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2008年3月25日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2008年3月25日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

発表日:2008年4月9日

案件なし

【社長】
今日は、特にこちらからは申し上げることはございません。どうぞご質問をお願いします。
【幹事社記者】
幹事社のほうから、幾つか質問させていただきます。3月で民営化から半年になるのですが、この半年のご感想、手応えなり、あるいは見えてきた課題なり、お考えを伺えればと思います。
【社長】
民営化の直後におきましては、一部システムの不具合ですとか、あるいは新しい業務フローへの不慣れ、これには研修不足もあったわけですが、こういうことによる多少の混乱は生じましたが、大きな混乱にはならず、概ね順調にサービスをご提供できました。関係各位のご協力、そして職員一同の真摯な努力に感謝しております。
一方では、顧客サービスの向上をねらいとして、日通、山九、スルガ銀行、それからクレジット関係の2社、日本生命、電通等々、各事業それぞれの分野での提携が実現しまして、将来への布石を打つことができたと思っております。また、全銀システムへの加盟につきましても、道筋が開けてきたということも大きかったと思います。
また他方では、この半年を振り返りますと、郵便認証司の内容証明等に係る認証事務の不適正取り扱いや、コンプライアンスに関する問題も多発しており、大変遺憾に思っております。コンプライアンスにつきましては、グループ経営の最重要課題と認識しており、今後も一層の徹底を図ってまいりたいと考えております。
個別の事業では、郵便事業について申しますと、取り扱い物数は依然として減少傾向が続いている状況です。最大の収益源になっている年賀はがきの販売は、ご承知のように過去数年の低落傾向に一応の歯どめをかけることができたものの、対前年比では、横ばい程度にとどまったということであります。
また、元日の年賀状配達につきましては、対前年比プラス6.5%の配達を達成するなど、前年の反省を踏まえて、一定の成果を上げられたと認識しております。
また、ゆうパックにつきましては、当初から懸念されていたことではありますが、郵便局会社との連携不足から地方特産物を中心に大幅な減少になっていることは、まことに残念です。
ゆうちょ銀行につきましては、貯金残高が毎年10兆円規模で減少が続いている状況です。2月4日から実施している退職金キャンペーンをはじめとした営業施策の展開により、残高維持、少なくとも減少幅の縮小を図ってまいりたいと考えております。制度上、ビジネスモデルの大幅な転換は難しいので、当面は貯金残高にこだわらざるを得ない状況にあります。
かんぽ生命は、1月末での個人保険の新規契約数が前年度の5割程度にとどまっています。これは民営化直前の駆け込み需要、駆け込み契約の反動ということもあろうかと思いますが、営業職員の大宗を抱えています局会社の営業体制に問題があったと申さざるを得ません。今後は、営業力の強化を図るとともに、医療保険を中心とした第3分野の新商品開発を進めるなど、ニーズの変化にも対応できるようにしていきたいと考えています。
また、株価の大幅下落、そして急激な円高の進行等から、金融事業を取り巻く環境も依然として厳しい状況にあるということです。
この民営化後半年間の状況につきましては、概ね以上のとおりです。
【幹事社記者】
この半年間の収益ですが、実施計画では収益の目標を示されていましたが、その達成度合いについて、どれくらい手応えがあったでしょうか。
【社長】
今も少し触れましたが、現在、決算の準備段階であり、事業の性質上、特に金融関係については、株価、そして金利、為替等マーケットの動向による影響を多分に受けるものでありますので、損益の見通し等については、現段階ではお答えするのが大変難しいということになります。
ただ、各社を取り巻く事業環境は、今も申しましたように、依然として厳しい状況にあるということは事実だと思います。
【幹事社記者】
それでは、各社お願いします。
【記者】
先ほど話のありました、各事業会社が他の会社と提携された中で、特にローソンとの提携について、3点伺います。
まず1点目が、西川社長から提携のメリットをもう1度お話しいただきたいということ。2点目は、ローソンとの提携で、特に旧特定局長さんの中からローソン商品を郵便局で販売することについて戸惑いの声が出ているようですが、こういった声が上層部に届いているのでしょうか。今後、提携をさらに進めていくことについて、どのように局長さんたちに説明し、その戸惑いを払拭していかれるのでしょうか。
最後に、郵便局のコンビニ化について、ほかのコンビニ業界から、競争相手が増えるということで、民業を圧迫するとまではいかないが、ちょっと懸念する声も聞かれるのですが、その点についてどうお考えでしょうか。以上3点について、よろしくお願いいたします。
【社長】
ローソンさんとの提携は、全国のお客様の利便性の向上を始めとし、郵便局ネットワークの維持、増強による地域社会への貢献を目的に、両者のインフラを効果的に活用する共同取り組みの可能性を追求していくことが柱です。このような両者の提携により、さまざまな商品、サービス提供の可能性が広がり、お客様の利便性の向上を通じて、双方のお客様の拡大、また、それに伴う商品・サービスの利用の増大が見込めることは、大きなメリットであると考えています。
