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2011年4月12日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2011年4月12日 火曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

発表日:2011年4月19日

案件なし

【社長】
冒頭に、今日の衆議院本会議で郵政改革法案の審議のための特別委員会の設置が可決されましたので、そのことについて、まず申し上げたいと思います。
かねてから申し上げておりますように、私どもの会社は、現行の民営化法のもとでは身動きがとれません。郵政改革法案が成立していない中で、まさに、両手両足を縛られたまま泳げと言われているような状況で、一刻も早く、こうした状況から脱却したいと願っています。
したがって、郵政改革法案が早期に成立にこぎつけられるように強く願っていることを、まず申し上げたいと思います。
また、後ほど、震災関係の話を致しますが、私どもの企業グループは、おそらくは、今回の大震災で最も被害の大きかった企業グループの一つであると思います。社員で亡くなられた方や行方不明の方は、簡易郵便局の関係者を含めますと59名もの多きに達していますし、非常に数多くの郵便局が被害を受けております。私どもは、今回の被害から立ち直って、一刻も早く、復興したいと思うわけでございますが、それにつけても、私どもの企業グループが、将来、どういう姿になるのか、今のままの5社の体制でいくのか、あるいは、郵便事業会社、郵便局会社、日本郵政が一体となった、言わば3社体制になるのかというところで、実は大いに違いがあるわけでございます。
この結果がどうなるかということを踏まえないと、機能的で有効な復興プランも描けないのが実態でございます。一刻も早く、郵政改革法案が成立して、新しい体制になる目途がしっかりつかないと復興プラン1つも描けない状況にあるということをよくご理解いただいて、皆様からの応援を切にお願いを致します。
以上が、まず、郵政改革法案の特別委員会設置について、皆様に対する私からのお願いでございます。
次に、今回の震災について申し上げます。震災の状況につきましては、私の会見の前に、既に皆様へは相当詳しいご説明があったと思いますから詳細な説明は省きますが、私もようやく先週の木曜日から土曜日に現地を訪れることができました。改めてその実態のすさまじさに、本当に言葉も失うくらいでございました。
私が木曜日に現地へ入った夜に、大きな余震がございました。陸前高田郵便局では、この揺れによって、ダクトが外れて、そのダクトが外れたところから、血が漏れてきたのが発見され、それで改めて、そのダクトの中を見ましたら、ダクトの中に社員の方が一人落ち込んだまま亡くなっておられたのが発見されました。行方不明の方々のうち、また1名の方の死亡が確認されるという結果になってしまいました。本当に残念です。私も、土曜日に、陸前高田郵便局を訪れ、実際にそのダクトが動いた場所を見てまいりましたが、本当に改めて災害のすさまじさに愕然としたところです。
今回、現地に行きまして、強く感じたのは、現地の我々の社員の方々が自分たちも被災し、それから、家族が亡くなられた方も多くおられる中で、各方面からの応援も含めて、郵便の配達、貯金、保険の業務を一生懸命やってくれていることでございます。これは本当にありがたいことだと、本当に頭が下がる思いでございました。
また、私ども郵政グループの現地での活動、特に、郵便配達などの活動について、ここにおられる皆様には、テレビ・新聞を通じて報道していただきまして、本当にありがとうございました。現地に行きますと、みんなが新聞記事を持っていて、こういう具合に激励していただき、更に励みになっているということでございます。本当に、そういう意味で、皆様の報道に改めて、心からお礼を申し上げたいと思います。
