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2009年3月3日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2009年3月3日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

案件なし

【社長】
会見に先立ちまして、2点、お話させていただきたいと思います。
まず、かんぽの宿に関する問題でございますが、既に対外発表しましたとおり、先月16日、今回の事態経過などに関する資料を総務省に提出したほか、同日、オリックス不動産株式会社との契約を解約するとともに、日本郵政グループが保有する不動産の売却等についての基本的な考え方やルールを整理するため、「不動産売却等に関する第三者検討委員会」を設置いたしました。
オリックス不動産との契約につきましては、4月1日の契約実行に向けた問題解決に目処が立たない状況では、オリックス不動産サイドにご負担、ご迷惑がかかることはもちろん、中途半端な状態におかれたかんぽの宿の従業員のモチベーションが保てないこと、そして、そうしたモチベーションの低下などが相まって、かんぽの宿等の事業価値が短期間のうちに大きなダメージを被る事態を未然に防ぐため、早期の解決を決断した次第でございます。
また、総務省へ提出しました資料につきましては、いずれ総務省のご見解が示されるものと存じますが、その後も総務省から資料に関する子細な補足説明のご要請が続いておりまして、日々対応させていただいているところです。
いずれにいたしましても、本件については、契約資料などを含め、広く情報提供させていただき、関係各位のご理解を早期に頂戴して参りたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、東京中央郵便局の再開発につきまして、昨日も大臣に現地ご視察をいただきましたところでありますが、重要文化財に指定し保存すべきではないかとのご指摘を頂戴しております。しかしながら、本件は、総務省へのご相談、ご説明をはじめ、有識者による検討、文化庁、関係各方面へのご説明など、約2年にわたって実施してまいりまして、ご了解を得てきたものでございまして、今回のお話は、率直に申し上げて大変当惑をしておるところでございます。
この開発は、保存要望にも配慮し、既存の建物を可能な限り保存・再現した上で、東京都など地元自治体との連携を通じ、JR東京駅と直結する地下広場の整備や国際的な文化交流拠点としてのミュージアムや観光情報センターの設置など、国際都市としてのインフラ強化に貢献できる形で再開発を計画しているものでございます。
また、完成後は、平成24年度からということになりますが、年間約100億円の不動産賃貸収益を見込んでおりまして、郵便局会社の収益力強化と郵便局ネットワークの維持を図っていく上で、本計画を早期に実現していくことが日本郵政グループにとって大変重要なことと考えております。私は、常々、公共性と業務の効率性・収益性との両立を図ることが私ども日本郵政グループの大きな経営課題であると考えておりますが、本件につきましても、その点を踏まえたご理解をいただきたいと存じております。
ご高承のとおり、今年度は民営化の実質初年度でありまして、この3月はまさにその期末月となります。1年間の総仕上げと同時に、来年度の経営計画策定など、グループ全体の経営にとって非常に重要な時期でありますが、私は全国の郵便局が国民の皆様のご期待にお応えし、郵政グループが与えられた社会的な使命を果たしてまいりますためには、改革の足を1日たりとも止めることは許されないと考えておりまして、さまざまな取り組みをさらに加速させてまいりたいと考えている次第でございます。
まず、私からは以上でございます。
【幹事社記者】
それでは、幹事社から質問を3点お願いします。
まず1点目ですが、オリックス不動産へのかんぽの宿の一括譲渡問題に関してです。現在、総務省で入札資料を精査中ですが、鳩山総務大臣は、日本郵政が「オリックスが常に最高の条件を出してきた」というのは間違いではないか、ただし書きがあって、いつでも転売できるというふうになっているのではないかと指摘されています。西川社長は、これまで、入札は公正だったと説明しておられますが、改めて一連の入札の件に関する見解をお聞かせいただけますか。
