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2009年12月28日 月曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2009年12月28日 月曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

案件なし

【社長】
今日で大体、就任から2カ月位になりました。この間、一生懸命、皆さんと一緒に仕事に取り組んできました。多くの人にお会いしましたし、まだ地方の郵便局へ参る機会がありませんが、都内の郵便局も幾つか見させていただきました。それから、地方というか、利用者というか、地域住民の声を聞くことは非常に大切だということで、11日には政府による公聴会が開かれ、20日には高知市で地方の利用者の皆さんの意見を聞く会というのが催されました。1月には、14日の福知山をはじめ、豊橋、それから加茂市で、あと3回、地方の皆さんの声を聞く会を行うことになっています。
私はやはり今後の事業展開を行うに当たって、利用者、地域住民の皆さんの声を聞くことは非常に重要だと考えておりまして、まだあと3回ありますので、それらの声を聞いて、今後の事業展開をどうするかということを具体的に考えたいと思っています。
そういう意味で、最初の記者会見で、12月中にどういう事業展開をするか等を含め、今後の方向について結論を出したいと申し上げたのですが、まだその段階までは至っておりません。過去に行われた利用者の声を聞く会でわかったことは、やはり郵便局の機能が大幅に低下しているという声が非常に強かったということです。もう少し、郵便局のサービスを上げてほしいという、いわば一体サービスというのでしょうか、そういう郵便局のサービス水準を上げてほしいという声が圧倒的に多かったという認識を持っています。あと3回、利用者の声を聞くことも必要ですが、そういう意味で、どうやって郵便局の機能をこれから上げていくか。10月20日の基本方針にもあった、そういう一体サービス、全国一律のサービスというものをどういうふうに強化していくかということが、これから考えていかなければならない最大の課題ではないかと考えています。
また、一方で、今月4日に関東財務局から業務改善命令が出ました。これらの中には非常に長年にわたって巨額を横領していたような事件も発覚しており、大変申しわけないことだと思っています。今、どういう具合にこれを改革していくかということで、主としてゆうちょ、かんぽ、郵便局、郵便事業の各首脳が、一生懸命協議しております。1月6日には関東財務局に結果を報告することになっておりますし、また公社時代にあった、かんぽの不払い問題というのも一応整理がついております。
これからは、いわば利用者本位の視点に立って、そういう不届きなことを極力なくしていかなければいけません。そのためには、やはりいろいろな意味で、コンプライアンスの点でもいろいろなことをやっていかなければいけませんし、まだ課題は山積しておりますが、一生懸命やっていきたいと思っております。
年末にあたって、今、私が持っている考えでございます。あとは何かご質問あれば、何なりとお答えしたいと思います。
【幹事社記者】
まず幹事から1問。先日、JPEXについて、今後の方向性がまとまりました。日本郵便が、郵政グループが取り込んで、事業を展開していくということですが、これについて、改めて社長のお考えと、今後の宅配事業をどのように位置づけて発展させていくのか、お教えください。
【社長】
それは最初に、私が振り返って、いろいろなことを申し述べた中では、申し述べなかったのですが、基本的には、この間、申し上げたと思って、あえて触れなかったわけです。3つの考え方があると、この間、申し上げましたが、その中で、すべて郵便事業会社の鍋倉社長以下に解決案の提示というか、どういう解決をしていただくかということについて、いわばお任せしたような感じで、私は直接には、その内容について、こうしてくれとか、ああしてくれということを言ったことは一切ございません。直接担当である郵便事業会社の鍋倉社長が、今後のJPEXの事業展開をするに当たって、どういう方法が一番いいかということを、過去の経緯にとらわれずに考えていただくのが一番いいと私は思いましたものですから、鍋倉社長にすべてを一任したということでございます。
その結果の大体の方向性については、先日、プレスリリースがあったと思いますが、非常によい結果になったと思います。もちろん残された課題はまだ多くございますし、1月末に向けて、どういうふうに事業を整理していくかということなど、大きな課題がまだ残っております。それから、やはりこれから受ける痛手は非常に大きく、将来に向けて、郵便事業が受ける今後のいろいろな負担というのは大きいと思いますが、一応はっきりとした方向性が示されたということは大変ありがたいことだと私自身は思っております。
【記者】
