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大会前インタビュー (廣中 璃梨佳)

大会前インタビュー (廣中 璃梨佳)

Q:実業団に加入して一年が経ちました。ルーキーイヤーの一年間で、一番印象に残った出来事はなんでしょうか?

A:一番は実業団対抗女子駅伝大会で日本一になれたことです。駅伝では区間賞を獲得することはあったのですが、チームでの全国大会優勝経験は無かったので、すごく嬉しかったです。レース直後は実感が湧きませんでしたが、表彰式等でたくさんの方から祝福をいただいて、「あぁ、本当に優勝したんだ!」と実感しました。

Q:高校を卒業されて、仕事として走るようになったという変化があったと思います。この変化の中で、自分が変わったなと感じるところや、成長したと思う部分はありますか?

A:高校生の頃は勉強との両立もあり陸上だけに集中することが難しかったのですが、今は環境も整っているため、補強トレーニングや体のケアなどにもたくさん時間を取れるようになりました。自分が好きな走ることに思いきり取り組めていて、すごく充実した時間を過ごせています!

Q:鈴木亜由子選手や鍋島莉奈選手など世界で戦う先輩がすぐ近くにいる環境になりましたが、もう慣れましたか?

A:憧れの選手と一緒に過ごしていることは、まだ実感がないときもあります。一緒に食事をしていたりしても、「本当に亜由子さんと話しているんだよね?」と思ったり(笑)。
先輩方はすごく優しく、走りについてアドバイスしてくださったり、一緒に走っていただけるので、そういう面で刺激をもらって、私ももっと頑張ろう!と思います。

Q:同期の選手とは、どんな関係なのでしょう?

A:普段からよく話しをしています!一番多いのは練習メニューの話ですが、それ以外にも週末に何しようとか。一緒に出かけてご飯を食べたり、洋服を見たり、東京を探索することもあります。オンオフのメリハリをつけて、楽しく過ごしています。

Q:廣中さんにとってオリンピックはどんな存在ですか?

A:高校の時に初めて世界大会を経験させてもらってから、少しずつ「世界大会っていいな」「また出たいな」と思うようになってきました。それまでも全く意識していなかったわけではないけれど、自分には手の届かないものだと思っていたので。一度出場したことによって、少しずつリアリティを持って想像できるようになってきました。
実業団に入ってからも「私は世界で戦うんだ」と思って競技に取り組んでいます。世界大会にはどんどんチャレンジして、自分に足りないものを知る経験を積んでいけたらいいなと思っています。
その中でもオリンピックとなると、今までの世界大会とはまた違う盛大なイベントという印象もあり、日本で開催される機会はなかなかないので、これまでお世話になった方々に走る姿を観てもらいたいです。そのためにはまだまだ弱い部分がたくさんあるので、世界に通用する走りをするための体作りからやっていかなくてはと思います。

Q:2019年12月の大会でオリンピック参加標準記録を突破して東京2020オリンピックがぐっと近づいた時、どんなことを思いましたか?

A:自分としても、タイムが切れたときはすごく嬉しかったです。それと同時に、ここまでタイムを出せたなら、東京2020オリンピックに必ず行きたいと思うようになりました。1年延期になってもやるべき事は一緒なので、また1年かけて準備を行い、来年のシーズンに良い状態で臨めるように準備していきます。そして日本代表を決める大会でしっかりと結果を出して、代表内定を確定させたいと思います。
さらに東京2020オリンピックに出場できたときには、予選を通過して必ず決勝に進みたいです。大きな関門ではありますが、せっかくオリンピックに出場したのに予選敗退するのはやっぱり悔しい。決勝に進んでしっかり最後までテレビ中継に映って、いいポジションを取って、「JAPAN!」って世界中にアピールしたいです!

Q:過去のオリンピックで印象に残っている大会や、選手のエピソードはありますか?

A:リオ2016大会ですね。鈴木亜由子選手が怪我の中、レースを5,000mの一本に絞る選択をされて、日本代表として最後まで走り切られたことは本当にすごいことだと思います。決意も必要だったと思うし、最後まで自分の走りを見せたということで印象的でした。
それから、上原美幸選手も印象的でした。外国選手とのスピードやスタミナの差がある中でも予選で最初から積極的に攻めていき、集団に巻き込まれてもそこから粘りの走りを見せていて。構えがちな世界大会という舞台であのような攻めた走りができるということがすごいなと感じました。私も、世界の舞台で積極的に攻めていきたいと思っています。

Q:国内大会と世界大会の違いはどのようなところに感じますか?

A:高校時代に出場したのは1,500mで距離の短い種目だったのですが、その時は海外選手のスピード感から体つき等、何もかもが国内大会とは全く違った印象を受けました。海外の選手は、序盤はあえてゆったりとスピードを落とし余裕を持たせて入り、ラストで一気に上げる。そのスピード感にまだ対応できていないと実感し、それまで経験の無いスピードに足がもつれるかと思いました。そんな風に感じたのは初めてでした。
この経験を得られたからこそ、世界と戦うためにスピードを磨くことはもちろんのこと、ラストまでにどれだけ余裕持って走れるかっていうことも大事なのだと学ぶことができました。世界を舞台に、どんな戦い方ができるのだろう?と「次」を具体的に想像するステージに上がれました。またあの場に行きたい、行かなくてはと思います。

Q:5,000m種目を楽しむための注目ポイントを教えてください。

A:一般的なレース展開としては、3,000mまでは集団を維持し、ラスト2,000mが勝負どころだと思っています。だから、3,000m地点からのラスト2,000mに注目すると面白いのではないでしょうか。駆け引きが徐々に始まって、ラスト1,000mにつなげていくという流れが出来ていく所なので。

Q:レース中苦しいと感じた時はどんなことを考えているんですか?

A:「この人には絶対に着いて行こう」、「絶対自分が1位になってやる!」等、闘争心を燃やしています。

Q:どうしてもつらい時はどうやって気持ちを切り替えますか?

A:きつい時は「これが終われば笑顔になれるかな?」ということを考えていますね。(結果が出ず)悔し涙で終わって、そこからまた勉強して這い上がって強くなるのもいいんですけど、やっぱり一番良いのは(結果が出て)笑って終われることだと思います。これが終わって、「みんなで笑い合えたらいいだろうなあ!」と考えると、頑張れますね。

Q:普段、どのように応援されるとうれしいですか?応援って聞こえていますか?

A:もちろん聞こえています!私は結構、檄(げき)を飛ばしてもらえると嬉しいです。
「璃梨佳、行けーっ!」という感じで言われるのもうれしいですし、「ここから切り替えろー!」とか、背中を押してくれるような言葉が刺さります。「行くぞー」ってなります。試合の時には毎回両親が来てくれるのですが、父には「自分の背中を(ほかの選手に)見せつけてやれ!」っていうような言葉をかけてもらって。「うおー!」ってなります(笑)。具体的な言葉がうれしいですね。

Q:応援してくださる方へメッセージをお願いします!

A:駅伝やトラックレースなど、自分たちが競技に集中して取り組めるのはいろんな人の応援や支えがあってこそ。沢山の人に応援していただいて、背中を押してもらいながら走れていることに感謝しています。
これからも、私自身まだまだ弱い部分や、初めての高地トレーニングにも挑戦していって、自分磨きをしながら成長していきたいなって思っています。
これからも、沢山の人に応援されるような、また、勇気と感動を走りでお届けできる選手になれるように頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。