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2009年11月27日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2009年11月27日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

案件なし

【社長】
就任してからほぼ1カ月がたちました。その間、日常の比較的忙しい業務をこなしながら、郵便局長の皆様とか労働組合の方々など、多くの方々にお会いしました。それから、郵便局の現場も拝見させていただきました。
それらを通じて、私が所属しています郵政グループの社員が非常に高い意識を維持しているなと、大変心強い感じを持ちました。
また、子会社の経営陣の新しい陣容も決まって、ようやく各社の取締役会も昨日終わりました。
そういうことで、これから私どもの郵政グループの事業をどう展開していくかということについて、利用者の皆様の声も聞きながら、本格的に検討していく段階に来ていると思っております。
幸いなことに、優秀な4人の副社長を迎えておりまして、この方々にも地方の郵便局など現場の視察に行っていただいております。その報告を聞いておりますと、地方の郵便局の中には、同じ郵便局の中ですが、ゆうちょを扱っている部門だけ、壁が塗りかえてあって、郵便事業を行っている方の郵便局は壁も塗っていないというようなことがあったと伺っておりますが、そういう事態はこれから直していかなければいけないし、郵便局の中の私どもの本来事業である郵便、貯金、保険が、一体となって運営していけるようにしていかなければならないと思っております。
また、地方の利用者の方々の声を伺って、それを生かしていくというのが非常に重要なことだと思っておりますので、まだ具体的なスケジュールは決まっておりませんが、曽野綾子様をヘッドにして、地方の声を聞く機会を設けたいと思っております。それには、地方に在住しておられます我々の社外取締役にも出ていただいて、公聴会なんていう大げさなものではないですが、地方の利用者の方々の声を聞いて、それを業務に生かしていく、そういう機会もつくりたいと思っております。
すべてこれからでございますが、そういう利用者本位の業務展開を行いながら、さらに公益性を保ちつつ、効率性のいい仕事をしていきたいと、今思っているところでございます。
以上でございます。
【幹事社記者】
まず、2点お伺いしたいと思います。1点目なのですが、国会の方で郵政株式売却凍結法案の審議が始まりました。これと並行して、来年の通常国会に向けて郵政改革基本法案の作業が進んでいくのだろうと思います。現場をご覧になってきたということなのですが、齋藤社長就任会見のときに、会社側としても、実態に即した形でいろいろ方向性や意見をまとめていきたいとおっしゃっておりました。分社形態の見直しですとか、例えば政府の出資の比率ですとか、そういったことについて、今現在の検討状況であるとか、あるいはどのような要望をご提出されるお考えなのか、そのあたりをお聞かせください。
もう1点は、先ほど冒頭のごあいさつにもございましたが、グループ各社のトップ人事を実行されました。今回の人選のポイント、それから、こういったタイミングで経営陣を替えるというねらいですとか、これについて改めてご説明ください。
【社長】
現在、内閣府に郵政改革のための室ができて、そこで検討が始まっております。通常国会に郵政改革法案を出されるのは政府でございまして、私どもではございません。
したがいまして、私どものなすべきことは、私どもの仕事を通じての意見をその改革準備室などを通じて申し上げていくものと考えています。私どもの意見をなるべく取り入れていただくということになろうかと思います。
そのための作業は、これから鋭意詰めて、いずれにせよ、通常国会が始まるのは来年になってからでございますから、まだ時間がございますので、これから詰めていきたいと思っております。
それから、人事については、既にいろいろな報道がなされております。個々のことについて申し上げるのは適当ではないと思いますが、私は、今、新たにスタートした4社の経営陣がベストの経営陣であると信じております。
【記者】
