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2008年2月15日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2008年2月15日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

発表日:2008年3月3日

案件なし

【社長】
今日は私から申し上げることはございませんので、どうぞご質問をお願いします。
【幹事社記者】
それでは、幹事から3問質問させていただきます。よろしくお願いします。
初めに、もう、かれこれ2週間くらい前になりますが、郵政行政審議会が、旧郵政公社の最後の業績に対して、郵貯部門でコンプライアンスの項目にDという評価を下しました。また、公社全体のコンプライアンスに関してもD評価がふさわしいのではないかというような、厳しい意見も聞こえてきました。旧公社時代の話ではありますが、これについてどう受けとめているかお聞かせください。
【社長】
コンプライアンスに関するご質問をいただきましたので、まず、今のご質問には直接関係ございませんが、既に報道にもあったように、昨日、秋田県の大館常盤木町郵便局長が、1万円札を偽造したという犯罪が判明いたしました。
現在、警察が捜査中でありますが、お客様の大切な財産をお預かりしている郵便局の社員、特に、郵便局の責任者であります郵便局長がこうした容疑で逮捕され、お客様の信頼を著しく損なう結果を招いたことは、誠に遺憾であり、深くお詫び申し上げます。
今後、事態の究明を待って、当該郵便局長に対し厳正な処分を行なうことは申すまでもないことでありますが、こうした事態を二度と発生させないよう、再発防止策を講じてまいりたいと考えております。
次に、ご質問いただいた郵政行政審議会における業績評価結果についてでございますが、これについては、私どもも大変重く受けとめております。
特に、コンプライアンスの徹底につきましては、民営化後におきましても、日本郵政グループの経営の最重要課題と認識しており、監査、モニタリング等の抜本的な強化を含めて、グループを挙げて取り組んでいるところであり、今後とも、コンプライアンスの一層の徹底に努めてまいりたいと考えております。
ゆうちょ銀行では、やはりコンプライアンスを最優先課題として、その徹底を図っているところであり、特に、「部内者犯罪の防止」、「顧客情報保護」、そして、「投資信託の販売における金融商品取引法の遵守」、この3点に重点を置いて取り組んでいるところです。
さらに、郵便局会社とも連携を図り、金融機関にふさわしいコンプライアンス態勢をしっかりと構築していく必要があると考えています。
【幹事社記者】
続いての質問ですが、報道ベースではありますが、各社一斉に報じているので、かなり確度は高いと思いますが、全銀協の全銀システムがゆうちょ銀行の接続を認めるという方針を固めたという報道がなされました。時期に関しては、かねて社長がご説明されていた今年5月から、来年1月と後ろ倒しになりましたが、これに対する受けとめ方をお聞かせください。
【社長】
全銀システムを運営しております内国為替運営機構には、ゆうちょ銀行の加盟につきまして真摯にご検討いただき、この度、加盟に向けた道筋を示していただいたことに関しまして心より感謝を申し上げたいと思います。
同機構とゆうちょ銀行は、お客様にご迷惑をかけないということを基本に、技術的な課題等について、従来より相互にいろいろと協議し理解を深めているところでございます。
同機構からは、ゆうちょ銀行の全銀システム加盟の検討に関する今後の進め方について、総合運転試験等、具体的な準備活動も含め、説明を受けているところです。引き続き、内国為替運営機構との連携を一層強め、全銀システム加盟に向け、一層努力をしてまいりたいと考えています。
時期につきましては、こちらからどうこう申し上げるべきものではないと考えております。
【幹事社記者】
時期に関して、ゆうちょ側の事情というのはあるのでしょうか。
【社長】
両者のシステム及びオペレーション等について、間違いないということをきちんと両者で確認し、そして、これならば他行はもちろん、お客様にもご迷惑をかけることはないという確信を持たなければならないので、慎重に準備を進めるということになっています。
【幹事社記者】
最後に、先日、全業界に先駆けて、労組の方が春闘の要求書を提出しました。JPグループとしても春闘が始まり、ベースアップで月額1,500円の要求が出されました。これに関する受けとめ方、今後の方針、あるいは対応について、どのようにお考えでしょうか。
【社長】
JP労組も、統合後、初めての春闘ということでありますが、1月31日に「2008年総合的労働条件改善に関する要求書」が、グループ各社に提出されました。
組合の要求は、今年の春闘をめぐる情勢なども踏まえて、真剣に検討された上でのものと認識しており、経営サイドとしても、これを真摯に受けとめ、誠実に交渉を行なっていく考えであります。