【社長】
もう皆さん、先刻ご承知のことでありますが、まず、全般的なこととしては、今回の譲渡先選定について、私どものホームページにおきまして一般に広く公募を行って応募者を募っております。応募者につきましては、その信用力やホテルの運営実績等について審査を行った後、通過者に対し、雇用の確保、事業戦略、譲渡価格等に関する企画提案を募って審査を行い、弊社として最も有利な提案を行った相手方を選定したものであります。弊社といたしましては、手続きは公正に行われたものと認識いたしております。今後、改めて売却方法等を検討してまいりますが、このたび設置した第三者検討委員会等においても、ご議論をいただきまして、考え方を整理してまいりたいと考えております。
オリックスが常に最高の条件を出してきたというのは間違いではないかというコメントを大臣からいただいておりますが、事業戦略、雇用条件、譲渡対価等を含めて、総合評価において1次提案、2次提案ともにオリックス不動産が他の参加者と比べて私どもにとって最も有利な条件を提示していたものであります。
それから、譲渡制限条項についてですが、オリックス不動産における本件取引の目的は、施設の転売ではなく、事業全体の継続・発展にあります。その実効性を担保するために、株式譲渡契約において株式および事業全体に関して原則2年間は売り主の承諾なく譲渡できないという制限をつけていたものであります。そして、ご質問のただし書きは、あくまでも本文を前提としたただし書きでありまして、本事業の発展的・継続的な運営に資する観点から個別施設について、合理的根拠がある場合においてのみ使われる条項と考えております。これを使うという場合は、当然のことながら、私どももその責任上、その考え方、根拠等について、十分事情を聞き、それを発動するのが適当かどうか、我々としての判断をしていかなければならないことだと思っております。加えて、このただし書きが適用される場合においても、雇用の確保や従業員の処遇には、十分な配慮をするということを定めているものであります。
【幹事社記者】
2点目ですが、西川社長は鳩山大臣との会談などで、市況が非常に悪い中で売却を急ぎ過ぎたと反省していると説明されています。なぜ急ぎ過ぎたのか、自治体に説明しなかったのか、その理由について、できるだけ詳細、具体的にお聞かせください。
【社長】
まず、この売却時期の点につきましては、ご承知のように、5年以内の譲渡または廃止が法定されておりまして、また、譲渡に関して従業員の不安がある中で、早期に雇用の継続を確定させる必要があると考えたわけであります。できるだけ早く固めることによって従業員のモチベーション維持のためにもマイナスとならないようにしなければならないと考えたわけであります。
そういうことで早期の譲渡ということを考えたわけでありますが、この譲渡手続き、譲渡に関するいろいろな手続きの過程で、大きく環境変化があったということであります。不動産に関して環境変化があったということであります。それが強く表れてきたのは2次提案、10月31日締め切りの2次提案でありますが、その際に世田谷レクセンターの提示、提案価格が大幅に簿価を下回る、あるいは時価を大幅に下回るという数字が提示されました。2社からの提案はともに同様であります。差はありますけれども、同様であります。そういうことから世田谷レクセンターを外そうということになったわけでありますが、この際に、さらにもう一歩突っ込んで、対応策を考えるべきではなかったかなと。その点で売却を急ぎ過ぎたかなと、進めるのを急ぎ過ぎたかなという反省は私にあります。
それから、自治体へのご説明についてでありますが、これは一括譲渡をしようということでありますから、自治体に対して一括譲渡ということは考えられないわけであります。しかしながら、そもそもこのかんぽの宿をそれぞれの地域でつくった際に、自治体にお世話になったというケースもあろうかと思います。その点を考えれば、この一括譲渡を考える前に、それぞれ自治体に話をするということが必要ではなかったのかと。それは一括譲渡ということではありませんが、それぞれの自治体において、このまま宿泊事業を、その1つについて、その地区にある1つについて、宿泊事業を自治体でやろうとか、あるいは他の施設に転用しようとか、こういう考えをお持ちのところがあったかもしれないと、こういうことかと思いますので、これはやはり我々の配慮が足りなかったということは、率直に認めていかなければならない。今後もそれを十分考えていかなければいけないというふうに思っております。先ほど触れたことでありますが、こういった点も含めて、地域とのかかわり方や手続きの進め方を含めて、この度設置しました第三者検討委員会等においてもご議論をいただいて、考え方を整理してまいりたいと考えているわけであります。