ただ、私が感じたのは、その中で、やはり、この分社化の影響と申しますか、特に郵便事業会社と郵便局会社の連携が、どうしても悪いところがございまして、当初は、郵便局が持っている自転車一台すら郵便事業会社の配達になかなか使えないということがございました。こういうことがあってはいけないので、震災直後の未だ危ない状態の中、日本郵政本社の足立副社長、郵便局会社本社の斎尾副社長、それから郵便事業会社本社の元女専務の3人を中央から現地に派遣して、1週間少し超えるくらい滞在し、調整に当たってもらいようやく多少の意思疎通が可能になりました。
しかし、郵便局会社の支社と郵便事業会社の支社のメンバーが、ほとんど毎日、対策会議などを開いているのですが、私が行ってみて、いまだに、お互いの情報の共有が十分にできていないと感じましたので、これではいけないということで、帰るなり、昨日の私どものグループ危機管理委員会で、私が指示を出しまして、震災直後に現地に滞在していただいた郵便局会社の斎尾副社長、日本郵政の専務を兼ねておりますが、この方を、現地に常駐していただく震災担当に任命し、これからの災害復興、あるいは災害復旧について総指揮をとっていただくことをお願いいたしました。
実は、それくらい分社化の影響というのが出ておりまして、郵便事業会社と郵便局会社間の相互の意思疎通がうまくいっていないのが実態でございます。
こういう実態もあることから、一刻も早く郵政改革法案を成立させていただき、この両社が一緒になって郵政事業を行うことが、本当に大切、かつ、緊急に必要なことだと痛感したのが、今回、現地に行って私の受けた印象でございます。
震災については、私どもは非常に甚大な被害を受けておりますし、その中で、一生懸命活動しておりますが、これからいつまでも車両を使った臨時の郵便局というわけにもまいりませんし、今後仮設の局舎を建てるとか、あるいは、その後の本格的な復旧ということについて、相当、多額の支出も伴う復興計画をつくらなければいけないわけですから、そのためにも、私どもの今後の体制がどうなるかという、明確な道筋がつかないとなかなか有機的な本当の復興計画が立てられないということをぜひご理解いただきたいと思います。
次に、郵便事業会社の赤字の問題でございます。これにつきましては、先日、鍋倉社長が記者会見を行いまして、今年度の事業計画、その他についてのご説明をやや詳しくなさったので、皆さんのご理解も進んでいると思いますが、今日は、営業損益ベースで、それをややマクロ的にお話させていただきたいと思います。
郵便事業会社は、平成21年度、427億円の利益があったわけですが、平成22年度、これは前回の私の記者会見でご説明いたしましたし鍋倉社長からもご説明があったと思いますが、赤字要因が2つございます。1つは郵便等の減収▲546億円、それから、もう1つはJPEX承継関係の欠損▲1,066億円で、総額で▲1,612億円の赤字要因が出まして、その結果、平成22年度の赤字の見込みは、現在のところ▲1,185億円という営業損益になっています。
これには、まだ3月の災害関係の補正の結果が入っておりません。したがいまして、災害関係の補正により、おそらくは、赤字が多少増えるのではないかと思いますが、現在のところ、▲1,185億円という赤字結果になっております。
平成23年度におきましても、赤字要因は郵便等の減収とJPEX承継関係という、2つの要因があるわけでございます。まず、平成22年度の赤字▲1,185億円がそのまま自然体の状態で、これは営業努力前でございますが、そのまま平成23年度へ移行します。次に、JPEX関係の承継関係は、JPEXの承継が7月から始まったものですから、4月~6月分の▲161億円の赤字部分が上乗せになります。
さらに、平成23年度の郵便関係の減収の見込みは、現在のところ▲727億円ございます。
したがいまして、JPEX関係の承継関係(▲161億円)と郵便関係の減収の見込み(▲727億円)の合計、▲888億の新たな赤字要因が23年度に発生するわけです。
したがいまして、営業努力なしでございますと、▲1,185億円と▲888億円の総額、端数処理で総額は一致しませんが、つまり、平成23年度の赤字額は▲2,072億円に達するということでございます。これが、営業努力前の赤字額の要因分析ということでございます。
それを、先日、鍋倉社長がご説明になったような営業努力、1つ目が、ゆうメール等の営業努力で収益を上げるのが136億円。二つ目が、費用削減、これはいろいろな項目がございますが、総額で1,250億円。費用削減は年度当初からではなくて、年度途中から入るものもありますが、1,250億円の費用削減を少なくとも23年度中には行う計画でございます。
