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日本郵政

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2013年6月20日 木曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

2013年6月20日 木曜日 日本郵政株式会社 社長会見の内容

発表日:2013年7月5日

【社長】
本日はお集まりいただき、ありがとうございます。西室でございます。つい先ほど総務省から帰ってきたばかりですが、本日付で日本郵政株式会社の社長に就任いたしました。昨年5月9日から郵政民営化委員会の委員長を務めておりましたので、これまでも、郵政グループとかかわってきました。しかし、これからは、外のほうから見るのではなく、経営者として、グループ全体のかじ取りを担うことになり、大変な重責だと思っております。本日は就任に当たりまして、私から少し申し上げたいと思います。
まず第1点目。あらためて申し上げるまでもないことですが、郵政事業は、長い歴史と伝統があり、そして、2万4,000の郵便局のネットワークをベースに、郵便、貯金、保険という3つの事業を全国あまねく展開し、かつ、また、地域の活性化にも大きく貢献し、国民生活に与える影響も極めて大きいと認識しております。
また、正規社員、非正規社員、合わせて40万人を超えるという日本有数の巨大企業グループでして、多くの関係者がいらっしゃいます。ステークホルダーが、ほんとうに多くいらっしゃるということです。
経営的には、もう既に発表されていますが、昨年度の当期純利益が5,627億円という、予想よりも、はるかに大きな数字の決算となりました。これは、今までの経営者の方々、社員のご努力、そしてその上に、郵便局を活用してくださっている皆様方のご協力によるものですが、見かけ上は大変優良な会社であると言ってもいいと思います。ただし、これから先の経営を取り巻く環境は、かなり厳しいものがあるというのも事実です。具体的に言えば、郵便物数が、減少の一途をたどっています。これは全世界的に同様です。それから、ゆうちょ残高は、一応、下げ止まりと言ってよいのではないでしょうか。相当急速に縮小してきたのが、一応、下げ止まったと言ってよい状態になったということです。そして、かんぽ生命につきましては、保有契約件数が明らかに減少しております。したがって、先日発表しました今年度の業績予想も、来年の3月期に締めてみれば、もう少し低い数字になると予想されていまして、私もそのとおりだと思います。
率直に申し上げて、上場を念頭に置くと、非常に厳しい状況に置かれていますので、かじ取りが大変難しいと認識しております。郵政グループ全体を市場で自立させる。それが民営化ということです。国民生活、あるいは日本経済全体に与える影響も非常に大きいと思っています。私としては、国のために、微力ながら、何かの貢献ができると考えております。郵政の皆様方と一緒になって、国のための貢献ということを念頭に置いてやっていきたいと思っております。
2点目に経営の基本的なスタンスについて、申し上げますと、一番大切なのは、多分、スピード感というよりは、スピードそのものだろうと思います。これから厳しい経営環境を乗り切って、しかも、株式の上場が、我々に課せられたマンデートですから、これを達成するためには、グループの意思決定を機動的に、かつ迅速に行うこと。スピード感を持ってというよりは、スピードを上げて経営を進めていく必要があります。民営化の1つのゴールとして、株式上場という目標に向かってスピードを持って実現していくべきことがたくさんあると思います。
そして、スピード感の次に大事なのは、コンティニュイティーとコミュニケーションと言っていいと思いますけれども、事業を支えている社員の皆さんとのコミュニケーション、これを大切にすること。そして、郵便局をはじめとした現場、いわゆるフロントラインで営業活動を行っている皆さん方と十分な意思疎通、意見交換を行って、郵政事業を一層深く理解し、私自身がこれまで培ってきた経験をグループ経営に最大限生かしていきたいと考えております。
それから、もう1つ挙げておけば、郵政事業が果たしてきた従来からの役割に鑑みて、民間事業として収益性向上の追求というのは当然のことだと思います。上場についても同じです。そういう考えと同時に、我々に求められているのは、地域性であり公共性であり、それを十分に発揮し、国民の皆様のために役立つ企業体でなければならないということです。長い歴史の中で築き上げてきた郵政ブランドというものを、もう一度、皆さんにもっと親しまれる、もっと役に立つと思われるブランドとして活性化し、民営化を推進し、そして、役割を果たしていく必要があると思います。
