株式会社かんぽ生命保険の業務概要

日本郵政グループにおいて生命保険業を営む会社は、株式会社かんぽ生命保険です。

代理店(郵便局)や、直営店(支店)を通じて確かな保障をお届けしています。株式会社かんぽ生命保険は、「いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。」を経営理念としています。

1.業務・サービスの概要

保険商品・サービスの提供

郵政民営化前の簡易生命保険(注1)の「簡易な手続きで、国民の基礎的生活手段を保障する」という社会的使命を受け継ぎつつ、お客さまの立場に立って、分かりやすく利用しやすい商品・サービスの提供に努めています。
なお、民営化後の株式会社かんぽ生命保険の生命保険契約には、民営化前の簡易生命保険とは異なり政府による支払保証はありませんが、他の生命保険会社同様、一定の範囲内で保険契約者保護制度による保護の対象となります。

・代理店チャネル

全国の郵便局ネットワークを活かして、日本郵便株式会社を通じて、個人・住域マーケットを中心にシンプルで分かりやすい商品(小口・簡易)・サービスをご提供しています。
なお、株式会社かんぽ生命保険においては、直営店76店舗(2017年3月末現在)に代理店支援のための組織(パートナー部)を設置し、営業推進のための支援、教育研修および事務支援を行っています。
また、株式会社かんぽ生命保険の特長を活かしつつお客さまのニーズに対応した商品開発、マーケット/チャネル開拓、営業プロセスの高度化を日本郵便株式会社と一体となって推進します。

・直営店チャネル

直営店の法人営業部は、全国の主要都市76カ所(2017年3月末現在)に設置しており、主に中小企業などの法人・職域マーケットを中心に商品やサービスをご提供します。

直営店チャネルにおいては、マーケット動向の把握や販売ノウハウなどの蓄積に加えて、営業体制の整備により、お客さまの多様なニーズにお応えします。

(注1)郵政民営化前に契約された簡易生命保険については、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構が管理しており、株式会社かんぽ生命保険は同機構から業務を受託のうえ、日本郵便株式会社に業務の一部を再委託しておりますので、郵便局の渉外社員および窓口を通じて保険料のお支払いや保険金のお受け取りができます。

2.株式会社かんぽ生命保険の取り組み

(1)商品・サービスの充実

かんぽつながる安心活動

お客さまとお会いし、さまざまなサービスをご提供することで、より一層の満足と信頼をいただけるよう、「かんぽつながる安心活動」を実施しています。
「かんぽつながる安心活動」では、ご契約いただいている保険の保障内容や、ご請求いただける保険金がないかをご確認いただき、また、保険金等を簡単・確実にお受け取りいただくための口座として振込先口座指定のご案内や、指定代理請求制度のご案内をしています。
今後も、日本郵便株式会社との連携を強化し、お客さまにさらにご満足いただけるよう取り組んでまいります。

かんぽプラチナライフサービス(高齢者を中心としたサービス)の推進

・かんぽプラチナライフサービスの目的・趣旨

株式会社かんぽ生命保険は、すべてのお客さまとの接点をご高齢のお客さまの目線で改革し、「安心感」「信頼感」に基づく「ご高齢のお客さまに優しい」サービスを提供することで、今後拡大する高齢のお客さま層において、真にお客さまから選ばれるよう、全社横断的な取り組みとして「かんぽプラチナライフサービス」を推進しています。
「かんぽプラチナライフサービス」では、ご高齢のお客さまニーズに対応した商品開発やサービス提供のほか、すべてのお客さま接点について、ご高齢のお客さまの目線で改革を進め、高齢者に優しいビジネスモデルを構築してまいります。

・主な取り組み内容

養老保険および終身保険の加入年齢範囲の上限の引き上げ

よりご高齢のお客さまにもご加入いただけるよう、2015年に養老保険(新フリープラン)、終身保険(新ながいきくん)の加入年齢の上限を引き上げました。

ご契約者等向け無料電話相談サービスの提供
かんぽ生命保険契約・簡易生命保険契約の保険契約者さま、被保険者さまおよびそのご家族を対象とした無料電話相談サービス(「健康・医療・介護・育児」および「くらしの税」)を提供しています。

商品説明時等の取り組み
ご高齢のお客さまには、より丁寧で分かりやすい商品説明を心がけています。満70歳以上のお客さまへの説明時にご家族等への同席をお願いする取り組みをはじめ、お申し込み後にご案内書を別送し、お申し込み内容を改めてご確認いただく取り組みなども行っています。

介助技術に関する動画の公開
ご高齢者のケガ等を未然に防ぐことを目的に、かんぽ生命Webサイトおよび「かんぽプラチナライフサービス」のYouTube公式チャンネルで介助技術に関する動画を公開しています。

ご高齢のお客さま向け情報誌の発行
ご高齢のお客さまの生活やくらしに役立つ情報誌 「かんぽプラチナライフサービス」を年2回発行しています。
この情報誌は郵便局でお客さまにお渡しするほか、株式会社かんぽ生命保険のWebサイトにも掲載しています。