特に、ベースアップ等の賃金、一時金、それから手当に関する要求につきましては、各社の経営に与える影響、そして、19年度下期の業績見通し、20年度の経営環境の見通しなどを十分に考慮した上で、対応してまいりたいと考えています。
【幹事社記者】
幹事から以上です。各社、どうぞ。
【記者】
過疎地の一時閉鎖局対策の一環として、社長が熱心に取り組んでこられた移動郵便局が、18日の月曜日に、豊田市内で、実際に稼働を始めるのですが、この移動郵便局の今後の活用方針と、また、一時閉鎖局対策として、移動郵便局以外にどのような方策が考えられるのか等をお聞かせください。
【社長】
おっしゃるとおり移動郵便局は、18日の月曜日から豊田市の山間部で運行を始めます。
1月末現在、一時閉鎖となっている簡易郵便局は、435局ですが、その一方で、既に受託申し込みを受けている局が約40局あります。現在、関係当局に認可等の手続きをしているところです。これらの再開時期につきましては、受託希望者に申し込みいただいた時期や、局舎施設の状況によって違いますので、一概にお答えすることはできませんが。
現在、緊急対策として2点考えています。1つは、出張サービスを2008年度中に100カ所程度で開始したいと考えております。これは直営郵便局の渉外社員や支社の社員等を、閉鎖中の簡易郵便局の近隣公民館や役場の一角に週2回、1回半日程度派遣し、出張サービスさせていただくというものです。
それから、もう1つは、直営郵便局の分室を遅くとも本年4月中に幾つか開設したいということで、今、準備を進めているところです。
その他、簡易局の減少に歯どめをかけるため、ご承知のように、現在、「簡易局チャネルの強化のための検討会」というものを設置しています。この検討会において、取り扱い手数料の見直しや、サポート体制の強化などの対策を検討しております。
これらの施策が、既存の受託者にとって、安心して仕事を続けていただけるインセンティブになるとともに、新たな受託希望者の増加にもつながるものと考えております。
さらに、先日発表させていただいたように、一時閉鎖局や閉鎖中の簡易局のエリアにおいて、ローソンの店舗がある場合に、そちらに簡易局を受託していただくということなど、ローソンのご協力を得た簡易局の設置も考えていくということです。
このように、何とか一時閉鎖を減少させるとともに、お客様の利便の向上に役立つようにしていきたいと考えています。
【記者】
移動郵便局は、今後も1台しか設置しないのでしょうか。
【社長】
今回運行する1台の利用状況、あるいは運行に係る問題点等を把握しながら考えていきたいと思っています。
【記者】
宣伝になって良いのではないかと思っているのですが。
【社長】
そういう効果も期待できるのではないかと思っています。
【記者】
業績に関しての質問なのですが、郵便局会社と郵便事業会社、それぞれ下半期の計画を総務省に提出していると思うのですが、郵便局会社の現状をみると、ゆうちょ、かんぽ保険等の金融商品の販売がかなり低迷しているようですが、郵便局会社の業績への影響をどの程度見込んで、今後、計画を見直そうと考えているのか、また、何か対策等はあるのでしょうか。
【社長】
計画の見直しなどは、特に考えてはいません。
【記者】
数字上、かなり下振れそうな感じなのですが。
【社長】
これまでのところは、確かにそういう傾向はありますが、これを何とか反転させてもらわなければならないですね。まだ1カ月半ほどありますので、きちんと来期に向けて、確かな手応えを感じられるように反転してもらわなければならないと思っています。
かんぽ保険の契約にしても、あるいはゆうちょ関係の商品にしても、民営化直後で渉外職員の活動が制約されたという事情はありますが、その後は、ほとんど正常化しているわけで、本来の業務をきちんと皆さんに全うしていただかないと郵便局会社の経営が左右されるということにもなるわけです。郵便局会社には、引き締まった経営に転換、反転させていくことも必要ではないかということで、いろいろと要請しているところです。
【記者】
何か、てこ入れ策みたいなものは、特に、今のところ考えていないのでしょうか。
【社長】
てこ入れ策というようなものはありませんが、持てる経営資源をフルに活用すれば自ら立てた計画は十分達成していけるし、また、してもらわなければ困ると考えております。
【記者】
業績評価についての関連質問なのですが、今回、郵便貯金業務に「D」という評価が出た原因といいますか、背景というのを教えていただきたい。これまで民間の金融機関においても、郵便貯金で問題になったことへの対応を、常々行なってきたかと思うのですが、会社の中の、例えば民間との組織上の違いなのか、または、意識の違いなのか、背景としてどういうものが考えられるのでしょうか。
【社長】
これは私の個人的な見方ですが、今度の評価に大きく影響したのは、大阪の高槻竹の内局での部内者犯罪がかなり強いインパクトを与えたのではないかと思います。
そういったことが発生する土壌がまだあるのだという見方で、大変厳しい評価をされたということだと思います。これについては、我々が真摯に受けとめて、一言で言えばコンプライアンスの徹底ですが、具体的な施策も含めて徹底し、そういった部内者犯罪の発生防止に努めていかなければならないということです。