更にもう1つ、経営体制について少し付言させていただきたいと思います。このたび、新しく経営体制を刷新いたしました。経営体制と今申し上げているのは、トップマネジメントの構造、それをどうするかという、いわばコーポレートガバナンスに関連する部分ですが、これについては、徹底的に手を入れたつもりです。これは、郵政の今までやってきたこと、そのコンティニュイティーを大事にする上でも、非効率というのは少し言い過ぎかもしれませんけれども、トップヘビーな経営陣というものを抱えないで、もっと実際に機動できるような経営スタイルというものを導入すべきだと思っています。
今日、坂社長から引き継いだわけですが、正直言って、前の体制の皆様方に不満があるということでは、ありません。ここまで郵政の体制を前向きに進めて、そして、今、中期計画の策定も最後の段階に入っていますが、それらを積み上げてこられた、その努力については感謝し、そしてまた、それらを上手に引き継いでいきたいと考えております。先ほども申し上げましたけれども、経営にとって大事なことは、サステーナビリティー、あるいは継続性ということだと思います。経営の方向づけについて抜本的に変えるのではなく、この度変えたのは、トップマネジメントのガバナンス体制、これをきちんと変える必要があるだろうと、私自身が、仕事をお引き受けするときに思い、それを実施させていただいたということです。
いろいろ誤解があるようですが、従来から郵政のマネジメント体制あるいはガバナンス体制というのは、委員会設置会社という形態をとっていて、しかも、取締役の方の任期は1年になっています。今回、それが一斉に変わったから、何か大きな地殻変動が起きたのではないかということではなく、その上の上部構造だけが変わり、中に脈々として発展している、そして努力を積み上げてきた郵政本体についての構造は全く変わっていない。それを大事にしていきたいということです。
一応、冒頭申し上げようと思ったことは以上ですが、改めて認識しなければいけないのは、我々に与えられたマンデートのうち、特に経営陣に対しては、やはり株式の上場が民営化の1つのゴールに近づくことですので、それに向かってどれだけスピードを上げて、体制を築き上げていくことができるのかということだと思っています。
【記者】
幹事社です。本日はおめでとうございます。
2つあるのですが、1つは、今、おっしゃられたように、株式の上場が当面の最も大きな課題だと思うのですが、上場に向けてどのように取り組まれていくのかお願いします。
もう1つは、先の決算発表では、日本郵政グループとして、民営化以降、最高益を出されましたけれども、一方で来期の見通しが厳しい中で、どのような成長戦略を描かれていくのか、この2つをお願いします。
【社長】
非常に難しいご質問だと思います。実は、上場に向けて、今までやってきたことについて、私自身、まだしっかり把握しておりません。ただ、就任前に、上場アドバイザーの証券会社、それと、社内の方々から簡単にヒアリングした範囲では、抜本的に上場に向けた体制を組み直さないといけないだろうと思います。そして、それに向かってスピードを上げる。多分、7月、8月ぐらいまで、その体制の組みかえに向けたマインドセットの切りかえを行うことも含めて考えると、上場体制について、今、申し上げるのはすごく難しい、というより今はできません。今からもう1度、抜本的な勉強のし直しを私自身もし、また、郵政自体もしなければいけないという認識でおります。
それから、もう1つの、これから先の成長事業をどうするかという話ですけれども、成長事業の問題と、それからもう1つは、損益的に重しになっている事業をどうするかという問題と、両方あると思いますが、それについては、それぞれの部分で中期計画、あるいは2021年に向けた、150年目の姿を去年の10月に発表しました。あの中身に書いてあることは、非常にいいことがたくさん書いてあるし、反対することは、ほとんどありません。しかし、それを実現する方法について、具体的にかみ砕いて、スピードを上げていくというのは、やはりもう一度手直しをする必要があるのかもしれません。基本的には、コンティニュイティーを大事にする、もっとスピードを上げていろんなことを実施していくということですが、具体的な事業について、今、申し上げるのは、少し、正直言って早過ぎるような気がいたしますので、この程度にさせていただきたいと思います。
【記者】
今の上場のお話に関連して1点確認なのですが、これまでの経営体制、あるいはこれまでの政権のもとでは、上場の目標、目処を今から2年後というようなことを言っていたわけですけれども、その目標時期について、これから何か変更するというようなお考えはありますでしょうか。
【社長】
現状においては、2015年の秋口という話になっていたと理解しております。それを実現する体制ができていないということも、事実だと思いますので、2015年秋というお約束を前倒ししてもできるぐらいのスピードで上場に対する体制というのは、これから約1年、来年の7月までですか、それくらいの期間にやり直さなければいけないと思っています。
