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2023年9月29日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2023年9月29日 金曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

[会見者]
日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役社長 増田 寬也
【社長】
本日は私から2件、発表いたします。
 1件目です。当グループの中期経営計画「JP ビジョン2025」に掲げておりますグループ一体でのDXの推進の取り組みの1つである、新たなグループプラットフォームアプリ、「郵便局アプリ」のサービス提供開始についてお知らせいたします。「郵便局アプリ」は、リアルとデジタルをシームレスにつないで、デジタル上のお客さま接点として、お客さまに、いつでもどこでも郵便局サービスをご利用いただけるように開発したものです。まずは、郵便局のサービスのうち、利用頻度の高い、「送る」「受け取る」といった郵便物流サービスの提供から開始をして、順次、機能を拡充していく予定です。今回提供する「郵便局アプリ」では、送り状をアプリで作成することで、簡単に荷物の発送準備ができる送り状作成機能や、郵便局・ATMの場所、営業時間の検索機能など、現在「日本郵便アプリ」や「ゆうパックスマホ割アプリ」で提供している各種機能の利便性の向上に加えて、郵便ポストの場所、郵便物の取り集め時刻、投函口のサイズ等の検索ができる機能を初めて搭載いたします。また、一部の郵便局では、窓口に直接お越しいただく前に、アプリから混雑情報を確認したり、窓口の順番待ちのために整理券を発行したりできるようになります。
 これらの機能は、全国34の郵便局でスタートして、順次、実施局を拡大していく予定です。このような新しい機能の搭載により、郵便局やポストに行く前に、お客さまがご確認、ご準備できることが増えるなど、お客さまの利便性の向上につながると考えております。まずは、郵便・物流サービスから開始しますが、今後は、当グループ各社の主要サービスを1つのアプリでご利用いただけるよう、日本郵便に加えまして、ゆうちょ銀行、かんぽ生命のウェブ・アプリサービスとの連携も検討してまいります。「郵便局アプリ」のサービス提供開始は、10月の中旬を予定しております。詳細についてはそのときに改めて報道発表を行う予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
 2件目です。既に本日の午前中に、日本郵便より報道発表しております、「ゆうパケットポストmini」のメルカリ様での提供開始について、この場を借りてお知らせいたします。お手元のプレスリリース資料をご覧ください。
 大変ご好評をいただいております「ゆうパケットポストmini」につきまして、メルカリ様の「ゆうゆうメルカリ便」でもご利用いただけるようになりました。「ゆうパケットポストmini」は、昨今の個人間EC市場において、トレーディングカードなどの小型商品の取引需要が高まっていることを受け、小型商品をより簡単便利に郵便ポストから発送できる商品として本年7月19日から提供を開始したものです。この商品をメルカリ様でもご利用いただくことが可能になり、さらに、個人間のEC市場が盛り上がることを期待しております。
【記者】
2問、お願いします。まず1点目、ヤマトホールディングスさんとの協業について、6月の発表で、10月から「クロネコゆうパケット」の切り替えを順次始めるとご説明されておりましたけども、現在の進捗と、今後のサービス展開の見通しについて、改めてお伺いしたいと思います。これが1点目です。2点目は、先ほど、楽天グループの保有株について、先般計上した損失を戻し入れるという開示をされました。これについてのご見解、受け止めもお伺いしたいと思います。
【社長】
まず、1点目のヤマト様との関係から申し上げます。10月から「クロネコゆうパケット」という名前の商品になり、一部を日本郵便で引き受けを開始します。準備につきましては、現在、順調に進んでおり、特段問題も生じてないとの報告を日本郵便から受けております。
 「クロネコゆうパケット」につきましては、段階を5段階に分けて、段階ごとに地域もそれぞれ分けて引き受けをしていくということになっております。第1段階が10月から、そして第2段階が来年の4月、その後、第3、第4と段階を踏み、最後に100%荷物の全量が日本郵便に移ってくるのが再来年2025年の2月となります。10月から日本郵便で引き受けるものは、主に東日本エリアの16道県での引き受けです。当初、6月ごろに、第1段階の移行割合はおおよそ20%ぐらいと発表しておりましたが、その後、両社で精査をいたしまして、確実を期すためにもう少しスモールスタートにすることにして、日本郵便がお届けをするということになっております。第2弾については、これからまたさらにヤマト様と調整をいたしますが、来年春に西日本エリアでの引き受けを予定しております。