先ほど申し上げた、ゆうちょ銀行の3つの重点項目の第1に挙げている「部内者犯罪の防止」に努めるということだと思います。民間銀行では、何年かに1回程度、そういった不祥事が起きる場合もありますが、ほとんど考えられないことだと思います。
しかも、その高槻竹の内郵便局のケースは、局長が全く管理していなかった。管理すべき、チェックすべき項目を長年にわたってきちんとチェックしていなかった。さらに窓口職員の犯罪ですので、窓口で異例な取り扱いをしてきていたわけです。
異例な取り扱いをしたものについては、窓口端末機から出てくるジャーナルにコードが出るわけですが、これをチェックしていなかったということ。もう1つは、管理者カードというものがあって、この管理者カードを使わないとお客様の口座を見られないということになっているのですが、その管理者カードを管理すべき郵便局長がそれを放置していたために勝手に使われてしまっていた。 こういったずさんさ、これはごくごく例外的な事態だと思いますが、そういう土壌があるとご認識されたものと思います。
我々もそれに対して、そういう土壌は全くないとは言い切れない面もあり、自信を持ってそういったことが起きない管理体制をきちんと敷いて実行しているということを示していかなければいけないと思います。
【記者】
総務省の評価は、上半期で終わってしまいました。もう、総務省は評価を行なわないので、例えば監査などを行ない、同じような評価を公表するとか、そういうことは考えているのでしょうか。悪いまま終わって、その後どうなっているのかわからない。例えば、上期の後の現在はどうなのか、というように。
丁度、お札の偽造の話があったりと、何か悪いイメージがどんどん続くのですが、現状がどうなっているのかをどのように一般の人に見せていこうと考えているのでしょうか。
【社長】
私がかねてから申し上げていることでありますが、郵便局への安心・信頼ということは大変重要なことです。生命線とも言えます。
民営化までは、国営事業ですから、国がバックにあって、それだけで安心してもらえたということです。民営化すれば、そういう後ろ盾がないわけですから、自ら安心・信頼を獲得していかなければならないということであり、そのためには、コンプライアンスをきっちり実行するということを世の中に見せていかなければならない。
そういう状況の中でこういったことが起きてくると、この安心・信頼というものに大きく傷がつくということになるわけです。
もう民営化されたわけですから、監督官庁がどうのこうのではなく、自己責任の世界ですから、対外的に発表するとかしないとか、そういった問題ではありません。
そうなると、お客様がどう評価するか、お客様がどう見るかという世界です。私は、そういった危機感を持たなければならないと、口うるさく社内で言っているわけです。
【記者】
そのことは、ずっとおっしゃっていますよね。それで社員の意識は、実際変わっているという実感はあるのでしょうか。
【社長】
まず、大きく変えたのは、監査要員を増強しました。そして、郵便局へ出向き、年に最低1回以上は総合的な検査を行なう。これは監査ではなく、重要項目に絞った検査ですが、そういったものも含めて最低年1回以上は郵便局へ出向く。できていないときは、再度、その郵便局へ出向く。
それでもだめだということであれば、人事措置を講ずる。これを繰り返し、繰り返し行なっていき、ちょっと言葉は悪いですが、こうして悪い風土を浄化していかなければならないということです。これが民営化の出発点だと思います。
だから、これについては、不退転の決意で臨まなければならないと考えています。
【記者】
ビジネス以前の話ですよね。
【社長】
ビジネスの基本として、やらなければならないということです。
今度の秋田の大館常盤木町郵便局の事件も、現金検査というものを定められたとおり行なっていれば、こんなことは起きなかったわけです。普通では考えられないことです。
しかも、まとまった資金は資金の集中局である大館局に資金として送ることになっているので、送る段になって、送った資金がそういうものだったわけで、相手が見ればすぐわかるわけですから、もう切羽詰まった状態になっているということです。まだ調査は始めていませんが、もとを遡れば相当前からやっていたというふうに見ざるを得ないです。
現金検査をきちんと行なっていれば、直ぐにわかることなのです。だから、現金検査というようなことも含めて、本当に基本的なことを毎日、毎日、繰り返し、繰り返し行なっていく。その癖をつけて不祥事を防止していくこと以外に方法はあり得ません。毎日、毎日、畑を耕すようなものです。
【記者】
春闘に関してですが、組合側は持ち株会社を含めて、統一要求という形で要求してきています。そういった要求を当分続けると労組側は言っていますが、西川さんは、それをどのように受けとめていらっしゃいますか。
【社長】
要求書自体は各社に来ています。各社とも同じ内容の要求が来ていますが、業種も業績も、また、今後の見通しも違うということですから、各社間で、回答内容に違いが生じても特におかしくはないと思います。これは当たり前のことです。