つまり、期限を延ばす気は全くありません。むしろ、できれば前倒ししたい。ただし、それを実現するプロセスについて自信が持てないので、しっかりとしたプロセスの組み替えをやらざるを得ないと思っています。
【記者】
それに関してもう1点。民営化委員会委員長のときにも、日本郵政グループの金融2社の新規事業については、委員長というお立場で見てこられたと思うのですが、やはり上場に向けては、新規事業がどうなるかという点が非常に大きなポイントだと思うのですが、その辺、委員長から経営のトップというお立場になられて、この新規事業、少し暗礁に乗り上げているわけですが、これをどのように進めていくか、この点、どうお考えでしょうか。
【社長】
確かにおっしゃるとおりで、郵政から出てきた申請に対して、民営化委員会から、一部修正して、ぜひともこれで行ってほしいという意見を出しましたのは昨年の11月と12月ですから。
保険について申し上げれば、学資保険の改定をやる前に、確か8項目の認可条件が所管官庁から出ました。まじめにそれに対応し、しかも金融庁の方も、それをしっかりと受け止めて検討しているというプロセスに現在あって、特に問題は、支払いその他の処理について、しっかりとした体制を組むのと同時に実行もしろと、こういうお話をいただいて、これは予定どおりに進行しております。ですから、学資保険については、私は、遅くとも年内には一応の結論が出て、前向きに動き出すことができるだろうと期待もしていますし、これから先、金融庁にも、それについてしっかりお願いしたいと思っています。
それから、もう1つの、ゆうちょ銀行の新規業務については、民営化委員会としては、郵政のもともとの申請を少し修正しないとまずいのではないかということで、一部修正した意見を提出しており、これも同時に金融庁と、それから総務省、中心は金融庁ですけれど、そこで検討しているというプロセスに入っています。これは、問題がどういう方向にいくかというのは、TPPへの参加と密接に関連する事項でもありますので、今、私がここでどうなるという予測をすることが、難しい状況にあると認識しています。ただ、社長になった立場でいえば、なるべく早く、何はともあれ、もう少し新規事業をやらせてほしい、そういうものを練習しないと上場した後の成長の絵も描けませんと、言い続けざるを得ないと思っています。
【記者】
今のお話と少し関連するのですが、TPPと新規業務の関連の中で、かんぽ生命の学資保険とゆうちょ銀行のローン業務に関しては、分けて認識されているというお考えでよろしいでしょうか。
【社長】
おっしゃるとおりです。かんぽ生命の学資保険の話というのは、それなりに独立したイシューとして扱うことについての基本的な了解をアメリカ側からも得ているというふうに私は理解しています。
【記者】
それに関連してもう一つなんですけど、民営化委員会委員長だった時代に、かんぽの単品医療とがん保険については、提案があっても、ちょっと審議が終わらないから難しいだろうという見通しを述べていたと思いますが、社長に就任されて、その辺の新商品についてのお考えを改めて伺いたいのですが。
【社長】
全体的に申し上げると、まず、民営化委員会委員長の辞表は出したのですが、まだ受け付けてもらっていないので、物理的にいうと、現状は委員長の職務が継続した中で社長になったという今の状態、そろそろ次の後任の方が決まる、後任の方というか、新しい委員の方が決まるということになると理解はしていますけれども、そういう状況だというのはご理解いただきたいと思います。
それで、今のかんぽ生命の学資保険以外の部分について、特に一番センシティブだと言われているがん保険を中心とした医療保険、この分野につきましては、すぐに日本国政府およびアメリカ政府の理解が得られて、全面的にやり始めるというのは、夢だろうと思います。夢を夢のままにしておかないためには、やはりそれ以外の方法を考える。そういう意味では、その分野について、例えば何らかの形で代行業務をもっと拡充することによって、前線の力をしっかりとつけていって、そしてかんぽ生命と郵便局の現場との間のつながりも、しっかりと強化するという方法も考えられますので、まだ最終的に何も決めたわけではございませんけれども、方向づけとしては、学資保険の話と違うそれ以外の保険については、一つのソリューションであろうと思っています。
【記者】
今回、社外取締役が13人から7人の体制になったと思うのですが、その人数というのをどういうふうに捉えられていらっしゃいますでしょうか。
【社長】