ご高齢のお客さま専用コールセンターの設置
ご高齢のお客さま専用のフリーダイヤル(0120-744-552)を設け、ご高齢のお客さま応対の研修を受けたオペレーターが直接お電話をお受けしています。

「見やすく」、「読みやすく」、「分かりやすい」案内の取り組み
お客さまがご覧になる案内書等について、従来から取り組んできた個々の改善に加えて、社内共通の「高齢のお客さまに配慮した案内書ガイドライン」を策定し、高齢のお客さまに利用いただく案内書等を中心に、当該ガイドラインに沿った「より見やすく、読みやすく、分かりやすい」案内書等の改訂に取り組んでいます。
2016年10月にお送りしています「保険料払込証明書・ご契約内容のお知らせ」に同封の「ご契約ハンドブック」について、ご高齢のお客さまが見やすく分かりやすい冊子となるよう、内閣府認証NPO法人実利用者研究機構による「高齢者検証済UD」認証を取得しました。
また、配色や文字の大きさにも配慮しており、2014年度から引き続き、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構の「CUD」の認証を取得しています。

社員による資格取得の推進
お客さまサービス向上の観点から、社員による「認知症サポーター」、「サービス介助士」、「高齢社会エキスパート(高齢社会検定合格者)」の資格取得を推進しています。

タブレット端末の無料講習会の開催
ご高齢の方のITスキル習得による、生活の質(QOL)の向上を目的に、2015年から各地のNPO法人などとタイアップし、仙台をはじめとした東北地区のほか、東京および熊本において、「高齢者向けタブレット端末無料講習会」を開催しています。

(2)2016年度の新たな取り組み

基幹系システムの更改

(株)かんぽ生命保険のシステムの中核を担う基幹系システムの更改を行い、2017年1月に無事サービスインを迎えました。(株)かんぽ生命保険のシステム は、約2万局の郵便局と約3,500万件の保有契約を管理する巨大システムであり、その中で、基幹系システムは契約情報の管理などを行う中核システムです。
基幹系システムの更改により、システム品質・開発生産性・業務効率の向上を図り、さらにはシステム関連経費の削減などを実現することができるようになりました。
今後、さらなるシステムの改善、お客さまに提供する商品・サービス品質の改善、お客さま満足・ブランド価値の向上を実現し、「やさしい・あたたかいサービス」の追求に向けたIT戦略を展開していきます。

IBM Watsonを活用した取り組み

(株)かんぽ生命保険では、保険金支払審査業務におけるお客さまサービス品質の向上と業務効率化に向けて、「IBM Watson(以下「Watson」)」による査定担当者への判断支援を、2017年3月21日から導入しました。
Watsonによる査定担当者への判断支援では、査定担当者が判断に迷うような事案についてWatsonへ問い合わせると、学習結果に基づく支払判断に関する推定結果と、参考となる過去事案をエビデンスとして確信度付きで提示します。これにより、査定担当者はWatsonが提示した内容に基づき査定判断が行えることとなるため、これまでベテラン社員が対応してきた難易度の高い事案に対する査定判断を、比較的経験の浅い担当者でも実施できるようになります。
Watsonによる査定判断支援により、査定判断に要する時間の短縮等を見込んでおり、保険金などの迅速なお支払いや業務の効率化を図ります。また、Watsonに蓄積した経験や知識を活用し、査定品質の向上にも繋げるほか、余裕時間を生み出し、査定担当者の「働き方改革」の推進にも繋げます。
併せて2017年4月からは、保険金支払審査業務におけるWatson導入のノウハウを活用し、コールセンター業務への導入を開始しており、お客さま対応の高度化によるサービス品質のさらなる向上を目指します。

第一生命ホールディングス株式会社との業務提携

2016年3月29日、第一生命ホールディングス株式会社(以下「第一生命ホールディングス」といいます。)との間で、海外生命保険事業、資産運用事業および新商品・IT領域における共同研究の三領域を柱とした、包括的な業務提携を行うことについて基本合意しました。
両社の強みを相互に補完し融合させることで、持続的な企業価値の向上を目指すとともに、商品・サービスの品質向上などにより、わが国における地域社会の発展に貢献し、また、諸外国における生命保険の普及・浸透を通じて、各国の社会・経済の発展に貢献することを目的としております。

海外生命保険事業

2016年4月19日、(株)かんぽ生命保険、第一生命ホールディングスおよびベトナム郵便会社は、ベトナムにおける生命保険販売の協力に関して、三社間で覚書を締結しました。
ベトナムにおける生命保険サービスの普及・浸透、社会・経済の発展への貢献を目的として、(株)かんぽ生命保険の郵便局支援の知見を活かした具体的な協力施策を検討しております。
また、(株)かんぽ生命保険とベトナム郵便会社の役員・社員がお互いの拠点(本社・郵便局)を訪問・視察するなど、人的交流も積極的に進めております。

