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注目選手インタビュー Vol.10 (欠端 瑛子選手)

注目選手インタビュー
Vol.10 (欠端 瑛子選手)

東京2020に向けて日本郵便が注目する選手をご紹介します。
10人目は、東京2020パラリンピック ゴールボール女子日本代表に内定している欠端瑛子選手です。

欠端 瑛子(かけはた えいこ) ゴールボール(女子)

欠端 瑛子(かけはた えいこ)
生年月日 1993年2月19日
出身 神奈川県
身長 165cm
ポジション レフト
経歴 先天性白皮症(せんてんせいはくひしょう)という疾患により、生まれつきの弱視である。高校2年生の時に友人の誘いでゴールボールの大会に参加したことから競技を始め、現在競技歴は11年。大学在学中に出場したロンドン2012パラリンピックでは日本代表として金メダルを獲得。リオ2016パラリンピックにも日本代表として出場し、攻撃の柱として5位入賞に貢献。東京2020パラリンピックにも出場が内定している。

Q:ロンドン2012パラリンピックでは金メダルを獲得した欠端選手ですが、実はスポーツが苦手だったとお聞きしました。

A:そうなんです!小学校の授業でドッジボールやサッカーなどをしている時に、ボールが当たることが、物理的にも痛いし、精神的にも辛いし、本当に苦手だったんです。なので、高校の同級生にゴールボールの大会に誘われたときは、絶対に無理!と思いました。
渋々大会に参加することになり、参加前に友人や体育の先生と最初に練習をした時に、初めてゴールボールに触れました。最初はボールが当たることの恐怖心がありましたが、投げたり守ったりしているうちに次第に楽しくなってきたんです。
「一緒にやらない?」と声をかけてくれた同級生は今でもゴールボール日本代表チームのスタッフとして携わっていて、2人とも競技に関われているのでとても縁を感じますね。ちなみに、今でも走ることは苦手ですよ(笑)

Q:ゴールボールはアイシェードを着けるので、周りが見えない状況になると思いますが、競技を始めたときは怖くなかったのでしょうか?

A:私は弱視なので、普段は物を見ることはできます。でもアイシェードを着けると、全く見えなくなるので、初めの頃は、自分がどこにいるのか、どの方向を向いているのかが全然わからなかったです。またコート上では紐があるのですが、それを探すことも一苦労でした。
(ゴールボールでは、コートのラインの下に紐がひかれており、選手はそれを触ったり踏んだりして、紐を頼りに位置や方向を把握している)
ボールに関しても、ボールの中に入っている鈴の音は聞こえてきたけれど、ボールと自分との距離感は全くわからなかったです。私が初めて出場した国際大会が2011年だったのですが、その頃になってくると、日本代表の選手と一緒に練習をすることができたので、レベルの高い練習を積み重ねることで、ボールの距離感や競技の感覚を掴むことができました。

Q:日本代表というお話が出ましたが、欠端選手から見てゴールボール女子日本代表チームの強みは何でしょうか?

A:とにかくコミュニケーションがしっかりとれていることだと思います。日本代表チームは試合中、コート上の3人が攻撃面でも守備面でも常に声をかけあっています。チームスポーツだとコミュニケーションは当たり前のように思われるかもしれませんが、実は、海外のチームでは攻撃がずば抜けて得意な選手が一人いて、その選手を中心とした個のプレーに徹したチーム構成を組んでいるところも多くあるんですよ。日本は海外のチームに比べて攻撃面がまだ弱い分、攻撃・守備ともに選手が連携して強化する必要があり、チームで戦うという全員の意識が一致しているので、必然的にコミュニケーションは増えていきました。試合以外の場でも、例えば勝った試合でも満足しないで、常に課題をもって、チームで今後の改善点や対策を話し合うなどしています。

Q:欠端選手個人としてはどのようなところが強みでしょうか?