【幹事社記者】
最後の質問です。東京中央郵便局の建て替え問題ですが、鳩山総務大臣側から待ったがかかりました。郵便局会社の今後の収益を考えると欠かせない新規事業だと思われるのですが、ただ、重要文化財に指定しろという声も結構あって、今後どのように対応していくのか、また建て替えができないというふうになった場合に、郵便局会社の経営にどんな影響があるのか、できるだけその辺、具体的にご説明をお願いします。
【社長】
ご指摘のとおり、東京中央郵便局の再開発は、承継いたしました資産を有効に活用することによりまして、郵便局会社の所有に、承継時にしておりますので、これによりまして郵便局会社の経営を下支えしていこうという大切な事業と考えております。
また、これも先ほど冒頭に触れたことでありますが、今回の開発と申しますのは、何も郵便局会社の収益だけを考えているということではなくて、東京駅前、いわば東京の玄関というところでありますので、この地域の活性化とともに国際都市としての必要な機能の強化を図るという観点からもいろいろなことを、先ほど述べましたようなことをいろいろと計画しているわけであります。こういうことからも地域の発展にも資するものと考えているものであります。
この再整備計画の策定に先立ちまして、この建物につきまして建築家団体等から保存要望があったことを重く受け止めまして、平成19年7月に「東京中央郵便局歴史検討委員会」を設置していただきまして、その歴史的な価値等について議論の結果、保存に関する提言をいただいたわけであります。私どもとしては、有識者会議の提言および行政との協議、技術的な検討を踏まえて、具体的には東京駅前広場側の景観を承継するという観点から、構造も含めた2スパン部分を保存するとともに、その他のものについても外壁を忠実に再現しまして、歴史的な景観の保存に努めるということとした次第でございます。
このように、弊社といたしましては、再整備計画策定に当たりまして、歴史的な建築物としての保存や東京駅前広場からの景観等へも配慮しているものと考えております。今後とも私どもの考え方を当局に十分ご説明して、ご理解を得るべく努力をしてまいりたいと考えております。郵便局会社がこれを運営すると、賃貸事業として運営するということになりますと、営業利益ベースで大体、年間約100億円程度の収益が見込めるというものでありまして、措置を含めて、郵便局ネットワークの維持という大変大きな課題を持っておる郵便局会社の経営を長く下支えしていけるものの一つというふうに考えているわけでございます。
【幹事社記者】
幹事社からは以上です。各社、ご自由にお願いします。
【記者】
産経新聞です。東京中央郵便局につきまして、有識者の歴史委員会の9人の委員のうち6人が全面保存の立場だったということを有識者本人たちから聞き取り調査をした上で、記事化いたしました。
それに対して、そちらの部長さんが、記事は誤りであるということをこちらでおっしゃったということで、ちょっと大変、私が会見に出る機会がなかったもので、発言の機会が与えられなかったので、この場でそれは事実であるということを申し上げておきたいと思います。撤回してもらいたいと思っております。
特に、部分保存を主張した先生たちが、自分たちが答申したものと出てきた計画が全く違うということをとても不本意に思っておられるということを、先生たちご自身が12月15日に工業倶楽部の方で郵政の担当者に伝えたということなのですが、そのことは、社長さんは聞いておられるでしょうか。
【社長】
今の話は存じません。事実関係を申しますと、報告書の各委員の補足意見にありますとおり、明確に保存を求めておられるのは、鈴木博之先生、藤岡洋保先生のお二方でありまして、全員が全面保存を求めていたというのは、これは事実誤認であろうと私どもは考えております。