資産運用事業

収益性確保に向けた運用手段の多様化等を目的として、第一生命保険株式会社(以下「第一生命」といいます。)の関連会社である資産運用会社の共同利用を進め、また、日本国内の太陽光発電事業(メガソーラー事業)への共同投資を実施いたしました。
また、資産運用事務基盤の強化を目的として、第一生命の関連会社であり、(株)かんぽ生命保険が資産管理業務の委託を行っている資産管理サービス信託銀行株式会社の株式の7%を、2016年10月20日に、第一生命から譲り受けました。

国内生命保険事業に関する共同研究

両社の国内生命保険市場でのさらなる成長、商品・サービスの品質向上等を目的として、新商品の開発やIT技術の利活用等に関する共同研究を実施しております。
その一環として、2017年3月22日に、(株)かんぽ生命保険、第一生命および株式会社NTTデータの3社にて、QOL(Quality of Life)や健康寿命の延伸につながる新しい保険商品・サービスを創出することを目的に、ビジネスコンテストを実施しました。生命保険事業のイノベーション創出に向けた取り組みを進めることで、国民の健康寿命の延伸等の社会的な課題の解決に取り組んでいきます。

3. 資産運用

資産運用につきましては、健全経営を維持し保険金等のお支払いを確実に行うため、ALMの考え方に基づく運用を基本としております。具体的には、負債の特性と親和性の高い円金利資産を中心に、資産と負債をマッチングさせる運用を基本とし、適切なリスク管理のもとで外国証券や株式などのリスク性資産に対しても運用しています。
今後も、運用部門の態勢強化を図り、資産運用の多様化を進めることにより、収益の向上を目指します。

トピックス

人生は、夢だらけ。

『人生は、夢だらけ。』というキャッチコピーのもと、前向きに生きる全ての人を応援する企業広告を展開しています。
企業広告キャラクターに女優の高畑充希さんを起用し、2016年9月から企業CM「つぎは、何くる?」篇、2017年3月から企業CM「子どもたちが見ているこの国の未来」篇を全国で放送しました。
「子どもたちが見ているこの国の未来」篇では、子どもの視点から世の中を夢だらけに描き、「大人になると、常識や建前に縛られて忘れがちになるけれど、誰もが持っていた子どもの心。もう一度あの頃みたいに生きられたら、世の中もっと楽しくなるはず。」そんな希望とメッセージを伝えています。
また、全国の郵便局で掲出するポスターや首都圏・関西圏を中心とした交通広告、WEB広告などで大々的に展開しました。
これらの企業広告を通じて、お客さま、社会、地域のみなさまの人生を、身近な存在として支えていきたいという(株)かんぽ生命保険の想いを広く表現しました。

夢だらけ。キャラバン

「夢を持って挑戦する人を応援する」という企業メッセージを継続的、多面的にお伝えしていくため、「夢」を持ってイキイキと輝きながら働く全国の日本郵政グループの社員やその家族を企業広告(雑誌広告およびWEB広告)の出演者として紹介しています。

かんぽ生命 Presents DREAMS COME TRUE CONCERT TOUR 2017/2018、かんぽ生命Presents DREAMS COME TRUE CONCERT TOUR 2017/2018 〜ドリカムの夕べ〜特別協賛

(株)かんぽ生命保険は、幅広い世代に支持されているDREAMS COME TRUEがお送りする圧巻のコンサートツアー「かんぽ生命Presents DREAMS COME TRUE CONCERTTOUR 2017/2018」、「かんぽ生命 PresentsDREAMS COME TRUE CONCERT TOUR2017/2018 〜ドリカムの夕べ〜」に特別協賛しています。
コンサートツアーへの特別協賛を通じて、皆さまに夢をお届けします。

かんぽ生命ドリームシアター 宝塚歌劇に協賛

(株)かんぽ生命保険の文化的活動のひとつとして、夢に向かって挑戦する人生を応援するため、2015年、2016年に引き続き、2017年宝塚歌劇雪組公演「ミュージカル・コメディ『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)』、ShowSpirit『Dramatic“S”!』」に協賛しています。
宝塚歌劇の舞台を通して、皆さまに夢をお届けします。

女子プロゴルファー 上田桃子選手の所属契約

2015年3月から、(株)かんぽ生命保険はプロゴルファーの上田桃子選手の「経験と努力を積み重ね、夢に向かって自分らしく挑戦し続ける」という姿勢に共感し、所属契約を締結しています。
(株)かんぽ生命保険の所属選手として、社名入りキャップ・ウェアやキャディバッグとともに、各ゴルフトーナメントに出場しています。

「全日本学生音楽コンクール」に特別協賛

(株)かんぽ生命保険は、音楽文化の発展と、夢に向かって挑戦する学生を応援したいという想いから、全日本学生音楽コンクールに特別協賛をしています。
本コンクールは、音楽を楽しむ心を培うとともに演奏技術の向上を促し、公正な審査によって世界を舞台に活躍する若い才能を発掘して、音楽文化の発展に寄与するという趣旨のもと実施されています。

かんぽ生命presentsN響第九Special Concert に特別協賛

(株)かんぽ生命保険は、文化活動の支援を目的として、2016年12月27日に、創立90周年の歴史を有し、その演奏が国際的にも評価の高いNHK交響楽団(N響)による第九演奏会(東京都港区・サントリーホール)に特別協賛しました。

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