先日、日本郵政グループの中間決算が発表されました。グループ全体の純利益、前年同期に比べて10%近く落ちているということです。じり貧というのでしょうか、売り上げも、利益も減っているという状態だと思います。収益の構造自体も以前から金融に依存しているというようなことが指摘されていましたが、その辺の収益構造、業績そのものについて、社長がこちらに来られてからお感じになっていることや、これからの課題をどうお考えなのでしょうか。
【社長】
今、非常に経済の状況が悪いわけです。したがって、どの企業も減収減益ということになっています。
その中で、私は、郵政グループは皆さんの努力のおかげで、非常にいい成績を上げていると思っております。
それから、これから下期にかけて一層努力することによって、通期では、例えば郵便事業については赤字なのが黒字になるでしょうし、通期では、かなりの持ち直しもできると思っておりますし、その結果について失望はいたしておりません。
構造的に確かに貯金残高は減っておりますし、保険契約の保有金額も減っておりますし、郵便事業そのものも減っておりますが、これはこれから、社員一同の地道な努力によって、改善していくようにしたいという希望は持っておりますが、収益構造そのものが急速に悪化したという具合には考えておりません。
【記者】
ちょっと前向きのことがいろいろスタートしている時に、後ろ向きの質問で恐縮なのですが、今月1日付で、前社長の西川善文さんが三井住友銀行の顧問になられたそうです。これは、同じ銀行法で競争しているゆうちょ銀行を持っている日本郵政の社長だった方が、何日も置かずして、同業のライバルである三井住友銀行の顧問に就くということは、本来、民間の企業同士であれば、あり得ない利益相反の問題があると思います。それについて、そもそも日本郵政として、お辞めになった後、こういうことを認めないというような契約をされているのか、契約として盛り込まれていなかったのか、あるいはなかったとしても、モラルの問題として、問題があるということで抗議されるようなお考えはあるのか、ないのか、また、基本的なお考え等について、ちょっと教えていただけないでしょうか。
【社長】
これは、前の西川さんの、いわば個人の問題でございますので、コメントは差し控えさせていただきます。
【記者】
直接的にはあまり影響はないのかもしれないのですが、昨日、今日で、また円高がかなり進行しているのですが、どうご覧になっているか、ご意見をちょうだいできますでしょうか。
【社長】
これは、私どもの業務に直接影響があるとは思いません。ただ、それによって、経済全体に問題が出るとすれば具合が悪いなということで心配しておりますが、直接私どもグループに影響があるというような問題ではないと考えております。
【記者】
先ほど、社長、利用者本位の業務を展開したいとおっしゃいましたが、例えばパスポートの業務でありますとか、あるいは年金通帳の記録をゆうちょのATMでやるとか、そういった新規業務の展開については、どのようにお考えになっておられますか。
【社長】
これも郵政改革法案の中身と密接に関連がありますので、やはり私どもの業務については、いろいろ法律上の規制もありますし、これから新しい業務として、どういうものをやっていくかということについては、政府の方とも綿密に連絡をとりながら、決めていかなければならないと思いますが、全く興味がないということではありません。10月20日の閣議決定にも行政のワンストップサービスの拠点とするということがはっきりと書いてありますし、郵便局というのは全国津々浦々にあるわけですから、そういうことの拠点として利用していただくというのは、非常に興味のある提案だろうと思います。したがって、できるだけ前向きに捉えていきたいと思います。
ただ、ご承知のように、地方の郵便局は、特に人数が非常に少ないわけでございます。したがって、あまり仕事の範囲を広げると個人の負担が過重になりますから、そのようなことも考えながらやっていかなければならないということですから、システムをどうするかということも密接に絡みますし、これから、少なくとも前向きに検討はしていきたいと思っています。
【記者】
今の質問の関連なのですが、今日、国民新党が集配郵便局大幅削減の見直しを、社長に要望として手渡されたそうなのですが、これを仮に見直しするとコストが相当嵩むと思うのですが、この辺に対する取り扱いはどうなるのでしょうか。
【社長】
まさにおっしゃるとおりで、収益性の維持というのは、当然のことながら株式会社ですので、これは第一に考えなければいけないことです。それと郵便局が持っている公益性の維持という2つを両立させるという非常に難しい課題を私どもは背負っていますので、それとの絡みで、ご要望の筋は考えていかなければならないので、まだ何も決まっておりません。