 なお、「クロネコゆうパケット」とは別に、「クロネコゆうメール」を来年の2月から、こちらは段階を踏まずにいっぺんに全量、私どもが引き受けるということになっておりますので、併せてそちらのほうについても、今、ヤマト様と、さまざまな細かな点の調整をしております。
 ご質問について、もう一度、繰り返し申し上げますと、来週10月から始まる準備については、現在、順調に進んでおりまして、特段問題なくスタートできるものと、このように考えております。
 2つ目のご質問ですが、先ほど発表した、楽天グループ様との関係でございまして、楽天グループ様の株式が、第1四半期決算で株価が低かったため、著しい下落ということで、当社の企業会計基準のルールに従って、取得原価を6月末の時価まで引き下げる減損処理を行いました。その結果、公表したとおり、約850億円の評価損を特別損失という形で計上いたしました。当社の会計のルールですけれども、四半期における有価証券の評価方法について、いわゆる洗替え方式を採用しておりまして、第1四半期の決算で計上した約850億の評価損、この評価損は第2四半期、7月からの期首に一度全額戻し入れて、第2四半期末、本日ですが、改めて減損処理の要否を検討するということになります。9月期の楽天グループ様の株価の回復によりまして、当社の会計ルール上は著しく下落した状態ではなくなったということで、減損処理を行わないということにいたしました。これによりまして、今回の第2四半期決算では、第1四半期決算で計上した評価損というもの約850億円を全額戻し入れ、戻入益という形で取り扱うということにしたものです。
 ご承知のとおり、第2四半期の決算自体は11月の中頃になりますが、取りあえず今日の段階で、有価証券評価損、特損で計上しておりましたものについて全額戻入れをするということで発表したものです。
【記者】
今日発表されたメルカリのお話は、ちょっと大げさかもしれないのですけれども、ポストを民間事業者の方にも開放する第一歩というふうに捉えてもいいのでしょうか。
【社長】
そうではなく、全国に約17万6,000本のポストがありますけれども、ポストインでできる商品を私どものほうでほかにもいろいろ開発しております。できるだけ商品としての魅力を高め、お客さまにとっての利便性も上げていきたいと考えています。「ゆうパケットポストmini」は、7月に発表した商品ですが、EC市場を狙って、使いやすいものということで発表したものです。当初はメルカリ様のほうで、「ゆうパケットポストmini」を対象にしていなかったものですが、今回、対象になるということで、「ゆうゆうメルカリ便」として提供するということです。事業者の方で、こういう形で利用されるということが、これからまた広がるかもしれません。いずれにしても、フリマアプリですとか、オークションサイトの利用者の皆さん方の利便の向上ということを狙った商品ですが、それがこういう形で利用が拡大していくということは、私どもにとりましてもうれしいところです。
 これからもまたポストを使った商品で工夫できるものがあれば、考えていきたいと思います。これは当然ポストインですから、お客さまが受け取る際も、ご家庭のポストに投函するということで、再配達の防止にもつながりますので、こういった商品は今後もさらに強化していきたいと思っています。
【記者】
メルカリが加わったということですか。
【社長】
そうです。
【記者】
最近、地域医療の担い手不足というところが深刻化する中で、オンライン診療も、一部地域の郵便局の場の提供が可能になってきましたけれども、例えば今後、日本郵政が運営する逓信病院との連携の構想などはありますでしょうか。
【社長】
逓信病院は、所在する地域にできるだけ貢献をしていきたいということで、特にコロナウイルス感染拡大のときがそうだったのですが、所在する千代田区の医療を地域の診療所などと連携して、医療が逼迫したときに地域医療の貢献ということを行ってきました。
 逓信病院は元々全国にあったものが、今、東京だけになりましたので、各地方の医療を支えるということになれば、やはりオンライン診療などが中心になってくるかと思いますが、これから東京逓信病院の機能をどうしていくかということを、今、いろいろ検討しているところでございまして、その中でできるだけ広範囲の地域のお役に立つための機能を入れていければと思っています。
 今年の4月に新たな院長が就任し、検討しております。まだ具体的にどのような形にするかというところまでは、私は承知しておりませんが、いずれにしても、いろいろお役に立てるような機能を発揮できればと思っています。