社外取締役については、確かに大幅に減りました。実際に必要なのは、本当にワーカブルな取締役会をつくり、そしてしっかりと社外取締役の方の意見も吸い上げると、それに適した方法にしようと思っています。また、取締役は、全員、任期が1年ですから、皆さんの任期が切れる、そのタイミングでないと入れ替えができませんので、どの方だけを残すという、えこひいきするようなことはやりたくなかったので、一応、全員、退任していただいて、それで新しい目で見て、そして新しい体制を、もう少し機動的に動けるような体制をつくるということでやったわけです。別に前の方がいけないと言っているわけではないのですが、いろいろな方からいろいろなご意見はいただきました。一部の方だけにお辞めいただくという形をとることが果たして平和的なマネジメントの移行にプラスになるかというと、むしろそうではないと判断しましたので、これは私の、この仕事をお受けするに当たっての強い意思で、一応、今の社内取締役を中心にして、全面的な見直しをさせてもらいたいということをお願いして、現在に至ったわけです。そして、きょう発表させていただいたようなメンバーになったわけです。
【記者】
先ほど中期経営計画がもう最終段階に入っていると、おっしゃったと思うのですが、今までのものを見て、何か足りないというか、もっとこうした方がいいと、お感じになる部分はありますでしょうか。
【社長】
現在までのところ、私は民営化委員長として中期経営計画の最終でないところまでは見せていただいていますが、どうしても変えなければいけないという部分は、ないと思っています。あの中に書いてない部分で、それを推進する体制の部分というのは、実は書いてない部分だったのです。それを推進するためには、やはりきちんとした意思が、みんなの方向づけが実現できるようなマネジメントストラクチャー、経営構造をつくっておく必要があるだろうということです。かえってそれを、今つくっている経営計画その他を、皆さんの積み上げたものを、それを実現するのに、上にかぶっている傘が少し大きすぎる点、あるいは破れが見えている点もあるのかもしれませんけれども、そういうところを直すのは、お一人お一人を全部評価し直して、それで個別に、あの方はやめていただく、この方は残っていただくみたいなことをやるよりは、もう一度、その部分だけは、経営計画にも全然入っていない部分ですけれども、会社のコーポレートガバナンスとしては、それを実現するのが一番早い方法であろうという結論になって、それでやらせていただいたということです。
今回、お辞めいただいた方については、決して、今までのやり方が悪かったということを私は一言も言っておりません。新しい経営計画そのものを実現するのに、新しいコーポレートガバナンスの体制をつくったほうが、はるかに効率的だと思ったというだけです。特に坂社長には、今日もお会いしていますけれども、しっかりとこの社長在任期間、いろんなことをやっていただいたということについては、深く感謝しております。
【記者】
公社の時代から日本郵政のトップに立った方は、去り際というのがなかなか難しい状況の中で去っていったわけですが、そういった政治との距離ということで、難しいポジションに立たれたことについて、どのように考えていらっしゃるのかお聞かせください。
あともう一つは、今後、今の政権が日本郵政グループの民営化のベクトルを強めるのではないかという憶測がありますが、それに関してはどう対応なさるおつもりか教えてください。
【社長】
相当難しいご質問ですが、まず、去り際が悪くて去った方が連続していたというのは、客観的にいって、事実です。ですから、今度、坂さんとの間のつながりは、坂さんは確かに在任期間が短くて、しかも、政治的な影響で退任したと言われておりますけれども、坂さんとの交代は、ちゃんと会社法に基づいて、そして委員会設置会社のやり方を全部踏襲して、それでやったわけでありまして、政治の介入というのは、株主としての政治の発言は明らかにありましたけれども、それから先の社長交代のプロセスそのものは、郵政会社としてしっかりとやったつもりです。
それで、これから先、政治のほうがアクセラレートするという感覚がおありになるんだと、私も相当、気を強くするわけですけれども、実際には、私自身は、これをお受けしたときに、8年前に決まった郵政民営化というのが、民営化って英語でいうとprivatizationですよね。privatizationという意味では、一歩も進んでいないというのは事実ですから、これをやはり前へ進めるというのは、私自身に課せられたマンデートだと思っています。
【記者】
先ほど、株式上場時期について、できれば前倒ししたいとおっしゃいましたが、もし、どの程度まで前倒ししたいという目標が念頭にあおりでしたら、それを教えていただきたいです。あと、前倒ししたいと思われる理由について、少しかみ砕いてお話しいただければと思います。
【社長】