3つ目が、これは赤字の増加要因でございますが、ゆうパックのサービスレベルを変更することに伴い、おそらく顧客の一部が離脱して、収益減が起こるだろうという見込みが▲293億円、約300億円あるわけで、これが赤字の増加要因でございます。ゆうパックのサービスレベルを変更して、ゆうパック体制を見直すという意味で、これは営業努力と私どもは考えております。
これらの努力によって営業努力後は、▲2,072億円、136億円、1,250億円、それに▲293億円の総額である、つまり▲979億円の赤字ということで、まだ1,000億円余りの赤字が残りますが、これは営業努力前の赤字額2,000億円余の赤字をこれだけの営業努力、1,000億円を上回る費用削減等による営業努力によって、ここまで縮めるという、言わば私ども精一杯の、やや野心的な計画であるわけです。
ここで私が申し上げたいのは、営業努力前の赤字額▲2,072億円の内訳は、実は郵便等の減収関連は、▲546億円と▲727億円の総額▲1,273億円であり、JPEX関係が▲1,066億円と▲161億円の総額▲1,227億円ということで、この両者がほぼ拮抗しているということです。この23年度の営業努力、費用削減等の営業努力は、主としてこのJPEX関係の赤字額を減らすためのものがウェイトとしては高いところです。したがいまして、この営業努力後の赤字として残るのは、郵便等の減収関係が非常に多いわけでございます。
私がかねてから申しますように、実は、私どもが非常に心配しておりますのは、JPEX関係の他に恒常的な赤字要因として、郵便等の減収傾向が止まらないということであります。これが数字として具体的に裏づけされているということでございます。
実は、郵便では、これは世界的な傾向でありむしろ日本は今まで比較的郵便等の収入の減収スピードが世界の中で低いほうであったと思いますが、ここに来て、郵便物の減少傾向が加速しております。これはITの発達等に伴うメールとかの増加に伴う通信手段の発達が進んだということが要因としては当然考えられるわけでございまして、日本のみではなく世界的な傾向であるわけでございます。日本もここに来てようやく郵便等の減収が毎年500億円を上回る相当大きな規模で年々起きているということでございまして、これは私どもも年賀はがきの販売等一生懸命努力していますが、これは世界的な趨勢として、なかなか逃れられない傾向であるわけです。
したがいまして、この2か年度で平均しますと、単年度で約600億円を超える減収傾向が今後も続くということが、私ども郵便事業に伴う構造的な赤字要因として大きな懸念材料であるということをご理解いただきたいと思います。
遅配等でご迷惑をかけて、赤字が大きくなりましたが、基本的にはJPEX関係の赤字の他に、むしろ構造的な赤字要因としての郵便の減収という毎年約600億円を超える減収傾向が、非常に大きな経営の圧迫要因になっているということでございます。これにつきましては、もちろん経営の合理化、つまり経費の削減を、一生懸命今まで行なって来たわけですが、これだけ大きな規模の減収ですと、なかなか難しい問題がございます。
速やかに、郵政改革法案を成立させていただいて、郵便事業会社と郵便局会社、我々の日本郵政が一緒になって、1つの企業体をつくり上げ、また、新たな営業機会を与えてもらって、郵便局を基盤とするいろいろな新規事業を展開するという営業の自由を与えていただかないとなかなかこの赤字は克服できないと私は思っております。
したがいまして、一刻も早く郵政改革法案を成立させていただき、自由に営業できる権限を与えていただいたにもかかわらず、この赤字の問題を解決できないということであれば、私はその段階で正々堂々、経営責任の問題に真正面から向き合わなければならないと思っておりますが、今の状況でございますと、経営責任と言われて、この赤字を解消しろということを申されましても、なかなか難しい問題があるということをご理解いただきたいと思うわけでございます。
私どもは、新しい事業を展開しようにも、両手両足を縛られてなかなか自由にできないという状況にあることをご理解いただきたいと思います。