 オンライン診療自体、これはまた医療の世界の中で、今、だんだんに広がってきていますが、診療報酬との関係で、さらにどこまで広げられるか、なかなか急速に拡大していくという形にもなってないと思っております。ただ、地方の医療機関がどんどん今痩せ細ってきていますので、そういう医療のいろいろなところを支えていくという上では、機能の高い大きな基幹病院が、地域の色々な診療機関と連携していくということは必要ではないかと一般的には思いますが、東京逓信病院について、どうするかは現在、新しい院長のもとでさまざまな改革を考えているところですので、よく協議をしていきたいと思います。
【記者】
先般発表された「ぽすちょこ便」は地域性という観点から、とても郵便局らしい取り組みというふうに思うのですけれども、今回の状況を見た上で、例えば全国の自治体にPRする判断を下すタイミングは年内なのか、あるいは年度内なのかとか、いつぐらいを構想されていますか。状況にもよるのでしょうけれども。あと、そのネーミングが、例えば、「ゆうちょこ便」でもよかったのかなと思うのですけど、「ぽすちょこ便」とあえてされたのは、そういう空きスペースを使って、ヤマト様や佐川様という競争企業とかにも、そういう近隣の配送を請け負いますというようなことも、最終的には構想に入れていかれるのでしょうか。
【社長】
「ぽすちょこ便」は山形県の中で、先日から始まった取り組みですが、これからもっとほかの地域も視野に入れて広げていければいいと私自身は思っています。今のところ、始めて間もなく、どのような形で今進んでいるかといった状況を十分聞いておりませんので、ネーミングの件も含めて、この後日本郵便からご説明させるようにいたします。
【記者】
先ほど、グループ共通IDのお話もありまして、すごく重要なことだと思うのですけれども、ちょうど10月1日で、民営化して丸16年になって、グループ一体を今後維持していくために、金融2社の株式を100%別に売らなくても民営化というふうに捉えることというのも可能でしょうか。NTT様の場合はそうされていると思うのですけれども、そのあたりの最終的な着地点について、増田社長のお考えとしてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
【社長】
立法に携わる方たちがどう考えるかというのが、一番大事だと思います。
 民営化の考え方というのは、金融2社の株式を売却することで民営化が進み、例えて言えば、かんぽ生命でも商品の販売が自由になるということですから、民営化が完成することの効果として、やはり業務のさまざまな上乗せ規制が外れるような形にならなければいけないと思います。
 私どもとしては、上乗せ規制を外していただきたいと思っています。当グループ各社で、業務が民間的な発想で自由に他社と競争していけるようになるということが大事だと思っています。
 一体どのようなことが成し遂げられれば、上乗せ規制が外れるのかということ、このあたりは、立法に携わる方たちが、よく考えていただければと思います。
 いずれにしても、私は民営化というのは、そういう競争環境がちゃんと出来上がって、お互いが切磋琢磨しながら、利用者の皆様方にいいサービスを提供できるということだと思います。現在の法律だと、それは株式売却を100%するということで、その結果として上乗せ規制が外れるということになっています。
【記者】
50%でも外れるものってありましたよね。
【社長】
届け出になっておりますし、それ以外にも上乗せ規制はいろいろあります。今、当社が保有するゆうちょ銀行株は約61.5%で50%より上ですし、かんぽ生命株は約49.8%です。もちろん規制はいろいろありますので、まだまだ道半ばだと思います。
【記者】
法律とかそういう立法の問題ということでいらっしゃいますね。
【社長】
はい。私どもは、民間他社と自由にそれぞれの発想で競争ができるということが必要だと思っております。
【記者】
先ほども「ぽすちょこ便」の話が出ていまして、私もすごくいい取り組みだと思っています。一方で、人件費の高騰とか燃料価格の高騰という中でもユニバーサルサービスを維持しなければいけないというところで、広く改めてになるのですけども、郵便事業の収益化とかですね、それに向けて、今取り組まれていることを含めて、どうやって収益を上げていくかというお考えを改めてお聞かせいただけますでしょうか。
【社長】
収益を確実に上げていくために、今まで、主に取り組んでいた分野にプラスして、新しい分野の取り組みをしっかりと成功させるというのが、まず必要だと思っています。新しい分野の代表例としては、やはり不動産事業になります。大変好立地のところに不動産のアセットを多く所有していますけれども、容積率などを見ても、まだ十分に活用しきれている状況ではなく、ある種、私から見てももったいない使い方をしていると感じる部分もあります。今、郵便の窓口部分のところに不動産のセグメントが入っているのですが、不動産を独立させて、収益の柱にしていくために、さらにこの分野を強化していくということが必要と考えています。