平成19年7月から開催された有識者会議におきましては、議論の結果、建築としての価値を承継するため、現位置にできるだけオリジナルを保存することを提言するということ、これが第1点。それから、第2点でありますが、保存に当たっては、現建物の構造も含めた部分を保存する方法から、建物全体を完全に保存する方法までを含むものとするということ。建物全体を完全に保存をする方法は、当該敷地条件が厳しいため、現建物全体を保存し、敷地内の残余部分に建物を新築することは困難であるとの結論に至ったところでありまして、そのことは報告書にも明記されているわけであります。
これが事実です。
【記者】
部分保存につきましては、6人の、一番最後に補足意見をフリー記述で述べておられた原稿用紙4枚ほどの、かなりの分量で一編のエッセイに相当するような言い分を述べられていた先生もおられるのですが、その中で、例えば一番ちょっと、部分保存なのか全面保存なのかわかりにくかったのは岡田先生であったと思います。昨日の会見でも、岡田先生を例に挙げて、ちょっと反対を出して、違うのではないかということをおっしゃっておられましたので、先生の許可を得た上で申し上げますと、岡田先生は、長い中で、最後の2行で、長い中で、現在の中央郵便局の問題、構造的な耐震構造の問題を縷々述べられた上で、最後に2行だけ、なお部分保存が許されるならば、こういう方法があると書いていて、その上の方に書いてあるのは、全面保存なんでしょうかという質問に対しては、私は全面保存の立場ですと答えておられます。そうしたことを一つ一つ積み重ねての記事であるということを申し上げておきたいと思います。
それから、先ほど社長さんがおっしゃられた3つのポイントの3つ目なのですが、報告書の詳細を読むと、それには続きがあります。困難であるという、困難であるから、これからの日本の近代建築を保存されるように、関連法規の適正な法改正を望むということを委員会の方は提言していると思うのですが、つまり空中権の移転については、何か日本郵政の方ではご努力をされましたでしょうか。あるいは立場を教えてください。
【社長】
容積率の移転についてはですね、それは考えられる解決方法の一つであろうと思います。しかし、丸の内、それから大手町、有楽町地区で、それを実現していくということは、先生方がずっと周囲を検討された。でもですね、そう容易なことではないと。現実性が乏しいと、こういう結論ですね。今はですね。それは、そういう状況だということ。
それと、これのですね、私どものこの承継価格ですね、郵便局会社の。承継価格が2,100億余りでありますが、空中権の移転、容積率の移転でありますが、これを実現したとしてもですね、6割程度しか回収ができないということでありまして、大変大きな損失が発生してくると、こういう実態なのです。
【記者】
今回の計画は、報告書を踏まえたものだとお考えでしょうか。
【社長】
それはそうですよ。歴史検討委員会でいろいろご議論をいただき、検討していただいた結論を尊重してですね、私どもはこの建設計画を考えてきたということであります。
【記者】
登録有形文化財にも価値が値しないと文化庁の次長が述べておられますが、報告書は明治生命館、文部科学省旧庁舎というのを挙げておられて、重文か、登録有形文化財かというようなイメージをしていてですね、先週木曜日の総務委員会、衆議院では、そのどちらにも新しい計画は値しないということを、新しい計画は、そのどちらも該当しないであろうということを文部省が述べておりますが。
【社長】
私どもは別に、登録文化財を望んでいるわけでもございません。
【記者】
少し前の話になるのですが、持株会社の副社長人事というものが発表されまして、それについて、竹中さんが、何か、旧郵政官僚が代表権を持つ副社長になって、総務省の介入を招き易いのではないかというような発言をされていますが、前回の会見であまり聞けなかったので、副社長人事の意味と、なぜそういうことを思い立たれたのかというのをもう一度お答えください。
【社長】
これは、前回にも申し上げたとおり、4事業会社のですね、一体的な運営ということが今、重要であると。4社の協力関係ということが大変重要なことだと、こういうことからですね、日本郵政に。高木さんは既に代表執行役副社長で、経営会議メンバーになっていただいているわけでありますが、あとのお三方についてもですね、お1人は代表執行役、あとのお2人は執行役副社長として経営会議メンバーとして、日本郵政グループ全体の経営課題についての議論に加わっていただく、決定に加わっていただく、こういうことであります。