しかし、今回は民営化後、間もないということですから、結果的に今回は横並びになる可能性もないわけではありません。まだ何も決めてはいませんが、私の考え方は、そういうことも場合によっては考えなければならないだろうということです。
組合は3月中旬を回答日としていますので、それに向けて、交渉はこれから本格化するので、現段階においては何も申せませんが、そういうことも念頭に置いて、進めていかなければならないということです。
【記者】
東京電力とNTTがベア戦線から離脱し、公益企業によるベア要求は郵政だけです。そのベアの可能性についてはどうでしょうか。
【社長】
内容については、今は何も申せません。
【記者】
再生紙関係についてお聞きしたいのですが、古紙の配合率については、印刷会社と製紙会社と今後の対応について話し合い検討していくとおっしゃっていたと思うのですが、その辺の進捗状況について教えていただけますでしょうか。
【社長】
はがきの古紙配合率につきましては、早急に調査研究会を立ち上げ、関係省庁、製紙業界等の再生紙問題に対する動向も睨みながら検討を進めていきたいと考えています。
研究会のメンバーは、学術経験者、あるいは有識者により構成することとしており、現在、調整中です。
ただ、例えば、平成21年用年賀はがきの生産を製紙会社では、3月頃から開始すると聞いており、研究会の最終報告は、それまでには間に合わないかと思います。
したがって、製紙会社に対しては、具体的な配合率は示さずに品質確保上、問題がない範囲で、古紙を極力多く配合するという内容の指示にしたいと考えております。
【記者】
再生紙はがきをやめるという選択肢はないということでしょうか。
【社長】
それはありません。
【記者】
住宅ローンについて伺いたいのですが、先日、横浜と千葉にある地銀、数行で住宅ローンの共同商品をつくると、発表しましたが、まず、第1弾として女性向けの専用ローンを行なうということで、まさにスルガ銀行とゆうちょ銀行が行なおうとしていることとバッティングしてくると思うのですが、その辺の受けとめ方はどうでしょうか。
【社長】
これは競争関係ですから、そういうことがあっても当然だと思います。その中でやっていかなければならないということです。
【記者】
何か具体的な対抗策は考えておられますか。
【社長】
特に、考えてはいません。今後、住宅ローンを始めてからの話ですが、お客様のニーズの動向等を見ながら考えていくことになると思います。
【記者】
スルガ銀行とゆうちょ銀行が住宅ローンを行なうことによって、民間からも同様の商品が出てくるなど、逆に民間マーケットでの競争に火をつけたと思うのですが、西川さんとしてはこれが民営化のメリットであるというようなご見解をお持ちなのでしょうか。
【社長】
競争が促進されるということは、業界も活性化してよろしいのではないでしょうか。
【記者】
今まで、地銀側はそういうものをつくろうという意識さえなかったわけですが、何か今までの古い銀行の体質に一石を投じたということでしょうか。
【社長】
いいえ、そんな大それたことは考えていません。私はそのようなことを考える立場にもありません。
一般的に言って、郵政民営化も、民営化することによって競争を促進しようということですから、競争の中から、いいものが生まれて、顧客利便にも供することができる、こういうことも民営化の1つの大きな狙いなのですから、私は、いいことだと思います。
我々も自由にやらせていただきたいということです。
【記者】
全特との交渉の件についてお伺いします。昨日の報道によると、局舎の賃借料交渉について、個別で交渉すべきだとおっしゃった松原先生のご提言とはちょっと違う方向で、どうも一本化というお話が出ていましたが、その辺の事実関係はどうなのでしょうか。
【社長】
そういう具体的なものは、何もありません。
特定郵便局長会との間では、局舎の賃料問題が大きなテーマとして残っているということは事実ですが、今、いろいろ検討を進めているところでして、具体的なものが出ているというわけではありません。
【記者】
来年度の見通しについて、先ほどの賃金交渉なども含めていろいろあると思うのですが、既に実施計画が出ており、各社、あるいはグループで、その実施計画に対してそれなりの数字が出せそうな予想が出ているのでしょうか。それともやはりのっけから結構厳しい状況になってきているのでしょうか。
【社長】
実施計画も一定の前提を置いて、数字を組み立てているわけです。
例えば、ゆうちょ銀行で言えば、金利が上昇した場合はこうだというように一定の前提を置いています。そういった金利情勢等も含めて、経営環境が変わってきているわけです。
来年度の計画を策定する上においても、やはり新しい、現在の経営環境に基づいて考えていかなければならない。また、新たな施策も、そこに織り込んで考えていく必要があるというものですから、私は、実施計画にとらわれる必要はないと考えています。
【幹事社記者】
よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。