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2008年7月25日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2008年7月25日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

案件なし

【社長】
今日は、こちらから申し上げることはございません。どうぞご質問をお願いします。
【幹事社記者】
幹事社から3点質問させていただきたいと思います。
まず、1点目の質問です。前回の会見と重複感があるかもしれませんが、東京中央郵便局の建て替えに関し、前回の会見では、グループの資産活用を進めていくことが経営基盤の強化につながるというご説明だったと思います。それ以降、最近では、市民グループだとか、一部の有識者の方から、公開質問状が提出されるなど、端的に言うと文化財に相当するような国民の資産を全面保存でなく、部分保存というような形で開発計画を示されたことについて、「反対」の声が上がっている中、改めて、この再開発の計画というものが、そのあたりに対する配慮について十分であったのか、あるいはどういう考えのもとに、こういう計画をまとめられたのかをご説明ください。
【社長】
最近では7月22日付で市民グループ「東京中央郵便局を重要文化財にする会」から、私どもが6月に発表しました再整備計画についての公開質問状が寄せられております。この再整備計画の策定に当たりましては、前回も申し上げたかと思いますが、有識者会議(「東京中央郵便局歴史検討委員会」)からいただきました提言の範囲内で鋭意検討を行なった結果、建築としての価値を承継するため、できる限り現建物の構造も含めた部分を保存する方法を採用することとしたもので、ぜひご理解をいただきたいと考えています。
この有識者会議の提言ですが、その骨子は既に発表されているものですからご存じの方も多いかと思いますが、「建築としての価値を継承するために、現在の位置にできるだけオリジナルを保存することを提言する」ということが第一。第二に、「保存に当たっては現建物の構造も含めた部分を保存する方法から、建物全体を完全に保存する方法までを含むものとする」という、幅のある提言になっています。そして、3番目に、「この建物全体を完全に保存する方法は、当該敷地の条件が厳しいため、現建物全体を保存し、敷地内の残余部分に建物を新築することは困難である」というものです。今申し上げたのは骨子ですが、こういう内容の提言を頂戴しておりまして、この提言の範囲内で、鋭意検討したということであり、現建物の構造も含めた部分を保存する方法を採用することにしたというものです。
この有識者会議はいろいろな分野から参加していただいた会議ですが、その提言の範囲内でプランを策定したものです。
【幹事社記者】
2点目の質問です。日本通運と共同出資で宅配便子会社の準備会社を設立し、具体的な事業統合の内容について、8月末までに契約を締結するという計画だと思いますが、現在の進捗状況、例えば、具体的な人員計画や新しい体制について、現在の状況をお聞かせください。
【社長】
日通さんとの間で宅配便事業の統合を目的としたJPエクスプレスという会社を設立したわけですが、この事業統合に向けた契約の具体的な事項として、会社運営、あるいはオペレーション及び情報システム等、新会社での骨格となる各分野についていろいろと検討中です。8月末に契約締結の期日を設けていますので、それまでにはきちんとまとめる方向で、現在、取り運んでいます。
具体的に申しますと、まず、業務範囲、そして商品、サービス。2番目にはターミナル及び集配店の施設数や集配車両の数等、つまりオペレーション体制です。3番目には情報システム。それから4番目に、その他として、新会社の運営等に関する具体的な細目。これらについて両社一緒になって検討を進めています。人員計画と新体制についても、この中で併せて検討を行なっていますが、具体的な数字等については、現段階で申し上げられる状況ではありませんので、まとまった段階で発表させていただきたいと考えています。
【幹事社記者】
最後の質問です。簡易郵便局の一時閉鎖対策についてですが、一時期450を超える一時閉鎖局があったと思いますが、8月には手数料の引き上げなども予定されており、その後、再開に向けた取り組みが、かなり進んでいると伺ったのですが、現状についてどのようにとらえていらっしゃるのかご説明ください。
【社長】
結論から申し上げますと、民営化当初よりも若干一時閉鎖局が増えまして、7月17日現在で441局が一時閉鎖の状態となっています。これは民営化当初、10月1日現在で417局あったわけですが、その後、一時閉鎖が86局発生しました。しかし、一方においては、再開等が62局あり、7月17日現在で441局となっています。
今、お話がありましたように、8月からは取扱手数料を引き上げますが、これは従量部分ではなく、固定部分を引き上げるというもので、かなり思い切った措置です。また、同時並行的に、受託者の積極的な募集活動を全国的に展開してまいりました。新しい受託者の確保に努めているところです。今、申し上げましたように、新しい受託者により59局が再開しました。それから、さらに受託希望のお申し出をいただいている局が現在約210局あります。この中からできるだけ多く受託再開に結びつけていきたいと考えています。