A:他の日本代表選手にはない強みとして「回転投げ」という投げ方ができることです。これは、自分自身の体を一回転して遠心力を使ってボールを投げるのですが、一般的なボウリングのような投げ方よりもスピードもでますし、回転することで相手にとってボールの鈴の音を追いにくくすることができます。私はこの投げ方で、グラウンダー(転がす)のボールもバウンド(弾ませる)ボールも投げています。
私も当初は、ボウリングのような投げ方をしていて、「回転投げ」はやっていませんでしたが、日本代表チームは攻撃面が課題だったので、ボールスピードを上げて攻撃力を強化するために、「回転投げ」に取り組みました。
その頃、日本の女子選手には「回転投げ」をする人はいなかったので、当時の男子日本代表チームのコーチにアドバイスをもらって習得することができました。今この投げ方ができるのは「球が遅くても、失敗してもいいからやり続けろ」とコーチに言ってもらえたおかげです。投げ方を変えるということは大きなチャレンジだったので、最初はうまく投げることが難しかったのですが、強くなりたくて、とにかく試合でも練習でも投げ続けたので、今は自信を持つことができています。

Q:今では日本代表の攻撃の柱として活躍されていますが、これまでに一番印象に残っている試合を教えてください。

A:これはリオ2016パラリンピックの決勝トーナメント1回戦(準々決勝)の中国戦ですね!この試合は延長戦までもつれたのですが、プレーの流れの中で私が失点してしまったので、今でも悔しさが残っています。早く得点を取り返さなきゃという想いが強くなり焦ってしまいました。試合が終わった後、閉会式まで帰国することができなかったので、決勝戦を観客の立場で観て、「決勝の場に立ちたかったな...」という気持ちでいっぱいでした。
また、リオ2016パラリンピックはブラジルで開催されたということもあり、現地の方の雰囲気もあったのか、試合中の歓声が凄くて、かすかに聞こえてきた審判の笛の音で「え?今得点入ったの?」と驚いたこともありました。
ゴールボールのルール上、選手は音を頼りに競技をしているので、本当は静かに観戦しないといけないんですけどね(笑)そういう意味でも強く印象に残っている大会です。

Q:東京2020パラリンピックに向けてどのような想いがありますか?

A:ロンドン2012パラリンピックでも、ゴールボール女子日本代表チームは金メダルを獲得しましたが、決勝戦で私はベンチにいて出場できなくて悔しかったですし、先ほどお話したように、リオ2016パラリンピックでも、とても悔しい気持ちがありました。この悔しさをバネにして、東京2020パラリンピックでは絶対にやり返したい、もちろん金メダルを獲得したいと思っています!そして、家族や友人、お世話になった方に恩返しをしたいです。

Q:日本でも東京2020パラリンピックの開催に伴って、ゴールボールの注目度も高まってきましたよね。

A:そうですね。まだまだゴールボールの認知度は低いけど、東京でパラリンピックが開催されることで、テレビやインターネットでゴールボールを取り上げてもらえる機会が増えたので、知人から「この前テレビでみたよ!」とか「大会がんばってね!」という言葉をかけてもらえることは本当に嬉しいです。
実際に声をかけてもらうこともありますし、特に嬉しかったのは、手紙で応援の言葉をもらったことですね。私は弱視なので、自分から文字を書くことは少し苦手だけど、ネットで知り合った友人から、誕生日など特別なときにプレゼントと一緒に手紙をもらって、とても嬉しかったです。今でもその友人とは何度も手紙のやり取りをしています。
相手が書いた文字が形に残るということは、とても心がこもっていると感じるので大事だなと思います。私はかわいいものが大好きなので、かわいいキャラクターやかわいい柄の便せん・封筒で手紙が届くと、テンションがさらに上がります!(笑)

Q:最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。

A:私は何がきっかけで人生が変わるかわからないと思っています。私の場合、昔はスポーツが苦手だったけれど、今ではゴールボール日本代表に選ばれていますし、パラリンピックに出場した経験もあります。出来ないと思ったことでも、何かを工夫すれば出来るかもしれないし、それでも出来なければ他の道もあるかもしれない。出来ないからやらないということではなく、私は何事にもチャレンジすることが大事だと、自分の人生から感じました。
応援してくださる方も色々なことにチャレンジしていただきたいなと思いますし、チャレンジし続けるゴールボール女子日本代表を、これからも是非応援していただきたいです!よろしくお願いいたします!