また、持株会社として申しますと、郵便事業会社は赤字でございますが、その他の郵便局会社、あるいは、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、これを含めた連結のレベルでは、今年度でほぼ1兆円に達する利益を依然として確保し、他社に遜色のない利益を確保しているということも、併せてコメントしておきたいと思います。
以上が、冒頭申し上げたいということでございます。あとはどのようなご質問でも、喜んでお答えしたいと思います。
それから、この営業努力の結果は、災害関係でどれぐらい補正があるかということの他に、現在、労使交渉の最中でございまして、労使交渉の結果、この数字は修正することになると思います。そういうことが明らかになった段階で、また改めて記者会見でどういう今後の道筋を考えているかというようなことも、改めて申し上げたいと考えております。そのことを少し付言しておきたいと思います。
以上でございます。
【幹事社】
まず初めに、今回の震災での被害額はどれくらいを見積もっておられるのか、それと、それがどれくらい経営に影響してくるのか、これから積み上げていくような話かと思いますが、現時点でどれぐらいの規模感を持っていらっしゃるのか教えてください。
【社長】
この間、現地を見に行って、被害の大きさで改めて愕然としたような感じで、災害関係の補正と先ほど言いましたが、まだ、実は見当がつかない段階でございます。
したがいまして、復旧にどれくらいかかるのか、あるいは実際にこれで郵便関係の減収がどれくらいになるのかということは、まだ残念ながら把握できておりません。
【幹事社】
それは何百億円とか、何千億円とかという桁の単位でもわかりませんか。
【社長】
まだ具体的な数字を申し上げられる段階ではないです。私も現地で足立ナンバーの移動郵便車を見ましたが、今、全国から15台の移動郵便局や移動郵便車をかき集めて、そこで窓口業務をしながら、一方で、突貫で仮設の店舗をつくるということでやっている段階でございまして、これからどれくらいの費用がかかるかというようなことも含めて、まだこれからということでございます。
【幹事社】
震災から1か月過ぎて、振り返りまして、今回の震災対応についての反省点とか、今後の課題等、感じていることがありましたら、教えてください。
【社長】
今回、改めて感じたのは、私どもの郵便局が実に隅々まであるということでございます。私も、地図の上で郵便局を眺めてみましたが、本当に山間僻地にまで郵便局はあります。今回、海岸の郵便局を3か所くらい見ましたが、看板もなくなっているようなところもございます。また、全く跡形がなくなっている郵便局も何か所かございました。そういう意味で非常に被害も大きいです。
ただ、それだけ、やっぱり地域に密着して、私ども郵政グループの活動が行われていることをひしひしと感じたところです。その意味でも、一刻も早く無くなった郵便局を再建しなければならないと考えております。地域の方々にとって、郵便局というのは、やはり無くてはならないものです。これは災害とは関係ないのですが、前に、NHKで、ガソリンスタンドを地域の住民が再生するという放送がございましたが、そのときも、まず、その傍に郵便局も一緒につくろうということで、郵便局がつくられたという報道がありましたが、そういう話を伺うと、まず郵便局をとにかく作ってくれというご要望が非常に強いということを肌身で感じる次第でございます。
今回、郵便局が全く無くなってしまったところは、その地域の方々の住居もなってしまっているようなところですので、やはりそういうところの地方公共団体の方々ともよく連絡をとって、同時並行で復旧を進めていかなければならないと思っております。
その際に、郵便局とそれに併設されている郵便の集配センターをどのように配置するかというようなことも、考えなければいけないわけですが、これにつきましても、3社が一体である場合とそうでない場合とで対応が違うものですから、とても苦慮しているという段階でございます。
【記者】