【記者】
それは、何か総務省側から求められたとか、かなり意向を反映してというわけではないということですか。
【社長】
そういうことではありません。
【記者】
2点質問があるのですが、鳩山総務大臣が、今日、旧郵政公社時代の不動産売却の経緯で報告を要請していくということなんですが、日本郵政としては、それについてどう対応していくかというところと、あとですね、かんぽの宿の、今現在ある70施設も十分黒字化が可能だということで、黒字化にしていくよう要請していくということなのですが、西川さん自身は、今後、かんぽの宿を黒字化するために、例えば、何か具体的に持っている計画はあるのかどうか。この2点にお答え願います。
【社長】
旧郵政公社時代の不動産処分について、説明あるいは資料提出を求められるということについては、これは我々もできる限り協力していきたいと考えております。まだそう古い話ではありませんので、できる限り資料提出等には協力していきたいと思います。
それから、かんぽの宿の経営改善についてはですね、これはやはり、これまでもやってきたわけでありますけれども、その努力をしてきたわけでありますが、まだまだ十分ではないということは事実だと思います。これをやはり当面ですね、これに特に注力していくということが、我々の大きな課題であると考えております。これは、いろいろな観点からですね、経営改善していかなければならないと思います。
まず、人員過剰だということです。特に本社の人員が過剰だということ。それから、委託関係ですね。受委託関係においてですね、まだまだ甘いところがあるということですね。
例えば、飲食部門なども、一部、委託をやめてですね、直営化しているわけですが、その委託を止め、直営化するだけで売上高に対する原価の割合、飲食部門の原価の割合が10ポイント程度下がるという実績が出ておりますが、まだまだそれでは不十分だと思います。そして、まだこれから委託を直営に変えなければいけないというところもまだたくさんあるわけであります。
その他の受委託関係についてもですね、清掃であるとか、警備であるとか、保守サービスであるとか、こういうものがあるわけですが、これらもすべて見直していく必要があると考えております。
そういったことをですね、やっぱり総合的に進めて、そして、赤字を極力小さくする、あるいはもう赤字を解消していくということをですね、赤字の解消を目指してですね、これをやらなければいけないと考えております。
【記者】
東京中央郵便局に関する今後の取り組みなのですが、社長のお話で、当局に考え方を説明して理解を得るよう努力されると。そうは言いつつ、かなり総務大臣の発表を見ると、なかなか進めていくというのは厳しい状況かと思うのですが、今、保全作業、保全工事を、これまで、どちらかというとやってきて、これから取り壊しにかかろうというタイミングだと思うのですが、取り壊しに関して、何でしょう、停止、中止するとかですね、あるいは、しばらく様子を見るとか、そういう判断は考えられないか、粛々とこれまでの計画どおり進めていかれるおつもりなのか、その辺りをお聞かせください。
【社長】
ご理解が得られるように、改めて総務省にも、当然のことながら、ご説明をしっかりしていく必要があるというふうに考えておりますが、これは冒頭にも申しましたとおり、もう2年近い話でありまして、前大臣にも最後は十分ご理解いただいて、そして着手してきたものでありますので、もう本当に、私どもとしては困惑しているという状況なのです。
困惑しているだけではどうしようもありませんので、よくご理解いただけるように、さらにご説明申し上げるということが、唯一の解決方法であろうと思っています。
【記者】
工事のスケジュールをどうこういう考えはお持ちでないということでしょうか。
【社長】
今、工事を延ばすとかそういうことを申し上げられる段階ではないと思います。
【記者】
都市再生特別地区の指定が下りて、そうしたら、その後、建築確認申請は粛々と予定どおり出されるということでよろしいですか。
【社長】
手続きは進めなければいけないと思っております。
【記者】
進めるのですね、予定どおり。それと、図面の変更とかを、特に大成とか三菱地所設計に求めるお考えはないのでしょうか。
【社長】
今、変更するところはないと思います。
【記者】