【記者】
ゆうちょとかんぽの資金運用については、これから具体的には詰めていくと思うのですが、現時点で社長がこんなことをしたらいいと考えているような構想がありましたら、教えていただけますか。
【社長】
特に申し上げられるほど煮詰まったものはございません。まさに非常に難しい課題ですから、これから時間をかけて急がずに考えていきたいと思っています。
【記者】
行政のワンストップサービスの拠点として、地方の郵便局を利用できないかということを、亀井大臣もずっとたびたびおっしゃられてきたことであり、また、それを総務省の原口大臣とも話し合いをしているとか、いろいろなことがおっしゃられてきましたが、また、あと年金手帳なんかの取り扱い、これについても厚労省の方と話をしているなどという話が随分前に取りざたされましたが、今の社長のお話にありますように、収益性の観点から言うと、そのネットワークを維持して、かつ、過重な負担をかけるのは望ましくないということで、このあたりの矛盾といいますか、実際にその構想の進展具合といいますか、このあたりを教えていただければと思います。
【社長】
行政のワンストップサービスを行うというのは、亀井大臣、原口大臣のご意向というよりも、10月20日の閣議決定に明瞭に書いてあります。したがって、それはいわば閣議決定で政府の意思として決定されたことと私どもは受けとめております。
したがって、これらについてご提案があった場合には、それについて前向きに取り組んでいく必要があると思います。もちろん今おっしゃったように、収益性という観点、コストがかかるという観点、それから先ほども申し上げましたように、地方の郵便局の局員は非常に人数が少ないですから、その労働が過重にならないかというような問題を含めて、もちろん慎重に検討しなければいけないと思いますが、私どもが全国津々浦々にある郵便局をそういう拠点として活用することについては、前向きに取り組んでいく必要があると明確に意識しております。
【記者】
今までご発言の、ゆうちょ、かんぽの資金運用についてなのですが、急がずにやるとおっしゃったその意味は、資金運用の見直し、今現在国債に8割ぐらいと偏っていますが、これは見直す必要があるという意味合いでのご発言ととってよろしいのでしょうか。
それから、ゆうちょの残高なのですが、減っているということについて努力するということなのですが、回復したいというお話と受けとめるのですが、限度額の額も含めて、ゆうちょの規模として現状を維持する、もしくは改善する、回復するという規模を適正と考えるのか。それとも、もう少し小さな銀行として、そのかわり津々浦々サービスを、公益性という意味から維持するということが望ましいと考えるのか、どちらなのでしょうか。
【社長】
そこら辺も、今検討している最中と申し上げた方が適当だと思います。ゆうちょについては、確かにかつての残高に比べると相当な減りようをしていることは確かですし、片方でもっと減らせというご意見があることも承知しておりますし、旧来の経営陣もゆうちょの限度額を上げていただきたいという要望をしていたということは、その方向ではないということも理解できます。これらのことを考えながら、慎重に検討すると言った意味は、いろいろな問題について性急に結論を出してはいけないと、民間金融機関との競合のあり方とか非常に微妙で難しい問題を含んでいることですから、それこそ各方面の意見も伺いながら、適正な解を見つけなければいけない。大変難しい作業だと思っておりますので、いずれがいいという答えをまだ明快に持っているわけではありません。
【記者】
資金運用の見直しのところは、急がずにやるというのは必要があるという意味でとっていいのでしょうか。
【社長】
今のような国債運用が8割と、これは実は預託金と合わせた総合計で申しますと、徐々に減っているのですが、いずれにせよ国債運用が過剰であるという現状について、個人的なまだ段階ではありますが、基本的方向としてはそのままでいいとは思っておりません。
また、明らかに地域に還元するとか、地域金融をどうするかとか、あるいは個人に還元する個人融資をどうするかとか、いろいろ難しい課題がありますが、今のままでいいという具合には考えておりません。何らかの新しい方向を見出さなければいけないと考えておりますが、実質的にこれは難しい課題だと思います。