福島県の郵便事業をかなり拝見してきたのですが、皆さん、原発から20キロ、30キロというところでは、本当にご苦労なさっておられて、郵便を配達したくてもできないという状況が続いていますよね。また、その上に今回政府がその区域割りについて、何をしようとしているのかわからないようなことを何か言っているような感じがあるのですが、こういう状況というものを郵便事業の継続性という観点から、どういうふうに今感じられておられるかを伺いたいのですが。
【社長】
政府からは明確な指針が出ていると私は思っておりますが、例えば現実に、原町というところで郵便局が2局開いているわけですが、郵便局長など2人だけが、近所に泊まって通っておられる。実際、その局長さんはやはり家族から強い反対を受けている。局長2人しかそこにはいないものですから遠いと困るというので郵便局のそばに泊まっておられる。そばに泊まって通っていることを家族には黙っておられるという話を伺いました。
それくらい責任感が強く一生懸命やっておられるのですが、実はやはり、健康上の心配もあるものですから、何とか応援して、原発と同じように交代で勤務するようにということを、私は強く指示してきたのですが、特に原発の関係は不自由な面があることは間違いございません。
やはり政府の方針に従って、できる限りのことをしなければいけないのですが、1つはそういう地域に配達できない郵便物が、実は郡山あたりに相当溜まっている。もちろん我々もできるだけお配りしたいのですが、実は保管すればするほどお金がかかる話なものですからこの処理をどうするかということで急遽協議し、いつまでも保管しているわけにいかず、今、整理を始めていますが、実は非常に手がかかる仕事なものですから、対応が大変でございます。したがって、できるだけ早く解決していただきたいというのがお願いというか、衷心からの願いでございます。
【記者】
今回、社長は具体的にどことどこに行かれたのか教えてください。例えば避難所に行かれたとしまして、お客さんは郵政のサービスについて、どのようなご意見をお持ちだったとか、そのようなことがわかれば教えてください。
【社長】
全部で11箇所の郵便局などに行ったのですが、そのうち一部ですが申し上げると、仙台の荒浜郵便局、この郵便局は無くなっておりました。石巻郵便局、ここは窓口業務を再開しておりました。浸水している郵便局として、石巻旭町郵便局に行きました。現地の避難所は訪問いたしましたが、少し覗かせていただいただけでございます。
【記者】
郵便事業会社の移動郵便車が行ったときは、郵便のサービスはできるのですが、金融のサービスには応えられないと。逆に、郵便局会社の車とかが行った場合は、郵便のことができないとか、そういうことはなかったのでしょうか。
【社長】
最初、実はそういう懸念はあったのです。したがいまして、各社の連携を強化する観点から足立副社長に現地に行ってもらい解決しました。今回、私も移動郵便車も見てきましたが、そこでは貯金も扱っております。20万円まで払い戻すといった貯金業務を扱うとともに、保険の相談窓口も併設し、移動郵便車は立派に機能しております。最初は郵便事業会社のものを郵便局が使うとか、郵便局会社のものを郵便事業会社が使うとか、いろいろなギクシャクはありましたが、貸借関係を整理致しまして、今はスムーズに事務を行うようになっていますが、これも相当時間がかかりました。今は問題なく機能しております。
【記者】
この次に行かれるようなご予定というのはありますか。
【社長】
今のところはございません。とにかく、本当に忙しいものですから。先週も、私どもの会社の取締役会が終わった後に飛び出して行ったというような状況でございます。
【記者】
郵便事業会社の赤字の関係でお尋ねします。総務省に事業計画を出したときに、労使交渉の結果を反映したものを4月末で一旦報告するようにとなっていたと思うのですが、現在、労使交渉はどういう段階を迎えているのかということと、4月末の報告の目途がどうなっているのか教えてください。
【社長】
何とか4月中に結論を出したいと思っているのですが、まだ目途が立っておりません。
やはり労使交渉の結果が反映されませんと、同時に、先ほどご質問がありましたが災害の関連が目途が立ちませんと、郵便事業会社の収支の見通しも立ちませんので、再建計画もあるいは練り直さなければいけないのかもしれません。もう少しお待ちいただきたいと思います。