ないですか。わかりました。
【記者】
憶測ベースではですね、西川さんが辞めてしまわれるのではないかというような、社長職に対しての意欲を改めてお伺いできますでしょうか。
【社長】
今、辞める理由は、何もありません。従来どおりやります。
【記者】
確認ですが、先ほど、登録文化財を望んでいるわけではないというふうにおっしゃいましたが、それは重要文化財の指定も望んでいない、登録文化財の指定も日本郵政としては望んでいないという、そういう理解でよろしいのでしょうか。
【社長】
重要文化財指定を受けるのは、名誉なことではあると思いますが、現在の東京中央郵便局は、今、内部を、壁とか天井とか、あるいは床とか、そういうところを外していますよね。けれども、あれを仮にきれいに復元したとしても、耐震性の問題であるとか、あるいは、ビルとしての使い勝手の問題であるとか、いろいろな面でですね、あの状態では使い物にならないわけです。郵便のオペレーションでさえ、あの場所では、大きなトラックの出入りが難しい状況になっていますから、そして、昨日、ご覧いただいた方はおわかりになっただろうと思いますが、柱がやたらたくさんあるわけですね。広いスペースがない。その中でオペレーションをやっていくということは、郵便さえ大変なのです。あとはもう郵便局とか、あるいはゆうちょ銀行の支店とか、こういう使い方ということですから、これはあの1階部分で十分いけると。それだけなのです、使えそうなのは。このままでもですよ。それでも耐震性等の問題がありますから、これでは非常に難しいけれども、いろんな手当てをしなければいけないということでありまして、あのままでは。例えば、明治生命館では、あるいは三井本館もそうだと思いますが、現状のままでオフィスとして使えるようになっているわけですね。我々の場合は、あれはちょっと使いにくいと、手を入れてもですね。ということなので、ただ単に重要文化財指定を受けてもですね。収益性のことばかり言ったら、また大臣に怒られますけれども、土地代のコストが二千億円を超えているわけですから、承継の際に時価評価をしておりますので、二千百何十億円かになっているわけで。それを抱えて、ちょっと使っているというだけでは、これはもう会社としては、大きなロスを将来にわたって、抱え続けるということになりますから、これを重要文化財に指定する、国で買い上げようということでもやっていただければ話は別だけれども、そういうことはないでしょうから、これはちょっと、このままで置くのは会社の経営上は非常に難しいという状況だということはご理解いただきたいと思います。
【記者】
ここに来て、かんぽの宿の問題に続いてですね、中央郵便局の問題が持ち上がってきたわけですが、日本郵政のトップとしては、この大きな問題が次々降ってわいてきたということについては、率直にどうお考えですか。
【社長】
別に降ってわいたものではありませんで、我々の方も、このかんぽの宿などもですね、やはり十分なご説明をしてなかったと、ご満足のいただける説明をしてなかったということを、我々としては反省していかなければいけないということであります。
それから、相手方のあることなので、なかなか、かんぽの宿等についての情報公開を皆さんにご満足いただけるだけのものをできなかったということもあるわけですが、こういったことについても、一層やはり相手方のご理解も得られるようにしながら情報公開して、皆さんにもご理解いただくということが必要だったなという反省をしております。
先ほども申しましたように、遅ればせながら、こういう資料が見たいとか、こういうことについて公開しろとかいうことがございますれば、全部受けられるかどうかわかりませんが、できるだけ皆さんにご覧になっていただくということにしていきたいと考えております。
【記者】
そういう意味では、中央郵便局の方の問題は、困惑しているというお話がありましたが、ちょっとそれは、かなり唐突だという印象をお持ちだと思いますが。
【社長】
唐突というか、これ、継続性と申しますか、もう2年近くなると思いますが、その間に、こう進めてきたわけですね。その節目節目でしかるべくご相談もし、ご意見も頂戴してやってきたつもりなのですが、ここに来て、非常に、我々として対応のし難い問題提起を受けたということで困惑していると、こういうことです。
【幹事社記者】
ありがとうございました。
【社長】
どうもありがとうございました。