先日の新聞のインタビューの中で、ゆうちょとかんぽの限度額1,000万円を見直してほしいということをおっしゃられていたと思うのですが、見直すというのは、どの程度なのですか。撤廃するということなのでしょうか。また、見直す必要がなぜあるとお考えなのでしょうか。この限度額の見直しについて、国内外を含め、民間の金融機関から暗黙の政府保証が残っていて、民業圧迫になるとの批判がありますが、これについては、どうお考えなのでしょうか。
【社長】
この問題は基本的には政府がお決めになることでございまして、具体的に申し上げますと、政令事項ということでございます。ただ、私が申し上げたのは、ゆうちょを利用していただく方々の声を聞くと、やはりこの1,000万円という限度額があることについては、いろいろなご不便を感じておられるのではないかということです。専ら利用者の観点から見て、ほかの預金には限度額がないのに、ゆうちょだけが限度額を設けているので、これについては、もう少し緩やかにしていただけないかということを一般的な感想として申し上げているということでございます。
それから、暗黙の政府保証というのは、現実に政府保証があるわけではありません。今、これもいろいろ議論があるところでしょう。これにはいろいろな見方があり得るとは思いますが、預金する人は、例えば、三菱東京UFJ銀行で預けている方が、あの銀行はつぶれると、危ないと思って預けている方は、おそらくほとんどいないのと同じで、今や、例えば三菱東京UFJ銀行に預金される方と、ゆうちょ銀行に貯金される方と、自分の預けたお金について、どちらの方が安全だという意識を持っておられる預金者はあまりいないのではないかと、これは私の意見ではなく、いろいろな意識調査みたいなものを聞くと、大体そのようです。
ですから、暗黙の政府保証というのは、それほど議論の対象として考慮されるべき要素にはならないのではないかというのが、第1でございます。
それから、従来からゆうちょに、当初300万円、1,000万円という制限があったのは、やはり財政投融資関連といいましょうか、0.2%の優遇金利もついて、いわば政府のそういう一連の政策金融の中に位置づけられた、ゆうちょというものの存在が、民業を圧迫するという観点から設けられたのだと私は思っております。
したがって、今後、我々は、そういう意味では、民間の銀行とイコールフッティングということを基本的に何とかできないかということを目標にしたいと思っているものですから、その意味でも、限度額に差がついているのは、論理的におかしいのではないかと申し上げているわけでございます。
【記者】
追加の質問ですが、その限度額撤廃については、今後、政府のほうに要望されていくおつもりでしょうか。
【社長】
ゆうちょの限度額について、何とかしてほしいという要望が、前の経営陣からもありました。それは、終始一貫して、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の要求でございますので、それについては何ら変更するところはないということでございます。
【記者】
政府からも郵政見直しの3案が提示されました。齋藤社長の個人的な見解で結構ですが、どの案が望ましいとお考えでしょうか。
【社長】
先ほど申し上げましたように、どういう事業展開をするかということについて、まだ最終的な内部での検討も済んでおりませんので、お示しになったというのは、新聞報道で聞いてるだけでございますので、私どもとしては、今の段階で、どの案がいいかということを決める段階にまで、まだ至っておりません。
【記者】
いずれにしても、現在の純粋持ち株会社におけるグループではなく、事業持ち株、あるいは一体の中での議論に変わってしまったのですが、それについては容認できるということですか。
【社長】
基本的には、政府が決められることでございます。具体的にこうしたらどうかという内容の検討について、具体案が政府から示されたわけでもございませんし、私どもとしては、まだ、それについて申し上げる段階ではないと思っております。
私どもにも、いずれ、そういう意味で、たたき台として提示があると思いますから、その段階になりましたら、やはり私どもがどういう事業展開をしていくかということと密接に絡みますので、私どもの意見も申し上げなければいけないのかなと思っております。
【記者】
今の質問にも関連するのですが、政府の郵政改革の作業に関連して、郵便局の新しいサービスについて、介護の相談であるとか、パスポートの発給の申請であるとか、はたまたお年寄りへの食事の宅配であるとか、公共交通機関の乗車券の発券であるとか、さまざまなアイデアが挙げられているのですが、以前、社長は、人員の面からしても、いろいろと検討しなければいけない、慎重に検討しなければいけないということをおっしゃっていましたが、いろんなサービスを郵便局に行ってもらいたいという政府のいろいろなアイデアについては、どうお考えですか。
【社長】
基本的に、公聴会というか、地方の皆さんの意見を聞く会でも言われたのは、郵便局の機能が落ちているということです。その落ちているというゆえんは、昔は郵便局の局員が、いろいろなことができたということです。皆さんの、地域住民の、利用者の声を伺って、そのサービスを代行するとか、いろんなことができたのに、今はできないと。その点を何とかしてほしいという声が非常に強かったのも事実です。
