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2008年10月27日 月曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2008年10月27日 月曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

案件なし

【社長】
今日は、こちらから申し上げることはございません。
【幹事社記者】
幹事社から2点質問いたします。株価がバブル後最安値をつけ、ドルも一時90円という状況が海外でありましたが、この現在の金融市場の動向をどのように認識されているかをお聞かせください。また、日本郵政グループでは金融2社及び事業会社を抱えていますが、金融2社については、この金融市場の動向、株価などでどのような影響を受けているかをお聞かせください。さらに金融市場の動向が実体経済へも広がりを見せようという中で、事業会社などへの影響をそれぞれお聞かせください。
【社長】
ただいまの金融情勢は、円高、そして株安が急激に進み、それが金融機関はもちろん、実体経済にも悪い影響を及ぼしそうな状況で、先行きが大変懸念される状況です。
それに対して、世界的に金融機関の資本増強ですとか、あるいは流動性の確保について、各国においてそれぞれ対策を講じ、まず、金融の安定に向けて努力している状況です。我が国においても同様の考え方で進められているところです。ただ、落ちついていくには、もう少し時間がかかるのかなと考えています。マーケットの状況から見まして、そんな感じを受けています。
今日なども、円高がさらに進み、株価が一時、日経平均7,000円近くまで行ったようですが、バブル後の最安値は2003年4月28日につけた7,607円だったと思いますが、これを簡単に割り込んでいる状況でして、どこまで下押しするのか、ちょっと見当のつきにくい状況にあるのではないかと思います。
日本郵政グループの経営という点から、どういう影響があるのか考えてみますと、直接的にはそれほど大きな影響が及んでいる状況ではないと申し上げてよろしいかと思います。もちろん、現在、この円高、そして株価の下落等により、金融2社において、外債や株式に評価損が発生しているという状況でありますが、ゆうちょ銀行について申しますと、資産全体に占める外債、株式の割合は、現在もほとんど大きく変わってないと思いますが、半年ほど前の2008年3月時点で0.3%程度ということで、影響は軽微です。また、一方で、安定的に資金収益が確保できていますので、経営の健全性には、全く問題がない状況です。
かんぽ生命についても、資産全体に占める外債、株式の割合は、2008年6月末時点で 2.5%です。これに対しまして内部留保を約3.6兆円積み立てており、有価証券の損失を十分にカバーできるという状況です。
また、ソルベンシー・マージン比率も6月末で1,266%と高い水準を確保していますので、経営の健全性には全く問題がないということです。
郵便事業会社についてですが、この円高や株安に伴う実体経済の悪化ということが懸念されます。これに対応するために各企業を中心に経費削減努力が行なわれると考えられます。その圧力から、今後、DM等の郵便物がいくらか減少してくるのではないかという懸念がありますが、現時点において、どれほど減少するのか、具体的な減少幅を見通すということは、まだ難しい状況です。この点については、十分考慮に入れていかなければならないと思います。
概ね日本郵政グループに対する影響については、以上です。
【幹事社記者】
幹事からは以上です。各社、お願いします。
【記者】
株安などの動きに絡んでですが、ゆうちょ銀行、郵便局で販売している投資信託も、かなり資産評価が下がっています。含み損を抱えているお客さんもいらっしゃると思うのですが、改めて、ゆうちょ銀行、郵便局がそういうリスク性商品を販売することの意義についてどうお考えか、お聞かせください。
【社長】
投資信託などのリスクのある金融商品は、為替、株式、あるいは金利の変動等によって商品の資産価値が上下する性質を持っています。これらの金融商品に対する運用は、適合性の原則ということが言われるわけですが、どういうお客さまに、さらに、金融資産の中でどの程度お持ちいただくのがいいのか、どの程度の範囲内に収めるべきなのか、そうした点を販売サイドとしても十分に考慮しながら、慎重に進めていかなければならないものと考えています。これは大原則であると思います。
貯蓄から投資へという大きな流れというものもあるわけですし、またその中で預貯金以外の金融商品について、関心をお持ちのお客さまもたくさんいらっしゃるわけですから、そうした商品の販売にあたっては、今申し上げたような考え方で取り組んでいくということだと思います。