郵政民営化という路線を走っておられた前の経営陣も、ゆうちょの運用のあり方について大きな改革はできなかったということも現実でございますから、どのようにしていくか大変難しい課題だという認識を持っております。
【記者】
JPエクスプレスの問題についてお尋ねします。直接は社長の前の方の時代のものなのですが、今、非常に経営上の問題として重くのしかかっているやに聞いております。持ち株会社として、郵便事業会社と日通との間の話なのでしょうが、これについてどういうふうに今後対処されるのか、今後のこともございますので、交渉事になると思うので詳らかにできない面も多々あるとは思いますが、基本的なお考えをお聞かせください。
【社長】
これは実は一番頭の痛い問題です。郵便事業というのは郵便物を1つずつ大切に届けるという、いわば地味な努力の積み重ねで成り立ってるものであると私は思っておりますが、今回のプロジェクトは、ややそれとは性格を異にしている面もあります。それから、非常に性急に進められたというプロセスもあります。それから、肝心の認可が総務省からおりなかったということもあります。
したがって、この全体のプロセスが、私にはどうも理解しがたいことが多いのですが、当時プロジェクトを推進した方々と現場の方々の意見がどのようなことであったかというようなことも検証していかなければならないのでしょうが、非常に頭の痛い問題です。そのまま放置しておくと、赤字が日々拡大しているということも確かです。したがって、これをどうするかというのが今、一番喫緊の課題といいますか、これは急がなければいけないということだと思います。
これについては確としたことは申し上げられませんが、やはり年内にはきちんとした方向を出したいと思っています。今、新しい郵便事業会社の社長を中心に、一生懸命詰めてもらっておりますが、極めて難しい難問だと認識しています。ただ、何らかの結論を早急に出さなければいけないということでございまして、これは前の経営陣から受け継いだ私にとって最大の難題と考えています。なぜこういう経営判断をされたかというのは、どうも理解に苦しむところがあります。
【記者】
資金繰りについてはいかがでしょう。
【社長】
資金繰りが、実はショートするということは明快なものですから、昨日の郵便事業会社の取締役会で緊急融資として100億円の枠を設定して、年末までの期限ですが、一時的な資金繰り融資をすることにしております。
【記者】
今朝、社長は国民新党のヒアリングに行かれて、その場で日本郵政への要望というものを何項目か受けたと思うのですが、その中に先ほども質問で出ていましたが、特定郵便局長の65歳定年制の復活といった要望がございました。先ほど現場を見てこられて、社長も現場の士気が高まっているという発言をされたやに伺っていますが、現場の力を高めていく上で、この65歳定年制を復活させるお気持ちは、現時点での可能性も含めて、どういうふうにお考えでしょうか。
【社長】
これは基本的には、やはり政府でお決めになることだと思うのです。そういうことで、それが一体どういう影響があるのかということも含めて、これからまさに検討しなければいけないことだと思います。ただ、完全にだめだとか何とかいうことではなくて、それが及ぼす影響も考えながらどうしていくかということを政府とよく連絡をとりながら、これから決めていかなければならない問題だと思います。
【記者】
念のため確認なのですが、本日、首長国政府が政府系企業のドバイ・ワールドとナキールの債務の590億ドルの返済猶予を求めたということで、ドバイショックというのが起こっているのですが、郵政グループでこの手のソブリン系に投資はしていませんか。
【社長】
外国との関係では、私どもは非常に格付の高い外国の国債、それから、これも格付の高い外国企業のユーロ円債、そういうものを購入してるというか、そういうものに運用をしてますけれども、それ以外の運用はしてません。
例えば、シンガポールのファンドのようなものをつくって、それを外国の企業に投資するとか、そういうことは、実際、一切考えていません。ただ、外国の債券、外国債の運用は今のような形で現に行っておりますし、これは2兆数千億の規模で行っていますから、そういう方向はこれからも継続します。ただ、ドバイのようなリスキーな運用は一切しておりません。
【記者】
かんぽの宿についてお伺いしたいのですが、かんぽの宿を売却するという視点でのスケジュール観とか、どのような売却の方針があるのか、あるいは売却しないで維持するのか、これについてお伺いしたいと思います。
【社長】