 当然、不動産開発ですから投資もしなければいけません。基本、当グループの中の不動産資産の取り組み強化ですが、物によっては、当グループ外の土地も入れて、不動産から上がる収益を強化していきたいと考えています。当グループ外の不動産の大きな強化については、他社のデベロッパーと共同でということになりますが、新しい分野の取り組みの一つが不動産です。
 それから、コアビジネスと言われているものの中で大事なのは、日本郵便がどこまで競争力、そして収益力を高められるのかということになります。そうすると、どうしても、いわゆる郵便・物流の中で郵便物はどうしても今の減少傾向を止められません。年賀状の当初発行枚数も、今年は、15億枚を割って、約14.4億枚となっています。できるだけコストを圧縮させるなどもありますが、値上げの検討をしているというのは、既に公表させていただいているところです。いろいろコストがかかってきておりますので、値上げのお願いもしつつ、郵便の収益をより改善していくと同時に、全体の、私どもが持っている資源を物流のほうにシフトしていきたいと思います。
 物流はなかなか激しい競争ですけども、荷物をより多くとって、そこをてこにして、収益を上げていきたいと考えています。先ほどお話がございました、新商品を、新たな発想で、日本郵便の特色で、例えばポストを使えるだとか、それから小型の荷物、オートバイで非常に機動的に運べるような商品を多く開発をして、それで物流の収益を上げていく必要があると思います。
 物流の分野で競合するのは、大手ではヤマト様と佐川様です。ヤマト様、佐川様とも協力するところはお互いに協力し合っていますけど、やはりゆうパックなど主力商品のところは、大きく競争するところです。ヤマト様、佐川様も今年の4月から料金を引き上げておられますが、日本郵便も基本料金を10月から引き上げをいたしますし、料金改定などによって収益力を確保することも必要かと思います。
 先ほど楽天グループ様のお話がありましたが、楽天市場の荷物を、私どもがかなりの量を引き受けるようになり、楽天グループ様との提携前は、ゆうパックの中で楽天グループ様関係のものが約7.5%位でしたが、約12%まで上がってきており、これをもっと上げていこうと思っています。その取り組みもだいぶ道筋見えてきましたので、ゆうパケットを含めてですが、ゆうパックの個数をより確保して、収益強化につなげていく、そういうところを大きな柱にしていきたいと思います。
 また、これは株式売却との関係もありますが、ゆうちょ銀行の株式を約89%持っていましたが、先般、売却しました。今は約61.5%になっています。ですから当然、株式から得られる配当も少なくなっていますが、逆にいえばまだまだ株式を保有していますので、ゆうちょ銀行とかんぽ生命についても、収益をしっかりと上げてもらいたいと思っています。ゆうちょ銀行は海外でのオルタナティブ投資のようなものが今、中心になっていますが、そういった分野の強化などや、それから今、だいぶ内外の金利差が拡大・継続している昨今ですから、外貨調達コストが高くはなっていますが、さまざまな為替の関係などについても、ヘッジをかけていますので、ほとんど影響しておりませんが、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の金融2社については、今後もしっかりとした運用をしてもらって、収益を上げていくようにしていただきたいと思っています。
 最後に、まだまだ数字的には十分に期待できる形になるのはだいぶ先になると思いますが、公共公益的分野、特にマイナンバーの取り扱いなども郵便局で法律改正までしていただいて行います。特別交付税が措置されることになっていますので、これまでかなりボランティア的にやっていたところも、ちゃんとお金もいただきながら、これからしっかりと手がけていきたいと思っています。
 ただ、ここは、今のご質問の中の収益という分野では、本当にまだ微々たるものですので、大きく期待できる分野にはなかなかなり得ないと承知はしていますが、やはり地域貢献ということも大事だと思っています。特に公益性と収益性をどう両立させるかというのはなかなか難しい問題ですが、できるだけそのバランスをよく見ながら、公共公益的な役割も十分果たしながらも、新事業分野、それから全体としては物流シフトによるその成果、また、従来どおり金融2社からの収益というものも含め、経営をしっかり行えるようにハンドリングしていきたいと思います。
【記者】
もう一つお伺いしたいのですが、今、総務省でもポストの削減ではなく活用という言い方ですが、削減も視野にということで議論が進んでおりますけれども、こちらについてはどのようにお考えですか。
【社長】