私どもも、できるだけ早く、目途を立てたいと思って一生懸命行っているのですが、何しろ相手もあることですから、現在、いつまでということがお答えできる段階まで来ておりません。
【記者】
もちろん災害対応もある大変な中だと思うのですが、おそらく労使交渉の段階で労組の側からは、ゆうパック1つの原因でこれだけ大きな赤字が出たと。それに対して、きちんとした経営側からの説明と要因に関する分析と、それからその経営責任についてどういうふうに明らかにするのかというところをまず求めたいということがあったかと思います。
まずそこを示さないといけないのではないかと思うのですが、先ほど冒頭のお話の中に、経営責任の問題に向き合う前に、新規事業の展開なんかがちゃんとできるようにならないと、というようなフレーズもあったと思うのですが、その辺を教えていただけますか。経営責任を示すということについてどういう考えでしょうか。
【社長】
組合側がおっしゃっている経営責任の問題というのは、ゆうパック事業の赤字もあるし、郵便事業の収入が基本的に減っているという構造的な問題もあります。これについてどういう具合にやっていくのか、一緒に考えようではないかということが1つでございます。赤字の要因分析はこの間、鍋倉社長も非常に詳細に説明されたと思うのですが、かなり分析が進んでおりまして、JPEXの関係で、遅延に伴うものはどうだとか細かい分析は行っていて、それは組合側にもよく説明しておりまして、ご了解をいただいております。
それで、今、両者が一緒になって、どういう具合にこれを立て直していくかということで、費用削減、先ほど説明した1,250億円の費用削減について、まだ、これは年度途中から行っているものも含めて、単年度の、平年度ベースでは非常に大きな額になりますが、そういうものを一生懸命行っているという、そこについては組合側の理解も進んでいると思います。
したがいまして、今、そういう意味では労使一緒になって、どういうふうにしていこうかということで、合意形成が進みつつある段階で、経営責任を問うとか、そういうとげとげしい交渉でないということだけは申し上げられると思います。
【記者】
先ほどの発言で経営責任の問題に向き合う前に、新規事業の展開をするという自由がまずないと克服できないというところの意味合いを教えてください。
【社長】
一生懸命、経営努力は続けて、平成23年度は赤字額▲979億円にしますが、さらにこの費用削減については、24年度は単年度黒字を達成しなければいけないということで、今、一生懸命やっているわけです。こういう努力はいかなる状態でもやらなければいけない。
しかし、その上に、さらに構造的な郵便の減少傾向が今後も続くわけですから、その努力ばかりでは、限界が多少出てくるかもしれないということです。そのため、いろいろな自由を与えていただいて、新規事業を展開しないとなかなか対応できない部分もあるので、一刻も早く、私どもにも自由な経営ができるような環境を与えてもらいたいという希望を申し上げたということでございます。
【記者】
今の組合交渉のお話で、少し補足して伺いたいのですが、震災の直後、この影響で、復旧を優先するということで交渉を一時中断していたと思うのですが、これは再開したと理解していいのか、それならばいつから再開して、あと残っている課題はどういうことなのかということを伺えればと思います。
【社長】
まだ水面下の交渉ということでございまして、正式に交渉を再開したというところまで至っていません。ただ、交渉ごとですので、お互いに、いろいろな情報を交換して、水面下でいろいろなことをやっているという段階でございます。したがって、いつ何が正式にどうこうしたということを申し上げられる段階にはないということでございます。
今日はまだ12日ですので、4月末まで、まだ約20日ありますので、一生懸命努力して、一刻も早く妥結に持っていきたい。今はまだ相当隔たりがありますが、とげとげしいとか、けんか状態ということではなくて、一生懸命、おおむね意見を出し合って、整理をしているという段階でございます。
私どもも、鍋倉社長が先日ご説明になったような経営努力についての理解は進んでいると思っております。
【記者】