これは今、国会にかんぽの宿の売却を当面禁止するという法案が出ております。したがって、今は売却することを考えておりません。
【記者】
JPエクスプレスについてお伺いしたいのですが、昨日、完全子会社化、あるいは清算という報道があったのですが、それについて、昨日、そのような事実はありませんという声明を発表していらっしゃいます。この点についてどう考えたらいいのか、つまり今後そういうことはないと理解してよろしいのでしょうか。
【社長】
この話は先ほど申し上げたように、どういう解が一番いいかという結論を出すのが非常に難しいプロジェクトになっていますが、考え方は3つしかないわけです。1つは、今のプロジェクトをそのまま続けるか、1つは一部の新聞に報道されたように完全子会社化するか、3番目はもう清算してやめてしまうか。煎じ詰めれば3つしか方法はないわけです。それ以外の方法というのはちょっと考えにくいわけですから、今、お願いしているのは原点に立ち戻ってゼロの視点で、そういう大ざっぱに言えば3つの方法、あるいはいろんなバリエーションもあり得るでしょうが、どれがいいかを真剣に研究・検討していただきたいとお願いしています。もう時間が経てば経つほど、経営状況は悪化しておりますし、資金繰り資金を提供しなければならないような状況になっていますから、一刻も早く結論を出してもらいたいということでございます。
当然、そのプロセスには、私ども本社のスタッフも参加して、みんなで一生懸命検討していくということでございまして、まだ結論は全然出ていないという状況でございます。
【記者】
それに関連して、もう1点質問いたしますが、当初の予定よりも、統合が延びに延びて、10月1日統合というのもついに延期になってしまっているわけですが、そのようになってしまっている状況の理由、なぜそうなっているのかということについては、どのようにお考えでしょうか。
【社長】
そこら辺のプロセスの解明も含めていろいろ聞いておりますが、いろんな説もあり、どれが正しいのかよくわからないところもありますし、認可をしなかったのは総務省の方の話ですから、総務省のお考えというのはどうだったかということについても、もう少し伺ってみなければいけませんし、まだ明快な答えは出ていないという段階でございます。
【記者】
先ほど、冒頭にお伺いしました、地方での利用者の方の公聴会をされるということですが、まず具体的なスケジュールは、第1回をいつ頃実施して、それで大体全国で何回ぐらい実施されて、それは定期的にお続けになられるものなのか、ある時にめどを立てて報告を出していただくというものなのか、もう少しその辺りを具体的にお伺いできますでしょうか。
【社長】
まさに、それを今詰めておりまして、曽野様にお願いをして、それについての中心人物になっていただくことについては、ご了承いただいておりまして、年内におそらく2回ぐらいは行いたいと思っています。
全体としてどれぐらい実施するのかですが、当面は郵政改革法案に盛り込んでいく、いろんなその業務形態、どういう事業を実施するかなど、こういうことを含めて、盛り込んでいくための参考にしたいというのが第1目的でございます。それと同時に地方には、私どもの社外取締役がおられますので、その方々にもご参加いただきたいという希望もあります。
したがって、おそらく年内に2回位は行うと思いますが、具体的なスケジュールは、まさにこれからでございまして、ようやく曽野綾子様のご了承をいただいたという段階ですから、すべてこれからでございます。ただ、非常に私としては期待しております。
【記者】
グループ全体の中期的な収益目標とか、もう少し詳細な事業展開を盛り込んだ中期経営計画などをつくるお考えはあるのでしょうか、それで、もしつくるとすれば、大体いつ頃、お出しになるのか教えてください。
【社長】
これも改革法案をどれくらいの形にするのかということと、割と関係がありまして、要するに、どういう会社形態、どういう経営を行うのかということとも絡みますので、その中で、そういうものをどうするかということが決まっていくのだと思いますが、やはり株式会社である以上は、そういうものをつくりたいという希望は持っております。
ただ、具体的に、本当にそれができるのかということについては、これからのいろんな検討経過を通じて、出てくることになるだろうと思っています。
【記者】