10月20日の基本方針でも、ワンストップ行政の拠点ということが書いてございまして、いわば、特に、俗に言う僻地というところでしょうか、そういう人口が過疎な地域では、そういう行政サービスの最終拠点として、市町村合併もありましたし、農協の出張所も大分なくなってきたということもあって、残っているのは郵便局だけだという地域もあるわけです。
したがって、そういう地域で、いろいろなサービスを提供できるようにするというのが、地域振興という観点からも、私はできるだけ、できればやりたいと思っているわけですが、一方、私どもは株式会社経営でございますから、コストを無視して実施するわけにもまいらないということがあります。それから、そういう地域の郵便局の人員は、極めて少ないということもあります。
したがって、郵便局で働いてる方々が、あまりの労働過重になるのもいけないという問題もあります。したがって、それらをどういう具合に考えて、どこに着地点を見つけたらいいかということを、今、そういう地方の声も考慮に入れながら、部内で真剣に議論をしているという段階でございます。
したがって、いずれは、これについて、どこまでできるかということを明確にお示ししなければならないという段階が来ると思います。今はまだ検討中の段階でございます。
【記者】
手順的なことでいいますと、日本郵政としてまとめて出すというよりは、政府が出してきた案に対していろいろ意見を言うという段取りになるのでしょうか。
【社長】
それは、両方だろうと思うのです。結局、政府のお示しになる案というのも、そういう地域住民、利用者の声を考えて、いわば地方から上がってきている声などを汲み上げておっしゃっている、あるいは行政側の要望を受けとめておっしゃっているということと思うのです。
したがって、そういう、私どもが受け身になってやる部分と、私どもも、郵便局の局員とか、利用者の声というのが、モニター制度もありますし、いろいろ上がってくるわけですから、その中でこれはやりたいと、これはやってみようじゃないかという声は、私どもの側から出ることもあろうかと思います。したがって、そういう双方向の作用で、次第に煮詰まっていくというのが実態に近いのではないかと考えています。
【記者】
3つ伺わせてください。1つ目は、今ちょうど私自身も年賀状を出し終わったところなのですが、年賀の非常にいいイメージの広告に影響されて、随分たくさん出してしまったのですが、出し終わってみますと、やはり1枚50円という、ふだんと同じ料金というのについては、若干不合理な感じを受けました。出費も多かったものですから、そういう感じがしたのですが、ふだんよりもたくさん合理的にさばける時期ですので、この期間に限って、あるいは年賀状に限って、割引するとか、そういうことを将来検討してもいいとお考えかどうか、ちょっと財布と相談しながら、質問させていただきたいというのが1つ目です。
2つ目は、今までも質問にあったかと思うのですが、2カ月たって、地方の声も聞かれたということで、改めて株式の売却について、3社になるのか1社なのか、基本的なことが決まっていない部分はあるのですが、現時点で、今まで話しておられたときよりも気持ちが進んだ、考えが進んだ部分があればお伺いしたい。
3つ目は、担当大臣の亀井さんが代表をされている国民新党が、「日本郵政グループへの要望」の中で、特定郵便局長について、65歳定年制ということを唱えているのですが、これについてどうお考えなのかということと、役員の方について、定年制であるとか任期であるとか、そういうものについて、どうお考えであるのか、その辺のことを伺えますでしょうか。
【社長】
最初の年賀はがきの料金の件ですが、それは率直に申し上げて、今そういうご要望についてお聞きしたのは初めてでございまして、実は個人的には、大変驚いております。私どもは、年末年始、大変な労力を費やして、年賀状が元旦に着くように一生懸命努力して、やっているものですから、ふだんの50円よりもコストが安くていいとか、そういう意識はなくて、年末年始に仕事が集中して大変だなというのが、社員の持っている意識ではないかと思います。したがって、今のところ、50円を将来下げていくというような考えをまだ検討したこともございませんし、個人的にも思っておりません。
株式売却については、従来の民営化路線が、株式売却を性急に進めた結果、民営化の観点が強過ぎた結果、公聴会でも示されたようないろいろな弊害が出てきたということは、事実でございます。その意味で、20日の株式売却を見直すということを含めた基本方針が、国民の5割以上の支持を得ているというのが実際だろうと思います。かといって、株式会社でございますから、その株式を未来永劫売却しないということを言っておられる関係者は、亀井大臣を含め、おそらく1人もおられないのではないかと思います。
したがって、いずれかの時期で、株式売却についても、一定の方針が出てくるのではないかと、これは主として株主である政府の意思決定の問題だろうと思いますが、いずれはそういう方針が出てくるのではないかと、私は思っております。