そして、郵便局長の受けとめ方という問題については、私の耳には直接入っておりませんが、確かにそういう声があるということは聞いております。しかし、郵便局内で販売する商品はローソンの商品ということではなくて、郵便局の商品として販売するモデルを検討していくということです。それを具体化していけば、局長たちも安心してくれるのではないかと思います。
これは提携の際にも申しましたように、郵便局の店舗で余剰スペースがある、商品を販売するスペースがあるというところでは、ローソンとの提携で商品を販売するということ、あるいは逆に、例えば、ローソンの店舗でスペースがあり、近くで簡易郵便局が一時閉鎖になっているというようなケースがあれば、ローソンの店舗で簡易局を受託していただくということも考えられます。あるいは、もう既に1局事例がありますが、ローソンの店舗がある敷地に余剰スペースがあり、そのローソンと一緒に郵便局を設置することができるということであれば、ケース・バイ・ケースですが、近くの郵便局をそちらに移して、そして、駐車場なども共同で使わせていただくなど、こうした方が双方にとって来店客数の増加というメリットを享受することができるのではないかと考えます。こういう両者のインフラを共同活用していくことが提携のねらいです。
民業圧迫という話ですが、2万4,000局ある郵便局で、そういう展開ができる郵便局がどれだけあるかということです。きちんとシミュレーションしてみないと確たることは申せませんが、例えば、旧特定局で申しますと、旧特定局は約1万9,000局ありますが,そのうちの8割近くが職員4人以下の局です。職員2人の局から職員4人の局です。そういう郵便局はほとんどの店舗が狭隘です。余剰スペースはないというのが実情です。したがって、それ以外の5人以上の郵便局、あるいは旧普通局を原則的に検討対象にするということになりますと、数としては、多分それほど大きな数にはならないであろうと予測しています。
【記者】
先ほどご説明されたとおり、この半年は、民営化以降の半年ということで、大型の提携を相次ぎ実現され、新規業務についても民営化委員会の議論もあり、多少の振れはあったと思いますが、ほぼ目鼻が立ったという状況です。それを受けて、この4月以降の新年度について、特に力を注いでいかれる分野、あるいは事業分野について、どのようにとらえていらっしゃるのか、意気込みを含めてお伺いします。
【社長】
4月以降は、事実上の民営化元年ということになると私は受けとめています。したがって、各事業会社4社それぞれが、持てる経営資源を最大限に活用し、また、そういう提携の効果というものもできるだけ新年度中に相当程度実現できるようにしていく。そして、そのことによって収益性を高め、マーケットからもある程度高い評価が得られる事業体にしていくことが必要であろうと思っています。これは4社共通のことであります。個別には色々ありますが、各事業会社ごとに個別に言い出すと切りがありませんので、4社共通で申せばそういうことです。
その一方で、先ほども触れましたが、コンプライアンス上、まだまだ徹底されていないところが残念ながら見受けられます。したがって、これを問題のないように徹底を図っていく必要があります。これが1つの大きな課題です。と同時に、郵便局ネットワークの維持という点では、簡易局の一時閉鎖も課題の1つに挙げられます。今般、簡易局チャネルの強化策ということで、いろいろな施策を打ち出しているわけですが、このような緊急対策、暫定的な施策にとどまるのではなく、一時閉鎖局の再開をできるだけ多く果たすことで、その解消を進めてまいりたいと考えています。
【記者】
今、個々の事業について言及すると、切りがないということで、言及されなかったのですが、ゆうちょ銀行の限度額撤廃に関しては、現時点において20年度中とか、あるいはどれくらいのスパンで考えておられるのか教えてください。
【社長】
これについては、かねてから郵政民営化委員会等にも要望しているところですが、特に通常貯金は、限度額管理の枠外にしていただきたいと考えています。通常貯金は残高が常に動いていますので、これを限度額の枠の中に入れていますと、管理上も非常に煩雑になります。また、お客様の利便性という面においても、限度額をオーバーすると、すぐに限度内に収めていただくよう連絡して、引き出していただくなどしていただかなければならないということになります。定期性貯金については、当分やむを得ないとしても、流動性の貯金については、ぜひ、早い機会に限度額の枠から外していただきたいと思います。
【記者】
以前にも質問させていただきましたが、年賀状に関して約80億円の広告費をかけたことについて、西川社長は無駄な面もあったのではないかとおっしゃっていましたが、そのように感じられる理由を教えてください。
【社長】
年賀については、1割増の40億枚に挑戦するということで取り組んできました。これは民営化後最初の大イベントという位置づけだったのですが、その結果から見ますと反省すべき点もたくさんありました。例えば、商品性だとか、あるいは広告宣伝といった点についても、その内容について、いろいろと反省すべき点はありまして、これらの反省をきっちりとした上で、来年度の年賀の販売に結びつけていきたいと考えています。
【記者】
例えば、広告宣伝のどういった点が反省点ということになるのでしょうか。
【社長】
以前も申し上げたかと思いますが、最後の方の広告は無駄でした。小さい新聞広告を出していたわけですが、私には、消化試合的に告知しているように映りました。こういうものはやめないといけないと思っています。
もっと焦点を絞って、締まった広告にしないと、お金がかかるばかりで何の効果もないということになりかねません。広告を出したから物が売れるというものではありません。