亀井大臣が週2回の記者会見をずっと定例で行っているのですが、いつも必ずこれからの郵政のあり方ということについて私見をおっしゃっておられます。繰り返しになるようなことが多いのですが、その中で、たびたびおっしゃられていることが2点ありまして、1点目が、地域の経済が非常に疲弊していること。地域の疲弊した経済、中小零細企業、それから商店のおじさん、おばさん、あるいは個人、こういった人たちが資金繰りにとにかく困っているので、こういったところにお金が回る仕組みを何とかしたいと。そのために、例えば、ゆうちょマネーをダイレクトに使うということになると、やはり地域の信金・信組とか、そういった民業を圧迫することにもなりかねない。そこで、何かいい知恵はないかと。そのために、例えば、信金・信組であると集金のコストがかかってしまうものを、そこを軽減して、ゆうちょと信金・信組が何らかの形で提携しながら、信金・信組の経営圧迫にならない形で、地方の預金者、ユーザーに対してお金の回る仕組みをつくりたいということをおっしゃられています。
それともう1点は、これは半ば冗談半分なのですが、とにかく郵便局の全国にあるネットワークを使って、事業の多様化を図りたいと。冗談半分ではありますが、ソープランド以外は、何でもやりたいというような言葉をいつも使われております。この多様化ということは、先ほど行政のワンストップサービスの話が出ましたが、もう少し幅広いものを指しているのだろうと思います。
この2点についてのお考えをお聞かせいただければと思います。
【社長】
実は亀井大臣とは、しょっちゅう意見交換をしていますので、そのお話は私も何回も伺っています。両方ともアイデアとして非常に承っておかなければいけない点があると思いますが、一方でやはり難しい問題はいろいろございます。
例えば信金・信組の問題は、信金・信組自体が、今、手持ちの資金を融資する先がなくて困っているという状況が現実にあるわけですから、そこに私どもが行って提携を申し入れても、現実問題としては非常に難しいということがあります。経済が非常に好況で、資金需要がある場合には、そういうこともあるいはあるでしょうが、信金・信組自体が、融資先がなくて困っているという状況ですから、この実現は、非常にハードルが高いということも確かです。しかし、非常におもしろいアイデアだろうと思います。
それから多角的事業の展開というのは、実はもう既に郵便局については、かなり一生懸命努力をしておりまして、ローソンと提携したり、いろんなことをやっているわけです。また、地元の特産品を送るふるさと小包とか、いろんなことを計画して、多角化というのは一生懸命やっているわけですから、それについては今後も継続してくのは当然だと思っています。
ただ、何回もこれも申し上げて恐縮ですが、地方に行けば行くほど郵便局の局員の数は少ないものですから、あまり広げると、オーバーワークになってしまって、コスト高になるという点もありますので、そこら辺も考えながら、慎重に検討していかなければならないと思います。性急な結論を出すのが一番いけないと思います。性急な結論を出すことで失敗したのが、今度のJPEXの話であると、私は思っております。
【記者】
地方の声を聞くということでは、これまでにもモニター制度というものを立ち上げるということで、募集がそろそろ終わるのではないかと思いますが、これを実施しつつ、曽野さんをヘッドとした公聴会のようなものも実施するということになるのでしょうか。
それから本日、国民新党の方からの要望の中に、公益性を自覚するために国旗の掲揚を求められているかと思うのですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
【社長】
最初のお話は、おっしゃるとおりで、モニター制度はそのまま継続します。ただ、このモニターというのは、いわば文書のやりとりで、生の声ではなく、アンケートで聞いて答えるという形ですが、今度行くのは直に生の声を伺うという意味で、やはり多少効能が違うと思いますので、両方を継続してやることに意味があると考えています。
それから国旗と、郵政の旗というのでしょうか、それを立てるという件については、特にお話はございませんでしたが、何かいただいた紙に書いてございまして、これから、どういうことなのか検討していきたいと思いますが、まだ、どうこうという結論を申し上げる段階までは至っておりません。今朝、いただいた文書の中にあるというだけで、特にご要望があったという感じではありませんので、全体的にいろいろ書いてあります中の1つとして受けとめております。
【社長】
よろしいですか。どうもありがとうございました。