私は株主ではないので、私が申し上げるのは適当ではないですが、私は株式売却を永遠にしないということは毛頭考えていないつもりです。私個人としてはです。
それから3番目は定年制の話ですが、この国民新党のご提案は、要するに郵便局長の定年をどうするかというのは、法的設計に係る問題でございまして、政府部内の調整というのがまず第一だろうと思います。したがって、それについて、私のほうも経営の視点からいろんな意見を申し述べていくことがあり得ると思いますが、人数の問題もありまして、40万人のうち、ウェイト的なことからいくと高いわけでございますが、基本的には経営の根幹自体に響くというほどの話しではないと思います。経営に直接響くというほどの話ではないと思いますが、基本的にはやはり政府の中で議論されて決めていかれるのだろうと思います。
役員の定年制については、目下のところ、何も考えておりません。
【記者】
税制改正要望に絡んでなのですが、総務省から出ておりました、いわゆる金融2社の業務委託に関する委託手数料にかかる消費税の非課税化、一応、これは検討事項ということで先送りになったわけですが、この問題について、先送りになった点をどうお考えかということと、今後、組織の問題がありますので、それによって変わってくると思うのですが、そのあたりの社長のお考えを教えてください。
【社長】
これは、もともと公社時代は、1本だったものです。したがって、消費税は発生しなかったのですが、民営化ということで、5つの会社に分解された結果、その間のやりとりが必要になり、その結果発生することになったものです。実は前の公社時代にも、民営化で4分社化される前に、何とかならないかということで、相当いろいろなことをされたと伺っております。したがって、もともとは会社が1本、1つであったら、かからなかったものが、分割されたためにかかってしまったということについて、経営サイドから見て、やはり何ともやり切れないという感じがあるのは、これはある意味では当然でございます。
したがって、これからこの議論はすぐれて、会社の経営形態がどうなっていくかということにも関連しますし、それから会社間の委託費の現状のあり方とか、そういうことにも絡んでくるので、それを待ってから、また考えたらいいのではないかと私は思っております。今、一義的にそれを絶対にやめるべきだとか、そういうことを申し上げるのは、あまり適当ではないと思うのは、やはり同じような子会社化をしている企業が幾らでもあって、そういうところで委託費が出れば、当然のことながら消費税を取られるわけですから、こちらについて、それを一律に、税をなくしてくれというのも、あまり過大な要求かなという気がします。しかし、もともとは、1つであって、今でも事業としては一体になってやっているのに、たまたま会社が別になったから消費税がかかるというのは、いかにもせつないなというところから出てくる発想だろうと思います。
それは経営する立場としては当然であって、もし1つであれば、何百億という金が節約になるわけですから、その点について何とかならないかと思うのは、いわば企業経営のあり方としては当然だろうと思います。
【記者】
新聞のインタビューについてですが、銀行と保険について一切規制をなくした方がいいのではないか、そういうふうに経営していきたいということをおっしゃっていたかと思うのですが、これは、要するに特殊会社ではなく、銀行法、保険業法の適用をそのまま受ける民間会社であるべきということなのでしょうか。
もう一つは、その際、政府出資というのをどうお考えなのでしょうか。完全民営化するべきなのか、出資は残っても民間会社としてイコールフッティングが図れるのかということについてお伺いします。
【社長】
基本的な考えとしては、かつての財政投融資を行う機関という感じのゆうちょ銀行、あるいはかんぽ生命の経営形態というのはあり得ないと思うのです。それは既に資金運用部との関係が完全に切れていますし、それぞれの政府の、あるいは政策金融機関なども、それぞれが独立採算となっていますから、ゆうちょと、そういう政府関係の金融機関というのでしょうか、それとの関係が切れていて、それが復活することはあり得ないわけです。したがいまして、私は基本的にはゆうちょ銀行というのは、民間の金融機関とイコールフッティングで行くべき、行かざるを得ないと、そうしなければ生きる道がないと考えているということです。
あとは、具体的なゆうちょ銀行のあり方等について、最終決定されるのは政府でございますので、これはあくまでも私の個人的な見解というものにすぎません。ただ、ゆうちょとかんぽについて、民間とイコールフッティングにしておこうという考え方は、それほど抵抗感なく、政府の方にも受け入れられつつあるのではないかと、私は個人的には思っております。したがって、基本はあくまでも民間とイコールフッティングという立場に立った、金融機関でありたいなという希望でございます。
【記者】