前倒ししたいというのは、社内の皆さんに対するメッセージなのですが、現実問題として、今、仮に設定されている2015年の秋口というのは、絶対にそれを延ばすことがあってはいけない期限という認識をしております。今の状況は、15年の秋に上場できるような準備ができ始めているかというと、正直心細い。だから、その点、スピードを持って実現していけるように、皆さんの協力がほしいし、私自身も先頭に立ってやるつもりであるということです。
【記者】
今、上場の準備ができているかというと、いささか心細いというようなお話がありましたが、どのあたりの準備がまだ心もとないのでしょうか。
【社長】
全面的にです。つまり、青写真のつくり方も、実は青写真そのものがあるのかないのかわかりませんけれども、日にちの入ったものがあるのも事実で、それを実現するためには何と何をやらなければいけないかということを具体的に詰めて、進んでいるかというと、それについては心配な点が多い。いろいろな点で、上場するということは、今のような対応をそのまま続けていたら、大変難しいことになりかねないということだと思います。私自身もある程度、上場については証券取引所にもいた関係で、相当に、いろいろな意味での認識はあるつもりですけれども、大会社であって、しかも上場するという非常に珍しいケースですので、どうやってそれを実現していくかという観点に立っての検討と準備というのは、なかなかできていないと言わざるを得ないと思います。
【記者】
本日就任したばかりで聞くのも忍びないのですが、スピード感を持って、これから取り組まれるということですが、西室さんは、絶えず、自分は高齢だというお話をされるのですが。
【社長】
絶えずではなく、皆さんがそう言っているので、また、現実にそうですから、仕方ありません。
【記者】
何年ぐらいトップを続けていこうかというお考えはあるのでしょうか。
【社長】
お答えするのが難しい質問です。人間には寿命がありますから。ただ、私自身、寿命の続く限りは、人生の最後の奉仕だと思っていますので、しっかりとやり続けるつもりです。
【記者】
傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命の運用資産についてお伺いしたいと思います。両社合わせると、大体200兆円ぐらい国債を保有なさっていると思うのですが、4月の黒田緩和から少し国債マーケットが荒れておりまして、今後この2社の資産運用の方針としては、以前おっしゃっていたような、国債から多様化を図った資産運用という方針で、今もお変わりないでしょうか。また、今のマーケットについてどう思われるかコメントをいただければと思います。
【社長】
相当にセンシティブなご質問です。JGBの保有金額が、ゆうちょとかんぽを合わせて現状でほぼ200兆円あるというのはそのとおりです。JGBの保有高からいうと、日銀に続くパーセンテージを持っている会社ですから、その会社の責任者の立場として申し上げれば、現状については、急激にそれを大きくする、少なくするということも含めて、現状ではコメントすべきではないと思います。ただでさえ、それはフラクチュエイトし始めているJGBマーケットそのものに対して、気軽に言った話が、それこそどういうふうにとられるかわからない。それくらいセンシティブなイシューになりつつあるし、センシティブだと言わざるを得ないぐらいの国債の保有額だと思っています。ですから、これについては、総理大臣も似たようなことをおっしゃっていましたが、コメントはできないと言ったほうが正しいと思います。ですから、これから先も、その種の質問については、多分同じ答えをせざるを得ないと思います。
【記者】
これまでの質問にもありましたが、中期経営計画については、今作成段階だと思うのですが、作成段階のものを、さらに西室新社長のもとでつくるのでしょうか。
【社長】
いや、もうほとんどでき上がっていることは、十分承知しています。私はそのでき上がっているものについて、私の今の立場ではまだ修正する点が見つかっていません。多分、見つからないと思います。中期経営計画というのは、そのときのみんなの衆知を集めてつくるもので、それは私はよくできていると思っています。ですから、発表するタイミングが私が就任してからになるだけの話で、これは年に1回は見直す話でもありますし、現在でき上がっているものに、大幅に手を入れるとか、そういうつもりは正直言って全くありません。むしろ、大事なのは、この会社がきちんとコンティニューティーがある会社だということ。継続性というのはとても大事です。継続性を無駄にして、あえて大きな変化を求めるということをやるつもりは全くありません。
【記者】
TPPに関連して、かんぽの問題、ゆうちょの新規事業の問題等で、アメリカから懸念の声が上がって1年近くになっているわけですが、西室さんのこれまでのご経歴からして、日米の財界との関係において、非常に重要な役割を担ってこられたと思うのですが、アメリカとのパイプというのをゆうちょの新規事業、あるいはTPP問題の前進というようなことに生かすお考えはありますでしょうか。