もう一点伺いたいのですが、なかなか新規事業が難しいと。特に金融の面だと思うのですが、郵便ということを考えますと、なかなか構造要因がこれだけ毎年700億円とか、こういう要因になると、ここでの成長をどう確保するのかということがなかなかの課題になってくると思うのですが、そういう面も組合側も説明を求めていると思うのですが、そういう郵便の成長戦略というものについては、どのようなお考えをお持ちですか。
【社長】
これも非常に難しい課題ですが、やはり第1に、生産性を上げるということ以外にないわけです。だから、区分機なんかは典型的な例ですが、機械化して、それぞれ1人当たりの生産性を上げて、そういう意味でコストを下げていくということが第1でございます。
第2は、いろいろな新規の需要を開拓しなくてはいけないと思うのです。そのためには、先日、鍋倉社長もおっしゃっていたと思いますが、薄物とか小物、例えばオークションの物品のようなもの、私どもは比較的軽量のものに強いですから、そういう軽量のものをどうやって取り入れるかとか、いろいろなことを今、模索している段階でございます。
当然のことながら、それを2万4,000の郵便局の窓口を通じての展開ということも重要でございますので、そのためにも、フロントラインの郵便局とバックラインの郵便事業会社が一体になるということが、生産性向上とか、いろいろな新商品の開発とか、いろいろな意味で、必要なのだと私どもは痛感しているということでございます。
【記者】
労使交渉のお話しにまた戻ってしまうのですが、当然、従業員の人件費削減ということになると思うのですが、役員報酬の削減とか返上とか、その辺はどのようにお考えでしょうか。
【社長】
これは、労使交渉の結果ですね、社員の方だけに、ご負担をおかけするわけにはいかないので、役員についても、報酬削減を考えなくてはいけないと当然思っております。それは労使交渉の結果で考えなくてはいけないと思っています。
【記者】
その数字的な考え方というか、その辺はまだこれからですか。
【社長】
労使交渉の結果いかんでございますし、これは私の個人的な感触ですけれども、社員の皆様に、負担をお願いする以上のものを、役員としては当然負担しなくてはいけないと思っています。
【記者】
夏に向けて、これからまた節電対策というのが、求められるかと思うのですが、今、郵政グループとしてはどのようなことを検討されていますでしょうか。
【社長】
現に本社で、皆様ご承知のように節電を一生懸命行っているわけですが、他の節電対策にも積極的に協力するつもりです。政府の方針も踏まえ、どういう節電ができるか、今、検討している最中でございます。
【記者】
話が全く変わるのですが、地方の郵便局の再開発なのですが、今回の震災を受けて、かなり経営的な打撃も予想されるわけなのですが、地方の既存の郵便局の再開発事業は後ずれしそうなイメージですか。
【社長】
これについては、今、不動産市況が低迷しているものですから、どういう具合にするか、具体的には何も決まっておりません。従来、展開しようとした事業も、今のところストップした状態でございますので、これについてはまだ検討中ということだけでございます。
【記者】
震災の影響はどうですか。
【社長】
震災の影響は特にないわけですが、震災の影響が日本経済にどういう影響を及ぼすかということを見きわめないと、それは当然不動産事業にも関係するわけですから、関係がないとは言えませんけど、直接的な影響があるとは考えていません。
【記者】
今日は、1月に会見があって、今年度は初めての会見ですが、今年度は、例えば定期的に会見を開いていただいたりできるのでしょうか。
【社長】
これから積極的に会見いたします。お約束いたします。
この間、3月に開催しようと思ったのですが、会見しようと思った矢先に、震災がありまして、できなくなったというのが実態でございます。準備を進めていたのですが、その後は、震災対応で忙しくて、とても開催できなかったのですが、今日、ようやく開催できるようになったということで、これからはちょくちょく開催しようと思っております。
したがいまして、次は、労使交渉の結果が決まりましたら、鍋倉社長にやっていただくのかどうかは別として、私も会見を行いたいと思っています。
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