また、お客様のご不便解消の緊急対策として、124カ所において、直営郵便局の渉外社員を派遣した出張サービスの提供や、移動郵便局の実施、あるいは暫定的な分室の開設なども行なっており、昨年10月1日現在で417局あった一時閉鎖局が、この緊急対策も含めますと実質的には320局あまりという数に減っています。
さらに、私どもとしては引き続き簡易郵便局の受託者の確保に努めてまいりたいと考えています。
【幹事社記者】
幹事社からは以上です。各社、どうぞ。
【記者】
局舎の賃借料交渉については、今どのような状況でしょうか。
【社長】
検討委員会を設けておりまして、その話し合いの中で、いろいろな意見が出ているわけですが、現在その結論を出すための議論も大詰めを迎えているという段階です。今は、まだ申し上げられる段階ではないと思います。
【記者】
7月にかんぽ生命で、民営化後初の新商品の発売もありましたが、その後の販売の動向と戦略をお聞かせください。
【社長】
かんぽ生命は、7月2日に新入院特約「その日から」を発売しました。また、指定代理請求特則の導入を行なっておりますが、その状況については、民営化後、初めての新商品ということもありまして、お客様からも好評をいただいておりますし、セールスパーソンも新商品ということで、大変やる気を見せていまして、おおむね順調なスタートが切れたという感じです。まだ具体的な実績ですとか、あるいは取扱い状況については、発売からまだ1か月弱ですので、とりまとめができておりません。
【記者】
メルパルクの件についてご質問します。先般ワタベウェディングがゆうちょ財団から運営を引き継ぎ、そのための新会社を設立するという発表をしましたが、メルパルクについては、土地、建物の所有が残っていると思うのですが、この点について、今後どのような方針で臨まれるのかをお聞かせください。
【社長】
土地、建物は日本郵政の所有です。宿泊事業は5年以内にやめることになっていますので、日本郵政としては、その事業をワタベウェディングに引き受けてもらって、手離れをさせるわけですが、保有する不動産については、まだ全部方向づけができていないため、しばらくはそのまま保有し続け、賃貸していくということです。
【記者】
2012年までに、例えばどこかに譲渡しなければならないということは考えないで、別の考え方で臨むとか、そういう方向性というのは、どうなっているのでしょうか。
【社長】
一部再開発しようと考えているところもありますし、あるいはそのまま賃貸、譲渡ということに分かれていくことと思います。まだ具体的なことは、今は申し上げられません。
【記者】
確認ですが、日本郵政株式会社法に基づいている条件では、今回の事業譲渡と賃貸で、メルパルクについては一定の目処はついているというお考えでしょうか。
【社長】
そう理解しています。
【記者】
わかりました。
【記者】
社宅の再開発の計画はどうなっていますか。
【社長】
社宅も空いているところがかなりありますし、これまでも、大きな物件ではありませんが、処分しているものもあります。したがって、社宅全体について、集約も含めて見直す必要があろうかと考えています。まだ具体的な動きにはなっていませんが、見直ししなければならないと思ってます。
【記者】
その質問に絡むのですが、現在、例えば郵便事業会社が所有する社宅に、他の会社、例えばゆうちょ銀行とか、かんぽ生命とか、局会社とかの社員が入居しているケースがありますが、その辺の整理は、どうするのでしょうか。
【社長】
例えば赤坂郵便局の場合、そこには郵便事業会社の支店、ゆうちょ銀行、それから郵便局が入っていまして、その上に社宅が乗っかっている格好で、この社宅部分は、郵便事業会社の所有ということです。まだ何も具体的なことは考えていませんが、例えば、こういう場所を仮に再開発するとなると、まず、その中で郵便事業会社以外は、郵便事業会社から賃借するのか、あるいは区分所有にするのか、そういったことが行なわれることになると思います。
【記者】
社員は早く自前で家を探せということでしょうか。
【社長】
いいえ、社宅をなくすというわけではありません。どこをなくすということは具体的に何も決めていませんが、全体としてある程度集約もしていかなければならないだろうと考えています。ポツポツと空いた状態で置いておくのもいかがなものかと思いますし、そういう方向で将来的には考えていかなければならないと思います。
【記者】
先月の会見の中でも触れたのですが、中期経営計画の進捗状況について教えてください。
【社長】
少し時間がかかっていますが、時間がかかっているところは、グループ全体として郵便局ネットワークと顧客基盤を活用したビジネスモデルをしっかりと構築していくということ、そして、効率化を徹底する必要があるということ、それから利便性の高いシステム環境の整備を図っていく必要がある、さらに内部管理体勢のレベルアップをしなければならない。こういったことを通じて経営基盤の強化を図るということが、大変大きな、また、喫緊の課題ですので、今申し上げたところを、相当時間をかけながら、突っ込んだ検討をしているのが実情です。とは言え、そんなに時間ばかりかけているわけにはいきませんので、遅くとも来月又は再来月にはまとめなければならないと思っています。
【幹事社記者】
ありがとうございました。
【社長】
どうもありがとうございました。