
- 私ども郵政グループというよりは、政府がどう判断するかという問題だと思いますので、特に私がコメントすることを差し控えたいと思いますが、基本的には今の郵政改革法案がWTO協定に違反することは全くないと、私は個人的に考えております。
- 【記者】
- 先ほどもちょっと言及なさいましたが、震災等の復興に関しては、もう、3カ月経ちましたが、何時頃までに何らかの復興プランを出されるご予定なのでしょうか。それとも、何か出されるご予定はまだ決まっていないのでしょうか。
- 【社長】
- 必要なものはできるだけ早く復旧しなければいけませんので、倒壊した、あるいはいろいろな被害を被った郵便局のうち、必要なものについては、まず仮設の郵便局を設置して、順次開設にこぎつけており、皆さんのご不便にならないようにしているのは事実です。
ただ、いわゆる本格的な復興プランということになりますと、市町村も本格的な復興プランが、まだできていない状況ですから、それと軌を一にしてやっていかなければならないわけですが、グループ体制が5社から3社になるのかどうかということは基本的な復興計画に大きく響くわけでございます。郵便局の仕切り一つにしても、あるいはゆうパックや郵便物を配る会社と郵便局、つまり窓口の会社が1つになるかならないか、あるいは郵便局長が郵便事業について指揮権を持つかどうかということについても、随分変わってくるわけでございます。
したがいまして、郵政改革法案が成立すればこうだろう、成立しなければこうだろうという、2つのプランを並行して走らせなければならないため、具体的な復興プランがなかなか描けないという状況でございますので、一刻も早くご審議いただいて、郵政改革法案を成立させていただくのが、効率的な復興プランを描く最初だろうと私どもは思っているわけでございます。
したがいまして、先ほど来申しているように、この郵政改革法案は、今や復興法の1つとして非常に大きな意味を持っているのではないかと考えているわけでございます。
- 【記者】
- 今回の政府への配当金が約384億円位ありましたが、その辺についてちょっとコメントいただけませんでしょうか。
- 【社長】
- ゆうちょとかんぽに頑張っていただいたものですから、そういう結果になりましたが、基本的にはやはり一番基幹の事業である郵便事業、これが非常に危機的様相にあることは確かでございまして、私の意識としてはやはり、企業全体としては非常に苦しいという考えを持っております。
また、ゆうちょもかんぽも当面はよい成績を上げておりますが、基本となる貯金の残高、保険の保有契約数、いずれも非常な勢いで減っておりまして、将来の展望は少しも明るくないわけでございますから、そういう意味でも、郵政改革法案を通していただいて、新規の事業を認めていただき、新しいスタートを切ることが、いわば会社の資産価値を高めるためにも非常に重要であると考えているわけです。
したがいまして、国民の資産であるこの郵政三事業の資産価値を高めるということと同時に、東日本大震災によって甚大な被害を被った郵便局網、あるいは郵便事業網、ゆうちょ銀行、かんぽ生命を含めた郵政グループの再建計画のためにも、この郵政改革法案を速やかに審議入りさせることが非常に重要であるということをもう既にご報道いただいて、その点は大変ありがたいと思っておりますが、ぜひともまたよろしくお願いしたいと思います。
- 【記者】
- 震災の復興に関連して、国の財政悪化もあろうかと思うのですが、日本郵政としては資金運用の多様化を進める一方で、今後、国債の引き受けを増やしていって、そういうところを支えていくというようなお考えを公的企業のトップとしてお持ちなのかどうか、その辺についてお伺いします。
- 【社長】
- 今も8割近く国債を持っているわけでございまして、資金運用の多様化を図りつつ、公的信用をどう果たすか、これらのバランスの問題だろうと思います。ただ、郵政改革法案が成立したとしても、最後は持株会社が3分の1を保有し、残りの3分の2は民間の資本が導入されるわけですので、そこはやはり資産運用の多様化ということを図って、国債を保有するのが第一義的な使命だというふうに、いつまでも持ち続けるわけにはいかなくなるかもしれません。それは、すべて今後の問題だろうと思います。
- 【記者】
- 日本郵政そのものというよりは、傘下の郵便事業会社のことについて伺いたいのですが、人件費削減のために、これまで何回か非正規社員の雇いどめを進めているのですが、なかなかその規模というものを公表していただけない状況が続いておりまして、どれくらいの規模で行っているのかというデータは、社長のところにも上がってきているのでしょうか。
- 【社長】
- それは社員数ということでしょうか。
- 【記者】
- そうです。
- 【社長】
- それは逐一詳細な資料が上がってきておりまして、今年の計画を見ますと、去年、ゆうパック事業がああいう形でスタートした年で、全ての社員数を見ると非正規社員も増えていますが、平成23年度全体で見ますと、平成22年度にやや多くなった社員数が減った結果、ほぼ規模としては平成21年度末と平成23年度末の社員数がほぼ同じになるという見通しになると思います。
内訳としては非正規社員よりは、正規社員の数がやや増えるということで、総体としては平成21年度の社員数が、平成23年度末の社員数として維持されるということになるのではないかという見通しでございます。
もちろん、繁閑がいろいろありますから、今後、若干、変動はありますが、総体の規模としては、そういう感じになっております。
- 【社長】
- とにかく、私がお願いしたいのは、ぜひとも皆様のご協力を得て、国会が機能を発揮していただいて、少なくとも郵政改革法案の審議に一刻も早く入っていただくよう、皆様からもプッシュしていただきたいという、その1点でございます。
よろしくお願いいたします。
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