現在位置:
日本郵政ホームの中の1
日本郵政株式会社の社長等会見の中の3
2008年9月30日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2008年9月30日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

案件なし

【社長】
今日は、こちらから申し上げることはございません。どうぞご質問をお願いします。
【幹事社記者】
幹事社から質問させていただきたいと思います。
まず、先日、自民党と公明党が連立政権の合意の中で郵政民営化見直しというのに言及しましたが、そのことについて社長のご所見をお伺いします。
【社長】
政党間の合意事項等について、私はコメントする立場にないですが、経営という観点から申し上げれば、ユニバーサルサービスの確保については、法律で義務づけられている郵便サービスについてはもちろんのこと、金融サービスにつきましても、基本的に金融ディバイドが生じることがあってはならないという考え方です。全国の郵便局ネットワークの維持を通じて、郵便局などで金融サービスを提供できるように我々としては努力していくということです。
もう1点、お客さまの利便性の向上についてですが、ご承知のように、民営化以降、国際物流業務や、あるいは変額年金保険の取り扱い、住宅ローンの媒介、入院特約「その日から」など、数々の新しいサービスの提供などに取り組んでまいりました。
今後も民間企業としての経営の自由度を広げていただけるよう、政府、郵政民営化委員会にもお願いしながら一層のサービス改善に努めてまいる所存です。
【幹事社記者】
今お答えいただいたことと重なるかもしれませんが、鳩山総務大臣が就任後の記者会見の中で、民営化の影の部分、サービスの低下があれば、これは直していかなければならないという話がありました。現在、西川社長として、民営化後1年経ってサービスの低下、鳩山大臣が言う民営化の影の部分が何かあるという認識でしょうか。あるとしたら、それを改善するために、どのようなことに取り組んでいるのかお聞かせください。
【社長】
鳩山総務大臣がご指摘されている点の1つが、簡易郵便局の一時閉鎖問題です。一時閉鎖の簡易郵便局は、9月25日現在で417局、これは、くしくも昨年の10月1日現在と同数になっており、昨年10月1日の民営化時の水準まで減少させることができたということです。ピークは450局を少し超えたと思います。この1年間で、約100局弱が一時閉鎖となり、約100局弱が再開したという結果です。
また、この簡易郵便局に関しては、既に委託手数料の大幅な引き上げなどの抜本対策を講じた結果、現在、約240局の受託希望の申し出をいただいておりまして、その申し出内容を精査し、適格な方を選び出しているところです。
さらに、これは緊急対策ですが、近隣の直営郵便局から渉外社員を派遣するいわゆる出張サービスを全国で124カ所実施したり、2カ所の移動郵便局を配備したりしてきており、実質的な一時閉鎖局は約290局まで減少しているところです。
一時閉鎖局の解消に向けて、さらに受託希望者を募るとともに、今、お申し出いただいている受託希望者を何とか早く一時閉鎖の解消につなげていく、再開していただくということに引き続き全力を挙げて取り組んでいきたいと考えています。
また、郵便の集配担当社員が公社時代までは総合担務と称して、配達の際にお客さまから貯金、保険の金融サービスのご依頼をいただいた場合、それをお預かりしてくるということができたわけですが、民営・分社化によって、法律上、これができなくなったこと。それから、今までは、郵便局長が自ら開拓したお客さまからゆうパックの集荷をしていたわけですが、これができなくなったこと。こういったことが、民営化とともにサービスダウンになったというご指摘があります。
これ以外にもまだ若干ありますが、この2つについてどうしようとしているかを申しますと、郵便の集配担当社員が、お客さまから金融サービスのご依頼をいただいた場合、郵便局へ連絡して、郵便局会社の社員がお客さまのお宅へ伺うようにしているわけですが、これではどうしても不十分な面があるので、10局から15局を単位とした地区グループに1人の割合で外務員を置いて、車を配備し、その外務員が前日にお申し出のあったお客さまを回るということでご満足をいただけるようにしていきたいと、今、郵便局会社と話をしているところです。
それから、集荷については、郵便局、全局ではありませんが、何局かに1局となると思いますが、集荷用の車両を配備する方向で検討を進めています。これは軽自動車になると思います。これは法律上も十分可能と考えています。
こういうことで可能な限り、サービスの維持・向上に努めていこうとしているところです。
【幹事社記者】
幹事からは以上です。各社お願いします。
【記者】
先日、日本郵政の産みの親とも言える小泉さんが引退すると発表されましたが、それに対するご感想というか、思いのようなところがありましたら、お聞かせください。
【社長】
小泉さんは、小泉さんらしく、大変潔いやめ方をされたなというのが私の感想ですが、業績としては申すまでもないことでありまして、数々の大きな改革を断行してこられたことは本当に敬服すべきことだと思います。