【社長】
パイプというのは、有効なパイプだったら、パイプがどこにあるか言わないほうがいいと思います。それで、今のご質問にあえてお答えするとすれば、私の今までの経験、経歴からいって、いろいろな方を存じ上げていますし、新しくお願いするにしても、どこに行けばいいかということについての知識は多いほうだと思いますから、それはフルに活用したいと思います。パイプがどこにあるかはちょっとお答えしにくいということです。
【記者】
経営の最大の課題は上場だと思うのですが、持株会社ではなくて、改正郵政民営化法で時期が示されていない金融2社の取り扱いについては、米国や民間金融機関が関心を示しているところだと思いますが、これに対する今のお考えを教えてください。
【社長】
今の考えは、実は全く決まっておりません。金融2社も含めて考えなければいけないイシューだと思います。ただ、1つ申し上げておかなければいけないのは、持株会社だけを上場するということをやった場合、一番安易な方法は、金融2社は当分上場しませんので塊として評価してください、そのままで市場に出します、というのが、一番イージーなやり方なのですが、そういう方法をとっていいのかいうことから、いろいろなこれから先の方針というのが変わってくるように思いますけれども、まだ正直言って、どういうストラテジーがあって、どうやるかということについては決まっておりません。
【記者】
先ほど、重しになっている事業というお話があったのですが、かんぽの宿と病院の今後の扱いについて、どういうお考えか教えてください。
もう1点。何度か体制の見直しが必要というお話がありましたが、上場に向けてトップの部分についてはお話があったのですが、現場に関しては、推進に向けた体制で今欠けているものとか、新たにつくっていく必要があるものは、ありますでしょうか。
【社長】
かんぽの宿と病院について、まだコメントするのは早過ぎるような気がしますけれども、昨年の4月に株式売却凍結法がなくなりましたから、その後の状況という中で見直しを始めているのは事実です。
それで、かんぽの宿にしろ、病院にしろ、個別具体的にそれぞれのケースについてアドレスしていかないと、社会的な影響が非常に大きいですので、それをしっかりと意識しながら、全体をどういうふうにしたらよくなるかと。今あるものは全部抱えなければいけないとも思っていません。それから、今あるものは赤字だから全部やめてしまえとも思っていません。その間に社会への貢献ということも考え、地域の事情も考えて、何がそれぞれの地域でのベストソリューションかということをあわせて考えながら、個別に1つずつやっていかなければいけない段階に入っているという認識です。
それから、現場というか、フロントラインでの社員について、今、上場についての努力が足りないなんていうことは全く言っていません。そんなことを考えているのではなくて、それよりは上場するということについての社内の体制と仕組みと、そのスピード感、そういうものをしっかりとやり直しておかないと、今言っているタイミングで上場できないことになりかねない。私が社長をやらせていただいている以上は、決して、今公表しているタイミングより遅らせるようなことはあってはいけないと思って、一生懸命やるつもりです。
【記者】
かんぽの宿と病院について、1つずつ丁寧に見ていかなければいけないというのは、かんぽの宿と病院という意味での一つ一つなのか、それとも宿の中でも、この立地で、ここの地域だからこういう使い道があるとか、そういったことでしょうか。
【社長】
そうです。これはカテゴライズして、病院全体でいえば、14ある病院全てが黒字になっているところがない。それで、しかもトータルでの赤字が50億ちょっとというのが、ここ何年も続いているわけです。
それで、病院の業界の経営のお話を申し上げれば、その間によくなっているところはたくさんあります。診療報酬の改定、薬価の改定その他もここのところ続けて二度ばかり、病院側に有利になるようなものがありました。
それで、明らかに良くなっている病院及び、病院グループというのがある中で、どうして取り残されているんだろうという本質的な疑問はあります。これは社会性、あるいは地域性を考えたら、個別のケースでしっかりと見て、そこで最適な方法を病院に携わっている方々とも、周りの地域の方々とも一緒に考えるということをしない限り、どうにもならないような気がするので、個別具体的にやっていかざるを得ない。
かんぽの宿も同じです。かんぽの宿の方は、儲かり始めているところもあります。しかし、それだけでいいのかというと、それだけではありません。それから、どうしても、どうやっても儲からないというところもあるように聞いておりますので、それも具体的に地域性を考えてやっていくという細かい心配りをしながらの対応が求められているのだろうと思います。
【記者】