販促ということであれば、もっと販売する人たちへのインセンティブを多くするということも必要だと思います。
【記者】
先ほどコンプライアンスの面で、まだ徹底していない部分が多々あるとお話しになりましたが、具体的に言いますと、どの辺を一番問題だと感じておられますか。
【社長】
一番気がかりなことは、部内者犯罪です。部内者犯罪の撲滅ということが、至上命題です。これが今までのような状況ですと、今後、株式上場などを考えていく際にも、多分悪影響があるのではないかと思います。これはイロハのイです。
それから、情報保護、金融商品取引法関係の遵守、こういったところが中心になると思います。
【記者】
かんぽ生命と日本生命の提携についてですが、かんぽの直営店とか、郵便局会社にとっては、日生の商品やシステムが入ってくるというメリットはあるのですが、一方で郵便局会社にとって、かんぽの商品を日生の販売員やセールスレディーが売ることとなり、その分手数料が減るという不安の声が聞こえてきているようですが、そのあたりについて、西川社長はどのようにお考えでしょうか。
【社長】
日生さんと一部業務提携を発表したわけですが、その中身については、メインチャネルである郵便局会社を通じて提供する新商品の開発、そして引き受け、支払管理態勢にかかる事務・システムの構築、これらを主たるねらいにしているわけです。
それが日本生命さんの外交員の方と競合することになるのか、まだわかりません。多分、そういうことにはならないだろうと思います。まだその点について、はっきりそうだと断定できる状況ではありません。現在、両社の事務レベルで、どのような処理について、どういう協力関係を築くのか、具体的な検討を進めている段階ですから、今のところははっきりとしたことは申せません。そういう競合はできるだけ避けなければならないと思います。
【記者】
確認ですが、もちろん詳細については、これからということですが、今、西川社長がお持ちになっているイメージでは、かんぽの商品を単純に日生の販売員が売るというイメージは持っていないということでいいですか。
【社長】
はい、持っていません。
【記者】
わかりました。ありがとうございます。
【記者】
先ほど、為替とか金利とか株とかという話が、経営のマクロ要因だとおっしゃっていましたが、その最中に日銀総裁が空席という状況になっており、この状況をどのようにお考えになっていますか。そして、この日本郵政グループに対して、どのような影響がありますか。また、西川さんの経験から、更にはこういう大きな組織でかじ取りをする一人の人間として、あり得べき日銀総裁というのは、どういう資質が必要だとお考えですか。そして、政治に対して何を言いたいかをお答えください。
【社長】
日銀総裁を早く決めていただきたいという思いは、多分皆さん同じだろうと思います。その点については、私も全くそのように考えていますが、私の限られた情報で、日銀総裁についてどうのこうのと申し上げるのは、控えさせていただきたいと思います。
【記者】
一番最初に幹事社からも質問が出ていましたが、簡易保険の新規契約が思うように伸びていない、もしくは投資信託の販売が伸びていないという、そういった点が、例えば実施計画に与える影響について、どのようにお考えになりますか。
【社長】
先に投資信託について申し上げますと、販売額が大幅に減少しています。しかし、これはマーケットの状況が、大変不安定な状況であり、株価につきましても、あるいは為替につきましても、非常に不安定な状況にありますから、やむを得ないのではないかと思います。しばらく、マーケットの状況を静観していく以外に他はないのではないかと思います。
保険の新規契約の減少については、前年比5割程度になっているのですが、10月に大幅に落ち込んで、それから11月、12月、1月、2月と、少しずつ回復してきている状況であり、5割減という状況がずっと続くということではないと思います。販売体制もきちんと整ってきている状況ですから、これから先は、回復が相当期待できるのではないかと思っています。
ただ、個人向けの保険の販売につきましては、郵便局会社にすべて個人向け販売の外務員がいます。この外務員をいかに効率的に、そして力強く活動させていくかということについては、直接かんぽ生命自身が営業指導をきちんとやっていく必要があります。郵便局会社だけでは、不十分だろうと思います。やはり委託元が、自らの経営に大きな影響を及ぼすものですから、直接指導もきちんとやっていく必要があると思っています。
【記者】
そういう意味では、経営に与える影響は、あまり重く見られていないということでしょうか。
【社長】
今すぐ鮮明に出てくるものではありません。ご承知のように、生命保険というのは、ストックビジネスですから、新規契約が減少したからといって、すぐに保有契約が大幅に減少するというものではありません。すぐに影響が出るものではないわけですが、長期的に見れば、やはり減少を続けるということは、例えば3利源の1つである費差益についても、母数が減れば利益は減ってきます。母数で経費を割ることになりますので、利益は減ってくるということになりますし、あるいは責任準備金も減少します。そうすると、運用益も、それに応じて減少してくるという筋書きですから、長期間続くと体力を消耗してくることになるわけです。
ですから、民営化直後の業務繁忙から解放されつつあるわけですし、やはり保険の外務員の方は、保険の販売に専念できるように、局会社として、その実施体制を敷いていかなければならないということです。
【幹事社記者】
ありがとうございました。
【社長】
ありがとうございました。