そして、こういう相場変動が起きていると、投信でいえば基準価額が低下している状況ですから、お客さまには、お持ちの投資信託等がどういう状況であるのかということについて、丁寧に十分なご説明をする努力が必要だと思います。
もちろんお買い求めいただく際には、丁寧にご説明をして、ご納得いただいた上で購入していただいているということですが、アフターフォローもきちんとやっていかなければならないということです。この点については、ゆうちょ銀行、それから郵便局の第一線で販売している社員に対して、その努力を怠らないようにという指示は十分行なっているつもりです。
【記者】
先ほどの景気の影響についてお聞きします。今、円高株安が泥沼のように進んでいますが、こういう状況を脱するには、どういう方策が必要だとお考えでしょうか。この状況がどれくらい続きそうなのか、その辺りのお考え、見通しをお聞かせください。
【社長】
なかなか難しい話です。この為替の変動、あるいは株価の変動に対して、政府の方でもいろいろとその対策を講じようとしておられるわけです。今、言われているような方策、考えられるところをやっていく以外に他に方法はないだろうと思います。
しかし、それをやったから、その効果が直ちに現われてくるのかというと、そういうものでもないと思います。今度の場合は、我が国だけで起きている問題ではなく、むしろ海外、欧米等から日本に影響が及んでいるという状況ですから、世界的な問題として、世界的なレベルで各国が協調して対策を講じていかなければならないということだろうと思います。
いろいろな要因で為替が大きく動き、あるいは株価が乱高下するという状況になっているわけですから、その原因になっているものを一つひとつ取り除く、そのための方策を丹念に実行していく以外にないのだろうと思います。その中で実体経済への影響をできるだけ小さくし、そして、経済の成長を回復していくという努力をしなければならないのではないでしょうか。
【記者】
郵便の障がい者割引の悪用という話が何度か表沙汰になっていますが、11月上旬を期限として調査している、それから改善策を年内をメドに取りまとめるという話が出ているようですが、現時点でどれくらいの範囲を調査していて、どういう改善策を念頭に置いていらっしゃるのかお教えください。
【社長】
低料第3種郵便物の不正利用という問題ですが、もともとこの低料第3種郵便というものには、大きく分けて2つの承認条件があり、1つは1回の発行部数に占める有料発行部数の割合が8割以上であるということ、それから郵便物の内容については広告の割合が5割以下で残りの内容は、障がい者団体から障がい者に対するいろいろな通知あるいは情報提供となっているわけです。
したがって、その承認条件をきちんと守るということが大前提です。現在、200余りの団体に承認を与えていますが、今申し上げた条件が、きちんと守られているかどうかということをしっかりチェックしていく以外にないわけです。
これらの当然守られるべき承認条件が、どうしても守らない、守れないということであれば、承認を取り消す必要があります。
既に1件、承認の取り消しを行なっています。また、刊行物の廃刊届が2件提出されているという状況です。一応11月上旬を期限にしているわけですが、引き続き調査を進めていきます。
そして、承認条件が、守られていないものは、直ちに取り消すということではありませんが、条件をしっかり遵守するよう要請し、それが聞き入れられないということであれば承認を取り消していく以外にないということです。
【記者】
承認の取り消しを行なった1件というのは、具体的にはどういうケースなのでしょうか。また、廃刊届というのはどういったものなのかをお教えください。
【社長】
調査の過程で、その団体に有料販売条件を具備していることを証明する資料の提出を求めたわけですが、それを提出することが困難であるという主張があり、条件を具備していないという判断に合理的な理由があると判断し、承認を取り消したということです。
廃刊届を出されたところは、これと同じような状況であろうと思います。
【記者】
具体的な名前は、ここではお教えいただけないのでしょうか。
【社長】
これについては申し上げるわけにまいりません。
【記者】
念のために確認ですが、改善策を年内をメドに取りまとめるということですが、今までとは何か制度運用の枠組みなどが、特に変わってくる可能性があるのでしょうか。
【社長】
制度運用の枠組みについては、特に変わるということはないと思います。
ただ、我々の方も、きちんと発行部数の8割以上が有料であるということと、その内容について広告が5割以下であるということの2つの条件が守られているかどうかを、きちんとチェックすることが必要だと考えています。
【幹事社記者】
ありがとうございました。
【社長】
どうもありがとうございました。