執念を燃やされた郵政改革についても、大変力を入れられて、法律の成立ということで実現され、昨年10月から民営化がスタートしたわけですが、これはこれで誰も成し得なかったことをおやりになったということで、これにも私は大変敬意を表していますし、改革のラストチャンスであったなということを、かねがね考え申してきたものであります。
しかし、本格化は、これからですので、願わくばもう1期ぐらい、この成り行きをよく見ていただきたかったということでありまして、その点は大変残念であります。
【記者】
先ほど、集荷と集配の件に関する改善のお話がありましたが、いつごろ、この件について実現していきたいと考えていらっしゃるのでしょうか。
【社長】
民営化後1年経っていますので、できるだけ早く実現していきたいと考えています。そして、主に過疎地ですが、地域の利用者の皆さんに安心していただきたい。特に、ご高齢の皆さんにご安心いただきたいということです。
ゆうパックの方は、民営化直後は郵便局長が開拓した特産品の集荷がなかなかできなかったということで、今は、台車や自転車でやっているわけですが、量がまとまると、それではとても対応できません。その隙を突かれて、他社にとられていると思います。そういうことがゆうパックの取扱量の頭打ちに結びついている面もありますので、これもできるだけ早く集荷できる体制に持っていきたいと考えています。
もちろん、郵便事業会社にも郵便局と協同して、集荷できるところはしてもらっていますが、郵便事業会社だけでは、なかなかカバーし切れないということがありますので、補完関係を構築していくためにも、郵便局でも集荷できる体制にすることが必要だと考えています。
【記者】
年内か、年度内かどちらでしょうか。
【社長】
年度内にはきちんとやらなければならないと思います。
【記者】
本日、米国下院で金融安定化法案が否決され、ダウ平均が史上最高の下げ幅を記録しましたが、この法案の否決が日本国内の金融機関に与える影響について、どのように見ておられるか。また、ゆうちょ銀行の経営にどのような影響を与えるとご覧になっているのか、お聞かせください。
【社長】
日本の金融界に直接の影響は、ほとんどないと思いますが、運用商品の価格下落などの影響はあるだろうと思います。金融機関の経営そのものに、それほど大きな影響があるということではないと思います。
この問題は報道もされていますが、ここ数日の間に米国政府が下院と再度話を詰めて、成立させないと、アメリカの金融システム、あるいは世界的な金融システム不安につながりかねないという問題であろうと思います。
ゆうちょ銀行については、今は影響を受けるような金融商品への運用はほとんどありませんので、まず影響を受けることはないと思います。
【記者】
追加の質問ですが、アメリカの今回の安定化法案の否決が金融市場などに影響して、それが海外にも伝播するのではないかと、素人目にも懸念しているのですが、西川社長としては、そういう懸念はないだろうと見ておられるのでしょうか。
【社長】
日本に関する限りは、それはないだろうと思います。ヨーロッパの方は、米国における業務のボリュームが大きいですから、ヨーロッパの方は影響を受けるところが結構あるのではないかと思います。
【記者】
2年目の郵政グループに持ち越されたテーマとして、ゆうちょ、かんぽの限度額撤廃が残っていますが、西川社長は、冒頭で民間企業として経営の自由度を広げてもらえるよう、政府、民営化委員会にお願いしていきたいと話されていました。特に、限度額に関して言うと、ゆうちょ銀行は、来年1月に、全銀システムとの接続が予定されていますが、限度額を超える超えないというのが非常に頻発してくるように思うのですが、その点で、例えば、来年1月までに限度額撤廃を特に求めていくというお考えはあるのでしょうか。
【社長】
かねてから通常貯金を限度額管理から外していただくようお願いしています。全銀システムへの接続云々ということだけではなく、日常の給与、年金等を含めた振込・入金等だけでも、1,000万円の限度額管理をお客さまにお願いしなければならないということですので、これは大変煩雑です。定期・定額の方は1,000万円として、とりあえず通常貯金だけを外していただくよう引き続きお願いしてまいりたいと考えています。
【記者】
来年1月のシステム接続までにということでしょうか。
【社長】
1月までに間に合えば、それに越したことはありませんが、なかなかこれまでのところは難しい状況ですので、あと3カ月の間に果たして実現できるかどうかは分かりません。お決めになるのは、郵政民営化委員会、そして、金融庁、総務省です。これには政令改正が必要となりますので、予想するのはなかなか難しいことです。
【記者】
自民党の山口俊一さんが首相補佐官に任命されました。郵政造反組の代表選手のような方ですが、保利耕輔さん、野田聖子さんに続いて、山口俊一さんまでこのような立場になったことについて、現在の政治の状況をどのようにご覧になっていますでしょうか。
【社長】
この点については、私も山口先生や野田先生とは何度かお話しもしていますが、よくご理解はしていただいていると思います。お2人との間についてはそうです。人事については、私からコメントできる立場ではございません。
【記者】
仮に選挙で、民主党中心の政権になった場合、引き続き社長の任に就くお考えなのでしょうか。
【社長】
仮の話ですから、コメントは差し控えさせていただきます。
【幹事社記者】
ありがとうございました。
【社長】
どうもありがとうございました。