これまでも、民営化委員長としての会見でもおっしゃっていましたが、政府から言われて、断っておられたというような話もありましたが、どういう経緯で政府から言われて、その後、なぜ受け入れという判断に至ったのかということを教えていただけますか。あともう1点、民営化委員長については辞表を提出されているというお話でしたが、そのほか、東芝の相談役であるとか、いろいろな役職を持っていらっしゃったと思いますが、これを機に何か整理されたのかどうか、お願いします。
【社長】
この前も民営化委員会で、民営化委員長になるのを断ったとか逃げ回ったとかいう話をしました。それで、今度の社長の話については、正直言って、どこからどういう話があったかを具体的に申し上げるわけにはいかないのですが、私は今なお、坂社長のもとで進んできた方向というのは正しいし、そのままやった方がいいのではないですかということを政府に対して言っていた立場だったというのが事実です。
ただ、政府としては、民営化そのものが大目的に対して遅れている、それをもっとアクセラレートしないといけないということも含めて、坂さんも含めた他の方々にも代わっていただきたいみたいなお話がありました。それでいろいろ考えると西室さんしかいないというお話が最終的には来たので、いろいろな意味において反対のお話はしました。
例えば、皆様方からもご指摘されている年齢の問題もありますし、また、家族も決してサポーティブであるはずはないです。それから、現在兼務している、兼務しているというよりは責任をそれぞれ持ちながらやっている役職というのがいろいろあります。私はそれぞれについて、責任がありますから、フルタイムではないけれども責任を持っている、そういうものがこれだけあったら受けられるはずがないというリストを提出いたしました。
それで、それについては、現在のものをやめてくれというのは一切言わないから、まず受けてくれというお話でしたので、これから先、整理のほうは考えざるを得ないと思います。現状では、やっている仕事というのは、1年のうち何時間という程度の組織もありますし、全く名前だけというものもありますから、名前だけのものは全部おろさせてもらうことになりますけれども、それ以外のところについては、個別にお話を続けざるを得ないと思っています。
【記者】
金融2社の新規事業に関して、先ほど、かんぽ生命の学資保険については、年内には一定の結論が出るのではないかというようなお話があったかと思います。
一方で、ゆうちょ銀行の住宅ローンですとか、大企業向け貸し付けのスケジュールについて感触はおありでしょうか。
【社長】
正直言って、まだ感触がつかめていません。正式に社長になりましたので、これから金融庁さんとももう1回話をしたり、それからあえて言えば、日本とアメリカとの間の政治交渉の問題もあるので、それをしっかり踏まえていかなければいけないので、現状はわかりません。
【記者】
学資よりは後になるというような感じでしょうか。
【社長】
それも含めてわかりません。
【記者】
郵便局ネットワークの将来像に関して、今の時点でどのように考えていらっしゃるのか、それだけお願いします。
【社長】
郵政のネットワークというのは郵政会社の一番基本的な財産だと思います。ですから、この基本的財産を毀損するようなことは絶対にやる気はありません。それは大事にしながら、また、それが全体で国民のためにもなり、実際に従事している人たちが生き生きと働けるような職場をつくること、これは常に追い求めていかなければ郵政ではなくなってしまうと思っています。
ですから、ネットワークとおっしゃったときに、どういう範囲の話をしておられるのかと思いましたが、少なくとも郵政ネットワークというものは非常に大事な資産であり、財産であり、それをあえて毀損するようなことはしたくはないし、むしろそこで働いている社員が希望を持って生き生きと働けるような環境をつくるのが、郵政会社、郵便会社としての責務だと思います。
【社長】
質問が終わるまで全部受けると言っていたのですが、実は次の予定がありますので、ここで失礼します。
これから先の会見をどのようにするかその他についても、記者クラブとも相談しなければいけない話ですので、それはまた追ってご相談の上、やっていきたいと思います。
先ほどの一番最初のスピーチの中で、少し言い足りなかったこととして透明性の問題もあると思います。何かモワッとしてよくわからない会社だねという印象を持たれている方が多いので、できる限りいろいろなことがわかるような会社に、外から見てもわかる、中の人が見てもわかる会社にしていかないと、公開会社にはなり得ないと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
今日はこれで失礼します。どうもありがとうございました。
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