現在、約17万6,000本のポストがあるかと思います。もちろん毎日最低1回は郵便物や荷物の確認に行かなければならないなど、負担になっているところもあるかもしれません。しかし、ポストをどんどん減らしていくと、一方で日本郵便の良さも無くなってしまうようなところがあると思います。センサーカメラをポストの中に入れたりして、中に郵便物などが投函されたら取りに行く、あふれそうになったら収集時間に限らず、すぐに行けるようにするなど、今、実験をしておりますが、ポストのコストを削減しつつ、もっと利便性が上がるような形に、本数だけの議論ではなく、ポストの利用可能性を最大限に生かすようなことをもっともっと工夫、検討したいと思っています。
 総務省のほうでいろいろご検討されていることも聞いていますし、そこでの議論もよく見ていきたいと思います。私はとにかく日本郵便にはできるだけポストの利活用を図って、全体の規模感について、とにかく踏ん張って維持しようと言っています。たしかに、人口の変動など、いろいろな理由でポストの移動などはあり、そのようなことは柔軟に見直しをしたらいいと思いますが、できるだけ利活用ができればと考えています。荷物の受け取りも、コンビニエンスストアのローソン様が主ですが、そういったところに荷物を持っていったり、郵便局からも集荷に行ったりしておりますが、ポストをもっとうまく活用できれば、これはほかの宅配便の事業者さんにはない強みですので、何とか利活用の方法を考え出したいと思っています。
【記者】
先ほど楽天について評価損戻入れのご説明いただいたのですけれども、もう少し今回、評価損戻入れを受けて受け止めだったり、今後の楽天に対する期待だったりとか、そういったところをお話しいただけますでしょうか。
【社長】
戻入益が同額発生しましたので、第1四半期であったようなことは一旦消えるわけですけれども、いずれにしても私どもとしては楽天グループ様との資本業務提携に大きく期待するのは、まずは荷物の分野、それから本日発表させていただいた「郵便局アプリ」などDXの分野です。
 やはり、今までのアプリはIDを当グループの中でもそれぞれの商品・サービスごとに打ち込まないと使えなかったとかいうことがあったりして、非常に使い勝手が悪いものでしたが、当グループのプラットフォームアプリとして、主なところは日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命ですが、金融2社も含めてプラットフォームアプリのような形で、グループ共通IDでさまざまなサービスを提供できるようにしようというのが今後目指す方向です。開発や実行する部署も楽天グループ様の力も相当借りながら、今、進めているところです。
 今回の「郵便局アプリ」はその第一歩で、まだまだこれから第2弾、第3弾と使い勝手をよくしていきますが、そういうことを楽天グループ様とともに、あるいは力も借りながら、できるだけ早くスピーディーにやっていきたいと思っています。資本業務提携の狙いのところでもありますので、早く形にして、成果を出していきたいと思います。
 一方で、やはり楽天グループ様全体でいうとモバイルの関係で相当、今、資金を使われていて、それが株式市場での評価につながっているという面が大きいと思いますので、そういったところについて、楽天グループ様としてさまざまな対策をぜひとっていただき、楽天グループ様としての力を強めてもらいたいと思います。楽天グループ様とは非常に頻繁にコミュニケーションをとっていますけれども、今後も資本業務提携の成果が私どもとして早く出るように、それからまた第1四半期のような特損を私どもが計上するということはもちろん避けたいわけですから、そういう意味で楽天グループ様としてもモバイル中心にいろいろ手を打たれると思いますが、それに期待をしております。
 楽天グループ様の楽天市場など、ECの関係は非常に好調で推移しておられます。モバイルの関係が唯一、立ち上がりに相当な資金を掛けて基地局を相当きめ細かく設置しなければいけなかったという、多分そういうことなのだろうと思いますので、ぜひ、それを乗り越えていただきたいと思います。契約数など、底を打って今、回復に向いていると聞いていますが、そういったことについていろいろと手を打ってほしいと思っています。
【事務方】
先ほどご質問いただきました「ぽすちょこ便」に関しましてご回答いたします。
 「ぽすちょこ便」の名称の由来についてですが、"ちょこっと運んでほしい"といったお客さまのニーズに応えるサービスとして、また気軽に使ってもらいたいという思いで、平仮名で「ぽすちょこ便」という名称にしました。
 次に今後の展開についてですが、今回の山形県鶴岡地域で検証を行い、5年後を目途に買い物支援などの取り組みも含めて160地域での展開を目指して検討を進めていきます。
 なお、報道発表は9月21日に実施済ですので、ご確認いただければと思います。
(※記者会見における発言および質疑応答をとりまとめたものです。その際、一部、正しい表現・情報に改めました。)