今の部分に関連してなのですが、郵政改革の基本方針では、銀行法ですとか、保険業法の規制を受けないようなあり方も検討すべきと。あと、簡便な方法で金融サービスが提供できるようにとか、そのような政府の基本方針もあるわけですが、そうしますと、完全に民間とイコールフッティングでということになりますと、そういう政府の目指してきた方針、これまで言ってきた方針と若干違うということになりませんでしょうか。
【社長】
その点は誤解を招いてはいけないので申し上げたいと思うのですが、それは利用者の会というか、地域の声でも、銀行に預金を預けるのに、非常に手間がかかるというようなことが言われておりまして、それは銀行法、保険業法の中であっても、そういう手続き上の特例というのでしょうか、そういうことは不可能ではないのではないかと個人的に思っております。
それから、今、主として何が問題になっているかといいますと、むしろゆうちょの運用の方で、従来のように資金の流れを政府主導の形で、いわばゆがめて財投に一方的に流していたわけで、やはり資金運用の方で、実は民間銀行との間でイコールフッティングという点が問題になっていたのだろうと思います。
私が希望と言って申し上げたのは、その部分でございまして、今、あなたがおっしゃったのは、むしろゆうちょを預かる方でございます。預金していただく方について、本人確認の手続きとか、そういうことについて、従来と違って非常に煩雑になったということの他に、私どもは民営化法で別の規制を総務省の方からも受けておりますので、そういういろいろな規制が、実は郵便局の業務活動にあります。主としてゆうちょで言えば集める方です。そういうことについて、いろいろな手続きの煩雑さがあるので、それを何とか簡素化していただいて、利用者本位にできないかということの方であって、それは、いわば、ゆうちょが民間の金融機関と違って、資金の流れをゆがめているというような批判の部分ではないと私は思っております。
【記者】
それにまた関連してしまうのですが、そうなると、これも経営形態見直し後の話になると思うのですが、もし、事業持ち株会社の下に、ゆうちょ、かんぽをつるす案だとしますと、それについてどうお考えなのでしょうか。
【社長】
それになるかどうかわかりませんよね。
【記者】
わからないということを前提として言っているのですが、その場合、親子上場についてはどうお考えなのでしょうか。例えば、親会社である事業会社も上場する。それで子会社であるゆうちょ、かんぽも上場する。その親子上場についての可能性はどうなのでしょう。
【社長】
今の、ゆうちょ、かんぽの、要するに両法の適用と株式の上場というのは基本的にはあまり関係がないと私も思っています。例えば、今いろいろな会社で、全額非上場の会社もたくさんありますね。別にそれが経営として特殊かというと、株式会社として経営するに当たって、それほど問題はないと思うのです。したがって、政府出資のあるなしにかかわらず、その経営において、株式会社として、経営効率化を貫いていけば、政府保証とか政府出資をバックとして、民間と違う何らかの有利な、例えば資金の運用とか、そういうことをやればそれは問題が生じるでしょうが、そういうことをしない限りは、政府保証のあるなしというのは、あまり会社の経営に直接的には影響はないと思います。その会社の経営が、あるいは会社の方針に政府からの干渉があって、その方針がゆがめられてくるということであれば、弊害があるということではないかと思います。
ただ、政府の方針というのは、圧倒的な民意に支えられていれば、それはそれで受け入れなければならないということではないでしょうか。
【記者】
ちょっと漠然とした質問になると思うのですが、今年はかなり日本郵政も波瀾の1年だったと思うのですが、来年はどんな1年になるというふうにお考えですか。見通しをお教えください。
【社長】
来年の通常国会に郵政改革法案というのが出て、そこで日本郵政グループがどういう会社形態で、どういう事業を行っていくかということが、国会の論戦もあるでしょうから、おのずと明らかになってくると思います。そこでの結論は当然のことながら、民意に基づいたものになると私は確信しております。
そのために、いろんな公聴会、モニター制度も行い、利用者としての地域住民の声もできるだけ吸収しようとしているわけですから、その辺のところの結果が郵政改革法案に反映され、いろんな意味で新しい会社になるのに多少時間はかかると思いますが、我々グループにとって力強い新しいスタートになると思います。すべてのことが、地域住民、利用者の声に応じた、しっかりした対策をとっていくというように希望しておりますし、またそうしなければならないと考えています。
【社長】
ありがとうございました。
まだ年賀状を書いていただいていない方は、できるだけ年賀状を出していただいて、年賀状の売り上げにご協力いただきたいと思います。年賀状を書くというのは大変いいことだと思います。私も久しぶりにもらうと、おっ、こんな人がいたなということで、毎年、初めにすばらしいものをいただきます。皆様も、ぜひ年賀状を書いていただきたいと思います。それほど高くないと思うのですが。ひとつよろしくお願いいたします。